あらすじ
第1巻
忍者オタクの少年・花菱烈火は、他人の傷を治癒させる能力を持つ少女・佐古下柳を「主君」と認め、守り抜こうと心に決めた。そしてその証に、自分の手から直接炎を出す事ができる特殊体質を見せ、互いに秘密を共有する事にする。しかしそんな時、「影法師」を名乗る謎の女性、のちの陽炎に襲われる。辛くも影法師を退けた烈火だったが、影法師は烈火のケンカ友達である霧沢風子に魔道具・風神を与えて戦わせようと仕向ける。
第2巻
霧沢風子を魔道具による洗脳から解き放った花菱烈火のもとに、今度は魔道具・閻水を使用する剣士・水鏡凍季也が現れる。亡き姉の面影を佐古下柳の中に見た凍季也は、柳とのいっさいの関係を断てと烈火に迫る。最初は反発する烈火だったが、自分が傍にいる事で柳が影法師(のちの陽炎)にも狙われると言われた事から、柳に主従関係の解消を切り出す。
第3巻
穏やかな日常が戻った花菱烈火だったが、臨時教員で幻の忍軍といわれる火影忍軍を研究している立迫文夫と共に、佐古下柳が連れ去られてしまう。犯人が紅麗という男であると知り、烈火はケンカ友達である霧沢風子、石島土門と共に紅麗の屋敷に突入する。しかしそこには、永井木蓮や小金井薫をはじめとした、魔道具を使う刺客達が待ち受けていた。
第4巻
すべての刺客を退け、紅麗のもとへと辿り着いた花菱烈火達。しかし、紅麗の使う炎・紅のあまりの強さに打ちのめされてしまう。烈火があきらめようとしない事から、影法師(のちの陽炎)は能力の封印にもなっている手甲を外して戦う事を提案する。勝利か自滅かを賭けた一手に迷う事なく手甲を外した烈火だったが、その腕から現れたのは、荒ぶる八俣の火竜、八竜だった。
第5巻
なんとか佐古下柳を救出した花菱烈火達は、影法師に招かれ火影忍軍の隠れ屋敷へと足を踏み入れる。そこで影法師が烈火の実の母親・陽炎である事や、烈火と紅麗が異母兄弟である事を知る。そんな中、烈火達全員に裏武闘殺陣への招待が届く。再度紅麗と対決するための力をつける特訓を重ね、全滅すれば柳を紅麗に奪われるリスクを負いながら、烈火達はチーム火影を名乗って参戦する事を決める。
第6巻
裏武闘殺陣第1回戦が始まった。火影と空の対戦は、花菱烈火と最澄の副将戦へと進んでいた。心臓に疾患を抱える最澄が活動の限界を迎え、火影が第2回戦進出を決めるが、烈火は空海との大将戦を望む。人を殺める覚悟を問う空海に烈火は自分の道を貫くと答え、勝利する。翌日の第2回戦は紅麗の仲間麗(幻)だが、会場近くにある森光蘭の城に探検に出た霧沢風子が帰って来ず、火影は三人での出場を考える。その時、紅麗と決別した小金井薫が助っ人に名乗りを上げた。
第7巻
裏武闘殺陣第2回戦が始まった。水鏡凍季也は永井木蓮の体内に閉じ込められた小金井薫を救出し、ケガを負いながらも勝利を収める。しかし、続いて闘技場に上がった砂倉瑪瑙が父親を幻獣朗の人質に取られ、無理やり戦わされている事を知った花菱烈火は、戦闘中に瑪瑙の父親を無事奪還する。幻獣朗との大将戦においては、烈火が勝ったら瑪瑙の体内に埋め込まれた魔道具を取り出す事を約束させる。
第8巻
麗(幻)戦にも勝利し、第3回戦へと進出した火影。しかし麗(音)との対戦を前にして、花菱烈火と水鏡凍季也のあいだに亀裂が生じてしまう。小金井薫が不調で欠場する中、烈火と凍季也の反発はさらにこじれ、陽炎をはじめとする仲間達の心配をよそに、戦いが始まってしまう。石島土門が亜希に辛勝したあと、音遠は烈火と凍季也の険悪な雰囲気を察し、タッグ戦を申し込む。
第9巻
順調に勝ち進んだ火影は、本来次の対戦相手である鎖悪架子の夜子魯から不戦勝とその理由を告げられ、Aブロック代表として選出される。一方、音遠は磁生を殺害した麗(魔)・魔元紗について紅麗を問い詰めようとするが、かわされてしまう。さらに、佐古下柳を手に入れようと目論む森光蘭は、森光蘭の城内部で何者かが製造・培養されるのを見守っていた。麗(音)戦での負傷で水鏡凍季也が欠場する中、火影と麗(魔)戦が幕を開ける。
第10巻
霧沢風子と麗(魔)・餓紗喰の対戦が互いに互角、拮抗状態を見せる中、森光蘭は賓客達のテンションを盛り上げるため、闘技場にレーザーロープを発生させる。しかし、正々堂々の勝負を望む餓紗喰はそれを破壊し、互いに戦士としてのプライドを賭けた一撃を放つ。続く大将戦、石島土門は魔元紗との戦いに臨むが、当の魔元紗は闘技場に立ちながら、佐古下柳捕獲を目論んで闘技場外にも姿を現していた。
第11巻
魔元紗を下し、決勝へと駒を進めた火影。しかし、その勝利の場に紅麗、Jキーパーが現れる。森光蘭の命令を受けて動いていた魔元紗を、惨殺する事で断罪した紅麗に改めて啖呵を切った花菱烈火は、決勝進出の喜びをこれまでの対戦相手達と分かち合っていた。一方で決勝戦まで2日と迫った時、謎の老人・虚空が現れ、火影メンバーに助言を授け始める。
