本作の舞台は、ヨーロッパの外れにある火山と氷河の島、アイスランド。オーロラやそびえ立つ山脈、間欠泉など、美しくも過酷な自然が神秘的だ。著者である入江亜季が自身のアイスランドでのドライブ旅行に影響を受けて作った作品で、慧の愛車でアイスランドの観光名所を巡るシーンも登場する。登場人物はさまざまな能力を持っており、慧が三知嵩の周りで起こる不審死の謎に迫っていくというミステリー要素の強い物語だが、ダークな展開と丁寧に描かれたアイスランドの自然が調和し、不思議な魅力を生み出している作品だ。
漫画への没入感は、背景や情景の精緻さが左右すると言っても過言ではない。山の大自然から海外の美術品巡りまで、丁寧な描写に刺激され、旅に出たくてたまらなくなる漫画5作品を紹介する。
出典:KADOKAWA
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アイスランドを舞台に、探偵業を営む日本人少年の活躍を描いた探偵活劇漫画。17歳の御山慧(みやまけい)は、アイスランド在住の祖父のもとで探偵をしている。慧は車や電化製品と会話できる能力を持っている。ある日、日本にいる弟の三知嵩(みちたか)と三知嵩の保護者である叔父夫婦が共に音信不通に。急遽日本に帰国した慧は、叔父夫婦が既に亡くなっていることと、三知嵩が慧を訪ねてアイスランドへ発ったことを知る。
本作の舞台は、ヨーロッパの外れにある火山と氷河の島、アイスランド。オーロラやそびえ立つ山脈、間欠泉など、美しくも過酷な自然が神秘的だ。著者である入江亜季が自身のアイスランドでのドライブ旅行に影響を受けて作った作品で、慧の愛車でアイスランドの観光名所を巡るシーンも登場する。登場人物はさまざまな能力を持っており、慧が三知嵩の周りで起こる不審死の謎に迫っていくというミステリー要素の強い物語だが、ダークな展開と丁寧に描かれたアイスランドの自然が調和し、不思議な魅力を生み出している作品だ。
出典:amazon
ゆるくキャンプを楽しむ女子高校生たちの日常を描いたアウトドア漫画。ひとりでのキャンプを趣味とする女子高校生の志摩リンは、シーズンオフの本栖湖で自宅に帰れなくなり困っていた各務原(かがみはら)なでしこと出会う。リンのおかげで食事にありつけ、夜の富士山を見ることができたなでしこは、キャンプに興味を持つようになるのだった。2018年テレビアニメ化。
本作の主な舞台は山梨県。実在の観光地やキャンプ地がモチーフとなっており、自然豊かな場所でのゆるいキャンプが魅力的に描かれている。なでしこはリンと過ごしたキャンプ場での一夜がきっかけとなって「野外活動サークル」に入る。なでしこたちサークルのメンバーは賑やかでのんびりとした野外活動を行っているが、静かなソロキャンプを好むリンの活動も尊重している。登場人物たちがそれぞれ好きな方法でキャンプを楽しむ姿が微笑ましく、キャンプ経験のない人にも大自然の中でキャンプをしたいと思わせる作品だ。
出典:小学館
アートギャラリーを舞台としたヒューマンドラマ漫画。藤田玲司は贋作専門のアートギャラリー「ギャラリーフェイク」のオーナーを務めている。藤田は元NYメトロポリタン美術館のキュレーターで作品修復に関しても超一流の腕前を持っているが、その裏では闇市場から仕入れた盗品や横流し品を法外な値段で売って儲けている、悪名高い画商でもあった。2005年テレビアニメ化。
藤田が経営するギャラリーフェイクは東京にあるが、藤田は美術品を求めて外国に発つことも多い。それは藤田の美への情熱が人一倍強いことに関係する。美術界の鼻つまみ者とされる藤田だが、美術品はそれを理解できる人の手に渡るのが良いという考えを持っており、法外な金額で贋作を売ることもあれば、驚くような安価で真作を譲ることもある。美術に絡んで、社会問題や推理サスペンスなど、さまざまなエピソードが展開されており、読み進めるごとに藤田の芸術への愛情の深さを感じられる。「美」とは何かを考えさせられると同時に、世界中の芸術に触れる旅へ出たくなる作品だ。
出典:amazon
ひとり登山を楽しむ女性を描いたアウトドアグルメ漫画。27歳会社員の日々野鮎美は、「山ガール」と呼ばれることを嫌う、自称「単独登山女子」。週末になるとひとりで山に登り、山中での食事を楽しんでいる。そんな彼女の登山ライフが一話読み切り型式で描かれている。
山の景色と山中での食事シーンが印象的な本作。おにぎりやインスタントラーメンなどの簡単な食事も、身体を動かした後に大自然の中で食べると普段以上においしく感じられるものだ。そして、雨の日でも山に行くほどの情熱を持つ鮎美の登山食は、昆布締めの塩麹ステーキやオイルサーディン丼、アサリ缶とバターと白ワインの煮込みなど、こだわりを持った料理が多い。手の込んだ料理をおいしそうに食べる鮎美の姿は読む人の食欲を刺激する。山に関する知識も学ぶことができ、未経験者にも登山の魅力が理解できる作品だ。
出典:amazon
好奇心旺盛な女性漫画家による旅エッセイ漫画。丸紅茜や九段そごうをはじめとする総勢15名の女性漫画家が、奥多摩や北海道、屋久島、台湾など、国内外を旅行。雄大な自然を味わう旅からオタク活動まで、各地を実際に歩いて楽しむエピソードが綴られている。
本作の魅力は、旅の面白さが詰め込まれているところにある。ひとり旅で生き物との遭遇を楽しむ「北海道いきもの紀行」や、運動不足の作者による「縄文杉トレッキング」、土方歳三オタクによる「函館タクシーツアー」、動物好きの作者による「神戸どうぶつ王国旅行」など、行き先も目的も異なる作者たちが、知らない土地でトラブルに見舞われながらも目一杯楽しむ様子が生き生きと描かれている。旅先での出来事がそれぞれの目線でリアルに綴られており、読むだけで各地を旅行したような気分になれる作品だ。
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