概要・あらすじ
女子高生の小早川志緒は、依頼者の要望に応じて現実世界で役を演じる「プライベート・アクトレス」のアルバイトをしていた。天才的と言われる演技の才能を持つ小早川志緒は、中学生から40代までの幅広い年代の人間を演じ分けつつ、様々な人生やドラマに巻き込まれ、「演じる」ということを通じて依頼人や周囲の人間に影響を与えていく。
登場人物・キャラクター
小早川 志緒 (こばやかわ しお)
通常は女子高校生として暮らしているが、依頼人の要望に応じて様々な人物を演じる。大女優永沢さゆりの一人娘。演技の才能は周囲に天才的と言わしめているが、本人は母親である女優永沢さゆりのイメージに傷が付くのを恐れ、女優になることは考えていない。誰もが賞賛する美貌の持ち主だが、本人はあまりそのことには頓着しておらず、逆に外見から来る周囲の先入観を押しつけられることを嫌う。 頭の回転もよく、記憶力も抜群によいが、口調や言動はやや粗雑であり、「美人」というレッテルに縛られないように行動していることが多い。
永沢 さゆり (ながさわ さゆり)
清純派の独身女優として世間に知られているが、過去に既婚であった緒方正和と不倫関係を持ち、小早川志緒を出産した。しかし、誰にもそのことは話さず隠しているため、小早川志緒が永沢さゆりの娘だと言うことはごく一部の人間にしか知られていない。
羽村 知臣 (はむら ともおみ)
小早川志緒がアルバイトをしている「(株)日青プロダクション」のライバル会社に所属する男性P.A.。小早川志緒とは、高校同士の交流会で出会い、小早川志緒の母親である永沢さゆりの恋人役を演じる羽村知臣を小早川志緒が見破ったことで知り合う。 小早川志緒の良き理解者であり、P.A.である小早川志緒を知る数少ない人物。後に小早川志緒と恋人同士となる。
緒方 正和 (おがた まさかず)
演劇界の大物俳優として有名だが、若い時から不倫の噂が絶えず、プレイボーイとしても有名。過去に永沢さゆりとの関係を噂されたこともある。小早川志緒の実の父親だが、永沢さゆりが小早川志緒の出生を知らせていないため、緒方正和自身はそのことを知らない。
十文字 花菜 (じゅうもんじ かな)
名門女子中学校・緑葉学院に在籍する。柔和な笑顔を絶やさない緑葉学院一の美少女。演劇部に所属しており、部の中でも演技力は高く、転校してきた小早川志緒の演技力をいち早く見抜き、演劇部に勧誘した。常に取り巻きを連れており人気のある生徒だが、穏やかな物腰と同時に真意を他人に悟らせない底知れなさを秘めており、周囲からは畏怖を抱かれている一面もある。
両堂 沙都香 (りょうどう さとか)
若手人気女優・遠野美咲の付き人をしていたが、彼女の死によって遠野美咲が主演する予定だった映画の主役へ抜擢される。
場所
聖マリア女子校 (せいまりあじょしこう)
小早川志緒が通う高校。お嬢様学校として知られている。
日青プロダクション (にっせいぷろだくしょん)
小早川志緒がアルバイトをしているプロダクション。通常はエキストラへの人材派遣等をしているが、P.A.の派遣も請け負っている。小早川志緒がP.A.のアルバイトをするようになったきっかけは、日青プロの社長にスカウトされたのがきっかけ。
緑葉学院 (りょくようがくいん)
明治時代から続く名門校で、旧華族や財閥の子供が多数在籍していることでも有名。学生寮が完備されており、十文字花菜はこの学校の中等部に在籍しており、依頼によって転校してきた小早川志緒と同室になった。
続編
P.As. (ぷらいべーとあくたーず)
赤石路代の代表作の一つ『P.A.』の続編。前作の連載終了時より十数年後を舞台に、小早川志緒の息子である羽村雅臣と、彼がスカウトした二人の卓越した演技力と推理力を誇るP.A.(プライベート・アクターおよ... 関連ページ:P.As.