亀有公園前派出所に勤務する超破天荒な警察官を主人公にしたギャグコメディ。通称「こち亀」。主人公の「両さん」こと両津勘吉を軸に、同僚たちと巻き起こすドタバタ騒動がコミカルに描かれている。時事ネタや流行を積極的に取り込んだ他、おもちゃや車、ミニタリーといった作者の趣味の世界に関するエピソードが組み込まれていることでも有名だ。1977年の実写映画化をはじめ、1996年から何度もテレビアニメ化され、2009年にはドラマ化。舞台化やゲーム化もされている。
両津は、東京葛飾の亀有公園にある亀有公園前派出所の巡査長。勤務中にギャンブルはする、借金で迷惑を掛ける、銃を発砲してしまう等、多くの問題を起こすトラブルメーカーだ。しかし、人情に厚く親分肌なところもあり、周囲の人々からは慕われている。両津は、同じ派出所に勤務する巡査の中川圭一や女性巡査の秋本・カトリーヌ・麗子らと職務に励みながらも、周囲の人々を騒動に巻き込む日々を送っていく。作者のデビュー作にして長期連載となったため、作風が初期と中終盤ではかなり変化している本作。初期の頃の勘吉は、ギャグタッチではなく、『ゴルゴ13』のような劇画風でより筋肉質に描かれていた。オリンピックから震災にいたるまで時事ネタが幅広く描かれているので、当時の流行や時代背景も堪能できる。
辺境の警察署に左遷された警察官たちがトラブルに巻き込まれながらも奮闘するギャグコメディ。舞台は、警察内のはみ出し者ばかりが送られて来る鱧川警察署の流島分署。安錠春樹は、婦人警官にセクハラしまくったことが原因で流島分署に左遷された警察官だ。流島分室には、他に職員は署長の筒井巻十郎のみ。しかし、新米婦人警官の音無キルコが移転してくる。彼女の教育係となった春樹は、巨乳でスタイル抜群なキルコに邪な下心を抱くが、初対面でいきなり喉元に刃物を付きつけられ危うく殺されそうになる。
キルコの正体は、特殊部隊に所属していた「元傭兵」。左目の眼帯を前髪で覆っている部分を除けば可愛らしいが、一旦バトルスイッチが入ると、超人的な身体能力と傭兵時代から愛用している武器のトンファブレードを操り、相手をボコボコに。全力疾走すればスクーターに追いつけるほどのスピードを持つが、道路のアスファルトは破壊されてしまう。そんな彼女が流島分署に配属されたのは、傭兵時代の思考や習性が抜けず厄介者扱いされたためだった。春樹は超異端児の教育係を任されたことに嘆き、キルコに「適性がない」と厳しい言葉をぶつけるが、彼女は「可愛い制服を着た優しい婦警さんになりたい」と涙を流す。凄まじい戦闘能力を有しながら精神は乙女のキルコと振り回されっぱなしの春樹。チグハグなコンビのやりとりになぜか癒される。
2人の美人警察官の日常を描いたロマンチックアクションコメディ。辻本夏美と小早川美幸は、墨東署交通課に勤務する美人婦警コンビ。夏美は、並外れた体力を持ち、大食漢で喜怒哀楽の激しい直情的。一方の美幸は、車やメカにめっぽう強く冷静沈着な頭脳派だ。2人は些細なトラブルから爆破予告にいたるまで、大小さまざまな事件を解決していく。1996年から3回にわたりテレビアニメ化、1999年に映画化された他、2002年にはテレビドラマ化。
夏美と美幸はパートナーで、所轄内を日々パトロールしている。怪力の夏美は駐車違反の車を見かけると素手で移動させようとするなど、己の能力を仕事に生かしてはいるが、感情の赴くままに破壊した物は数知れない。一方、メカオタクで車の操縦も得意な美幸は、ミニパトで犯人を追跡する際、誰もが驚くような猛スピードで追いかける。2人のサービスショットも魅力的だが、本作の特筆すべき点はリアルさだ。彼女たちが所属する交通課の光景はもちろん、作者の藤島康介がオートバイや車事情に精通しているだけあり、警官の乗るバイクやパトカーなどの車輛の描写やカーアクションシーンも実にリアル。これも作品が長く愛されている理由の一つと言えるだろう。
犯罪者の生け捕りを目的とした特殊部隊「警察庁特殊急襲捜査班(NPS)」に所属する警察官のポリスアクション漫画。主人公の神御蔵一號(かみくらいちご)は元ボクサー。現在は警視庁刑事局捜査第一課NPSに所属する巡査だ。腕っぷしが強く、NPS内では、作戦時に真っ先に現場に突入する「突一」を任されている。彼には、幼い時に目の前で両親を射殺されるという壮絶な過去があった。2014年にテレビドラマ化、2015年に実写映画化。
神御蔵が所属するNPSは、特殊部隊SATが持つ機動力と特殊犯捜査係SITが持つ捜査力を兼ね備えた少数精鋭部隊。SATやSITとの一番の違いは、犯人を生きたまま捕え確保することを絶対視しているところだ。神御蔵は、幼い時に両親を射殺されたトラウマから銃は携行していないが、元ボクサーだけあってとてつもないパンチを放つ。とはいえ、やみくもに殴りかかるわけではない。あくまでも犯人を生きたまま確保するために使われる。一方、腕利きスナイパーのSAT隊員・蘇我伊織(そがいおり)は、凶悪犯に対して「死をもって裁くべき」という考えの持ち主。そのため、神御蔵と対立することもしばしばだが、ぶつかり合いながらも凶悪犯罪に共に立ち向かう。
神出鬼没の大泥棒が個性的な仲間たちと大活躍するアクションコメディ。ルパン三世は、世紀の大怪盗アルセーヌ・ルパンを祖父に持つ、お調子者で女好きな泥棒。凄腕ガンマンの次元大介や、大泥棒の石川五右衛門を先祖に持つ剣客の石川五ェ衛門、セクシーな女盗賊の峰不二子と共に、お宝を狙って世界各地で仕事をしている。何度もテレビアニメ化や映画化されている他、実写映画化や舞台化、ゲーム化など、さまざまにメディアミクスされている。
本作には、ルパン三世逮捕に人生を賭ける熱血警部の銭形幸一が登場する。彼の先祖は、江戸時代に活躍した岡っ引の銭形平次。警視庁に所属しているが、宿敵を捕らえるためならば海を越え世界の果てまで飛んでいく。とはいえ、ルパン一味に騙され、逃げられることも多い。彼の逮捕に囚われすぎるあまり荒唐無稽な失敗をすることも多く、上層部からの評価は今一つだ。しかし、肉体は屈強で格闘技にも優れ、航空機の操縦もできるほど有能な銭形が、ルパン三世をギリギリまで追い詰めることもある。なんとも不思議な関係で結ばれているルパン三世と銭形。2人のコミカルなやりとりも作品人気に一役買っている。