厳格な祖母から抑圧された少女の数奇な運命を描いたサスペンス作品。真面目な女子高生の小沢裕美は祖母から異常なほど厳格にしつけられていた。そのため、恋愛感情すら不真面目だと思い込み、周囲とすれ違う。そんな彼女はある日髪をおろして化粧をした姿で「ユミ」と名乗り、夜の街で遊んでいた。1985年TVドラマ化、2019年ネットドラマ化。
本作の多重人格キャラは主人公の裕美(ひろみ)だ。彼女は幼い頃、鏡に映る自分そっくりな女の子「ユミ」と友だちであった。ユミは裕美と違って祖母の言いなりになるのをおかしいといい、オシャレをしたり自由に生きたいと言う。裕美の母親は男に捨てられ自殺しており、祖母と母親の兄夫婦の元で暮らしていた。母親の件で裕美は祖母から異常なほど厳しく監視され、真面目な生活を強要されているのだ。そんな状況が、裕美の中で「ユミ」という別の人格を形成し、彼女は派手な化粧と服装で夜遊びをするようになる。ユミは裕美の行動を把握しているが、裕美はユミのしたことを一切知らない。やがてユミは自分に敵対する者全てを破滅へと誘うようになっていく。
魔界からやってきた魔族の子どもと天才少年の友情と闘いを描いた物語。天才中学生の高嶺清麿は、その天才性のために周囲から浮き、孤独であった。ある日、清磨の元に幼い魔族の子どもであるガッシュがやってきた。ガッシュは清磨とペアを組み、次期魔界の王を決める闘いに挑むことになる。2003年TVアニメ化、第48回小学館漫画賞受賞。
本作の多重人格キャラは魔物の子どものコルルだ。本作は100人の魔族の子どもが魔界から送り込まれ、人間のパートナーとともに王の座を賭けて闘う物語。魔族の子どもたちはみな不思議な本を所持しており、パートナーとなった人間が本に書かれた呪文を読むことによって魔法が発動する。コルルはガッシュと同じく人間界に送られてきた魔物の子どものひとり。しかしコルル自身は臆病な性格をしており、争うことを望んでいなかった。だが彼女の本によって発動する魔法は、コルルの心身を戦闘用の狂暴なものに変貌させてしまうもの。魔法で無理やり呼び出された凶悪なコルルには、普段の優しい心は全て消えてしまうのだ。彼女との戦いから、ガッシュはコルルのような戦いを望まない者を救える「やさしい王様」になることを誓う。
神やロボット、人工生命体の登場するSF&ファンタジー作品。1986年から断続的に連載中で2013年の連載再開で設定、名称が大幅変更された(本文は旧設定名で記載している)。ジョーカー星団にある五つの惑星では、強大な力を持つロボットとそれを操る騎士、そして騎士をサポートする人工生命体「ファティマ」が存在し、それらが壮大な争いを繰り広げていた。1989年劇場版アニメ化。
本作の多重人格キャラは人工生命体であるファティマのエストだ。ファティマは巨大ロボット「モーターヘッド(MH)」とそれを操る騎士のサポートをするために存在する。このファティマの性能によって、騎士の力は大きく変化することになる。エストはファティマ制作者の中でも高名なモラード博士の作品で、専用のMH「バッシュ・ザ・ブラックナイト」と共に開発された。そのため、彼女は他のファティマと違いバッシュに相応しい騎士をパートナーに選ぶ性質を持っている。パートナーを喪った際、エストは自らの素性を隠し、別人格「バーシャ」としてバッシュに相応しい騎士を捜すことになる。だがバーシャとしての記憶は、エストに戻った際には全て消えてしまうのだった。
鳥山明の代表作。願い事が叶う七つの球を巡る主人公・孫悟空の冒険や闘いを描いた物語。人里離れた山奥で暮らす少年、孫悟空。彼は育て親の形見「ドラゴンボール」を大切にしていた。ある日、悟空は天才科学者であるブルマという少女と出会い、残りのドラゴンボールを集める冒険に出ることに。アニメ、ゲーム他、全世界で多数メディアミックス化。
本作の多重人格キャラは、くしゃみをすると性格が入れ替わるランチという女の子だ。主人公の悟空は強くなるため、クリリンと共に格闘家「亀仙人」の元で修行をすることに。その時、スケベな亀仙人は修行の条件として「ぴちぴちギャル」を連れてくることをふたりに命じる。そして悟空たちが連れてきたのが、亀仙人も認める「ぴちぴちギャル」のランチであった。だが実は、ランチにはある秘密があった。普段のランチは穏やかな性格だが、くしゃみをすると凶悪な性格に変わってしまうのだ。穏やかな時は黒髪だが、凶悪な性格の時は金髪に外見も変化し、銃を乱射して暴れることも。それだけ大暴れしても、元に戻るといっさい記憶が残らないという、なかなかやっかいなキャラクターだ。
『パタリロ!』で知られる魔夜峰央の短編SF&ギャグ漫画集。表題の「やおい君の日常的でない生活」の他、「時の流れに」と2019年に実写映画化された「翔んで埼玉」が収録されている。ある時、とある夫婦の元に流れ星となった赤ん坊が落ちてきた。夫婦は赤ん坊を「ジョナサン」と名付け大切に育てていた。しかしそんな彼には、ある秘密があった。
本作の多重人格キャラは主人公の矢追ジョナサンだ。彼は父がアメリカ人で母が日本人の家族。外見は普通の人間であるが、実はジョナサンは宇宙からやってきた子で、その二年後に矢追夫婦の実子である妹のカレンが誕生する。ふたりが高校生になったある日、カレンの様子がおかしくなる。ジョナサンが心配をして聞き込みをすると、カレンの様子には彼女の友人の父親が関係しているようだった。どうやって妹を説得するか悩むジョナサン。だがその時、ジョナサンの中のもう一人の人物が目覚める。もう一人のジョナサンは、高校生とは思えないほどの頭脳と腕っぷしを持った人物。その力で妹の件を解決するが、もうひとりのジョナサンの時の記憶がないために大きな問題となってしまうのだった。