第12巻
裏武闘殺陣決勝戦が始まった。石島土門を殺害し、その死体を手に入れようとする先鋒の呪は、土門を予想以上に追い詰めていく。しかし、虚空が渡した魔道具・鉄丸を使用する事で土門は辛勝し、決勝の舞台に姿を見せていなかった紅麗が現れる。その時、虚空は花菱烈火から八竜の能力を消し、改めて炎を獲得する試練を課すため烈火の精神世界へと導いていく。
第13巻
麗(紅)と火影の次鋒戦、水鏡凍季也は姉・水鏡美冬を殺害した仇を自称する戒と対峙する。しかしその対戦中、戒からはさらに驚くべき事に、一子相伝であるはずの氷紋剣を戒が凍季也が師事した巡狂座から学んだと聞かされる。その頃、花菱烈火は烈火の精神世界の中で円、刹那を取り戻すべく奮闘を続けていた。
第14巻
裏武闘殺陣決勝の中堅戦が始まった。霧沢風子と命の戦いは風子優勢に進んでいるように見えたが、これまで「命」として姿を見せていたのは魔道具・魅虚斗である事が判明し、会場はざわめく。毒に苦しめられた風子だったが、無事快勝したかと思いきや、命の策略によって敗北を喫してしまう。あとのない火影だが、ここで小金井薫とジョーカーの対戦が始まる。
第15巻
小金井薫とジョーカーの対戦は、ジョーカーが敗北を認めた事によって火影の勝利となった。しかし大将戦を前にしてなお、まだ花菱烈火は姿を見せない。そこで森光蘭は特例のセレモニーとして、烈火が現れるまで火影全員が紅麗と戦う事を許可する。次々と火影メンバーが倒れる中、ついに烈火が帰還し、紅麗との因縁の対決が幕を開ける。
第16巻
紅、そして紅麗の炎となった磁生を相手に苦戦を強いられる花菱烈火。しかし、そこでついに七匹目の火竜・虚空が烈火に力を貸す。そのあまりに強大な威力に、裏武闘殺陣会場内の観客は外へ退避し、紅麗と烈火による文字通りの一騎打ちが始まる。周囲の被害を考えないほど激しい戦いの中で、会場は瓦礫と化し、その中で紅麗と烈火は自分の背負った者のために死力を尽くす。
第17巻
裏武闘殺陣が終了し、火影のメンバーは穏やかな日常へと帰って来た。しかし煉華を得て紅麗を追い落とす事に成功した森光蘭は、不老不死の野望を達成すべく、魔道具・天堂地獄の入手に向けて動き始める。そして花菱烈火達のもとへは、螺閃を首領とした光蘭直属部隊・裏麗が監視、そして力試しに赴いていた。その際に烈火は、螺閃のパートナーである鬼凜から、天堂地獄の名を再会のヒントとして与えられる。
第18巻
ジョーカーの案内によって、無事に天堂地獄の封印の地に入った火影メンバー達。分かれ道で二手に分かれた石島土門、花菱烈火、佐古下柳は、中で待ち受けていた牙王と出会う。またもう一方の霧沢風子、小金井薫、水鏡凍季也は緋水の攻撃を受けて分断されてしまう。
第19巻
川に流された小金井薫は、神威との戦闘に入っていた。愛を囁きキスやハグを求めながら殺戮を望む神威に翻弄されながら、薫は勝利を収める。そして別の場所に流れ着いていた水鏡凍季也は、命、永井木蓮と再会し、二対一の勝負に挑む。圧勝してみせる凍季也だったが、その場で姿を現した葵に重傷を負わされてしまう。
第20巻
緋水と和解した霧沢風子は、その先で双角斎と対峙していた。そして風子はそのまま、偏執的な妄想に取り憑かれている双角斎によって魔道具・魂吸いの壺に吸い込まれてしまう。一方で小金井薫、花菱烈火、佐古下柳、石島土門は天堂地獄に至る一本道で、鬼凜が門番を務める門前で合流を果たしていた。
第21巻
花菱烈火をはじめとする火影は、ついに森光蘭に追いつき、天堂地獄へと眼前に辿り着いた。火影、そして紅麗と紅の遺伝子を利用して作られた人造炎術士・煉華は、天堂地獄を賭けて交戦を始める。その時、天堂地獄が封じられた鎧が動き始め、光蘭を無視し、烈火の前へと立ち尽くした。よもや天堂地獄が烈火を主人に選んだのかと一同が息を呑んだ時、烈火は天堂地獄に手を差し伸べた。
第22巻
天堂地獄は森光蘭の持つ無限の欲望が自らにふさわしいと認め、ついに天堂地獄と光蘭が同化を果たす。もはや異形の姿となった光蘭だが、今のままでは不完全な不死であるため、佐古下柳を吸収しようと目論む。一方、封印の地が崩れ光蘭を取り逃した花菱烈火率いる火影、紅麗率いる麗は、一度それぞれの日常に戻っていく。しかしその日常に、裏麗死四天の一人・葵が入り込んでいる事に、誰も気がついてはいなかった。
第23巻
葵によって、佐古下柳が森光蘭のもとへと拉致されてしまった。しかし、すぐには吸収されないという確証を得た火影は、それぞれ本当に命を賭けて柳救出に向かう覚悟を持てるのか、3日間の猶予期間を設ける事に決める。その間、花菱烈火は烈火の精神世界に赴き、八竜最後の火竜、裂神と会う事にする。
第24巻
