タイプの異なる兄弟が活躍するミニ四駆漫画。星馬烈(せいば・レツ)と弟の豪(ゴー)は、喧嘩ばかりしている兄弟だが、ミニ四駆という共通の趣味で通じ合っていた。ある日、二人はミニ四駆開発の第一人者である土屋博士と知り合い、新型のミニ四駆であるマシンのセイバーを与えられる。二人はそれぞれ自分の得意とする方向性に進化させ、G・J・C(グレートジャパンカップ)ウィンターレースに出場し、次々と現れるライバルに立ち向かっていく。1996年テレビアニメ化。
ミニ四駆は安価なことが売りでもあるが、改造によってマシンの可能性は無限に広がっている。本作の主人公は、ミニ四駆が大好きな兄弟の烈と豪。二人はマシンに愛情を持ちつつ改造しているが、烈はコーナーをいかにスムーズに回れるかを重視し、豪はスピードを重視している。そのため、レース中に意見がぶつかることも多々あった。だが、開発者の土屋博士からソニックセイバーとマグナムセイバーを譲り受けたことにより、二人は切磋琢磨しあいながら改造の腕をあげていき、自分のマシンとして育てあげていく。また、土屋博士の因縁の相手とも呼べる大神博士や大神学園の生徒たちが敵として登場。G・J・Cレース展開も激化していくようになる。
二人の兄弟の活躍を描いたRC&ミニ四駆漫画。大空風太(おおぞらふうた)は、兄の翔一(しょういち)が小遣いとバイトで貯めたお金で買ったRCアバンテを羨ましく思っていた。それからしばらくして手頃な値段で発売されたミニ四駆のアバンテJr.は、発売と同時に大人気。店舗で売り切れが続出していたが、風太は幸運にも残っていたアバンテJr.を手に入れる。翔一のRCアバンテ&風太のミニ四駆アバンテJr.2種のアバンテを用いて、翔一と風太は数々のレースで活躍するようになる。
本作の主人公は、RCアバンテを操る翔一と、ミニ四駆アバンテJr.を走らせる風太の大空兄弟。アバンテJr.は、歴代のマシンの中でも知名度が高い名車だ。改造によって性能アップを図り、自分好みのマシンへと変えていけることは、ミニ四駆の大きな魅力の一つ。購入した時点では同じマシンでも、その後どのような改造を施したかによってそのマシンの持つ力や魅力は変化していくのだ。風太はその改造スキルが高くセンスに秀で、作中で驚くような改造をやってのける。兄の翔一は誰もが羨むRCアバンテを手に入れたことで妬まれ、走行中に数々の妨害を受けるが、それでもRCアバンテへの情熱は消えない。RCカーとミニ四駆、両方の魅力や面白さが詰まった作品といえるだろう。
ミニ四駆関連のイベントで司会やパーソナリティを務める実在のミニ四ファイターをモデルに描いたミニ四駆漫画。主人公のミニ四ファイターは、ミニ四駆のプロモーションを行い、ミニ四駆の魅力を人に伝えるために日々尽力している人物。誰よりもミニ四駆のことを知り尽くし、速く走らせることができ、ミニ四駆を90秒で組み立てられると自負している。本作にはミニ四駆の組み立て方のコツや改造方法などが掲載されており、ミニ四駆ハウツー本としても楽しめる。
ミニ四駆を製造・販売しているのは日本大手の模型会社であるタミヤ。ミニ四ファイターは、そのタミヤの関係者であり、ミニ四駆のイベントで盛り上げ役として大いに貢献し、子供たちにとって憧れのような存在ともいえる。本作では1995年までミニ四ファイターを務めていた初代をモデルにしている。青の肩パッドとバンダナがトレードマークで、口癖は改造をやり過ぎて失敗した時などに出る台詞「まっ白け!」。作中ではミニ四駆に関する基本知識や豆知識、役立つ改造方法などが、ミニ四ファイターと聞き役の少年とのコントのようなやり取りでユニークにわかりやすく描かれている。製造元の正確な情報が満載で、ミニ四駆初心者や経験がなくても興味がある人にオススメの作品といえるだろう。
作者が属するミニ四駆チームが舞台の、大人のためのミニ四駆漫画。漫画家のハヤシケンタロウはある日、何事も「真剣に全力で遊ぶ」ことをモットーに生きる知り合いのオンダワラから、ミニ四駆の第三次ブームが到来していることを知らされる。オンダワラとミニ四駆好きの担当編集者の両者に巻き込まれる形で、ハヤシは、レースに負けたらミニ四駆漫画を描くというレースに強制参加となり、健闘空しく敗北。ミニ四駆漫画の連載の幕が開いたのだった。
本作のタイトルにもなっている「二ツ星駆動力学研究所」は、オンダワラの会社内に設立されたミニ四駆レーシングチームの名前であり、作中ではこのチームの日常の様子が描かれている。「二ツ星駆動力学研究所」には、常に白衣姿でユニークな改造を施すスルガなど、ミニ四駆愛に満ちた個性豊かな大人たちが集まっている。特にオンダワラはミニ四駆愛が強く、ミニ四駆を「一人F1」とたとえ、エンジニアからドライバーまで一人で行えるミニ四駆の魅力をハヤシに語りだす。大の大人たちがミニ四駆に懸ける情熱は熱く、時には国境を超えてインドネシア人のミニ四駆レーサーも登場。ミニ四駆人気は国内外問わず広まっており、奥深いものであることが伝わってくる。
ミニ四駆第一次ブームを牽引する形となったミニ四駆漫画の金字塔。幼い頃に父親から託されたマシンを心の支えにして生きてきた小学生の少年が、ミニ四駆を通じて仲間と出会い、友情を育んでいく物語。日ノ丸四駆郎(よんくろう)は父親・源駆郎の置き土産である「ブーメランJr.」を大切にしていた。四駆郎はある日、ミニ四駆レースに出場し、戸田弾九郎(タンクロー)とトラブルになる。その仲裁をした男・皇快男児(すめらぎ かいだんじ)との出会いをきっかけに、四駆郎はかけがえのない仲間を得るのだった。1989年テレビアニメ化。
本作で主軸となるチーム「ダッシュ軍団(ダッシュ・ウォリアーズ)」のメンバーは、四駆郎、弾九郎、皇輪子(すめらぎ りんこ)、南進駆郎(しんくろう)、地味頁二(通称パンクロー)の4名。監督を務める男性、皇は謎めいた存在として描かれている。タンクローこと弾九郎は「ミニ四駆の神童」を自称しており、改造スキルが高く、パワータイプのマシンを駆使してチームに貢献している。作中ではミニ四駆を媒体にして気持ちが通じ合い、仲間の輪が広がっていくが、それは現実世界のミニ四駆ユーザーの間でも同じことがいえるだろう。また、次第に熱を帯びていくレース展開に加え、幻のマシンと呼ばれる「地平線(ホライゾン)」の存在や、四駆郎の父親である源駆郎と監督の皇に関わる謎についても明かされていく。