忍者に強い憧れを抱く男子高校生が、ある女子高生と出会い、彼女を主君として守るために戦う忍術バトル漫画。炎を出す能力を持つ主人公・花菱烈火(はなびしれっか)は、治癒能力を持つ少女・佐古下柳(さこしたやなぎ)とある日出会う。お互い周囲に隠している能力を打ち明けあったことで2人は打ち解け、烈火は柳を守ることを決意する。そこに現れた「影法師(かげほうし)」と名乗る謎の女性に2人は襲撃されるが、なんとか退けることに成功。物語は動き出す。1997年にテレビアニメ化。
烈火の周囲で暗躍する謎の女性・影法師。彼女は、呪いにより不老不死の身となり、400年以上生き続けており、烈火の手により解放されたいと願っている。彼女の本当の名は「陽炎(かげろう)」。実は、烈火とはごく近しい存在であり、幾度かの接触は烈火らに試練を与えるためであった。陽炎の手引きにより、「魔導具」や「火影(ほかげ)忍軍」について知ることとなる烈火と仲間たち。陽炎との幾度かの接触の中で、烈火は自らの出生の秘密を知り、戦いに身をゆだねることとなるのであった。本作は作者の出世作であり、かつ後の作品『MÄR』などと並びヒットした代表作である。敵味方とも魅力的なキャラクターが数多く登場し、忍術というギミックも熱い本格的王道バトル漫画だ。
人魚の肉を食べて不老不死となってしまった男女2人の旅を主軸としたファンタジーホラー漫画。本作の主人公の青年・湧太は500年前に人魚の肉を食べてしまい、不老不死の体となる。その孤独から解放されるため、湧太は人魚を探す長い旅をしていた。そして、ついに人魚の里を探し出す。そこで出会った少女・真魚(まな)も不老不死の身となっており、湧太は里から救い出した真魚とともに旅を続けるのであった。1991年にビデオアニメ化。2003年にテレビアニメ化。
かつて漁師だった湧太は人魚の肉を仲間とともに面白半分に食べ、自分だけが生き残ってしまう。不老不死となった湧太は、孤独感からただの人間に戻りたいと願い、その方法を人魚が知るという手掛かりを信じ長い放浪をしていた。そして人魚の里を見つけるも、願いは叶わず、自分と同じ境遇となっていた真魚と出会い、2人で旅をすることになるという本作。その道中で出会う、不老不死という「人魚の伝説」に翻弄される者たちの悲哀を描き出している。本作『人魚の森』には表題作のほか、世界観を共有する2編が収録され、また同様に世界観を共有する『人魚の傷』『夜叉の瞳』が刊行されている。『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』といった極めて多数のヒット作を持つ作者のもう一つの代表作だ。
銀座に現れた「門(ゲート)」でつながった異世界の「特別地域(特地)」を舞台に自衛隊の活躍を描いた異世界ファンタジー漫画。主人公のぐうたら自衛官・伊丹耀司(いたみようじ)は、異世界からの軍勢が銀座の門から押し寄せた際、人々を誘導し多くの人命を救ったことで昇進し、特地の第三偵察隊隊長に任命される。伊丹の指揮のもと、異世界にて調査を行う第三偵察隊の奮闘を描いた本作は、同名ファンタジー小説のコミカライズ作品である。2015年、2016年にテレビアニメ化。
伊丹の指揮のもと、異世界にて、軍勢を回避しつつ調査を行う第三偵察隊であったが、巨大な炎龍に襲われた村人たちを助けたことで異世界の住人たちと新たな交流を持つこととなる。その中の1人が、ロゥリィ・マーキュリーである。彼女は、死と狂気と戦争と断罪の神「エムロイ」に仕える亜神(人の姿のまま、神の力を得た存在)であり、961歳で不老不死の存在である。ゴスロリに似た神官服をまとった少女の外見ながら戦闘力は驚異的で、巨大なハルバード(斧槍)を武器に勇猛に戦う。異世界ものプラス怪獣特撮さながらのバトルなど、あれこれ欲張りに楽しめる作品だ。
何らかの手段や過程を経て不老不死の力を持つに至った「不死者」たちの物語を描くバトルファンタジー。魔法が認知されてから10年が経った世界で、主人公の少年・近衛刀太(このえとうた)は、上京の夢を胸に女性教師・雪姫と平穏に暮らしていた。そんなある日、賞金首であった雪姫を狙い、村に教師として潜伏していた賞金稼ぎの橘の奸計により重傷を負う刀太と雪姫。刀太は雪姫に促され彼女の血を飲んだことで不老不死となり、窮地を切り抜ける。2017年にテレビアニメ化。
作者の前作『魔法先生ネギま!』の未来を舞台とした作品である本作。前作を知らずに読んでも楽しめるが、前作の読者であればより楽しめるであろう仕掛けも満載だ。例えば、第1話で明かされる雪姫の正体に関してもそうである。また第1話冒頭で不老不死の悲哀がまざまざと語られているが、終盤で刀太が雪姫に言う「あんたと一緒なら永遠に生きんのもそんなに悪くなさそーだしよ」というセリフが、悠久の時の中の一片の慰めになるかのようで、読んでいてホッとさせられる。不老不死という重いテーマの中で暗くなり過ぎずに読み進められるのは、ひとえに刀太の真っすぐさを過不足なく描ける作者の手腕によるだろう。前作や、作者の出世作である『ラブひな』と並び代表作と言える作品である。
東京湾沖に建造された吸血鬼による人工都市「ヴァンパイアバンド」を舞台に、ヴァンパイアの女王の戦いを描いたホラーアクション漫画。女王であるヴィルヘルミナ・ヴラド・ツェペッシュ(ミナ)とその従僕である人狼の少年、鏑木(かぶらぎ)アキラが日本で再会する場面から物語は始まる。続編に『スカーレット オーダー』『エイジ オブ スカーレット オーダー』、外伝的作品に『ダイブ イン ザ ヴァンパイアバンド』と『スレッジ・ハマーの追憶』のシリーズがある。2010年にテレビアニメ化。
アキラには、夜の眷属の王・ヴァンパイアの女王であるミナに仕えるという、かつて交わした誓約があった。あるとき日本で高校生活を送っていたアキラの前に現れたミナ。彼女の目的は日本にヴァンパイア専用居住区「ヴァンパイアバンド」を建設することであった。空想上の存在と思われていたヴァンパイアの出現と専用居住区の建設に日本は混乱をきたすこととなる。血のしたたるアクションやエロティックなシーン、そしてミナとアキラの絆と恋も見逃せない本作。ヴァンパイアを忌避する人間社会や、ヴァンパイア間の策謀など、権謀術数渦巻く中にさらされるミナとアキラは徐々に心を通じあわせていく。大人の味わいを持つスケールの大きいホラーアクション大作の決定版である。