花菱烈火が烈火の精神世界の中で出会った裂神は、実の父親である桜火だった。そして烈火は桜火から、佐古下柳がかつて桜花が一時の主と決めた桜姫の生まれ変わりである事や、桜姫の悲劇的な生涯を聞かされる事になる。改めて柳を救出し、ごく普通の人生に引き戻す事を桜火に約束し、烈火は火影メンバーが待つ火影忍軍の隠れ屋敷へ戻っていく。
第25巻
佐古下柳が監禁されている森光蘭の居城・要塞都市SODOMに辿り着き、花菱烈火ら火影は空や餓紗喰らの協力を得て奔走する。要塞都市SODOM中央にあるHELLorHEAVENに入るためのデータCDを各自入手するため、石島土門は格納庫へと入っていく。そこで出会ったのは裏武闘殺陣で戦った麗(音)の亜希、魅希だった。
第26巻
バイオノイドドームで牙王と出会った小金井薫は、その強さに圧倒されてしまう。一度は敗北と死を覚悟する薫だったが、かつて紅麗から教えられた言葉を思い返し、牙王との戦い方を変更する。一方で霧沢風子は入手したデータCDを綺理斗に奪われており、花菱烈火はウェポンドーム内で永井木蓮、命と対峙していた。
第27巻
一時は永井木蓮によって溺死させられたかと思われた花菱烈火だったが、無事生還を果たした。しかし安堵したのも束の間、HELLorHEAVENからウェポンドームの自爆コードが送られた事を知り、なんとか脱出を果たす。その頃要塞都市SODOM内の森の中では、最澄、餓紗喰、月白、火車丸が、死四天の一人・門都と戦闘を開始していた。
第28巻
陽炎、石島土門、小金井薫は、入手したデータCDをセットする事でHELLorHEAVENへの道を開く場所、像のある建物に辿り着いた。残る2枚のディスクを探してマリーの館に向かった土門は、そこで館の主人マリーの策略によって拘束された水鏡凍季也を目の当たりにする。
第29巻
ついに佐古下柳が囚われているHELLorHEAVENへの道が開いた。各自分断され、別のエレベーターで森光蘭へと進んでいく中、石島土門は死四天の一人である蛭湖と出会う。裏麗としての使命感のみで戦いを続ける蛭湖に、土門は自分の意思で生きろと叱責する。そして小金井薫が辿り着いた場所では、ジョーカーと行き会う。
第30巻
HELLorHEAVEN内を進む陽炎は、裏麗の前首領・螺閃と鬼凜に出会っていた。かつて犯した罪の償いに自分自身を消したいと願う螺閃が、陽炎にかけられた不死の呪いを解こうとするのを止めるため、鬼凜は陽炎に攻撃を仕掛ける。一方で霧沢風子は、敵同士という認識がありながら今まで協力関係にあった雷覇と直接対決する事となる。
第31巻
水鏡凍季也はHELLorHEAVENでようやく再会した氷紋剣の師・巡狂座から、姉・水鏡美冬の死の真相やこれまで伏されていた血縁関係を明かされる。すべてを受け入れたあと、寿命を終えた巡狂座を看取り、凍季也は先へと進む。それより少し前、煉華は紅麗に襲いかかっていたが、圧倒的な力の差を前に森光蘭に救いを求め、逃走していた。
第32巻
繭となった森光蘭の前に、ほとんどの自我を失い人形同然となった佐古下柳が連行されて来た。ついに柳も天堂地獄に吸収されるかという時、花菱烈火を除いた火影メンバーが駆けつける。その頃烈火は、烈火の精神世界にて桜火と面会し、裂神を使った際の炎について説明を受け、予想外の能力に愕然とする。
第33巻
佐古下柳が死んだ。その事実に自失する花菱烈火に、紅麗が一喝し、虚空は裂神を使用して柳を烈火が使役する炎とする事を勧める。このままでは柳の魂が天堂地獄に吸収されてしまう事を知り、烈火は柳を救うためにも裂神を呼び出す事を決断する。火竜を含むすべての協力者の支援を受けて裂神を呼び出す事に成功した烈火は、魂となった柳を連れ戻しに行く。
登場人物・キャラクター
花菱 烈火 (はなびし れっか)
16歳の男子高校生で、火影忍軍の生き残り。桜火と正室・陽炎の実子であり、紅麗の腹違いの弟。花菱茂男を養父として育った。右頬に、口内にまで達する刀傷があり、ふだんは絆創膏で隠している。手と手を強くこすると炎を出す事ができ、またその炎に熱さを感じない。幼い頃からつねに手甲を身につけていた。忍者にあこがれて佐古下柳を「姫」と慕っていたが、数々の危険をくぐり抜けるうちに、忠義の気持ちが恋へと変化していった。チーム「火影」のリーダーを務めている。石島土門、霧沢風子とはケンカ友達で、水鏡凍季也とはそりが合わないまでも仲間として行動を共にしている。炎の型は八俣の火竜・八竜で、使用できるようになった火竜の名の一文字目が両肩に焼き印のように刻まれていく。血液型はO型で、7月27日生まれの獅子座。
佐古下 柳 (さこした やなぎ)
