多くの人がキュンとした 2020年実写化恋愛作品特集vol.140 Pt.

息子たちの成績不振で学校に呼び出された境遇の異なる3人は、互いに少しずつ距離を縮めてゆく。それと同時に新たな恋の気配が彼女たちに訪れていた。杏はかつて夫が駆け落ちした女性の元配偶者・斉木巧（さいきたくみ）と再会し恋に落ちる。不倫に苦しむまりを救ったのは、バツ3の人気落語家・今昔亭（こんじゃくてい）丸太郎であった。家庭と仕事の狭間で疲弊する優子の支えになったのは12歳も歳下の部下・赤坂剛（ごう）だ。3人は予想だにしなかった恋の行方に戸惑いながらも溺れ、それぞれの家庭に影を落としてゆく。「母」という役割を背負わされた彼女たちが、恋をきっかけに「女」を取り戻してゆくさまがリアルである。

当初、あみは真夏との結婚を愛のない契約結婚として割り切っていた。しかし真夏は男気に溢れ、浮気した元カレも撃退してくれたことから夫として愛するようになる。真夏もまた、即日結婚を選んだのは病気の母のためであったが、あみの天真爛漫さに徐々に惹かれていく。しかし、ある日会社に出勤したあみは、同僚から噂のNo.1営業マンとして真夏の存在を知らされる。図らずも同じ会社で働いていたことを知った二人は、周囲にバレないよう「秘密の結婚生活」を送ろうと決意するのであった。本作は、お互いの過去の恋愛に嫉妬したり、イベントごとに愛を深めたりと結婚から始まる二人の一筋縄ではいかない恋が描かれている。本当の夫婦として成長する二人を温かい目で見守りたい。

成海にとって宏嵩は、唯一自分の趣味を晒すことのできる友人であった。以前より彼女に好意を持っていた宏嵩は、ゲームの素材集めや同人イベントでの売り子を買って出ることをエサに交際を持ちかける。渡りに船と彼と交際することになった成海だが、恋人としての接し方がわからず微妙な態度を取ってしまう。二人は会社の先輩である小柳花子と樺倉太郎に相談を持ちかけるが、なんと彼女たちもオタク趣味を持つカップルであることが発覚。それをきっかけに四人は行動を共にし、成海と宏嵩の距離も縮まってゆくのであった。成海は腐女子、宏嵩はゲーオタ、花子はコスプレイヤー、樺倉は漫画オタクだ。それぞれの趣味を尊重しながら恋を育てていくさまに、微笑ましい気持ちになるだろう。

二人は一緒に登校したり、初めてのキスを交わしたりと順調に交際を続けていたが、莉乃の身体に少しずつ異変が起こる。最初は物を落とす程度だったが、急に脚に力が入らず倒れてしまうことも。診断の結果、彼女はALS（筋萎縮性側索硬化症）という難病に蝕まれていることが発覚する。身体の自由を奪われていくことに絶望した莉乃は、蓮との別れを決意するが彼や友人たちの支えにより前向きに生きることを決意するのであった。本作のタイトルである「10万分の1」とは、ALSを発症する人の割合である。そんな確率の難病に冒され、死へと向かいながらも思いを貫く莉乃と、彼女を守るべく人生を懸ける蓮の姿に心打たれるだろう。愛に溢れた結末は感涙必至だ。

お金の貸し借りがきっかけで、偶然同じ高校・同じマンションであることがわかった二人は、すっかり親友に。由奈は初恋の王子様そっくりな人と出会ったことを朱里に打ち明けるが、その正体は彼女の義理の弟・山本理央（りお）であった。朱里はイケメンでモテ男の理央との恋路を心配するが、由奈の恋を応援することを決意。少しずつ打ち解けてゆく由奈と理央であったが、彼は朱里への叶わぬ思いを密かに抱えていた。そして朱里もまた、由奈の幼なじみであるサバサバ系男子・乾和臣（いぬいかずおみ）と出会い、意識するようになる。それぞれがベクトルの異なる思いを抱え、一喜一憂しながら自らの本当の気持ちに目覚めていく過程が瑞々しい。奥手だった由奈が恋をきっかけに前を向き、成長する姿に心打たれる作品だ。