艶やかで妖しい遊郭の表と裏!オススメ漫画5選62 Pt.

美しく着飾った花魁を目当てに集まる客で賑わう遊郭は、傍目には華やかに見えるが、その内側の世界まで美しいとは限らない。今回は武家出身の訳あり遊女、タイムスリップしてきたキャストなど、遊郭を舞台に様々な遊女が登場する漫画を紹介しよう。

作成日時:2020-01-29 10:00 執筆者:マンガペディア公式

艶やかで妖しい遊郭の表と裏!オススメ漫画5選

出典:小学館


『青楼オペラ』

『青楼オペラ』

出典:小学館

武家出身の遊女と武家嫌いの男が織り成す、切ない恋愛漫画。住む家を失った武家出身の永倉朱音(あかね)は、家族を殺した仇を捜すために吉原に移り、曙楼(あけぼのろう)にて遊女の見習いとなった。朱音の指南役を受ける条件として、朝明野(あさけの)花魁が出したのは、朱音一人の手腕で客を一人でも店へ連れてくること。上手くいかずに困り果てていたところで謎めいた男と出会うが、その男・近江屋惣右助(おうみやそうすけ)は、この辺りでは有名な高利貸しの若旦那だった。朱音と惣右助は互いに事情を抱えながらも少しずつ惹かれ合っていく。

主人公の朱音は15歳だが、遊郭に売られてくる子たちは更に幼い少女たち。長い年月をかけて少しずつ男女のことを仕込まれ、磨かれていき、花開いていくのが遊女の宿命。15歳からでは遅すぎると内儀(おかみ)から言われてしまうが、朱音は何としてでも吉原一の太夫となって仇を見つけるという目的があった。朱音は曙楼に入って早々に謎めいた色男の惣右助と出会うが、彼もまた幼い頃に姉を失ったことで、胸の内に激しい憎しみを抱いている人物だった。朱音に対して敵意を向けながらも身請けしようとする惣右助の真意がわからず、朱音の気持ちは揺さぶられる。朱音の仇捜しは真実に近付くにつれ周囲をも巻き込んでいき、朱音と惣右助による訳あり同士の二人の複雑な恋愛模様が展開されていく。


『おいらん姐さん』

『おいらん姐さん』

出典:amazon

江戸時代に繁栄した吉原の遊郭を舞台に、禿(かむろ)目線から見た花魁の栄光と悲哀を描いた遊女ロマン漫画。多くの禿たちが働く吉原の大見世(おおみせ)・新嬉楼(しんきろう)で、禿のなみじは地獄大夫と呼ばれる橋立(はしだて)花魁に付いて、毎日厳しくしつけられていた。だが、橋立花魁が厳しく接するのは意地が悪いわけではなく、厳しさは優しさの裏返しであった。そのことに気付いたなみじは、それまで恐れてばかりだった橋立花魁に対して尊敬と親しみを持つようになるのだった。

禿と呼ばれる少女たちは、遊女の卵であり、花魁の雑用係だ。禿たちの多くは、将来は良い人に身請けされることを夢見て生きている。しかし、全ての禿に幸せな出会いが約束されている訳ではないのが現実。橋立花魁がなみじに厳しく接するのは、将来困らぬよう役立つ技術を今からしっかり学んでいって欲しいという彼女なりの思いやりからだった。遊女は男の欲望を受け入れるのが仕事だが、妊娠はご法度。手荒な方法で堕胎させられ、命を落とす遊女もいたというが、橋立花魁には出産経験があり、その過去は謎めいている。また、展開が進むにつれ、なみじの出生にも話が及んでいく。遊女の夢と現実のみならず、当時の民や町の様子もリアルに描かれている。


『吉原のMIRAIさん』

『吉原のMIRAIさん』

出典:集英社

現代に生きる風俗業のキャストが江戸時代の吉原へタイムスリップし、花魁となるSF漫画。風俗店で働いていた未来は、超絶テクニックで人気を誇っていたが、そのことを妬む同僚に薬を盛られ朦朧となる。気付けば現代ではなく江戸時代の吉原へとタイムスリップしており、遊郭に売られた遊女と間違われてしまう。未来は現代へ帰る術を探しながら、持ち前の美貌とテクニックで男たちの心を掴み、江戸時代でもトップの花魁を目指して生きていくこととなる。