16歳の女子高校生で、花菱烈火の君主。烈火からは「姫」と呼ばれている。地域一帯で随一の美少女として知られており、強引なナンパに遭ったところを烈火に助けられた。傷を癒やす力を持っており、そのため永遠の命を望む森光蘭から狙われる。ただし、自分のケガは治癒させる事ができない。絵本作家を目指しており「ローズ柳」というペンネームもあるが、絵が下手。天然ボケだが保育園で保育士のバイトをしており、心優しい。裏武闘殺陣では自ら、チーム全滅の際の貢ぎ物として名乗り出た。光蘭や紅麗、裏麗に所属する人物には「治癒の少女」と呼ばれている。
霧沢 風子 (きりさわ ふうこ)
16歳の女子高校生で、チーム「火影」の紅一点。男勝りな性格をしており、10年来の付き合いになる花菱烈火とはケンカ友達。魔道具・風神の使い手だが、もともとのケンカ用武器として使用していた「忌」と書かれた錐も投擲武器として活用する。「影法師」を名乗っていた頃の陽炎に風神を渡された時には、洗脳装置によって戦闘に興奮する副作用を起こしていた。風神に別の魔道具の核を嵌め込んで使おうと考えついた際には、陽炎に「魔道具発明の天才」と賞賛された。裏武闘殺陣中に偶然出会った雷覇にたびたび救出され心惹かれるようになるが、HELLorHEAVENで雷覇の背負った宿命と覚悟を知り、真剣に戦う事を選んだ。血液型はB型で、8月2日生まれの獅子座。
石島 土門 (いしじま どもん)
16歳の男子高校生で、花菱烈火のケンカ友達。チーム「火影」のパワー担当。馬鹿力を誇る巨漢で、髪型はモヒカン、鼻にピアスを付けている。霧沢風子に片思いしている。あだ名として「腐乱犬」と呼ばれる事も多い。紅麗の屋敷に乗り込む直前、陽炎によって鼻ピアスを魔道具・土星の輪にすり替えられ、超人的な力が出せるようになった。また裏武闘殺陣参加直前に、嘴王の操作を取得している。
水鏡 凍季也 (みずかがみ ときや)
17歳の男子高校生で、クールで口が悪い少年。髪が長く中性的な顔立ちで、華奢な体格から「男女」と呼ばれる事も少なくない。チーム「火影」の頭脳担当。他者に対しては冷徹な表情を見せるが、火影の仲間達の前では年齢相応に幼い様子も見せる。佐古下柳に亡くなった姉・水鏡美冬の面影を見て、「影法師」と名乗っていた頃の陽炎から守るため、花菱烈火から奪おうと考えていた。淡泊な性格に見えるが、言われた悪口はすべて記憶しているほど粘着質。美冬の形見として魔道具・閻水を継承し、巡狂座から剣術・氷紋剣を会得した。
小金井 薫 (こがねい かおる)
紅麗の命令を受け、立迫文夫を拉致した13歳の少年。魔道具・鋼金暗器を使用する。中学生だが非常に背が低く、よく子供扱いされている。喜怒哀楽の表現が激しく、陽気な性格。紅麗を兄と慕い、紅麗のやる事は正義だと信じていたが、佐古下柳に対する行いの数々にショックを受け紅麗のもとを出奔。紅麗が本当に冷徹なだけの人間なのかを知るため裏武闘殺陣に潜入。2回戦で、霧沢風子不在の穴を埋めるべく火影に参加し、仲間となった。パズルの才能にあふれており、常人なら慣れても10秒以上かかる鋼金暗器の変形に、0.6秒しか費やさない。火影の仲間以外では、最澄と非常に仲がいい。裏武闘殺陣後は、花菱烈火の自宅に居候している。血液型がA型で、9月29日生まれの天秤座。
紅麗 (くれい)
火影忍軍の生き残りであり、麗(紅)の大将で麗の首領を務める20歳の青年。桜火と側室・麗奈の実子であり、花菱烈火の腹違いの兄。森光蘭、森月乃の養子として育ち、月乃には母子としての深い愛情を、光蘭には憎悪を抱いている。冷たい印象の美男子だが、右側の頬から目にかけて、自ら紅に焼かせた大きな火傷の痕がある。火影忍軍の里では、呪われた子供として母子共に迫害を受けていた。炎の型は「不死鳥」であり、任意の人物の遺体を炎で焼いて、魂を使役する事ができる。この炎の型が非常に特殊で、火影忍軍の歴史の中でもほとんど前例がない事から、「呪われた炎」といわれている。
森 光蘭 (もり こうらん)
実業家として、一代で巨万の富を築いた男性。紅麗と紅の養父であり、森月乃の夫。額の中央にほくろがあり、両目共に斜視。幼い頃から強欲で、満足感を知らない。得た物を失わないために永遠の命を欲しており、その手段として火影忍軍の知恵と、治癒の力を持つ佐古下柳を狙う。紅麗の力を利用するため感情を消させることを目的に、月乃の体内に爆弾を仕込んで人質にする、紅と親しくさせてから殺害するなど、非人道的で非情な手段を取る。しかし、この仕打ちから紅麗に復讐される時が来る事を非常に恐れており、より従順な紅麗を望んだ結果、煉華を造り出した。天堂地獄から術者と認められ、同化してからは人間の姿を保つ事もできるが、基本的には異形となった。
陽炎 (かげろう)
火影忍軍に所属している女性で花菱烈火の実母。桜火の正室でもある。顎に縦に並んだ二つのほくろがある。登場当初は敵として現れ「影法師」を名乗っていたが、それは紅麗と出会う前に烈火を鍛えようと考えての事だった。火影の里が織田軍に攻められた際、赤ん坊だった烈火を逃がそうと秘術・時空流離を発動したため、不死の呪いにかかった。そのため、外見年齢が22歳のまま止まっている。
