その「剣」には意志がある！ インテリジェンス・ソードが登場する漫画５選0 Pt.

本作の舞台「ファンタジア」は、かつて勇者や魔王が闘いを繰り広げてきたが、現在はスマホの普及によって異種族での争いが無くなり、かつてないほどの平和な時代を迎えていた。街の外れで暮らしているルカスは、妹のモニカが納屋で何かこそこそしているところを目撃する。彼女は、聖剣ジャスティスフレーバーと名付けた邪剣をそこで飼っていたのだ。飼いたいと駄々をこねられるもそれが危険な剣だと判断したルカスは、モニカが寝ている隙に剣を裏山に埋めたのだが、次の日にはそれは山の精気を吸い尽くし言語を解するようになっていた。剣はかつての記憶を喪っており、邪悪な力を持っているがどこか呑気で、モニカやルカスにもフレンドリー。この邪剣を中心として、様々な騒動が巻き起こる。

国王軍と魔王軍が争いを続ける中、王女にして国王軍第3騎士団団長の姫様と意志を持つ聖剣のエクスは、現在魔王軍に捕らわれている。気丈な性格でどんな苦難にも屈しない姫様に対して行われる「拷問」は、魔王軍がバタートーストやたこ焼きなど食べたり、TVゲームや温泉を楽しんだりする姿を目の前で見せつけられるというもの。庶民的なB級グルメや娯楽には耐性がまったくなく、あっさりと屈してしまう姫様にツッコミを入れるエクスだが、後に「剣の手入れを寸止めする」という「拷問」にあい、エクスも自ら秘密を話してしまうようになるのであった。

本作に登場する意志を持つ剣は、主人公である刃とライバルの鬼丸がそれぞれ手にする「風神剣」と「雷神剣」。それぞれ鍔のところに「風」と「雷」と書かれた玉が入っており、風神と雷神の力が込められている。サムライを目指す刃は、父親と共にジャングルで修業していたため世間知らず。そんな彼は居候先である峰家の娘、さやかの通う学校へと同行し、そこで剣道部に所属する鬼丸と出会うことになる。そんな鬼丸は、ある偶然から「風神剣」という魔剣を手にしてしまう。この剣は元々は風神と雷神が喧嘩をした際に、人間界に落とされたもの。鬼丸は刃への憎しみから剣に取り憑かれてしまい、角の生えた「鬼神」へと変貌してしまう。鬼丸に対抗すべく、刃はもう一つの魔剣である雷神剣を手にするのだった。

冒険者のライオスは、炎竜に捕食され、体内に捕らわれてしまった妹を救出するために急いでダンジョンを踏破しなければならない。しかし、金と食料を失ってしまったライオスたちは、ダンジョン内で自給自足していくことになる。そんなある日、「動く鎧」という魔物に遭遇。戦いの中でライオスの剣は折れてしまうが、彼は「動く鎧」の正体である鎧や武器に寄生する魔物を発見。ライオスはその魔物の寄生する剣を「ケン助」と名付け、新たな武器とする。だがケン助は意志があるため、強敵に遭遇するとひとりでにライオスの手から逃げ出していってしまうのだった。

主人公が世代交代し、様々な舞台やストーリーが描かれる本作において、インテリジェンスソードが出てくるのは第三部「スターダストクルセイダース」である。主人公の空条承太郎は、エジプトに潜伏する宿敵DIOを倒すため、「スタンド」という能力を持つ仲間たちと共に旅に出る。そこでDIOが承太郎たちに放った刺客の一体が、剣に宿ったスタンド「アヌビス神」だ。本来スタンドとは本体である人間が出現させ、操作する形を持った超能力だが、アヌビス神は本体である人間がはるか昔に死亡しており、剣に宿ったスタンドが自ら思考し行動する特殊な存在だった。アヌビス神は剣の持ち手の精神を乗っ取り、どんな素人でもたちまち剣の達人に変えてしまう。その能力を存分に活かして承太郎たちに苦戦を強いるが、最後はナイル川へと沈んでしまい、再起不能となってしまった。