本作に登場する主人公の遊女・未来は、元々は現代で風俗嬢として生きていた女性。未来はいきなり江戸時代へとタイムスリップし、驚く間もないままに遊郭で遊女として生きていくことを強いられる。江戸時代では未来の染めた髪やメイクは悪目立ちしたが、未来は無理に江戸時代に染まろうとせず、人気ナンバーワンとして生きてきたプライドを持っていた。未来は現代の男たちを虜にしてきた床技を用いて江戸時代の男たちをも魅了していき、ライバルの遊女らを蹴落とす勢いで売れっ子の遊女へと成長していく。タイムスリップという要素を盛り込んだ異色の遊女漫画であり、普通の遊女漫画では物足りないという人にもオススメの一冊だ。


『おしげりなんし 篭鳥探偵・芙蓉の夜伽噺』

江戸時代の吉原を舞台に謎解き遊女が活躍するミステリー漫画。吉原で人気の見世の開花楼(かいかろう)には、謎解き名人として裏の顔を持つ芙蓉(ふよう)という花魁がいた。だが、芙蓉は花魁とはいってもその噂を聞きつけてやっきた客の悩みを聞き、その問題や謎を解いていくことを仕事としており、男女の営みについては初心(うぶ)なまま。「篭の鳥」の芙蓉の代わりに外の情報を掴んでくるのは、ひょんなことから芙蓉の助手を務めることになった奉公人の幾太郎(いくたろう)。彼らは協力し、謎解きに挑んでいく。

本作では遊郭を舞台にしているが、遊郭内での人間模様や遊女と客が織り成す恋愛よりも、遊女が行う謎解きがメインとなっている。様々な人で賑わう江戸では、物騒な事件が起きるのは日常茶飯事。芙蓉を訪ねてくる客たちは事件や事故の当事者や巻き込まれた者が多く、芙蓉は彼らの悩みや謎に耳を傾け、解決に導いていく。一話目の依頼者は歌舞伎役者の尾高龍之助。舞台本番中に人気歌舞伎役者の永遠蔵(とわぞう)が水死体で発見され、ライバルにあたる龍之助が犯人ではないかと疑われていた。龍之助は潔白を証明する手立てを欲し、芙蓉のもとを訪れる。「篭の鳥」状態の芙蓉では外の情報を仕入れるにはいささか不自由。そこで観察眼の鋭い奉公人の幾太郎が助手に選ばれ、手伝うこととなる。


『デアマンテ~天領華闘牌~』

『デアマンテ~天領華闘牌~』

出典:幻冬舎

江戸時代の長崎の遊郭を舞台に、亡くなった父親の汚名をすすぐために奮闘する少女と訳アリの遊女が織り成す恋愛漫画。かなは、指物職人の父親と、弟と暮らしていたが、父親がある日突然、贋札作りの罪で連れていかれてしまう。父親は決してそんなことはしていないと言いのこし、かなも無実を信じていたが、濡れ衣を着せられたまま父親は自殺。かなは父親の無実を明らかにしようと、真実を掴むために丸山遊郭の遊女で憧れの金剛(こんごう)太夫の下で、禿として働くことになる。

遊女を中心に描いた物語の舞台は吉原が定番だが、本作の舞台は長崎だ。中核の登場人物である金剛太夫は、主人公の少女かなの憧れの存在。長崎の丸山遊郭で絶大な人気を誇る花魁だ。非の打ち所がない美人で、外国語も堪能。勿論、花魁としての踊りや言葉遣いも完璧だ。しかし、何と金剛太夫は、幕府の隠密として暗躍する集団「闘牌(かるた)」の一員で、しかも女性ではなく男性だった。そのことを知ったかなの気持ちは、金剛太夫に対する憧れから別なものへと変化していく。かなと金剛太夫の恋愛模様を描きつつ、推理漫画の要素も盛り込まれているのが本作の特色。長崎が舞台、しかも女装した男性が遊女を演じているということもあり、一味違う遊女の漫画が読みたい人にはうってつけの作品と言えるだろう。


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