虚空 (こくう)
花菱烈火を宿主とする、八竜の一匹。大きな単眼の火竜で、唯一烈火の意思に関係なく出入りする事ができ、また人間の姿で他者とコミュニケーションを取る事もできる。裂神が加わるまでは火竜の長だった。ほかの火竜と違い、裏武闘殺陣決勝を前にして人間の姿で現れ、火影メンバーに数々の助言をした。またそれ以降も、貴重なアドバイザーとして活躍する。自分の口元に高温の火球を作り出し、レーザー砲のように撃ち出す事ができる。人間の姿の時はニット帽をかぶってサングラスをかけた、ファンキーな容姿の老齢男性。また、無類の女好きであり、陽炎、霧沢風子はボディタッチなどのセクハラ被害に遭っている。魔道具を造り出した技師の一人で、「人を守り生かすための武器」として魔道具を製造した。
花菱 茂男 (はなびし しげお)
花菱烈火の養父。花火職人だが、咥え煙草で作業する事も珍しくなく、そのたびに烈火に怒られている。15年前の雨の日に烈火を拾い、育てて来た。陽炎や火影忍軍の事などを知ったあとも、変わらぬ態度で接している。また、烈火に花火に使う火薬玉で戦う事を教えた人物でもあり、不意を突かれたり油断さえしていなければ非常に強い。
桜火 (おうか)
火影忍軍の6代目頭首にして、花菱烈火と紅麗の父親。顔の右側に、大きく縦に走る傷痕がある。火影の里を攻める織田軍と戦い、32歳で戦死した。火影忍軍を守りきれなかった後悔から、八竜の長である裂神となって烈火の使役する炎となっていた。紅麗が火影忍軍内で「呪われた子」とされた時、激昂しつつも頭首として耐えるしかなかったと語っており、紅麗の現在の状況を哀れみ、非常に心配している。小平太から紹介を受けた沢木から高杉獣吾郎正金の暗殺依頼を受けた際、桜姫と出会い、一時の主として守る事を誓った。しかし力及ばず、沢木家の滅亡と桜姫の自刃を招いた事を悔やんでいる。また、佐古下柳が桜姫の生まれ変わりであると考え、今度こそ幸せになってほしいと願っている。桜火自身は自分の炎の型を知らず、高杉との合戦時には、一度だけ虚空を長とした七匹の火竜を使用した。
海魔 (かいま)
かつて火影忍軍で魔道具を造り出した技師の一人。痩せており、ギョロリとした目をした病的な顔つきの男性。より多くの人間を殺害できる武器を造る事を目標に製造を続け、天堂地獄を造り上げた。かつて氷魔閻を試すために幼児を殺害した事で火影から追われた。永遠に生き、永遠に殺すために天堂地獄と一体化して生き続けている。
ジョーカー
裏武闘殺陣の麗(幻)戦から火影陣営に近付いていた、関西弁で話す謎の男性。トランプのジョーカーを思わせる装束を着ており、素顔が見えない。当初から空海に正体を怪しまれていたが、決勝戦を前にして、麗十神衆の一人であり、麗(紅)のメンバーである事を暴露し、小金井薫に本気を出させるため、最澄に瀕死の重傷を負わせた。魔道具・帝釈廻天を使用する。「楽しい事しかしたくない」という理由から自由に振る舞い、紅麗にもタメ口で話す。気ままに振る舞う性格のため、封印の地の場所やその侵入方法を火影に教えたかと思えば、HELLorHEAVENでは「次はないかも知れない」という理由から薫に戦いを挑みつつも、綺理斗の態度に腹を立てて共闘を申し出た。綺理斗との戦闘後、乱入して来た門都に重傷を負わされたが、最後の力を振り絞って帝釈廻天の力でブラックホールを作り出し、門都もろとも吸い込まれていった。
雷覇 (らいは)
麗十神衆の一人であり、「麗(雷)」として一人で出場した青年。音遠からは「昼行灯」と称されるほどのらりくらりとした性格で、つねに柔和な笑顔を絶やさない。裏武闘殺陣2回戦直前に、霧沢風子と偶然知り合った。それ以来風子と親交を深めてつつ惹かれてもおり、風子がピンチに陥った際にはほとんど雷覇が助力、救出に現れている。また、森光蘭との決戦に向かう風子を不眠不休で鍛え、来る雷覇自身との戦いに備えさせた。魔道具・雷神を使用するが、あまりに強大な能力を恐れ、風神の核を嵌め込む事で雷神を眠らせていた。400年前に滅亡した火影忍軍の逃亡者達の子孫で、その事を恥と思っている。また、この事実を知ってなお雷覇を受け入れた紅麗に忠誠を誓っている。
音遠 (ねおん)
麗十神衆の一人で、麗(音)の大将を務める女性。額にビンディーを付け、髪は前髪だけが白髪になっている。魔道具・不狂和音を使用する。元は紅麗の屋敷に雇われていたメイドだったが、紅麗の力になりたい一心で麗への入隊を志望し、熾烈な訓練を耐え抜いて麗十神衆となった。裏武闘殺陣終了直後、森光蘭の手によって殺害されかけた紅麗を助けて逃亡。逃亡中、裏麗の刺客に襲われて重傷を負い、紅麗に戦いの世界から遠ざかるようにと言われた。しかし、紅麗が光蘭や天堂地獄との決戦に向かった事を知り、力になるため磁生の遺品である「磁双刀」を携えて参戦する。亜希と魅希からは「姉様」と呼ばれている。
