第90回「キネマ旬報ベスト・テン」で、日本映画部門1位に選ばれた『この世界の片隅に』を筆頭に、美しく、かつ挑戦的な表現で人々を魅了するアニメーション制作会社「MAPPA」のオススメ作品を5つ紹介する。
『この世界の片隅に』や『ユーリ!!! on ICE』など、数々の話題作を世に送り出す「MAPPA」作品を紹介する!
第90回「キネマ旬報ベスト・テン」で、日本映画部門1位に選ばれた『この世界の片隅に』を筆頭に、美しく、かつ挑戦的な表現で人々を魅了するアニメーション制作会社「MAPPA」のオススメ作品を5つ紹介する。
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1966年初夏。高校一年の「西見 薫」は、船乗りの父親の都合で横須賀から長崎県佐世保市に転校してきたが、学校には馴染めず、預けられた親戚の家でも肩身の狭い思いをしており、心を閉ざしていた。そんな中出会った学校で札付きのワルと呼ばれる「川渕 千太郎」。彼を通じて知ったジャズの魅力に「薫」は次第に目覚めていく。孤独だった「薫」が、ジャズとの出会いや、「千太郎」との友情、学級委員の「迎 律子」への恋を経て心を開き、青春を謳歌している様が実に心地いい。
また「千太郎」の演奏は、実際のドラム奏者の動きを忠実にトレースし、音とドラムの動きが合う様に描かれている等、音楽表現に非常に力を入れている。ジャズをよく知らなくても、アニメーションならではの音楽と映像のコラボレーションの見事さが感じられ、目の前でライブを聴いている様なジャズセッションの高揚感を味わう事ができる。「手塚プロダクション」と共に手掛けた、初の元請制作作品。歌手の「YUKI」や「秦 基博」がOP・ED曲を担当し、「薫」のピアノの演奏を「松永 貴志」が担当する等、超豪華メンバーで構成されている。
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2014年10月から12月まで放送された、本格ファンタジー作品。同タイトルのソーシャルゲームをアニメ化したものだが、登場キャラクターは一部を残して一新され、ストーリーは完全にオリジナルとなっている。
テレビシリーズとしては異例の作画枚数により、まるで劇場版の様な映像美で表現されており、観る者を圧倒する。また重厚かつ壮大な音楽が、壮大な世界観に更に深みを与えており、映像・音楽・アクション・ストーリーとどれをとっても一級品のエンターテイメント作品に仕上がっている傑作だ。
世界観に劣らず、主人公「ファバロ」は個性的な髪形で軽薄だが機転が利いて情に厚く、神の鍵を奪った謎の少女「アーミラ」は世間知らずで大食らいなど、キャラクターの個性がしっかり描かれているのも魅力的。
2017年4月より『神撃のバハムート VIRGIN SOUL』も放送予定。要チェック作品だ‼
日本中の期待を背負って挑んだグランプリファイナルで、プレッシャーから惨敗を喫したフィギュアスケーター「勝生 勇利」。
逃げる様に故郷・九州に帰ってきた彼は、この先もスケートを続けるかどうか迷っていたが、地元のスケートリンクで滑った、世界大会五連覇の「ヴィクトル・ニキフォロフ」の演技を完全コピーした動画が出回った事で、彼の前にある日突然現れた「ヴィクトル」本人から、コーチとして指導を受ける事となってしまう……。憧れの選手「ヴィクトル」との信頼関係を得た事や、壁にぶつかる度に自己の内面と向き合った事で、メンタルの弱さを克服していく、主人公「勇利」の成長を描いた物語。
本作は、フィギュアスケート特有の身体のしなりや躍動感の美しさを、滑走している選手の内面とリンクさせ情感豊かに描いている。
また、実在の元フィギュア選手「織田 信成」や「ステファン・ランビエール」が本人役で登場したり、日本や世界各国の現役トップフィギュア選手達が作品を称賛し、OPのスケーティングを再現して滑った選手が現れる等、プロフィギュア選手の間でも話題を集めた。
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「ヴァリアンテ」という国で「魔戒騎士」、「魔戒法師」を狩る事を目的とした大規模な魔女狩りが行われた。魔女狩りで炎に焼かれながら、「魔戒法師」の「アンナ」は一人の赤ん坊を産み落とす。赤ん坊は父である「魔戒騎士」の「ヘルマン」に助けられその場から姿を消し、やがて十七年の時が過ぎた。炎の中で生まれた少年「レオン・ルイス」は、最強の「魔戒騎士」である「黄金騎士・ガロ」の称号を受け継いでいたが、産み落とされた時の「炎の記憶」により、時に暴走する危険性を孕んでいた――。
本作は「レオン」と「ヴァリアンテ」の王子「アルフォンソ」のダブル主人公で展開されるストーリー。フルCGで描かれる「魔戒騎士」が鎧を装着するシーンや、この世に棲む魔物「ホラー」との戦闘シーンは大迫力で、「魔戒騎士」が背負うものや「レオン」、「アルフォンソ」の悲しい運命と併せて胸を熱くさせる。特撮ドラマ『牙狼』シリーズ初のアニメ化作品で、中世ヨーロッパを彷彿とさせる剣と魔導の世界を描くダークファンタジー。2014年10月から2015年3月まで放送された。マンガ家「武井宏之」がキャラクターデザインに協力している。
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当時一大軍港であった呉を舞台に、主人公「すず」が暮らす日常を描きながら、彼女の目から見た戦争を描く。戦争の足音が聞こえながら実感の沸かない日々の中で、配給が乏しくなれば野草を取ってカサ増しし、服を解いて仕立て直し、時に好きな絵を描いて憲兵にドヤされ家族に笑われる……。どこかのんびりした日々はやがて空襲で壊され、原爆が広島市に投下され、玉音放送が流れて戦争は終わる。実に淡々と、しかし丁寧に日常と戦争を描いているのだが、あっさり描いているが故に現実感を伴って、見る者の心に様々な感情を訴えかけてくる。また、これまでの戦争映画と違い、悲惨さを前面に出すのではなく、時折笑いを織り交ぜ、日々の生活を丁寧に描いている所に親しみ易さが感じられる。
戦争が終わっても「すず」達の日常は終わらない。失うものがあったとしても、これからも生きていく――。本編を観た後には、現代に生きる自分達も何はともあれ生きていこう、という気持ちになれる名作。「こうの史代」同名マンガが原作の劇場アニメ作品。インターネット上で行われたクラウドファンディングで、総額3622万円を調達するという国内史上最高額を獲得し、また主役の「すず」役に声優初挑戦の女優「のん」を起用した作品としても話題を集めた。
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