1972年に連載を開始した本作は、1976年にTVアニメ化。その翌年の1977年には、実写映画化を果たしている。映画の内容はほぼ柔道編で、いざ野球を始めようというところで完結するが、特に岩鬼正美役の高品正広(後に高品剛と改名)の演技は岩鬼そのもの。『ドカベン』という漫画のコミカルさを、実写映画でも再現しようとしている。また、明訓高校野球部の監督役を作者の水島新司が演じている。映画と漫画をぜひ見比べてほしい。
TVドラマ化や映画化など、昨今、多くの漫画作品が実写化されている。実写映画を観た後に原作が漫画だったと気づくことがあれば、その逆もしかりだ。今回は、実は実写作品化していた意外な漫画5作品を紹介する。
出典:秋田書店
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多くの野球漫画を手掛けた水島新司の代名詞とも言える高校野球漫画。主人公の山田太郎ことドカベンは、類まれなるセンスを持つキャッチャー。一度は野球をやめ柔道に転向していたものの、中学3年生から野球に復帰する。その後、明訓高校に進学し、「悪球打ち」の岩鬼正美や「秘打」を使う殿馬一人、「小さな巨人」と呼ばれる里中智ら個性豊な仲間とともに甲子園大会の優勝を目指す。
1972年に連載を開始した本作は、1976年にTVアニメ化。その翌年の1977年には、実写映画化を果たしている。映画の内容はほぼ柔道編で、いざ野球を始めようというところで完結するが、特に岩鬼正美役の高品正広(後に高品剛と改名)の演技は岩鬼そのもの。『ドカベン』という漫画のコミカルさを、実写映画でも再現しようとしている。また、明訓高校野球部の監督役を作者の水島新司が演じている。映画と漫画をぜひ見比べてほしい。
出典:集英社
甲子園をめざす星道高校と、試合中の殺人も辞さない外道高校との戦いを描く不条理野球ギャグ漫画。物語の始まりでは、星道高校のケンカ野球戦士が外道高校に挑むはずだった。しかし、当のケンカ野球戦士たちは試合に間に合わず、星道高校野球部の球拾い要員のメガネや校長が決死の覚悟で試合に臨むことに。またその一方で、試合とは無関係なショートギャグが繰り広げられていく。
本作は球場内に地雷が埋められたり、バットなどの直接的な暴力によって試合中に何院も死者が出るというとんでもない野球漫画だ。スプラッタかつナンセンスなギャグがカルト的な人気を呼んだこの作品、なんと実写映画化されている。原作の『地獄甲子園』は、作者の漫☆画太郎作品の他作品と同様に綺麗なオチがつかず、途中で有耶無耶になって終了するのだが、実写映画は漫☆画太郎が脚本協力として参加。漫画では描かれなかった、ちゃんとした結末が描かれている。先に映画を観てから原作の漫画を読むと、お馴染みである投げっぱなしの終わり方に思わず笑ってしまう。
出典:amazon
法外な治療費を請求する無免許の天才外科医ブラック・ジャックを描いた医療漫画。医療漫画の先駆け的存在で、作者の手塚治虫自身も医師免許を持つ。後期の代表作だ。物語は連作シリーズという体で進行し、他の手塚漫画のキャラクターが敵対者や患者として登場する。
言わずとしれた天才無免許外科医のブラック・ジャック。彼の活躍が、1977年に『瞳の中の訪問者』というタイトルで実写映画化されている。本作でブラック・ジャックを演じたのは俳優の宍戸錠。しかし漫画『ブラック・ジャック創作秘話』では、漫画をそのままに再現したメイクが手塚には不評だったと描かれてしまっている。そのためなのか、後に『ブラック・ジャック』の漫画内でピノコがブラック・ジャックに文句を言う際、「先生の宍戸錠!」という台詞を言うというギャグが描かれている。
出典:竹書房
安アパートで暮らす無職の葉山イサオと、彼に尽くす内縁の妻・森田幸江のささやかな毎日を描く4コマ漫画。イサオは幸江のわずかな給料を酒とギャンブルで使い果たし、さらには暴れる毎日。周囲の人々は幸江を心配するが、それでも彼女は幸せそう。そんな2人の現在から過去、そして未来へと至る物語を4コマ漫画でドラマチックに描いていく。
事あるごとにちゃぶ台返しをするヒモの男に、なぜ妻の幸江は幸せを感じ尽くすのか? それは、幸江の過去を紐解いていくことで徐々に読み解けてくる。日本一泣ける4コマ漫画、現代版『夫婦善哉』と呼ばれる隠れた名作だ。そんな本作は2007年に、実写映画化されている。舞台は大阪に変更されているものの、ほぼ正確な実写化がなされており、2人の間にある愛と幸せを描いた漫画の感動を再び味わえる。
出典:小学館
泣き虫な殺し屋イチが所属するグループと、新宿を根城にするヤクザの抗争を描くバイオレンスアクション。新宿にある「ヤクザマンション」に目をつけた謎の老人、通称“ジジイ”は、自身が率いるはぐれ者グループを使って金銭を強奪する。そこから泥沼の死闘と愛憎劇の幕が上がる。
頻発する過剰かつ凄惨な暴力描写が特徴の本作。しかし、究極のサディストである主人公のイチと、究極のマゾヒストヤクザの垣原雅雄との奇妙な関係も描かれ、愛憎劇の側面もある。その内容からカルト的な人気を誇り、2001年に実写映画化されている。映画版の物語やキャラクターは原作とはやや乖離しているものの、映画も漫画も描かれるものは凄惨で壮絶。ブラックコメディ的要素も共通しており、見た人に強い印象を残す。
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