紅 (くれない)
紅麗の使用する炎で、天使のように炎の翼を生やした女性。生前は森光蘭の養女で、一時期は紅麗と共に暮らし、互いに心を通わせていた。しかし森月乃と同じく、体内には遠隔操作式の小型爆弾が埋められており、紅麗の感情を消すためという名目で光蘭に殺害されてからは、紅麗の出す炎そのものとなって生き続けている。炎としての紅は背中に翼の生えた天使のような姿をしており、尖った耳をしている。また推定温度は1800度とされる。
立迫文夫 (たてさこふみお)
花菱烈火達の学校に、臨時教員としてやって来た男性。「博子」という妻がいる。日本史が専門で忍者マニアなため、烈火とは初日からなかよくなった。ダジャレが好きだが面白くない。火影忍軍が魔道具を記した巻物を所有しており、研究している。しかし、この事が森光蘭に危険視され、拉致された。烈火達に火影忍軍の事を教えた。
桜姫 (さくらひめ)
佐古下柳の前世にあたる少女。永禄11年に存在した人物で、家臣である小平太に恋をし、夫婦となる事を望んでいたが、高杉獣吾郎正金から側室にと望まれていた。治癒の能力を持っており、火影忍軍による高杉暗殺が失敗に終わったあと、合戦で傷ついた兵達を癒やす事に尽力した。しかし、小平太と父親である沢木が討ち死にした事で死期を悟り、桜火に部屋の護衛を頼んで一人静かに自決した。
螺閃 (らせん)
元麗十神衆の一人であり、裏麗の首領になった男性。オールバックにしたウルフカットの髪型で、いつも無表情。魔道具・光界玉を使用する。光界玉を使用した際の反作用によって、感情、声、母親を消してしまった過去があり、特に母親を消してしまった罪を悔いて、螺閃自身が消える時を探すためだけに戦い続けていた。しかし、花菱烈火との戦いで母親の思いを背負って戦う強さを烈火の中に見出し、自ら敗北を認めた。その後は鬼凜と共に裏麗を抜けたが、陽炎の呪いを消す事で自分を消そうと考え、鬼凜と共にHELLorHEAVENに潜入した。
煉華 (れんげ)
森光蘭と幻獣朗の手によって紅麗と紅の細胞を混ぜて造られた、クローンの少女。外見は紅に酷似しているが、紅に比べて下まつげが非常に長い。紅麗と同じく炎を使える炎術士。思考パターンが幼く、光蘭の事を「パパ」と慕い、褒めてもらうためにどんな事でも実行する。
永井 木蓮 (ながい もくれん)
紅麗の命令を受けて立迫文夫を拉致した男性。魔道具・木霊を使用する。額にバンダナを巻き、長い前髪で左目を隠している。「殺人医師」を自称しており、女性をいたぶって殺害する事に快楽を見出すサディスト。紅麗の屋敷では花菱烈火に一撃で倒され、強い恨みを抱いている。裏武闘殺陣では麗(幻)の次鋒として水鏡凍季也と対戦している。その時は幻獣朗の心霊医術によって木霊を左目に埋め込まれ、人間と魔道具の合成獣となっていた。裏武闘殺陣後は裏麗の一員となり、封印の地では恋人の命と共に凍季也と対戦し、要塞都市SODOMではウェポンドーム最奥の貯水池で烈火、空海と対戦している。
森川 願子 (もりかわ がんこ)
紅麗の屋敷において、最初の刺客として現れた9歳の少女。魔道具、形傀儡を用いて形代零蘭をあやつっていた。1年前に母親を亡くしたが、偶然にも街で母親そっくりのマネキンを発見し、毎日眺めていたところを紅麗に形傀儡の使用者として勧誘された。霧沢風子との対戦後は風子を非常に慕い、霧沢家の居候となった。零蘭にあやつられている人形のふりをしていた時には、「プリメラ」と名乗った。
石王 (せきおう)
紅麗の屋敷において、2番目の刺客として現れた男性。スキンヘッドで、口元を何重にも巻いたベルトで覆っている。懲役200年の殺人囚で、紅麗が用心棒にと雇っていた。魔道具、石冑の使用者。牙王の弟。
磁生 (じしょう)
麗十神衆の一人で、麗(鉄)の大将を務める男性。額に縦に走る無数の傷痕があり、屈強な体格をしている。小金井薫が知る限りでは麗で一番の実力者とされ、紅麗も一目を置いていた。また紅麗に忠実で個人的にも慕っており、雷覇、音遠と共に「この三人だけは何があっても紅麗のために命を賭けて戦う」事を誓った。魔元紗の魔道具、砲魔神によって、チームメイトの魂に撃ち抜かれて死亡。その後、紅と同じく紅麗の炎となって共に戦う。本来は「S刀」「N刀」という磁力を持った2本の刀、磁双刀を用いて戦うが、死後、この武器は音遠が受け継いで使用している。
麗奈 (れいな)
火影忍軍に所属している女性。桜火の側室であり、紅麗の実母。気の強い性格で、花菱烈火か紅麗のどちらかが呪われた子だという話が出た際、真っ先に烈火を呪いの子だと言い放った。紅麗の事は非常に慈しんで育てており、火影の当主となる事を疑っていなかった。火影の里が燃え落ちる際も、麗奈自身を置いて一人で逃げるよう説得している。
