義父に恋をしている女子高校生と、彼女に恋をした同級生のラブストーリー。女子高生の久郷周(くごうあまね)は、“お父さん”への恋心を断ち切りたい一心で、告白してくる男たちと次々に交際しては別れ、周囲から軽い女だと思われている。しかし、義父・久郷亮太(りょうた)への想いは消えない。そこで、誰かと肉体関係を持てば新たな扉が開けるかもしれないと考え、チャラ男として有名な同級生・中川蓮己(なかがわはすき)に声をかける。
周が亮太を好きになったのは、幼い頃、母・智子(ともこ)が向日葵畑で初めて彼を紹介してくれた時で、一目惚れした。母は、娘が5歳の時に亮太と再婚するも、翌年、事故に遭って他界する。亮太は、親戚が反対する声を「自分が守り育てていく」と押し切り、周と二人暮らしを始めた。しかし、彼女は、成長するにつれ、義父に恋愛感情を抱く自分に苦しむように。事情を知った蓮己は、彼女の気持ちを尊重し、亮太への想いごと受け入れると言ってくれる。実は、蓮己がチャラ男というのはただの噂で、2人は、共に時間を過ごすうちに絆を深めていく。男女の恋愛と親子の愛情、蓮己と亮太という2人の男性への気持ちに揺れる周が、最終的にどのような選択をするのかに注目だ。
テロ撲滅に情熱を注ぐ女主人公の戦いを描いたバトル漫画。「マリー」こと真理子・ローズバンクは、対テロリズム専門組織CAT(Counter Attack Terrorism Tactical Organization)内の女性チーム「ディビジョンM」を率いる優秀な指揮官だ。ある経験を持つことからテロを憎む気持ちは誰よりも強く、周囲からの信頼も厚い。現在はアメリカに住んでいるが、CATの活動は世界中に及ぶため、国内外の凄惨な現場に出向いてはテロ組織との戦いを繰り広げていく。
真理子は、夫のハロルド・ローズバンクと結婚し、ティミーという一人息子をもうけ、幸せに暮らしていた。しかしある日、2週間の日程でロンドンへ出張に出掛ける夫を見送りに行った空港で、国際的なテロリスト「グリフォン(有翼獅子)」に遭遇。夫と息子は、凄まじい爆破の犠牲者となる。一命をとりとめた真理子も、左胸に一生消えることのない深い傷を負った。その傷は、まるで薔薇のような形をしており、怒りに震えると赤くなるという特徴を持つ。“薔薇のマリー”の愛称で呼ばれるようになった真理子は、テロへの憎しみを胸に、厳しい訓練を経て、CAT特殊チームの一員に。最愛の夫と息子の仇・グリフォンを倒すという誓いを胸に激しい戦いに身を投じる。
江戸・吉原を舞台に、遊女になった主人公が、両親を殺した犯人の情報を追いつつ恋に落ちる少女漫画。永倉朱音は、格の高い武士の父を持ち、旗本永倉家の一人娘として育った。しかしある日、突如襲来した賊が両親の命を奪い、家は取り潰しに。朱音は、賊の正体を突き止めるため、吉原一の太夫を目指そうと考え、自ら遊郭に身を沈めた。高利貸しの若旦那・近江屋惣右助といった味方を徐々に増やしながら事件の真相に迫り、仇を取ろうとする。
朱音は、江戸で5本の指に数えられる大見世・曙楼の楼主に買われ、15歳にして女郎・茜として新たな人生を歩み始めた。しかし、偶然出会った吉原の人気者・惣右助が曙楼にやって来て、いきなり身請けを申し出る。惣右助といえば「大の武家嫌い」として有名だ。茜は、彼がなぜ自分に固執するのか分からず戸惑うばかりだったが、足繁く通われ会話を交わすうちに徐々に惹かれていく。実は、惣右助は貧乏御家人の息子で、父親が、生活費の足しにするためにとわずか8歳の姉を吉原に売ってしまったという過去を持っていた。物語は、なかなか素直になれない2人の恋の行方と共に、茜の両親を殺して家を取り潰した黒幕探しや敵討ちが少しずつ進展していく。
主人公・川畑菫が、何気ない毎日を健気に生きるハートフルストーリー。物語の主な舞台は、東京都内にある南荻という架空の都市。菫は、南荻小学校に通う4年生だ。両親が1年前に離婚したため、料理人として働く母・藤井真理子と2人きりで生活している。素朴で心優しい菫が、学校生活や家庭での親子のやり取り、ご近所さんとの交流などを通じて、さまざまな経験をし、学び、考え、成長していく様子が丁寧に描かれている。
菫は、好奇心旺盛で活動的な性格で、他者も慮ることのできる女の子。好きなテレビドラマや小説の主人公に憧れて、サスペンダーや丸いダテ眼鏡を愛用しているという可愛らしい一面も持っている。大好きな父・川畑周一はすでに再婚しており、広島で新生活を送っていた。菫は、1年ぶりに父に会うため、夏休みを利用して初めての一人旅に出発する。しかし、報道局に勤める周一は、直前に山口県内で発生した爆発事故の取材をするため帰宅できなくなってしまった。そのため、父の再婚相手・川畑菜々恵と2泊3日を過ごすことになる。10歳の少女の考えや気持ちに触れていると心が温かくなる。
骨格マニアの椿雛菊(つばきでいじー)と、恐竜オタクの菖蒲瞬(あやめしゅん)の恋模様を描いたラブコメディ。舞台は、東京にある名門校・T大学生物学科の斉藤研究室だ。主人公・椿は、美人だが、鳥類や恐竜を対象とした研究に勤しんでいる骨オタクの大学2年生。後輩として研究室に加入した菖蒲は、細身のイケメンで一見すると完全な草食系男子タイプだ。しかし、椿に対し、まるで肉食系男子のような猛アタックをし始める。2017年10月に実写映画化。
椿は、骨を愛するあまり、恋愛においても相手男性の骨格が好みかどうかを重視するディープな骨格マニアだ。一方の菖蒲は、無類の恐竜オタク。普段はぼーっとしているように見えるが、父・菖蒲綾夫がロンドン大学の教授で、中学時代からイギリスで育ったため英語もペラペラな秀才だ。父のミイラ研究に伴って世界を回っていたが、恐竜の研究がしたいと考え、父の学友・斉藤教授の元へとやってくる。菖蒲は、興味のあるものには猪突猛進するが、空気を読めないタイプで、“斉藤研究室一番の変人”と呼ばれるように。変わり者の2人が惹かれあい仲を深めていく過程はもちろんのこと、斉藤研究室に所属する個性的過ぎるメンバーたちのやりとりも楽しい作品だ。