嘴丸 (くちばしまる)
三羽烏の長男。筋肉質な体型の男性で、ツーブロックの髪を逆立てている。火影忍軍の隠れ屋敷を発見し、紅麗の役に立とうと乗り込んだ。魔道具、嘴王を使用して霧沢風子を追い詰めたが、石島土門と水鏡凍季也の存在を忘れ去っていたため敗北した。紅麗を心から慕っており、森光蘭との決戦に赴こうとする紅麗についていこうと、ジョーカーに掛け合った。しかし、森月乃の護衛という大役を任されている事を諭され、伏礼して見送った。
爪丸 (つめまる)
三羽烏の二男。肥満体の男性で、肩から頭部にかけて包帯を巻き付けており、素顔が見えない。火影忍軍の隠れ屋敷を発見し、紅麗の役に立とうと乗り込んだ。魔道具、鬼の爪を使用し、佐古下柳に襲いかかったところ、柳をかばった陽炎を切りつけて花菱烈火の怒りを買った。紅麗を心から慕っており、森光蘭との決戦に赴こうとする紅麗についていこうと、ジョーカーに掛け合った。しかし、森月乃の護衛という大役を任されている事を諭され、伏礼して見送った。
羽丸 (はねまる)
三羽烏の三男。ふっくらとした体型の男性。髪型はモヒカンで、つねに舌を出している。火影忍軍の隠れ屋敷を発見し、紅麗の役に立とうと乗り込んだ。魔道具、飛斬羽を使用するが、花菱烈火に瞬殺された。紅麗を心から慕っており、森光蘭との決戦に赴こうとする紅麗についていこうと、ジョーカーに掛け合った。しかし、森月乃の護衛という大役を任されている事を諭され、伏礼して見送った。
空海 (くうかい)
裏武闘殺陣に参加した格闘家の男性。空の大将を務めている。剃髪し、首から大きな数珠を下げており、平時はにこやかな表情を崩さない。暗殺業に手を染めても空の存在を残す事を選んだが、裏武闘殺陣で勝ち抜く事で、暗殺者ではなく、格闘集団としての空を印象づけようと考えていた。2度の打撃までは笑顔で打たれるが、3度目の打撃を食らうと鬼の形相となって筋肉の硬質化なども見られる事から、「仏の顔も三度」にあやかり「仏の空海」と呼ばれている。花菱烈火の気性や心意気を買っており、空海自身との対戦後、烈火を死なせたくないという思いから自ら鬼の形相となり、烈火に「人を傷つける覚悟」を教育した。敗北後は火影と親交を深め、裏武闘殺陣終了後も火影の助けになるべく要塞都市SODOMでの戦いに参加する。空の門下生達からは「師範代」と呼ばれている。
最澄 (さいちょう)
裏武闘殺陣に参加した格闘家の男性。空の副将を務めている。華奢な体格の少年で、魔道具、式紙を使用する。心臓に疾患があり、15分以上の戦闘ができない。空を誇り高い格闘集団と考えており、暗殺業に染まりきった空の現状を嘆いている。小金井薫と非常に仲がよく、弟のようにかわいがっている。敗北後は火影と親交を深め、裏武闘殺陣終了後も火影の助けになるべく要塞都市SODOMでの戦いに参加する。
藤丸 (ふじまる)
裏武闘殺陣に参加した格闘家の男性。空の中堅を務めている。空で一番早いと自負しており、草刈り鎌を使用する。殺人を楽しむ外道であり、最澄が空の現状を嘆く一因にもなった。霧沢風子と対戦した。敗北後は嫌われつつも仲間と共に火影と親交を深め、裏武闘殺陣終了後も要塞都市SODOMでの戦いに参加する。
南尾 (みなみお)
裏武闘殺陣に参加した格闘家の男性。空の次鋒を務めている。猫のように縦長の瞳孔を持った目をしている。身体はゴムのように異様に柔らかく、敵の打撃を吸収し、南尾自身のパンチは伸びる。石島土門と対戦した。敗北後は火影と親交を深め、裏武闘殺陣終了後も火影の助けになるべく要塞都市SODOMでの戦いに参加。しかし、門都により殺害される。
大黒 (だいこく)
裏武闘殺陣に参加した格闘家の男性。空の先鋒を務めている。前髪以外を剃り上げ、前髪を逆立てた不思議な髪型をしている。空随一の棒術使いを自負しており、鉄砕棒を得物に水鏡凍季也と対戦した。敗北後は火影と親交を深め、裏武闘殺陣終了後も火影の助けになるべく要塞都市SODOMでの戦いに参加する。
幻獣朗 (げんじゅうろう)
麗(幻)の大将を務める老齢男性。麗十神衆の一人。長い眉毛と蓄えられた口ひげ、髷に袴といった、老いた浦島太郎を彷彿とさせる出で立ちをしている。心霊医術を使うマッドサイエンティストで、さまざまな合成獣を造り出している。2回戦を勝ち抜き戦にする事を提案した。かつては中国で仙人とも称されていたが、紅麗に敗北した事によって軍門に降った。しかし紅麗を殺害して、麗全体の首領になるという野望を抱いており、火影との大将戦において花菱烈火と対戦し、八竜を取り出して、手中に収めようとした。裏武闘殺陣での敗北後、音遠に殺害されたと思われていたが、別魅を用いて生きのびており、要塞都市SODOMでクローン製造や魔道具と人間の融合を研究し続けていた。
獅獣 (しじゅう)
麗(幻)の先鋒。男性の姿をしているが、人間にライオンのDNAを注入して造り出された合成獣。発達した強靱な牙を持っており、人語を話す事ができない。幻獣朗の手でライオンの遺伝子を活性化させられてからは、体の至るところから牙が飛び出た姿になった。
砂倉 瑪瑙 (さくら めのう)
麗(幻)の副将を務める女子高校生。魔道具、式髪を体内に埋め込まれており、幻獣朗からは最高傑作と賞賛されている。ごくふつうの女子高校生だが、父親を人質に取られており、無理矢理に裏武闘殺陣に参加せられていた。麗(幻)の敗退決定後、幻獣朗の手によって式髪が取り出されている。また花菱烈火に敗北したあとも、観戦と火影の応援のため、父親と共に裏武闘殺陣会場に滞在し続けた。
亜希 (あき)
麗(音)の先鋒を務める白髪の女性。魔道具、言霊を首に装着しており、「爾(なんじ)、刮目せよ」から始まる呪文を唱える事で相手に幻覚を見せ、そのスキに対戦者を切り刻む。紅麗のために戦う事を決意した音遠の力になるべく、要塞都市SODOMの戦いに参加。石島土門との共闘を決める。
魅希 (みき)
麗(音)の副将を務める黒髪の女性。左目の下にほくろが二つ縦に並んでおり、左足には魔道具、韋駄天を装着している。魅希が対戦者を翻弄する事で、音遠の攻撃をサポートしている。紅麗のために戦う事を決意した音遠の力になるべく、要塞都市SODOMの戦いに参加。石島土門との共闘を決める。
夜子魯 (やしろ)
鎖悪架子の大将を務める青年。Aブロック代表決定戦で火影と対戦する予定だったが、そこに至るまでに相次いだ仲間の死と、夜子魯自身の死期を悟った事もあり、花菱烈火にあとを託した。またその際、Aブロック出場者達のあいだにあった「火影を強いと認めたくない空気」を、「自分達の代表として声援を送る空気」に一新した。また鎖悪架子の棄権を宣言した直後に息を引き取っているが、火影の戦いは、魂となって仲間達と共に見守り続けた。
月白 (つきしろ)
麗(魔)の先鋒を務める青年。本来は裏麗に所属している。魔道具、海月、朧を使用する。小金井薫との戦闘以前は全身を包帯で覆った姿で現れていたが、これは朧を使用すると透明になる自分を、透明人間をモチーフにして表現していた。ナルシストで、他人を「俗人」「学がない」と見下している。敗北後は魔元紗の魔次元に送られた事から自棄になり、魔元紗の能力の秘密などを霧沢風子に話した。また麗(魔)の敗戦決定直後に森光蘭とも手を切り、麗、裏麗からも抜けている。裏武闘殺陣終了後も火影の助けになるべく要塞都市SODOMでの戦いに参加する。
火車丸 (かしゃまる)
麗(魔)の次鋒を務める忍者装束の小柄な男性。本来は裏麗に所属している。ふだんは頭巾で隠れているが、右目が非常に小さくて歪んでおり、左目だけで視界を確保している様子がある。また、語尾に「ゴザル」を付けるのが口癖。魔道具、偽火を使用する。麗忍者を自称しており、花菱烈火との戦いではどちらが忍として本物か、忍術合戦を繰り広げた。人真似が得意で、一度見た技は簡単に真似する事ができる。そのため、偽火を用いて八竜を再現する事もでき、対戦時は烈火を苦しめた。敗北後は魔元紗の魔次元に送られたが、霧沢風子と共闘して脱出。また麗(魔)の敗戦決定直後に森光蘭とも手を切り、麗、裏麗からも抜けている。裏武闘殺陣終了後も火影の助けになるべく要塞都市SODOMでの戦いに参加する。
餓紗喰 (がしゃくら)
麗(魔)の副将を務める男性。本来は裏麗に所属している。魔元紗の弟。戦闘時以外は精悍な顔つきだが、戦闘時はつねに魔道具、凶蜘蛛を装着しているため、素顔や体型がいっさい見えない。強者と戦うために本気になれない相手には、長さ数十メートル、重さ200キロのモーニングスターで攻撃を加える。霧沢風子を戦士として認めており、森光蘭がリングにレーザーロープを張って餓紗喰に有利な試合展開に持ち込もうとした際には、レーザーの発生装置を破壊し、正々堂々の試合を望んだ。敗北後は火影と親交を深め、光蘭と手を切り、麗、裏麗からも抜けている。裏武闘殺陣終了後も火影の助けになるべく要塞都市SODOMでの戦いに参加する。
魔元紗 (まげんしゃ)
麗(魔)の大将を務める男性。本来は裏麗に所属している。餓紗喰の兄。本体は病的な雰囲気で痩せ型、髪の長い魔術師のような印象の男性だが、つねに魔道具、次元界玉を起動して安全な魔次元の中に隠れつつ、空の鎧で作られた人形をあやつっていた。また、魔元紗本人が魔次元から出てこない限り、どんな攻撃もダメージにならないため、「不死身」を自称していた。紳士的な口調で話す。準決勝で石島土門と対戦した時は、生身の身代わりに鎧を着せて対戦させたうえで、本物のダミーは佐古下柳の拉致を目的に花菱烈火と戦っていた。最終的に、紅麗を裏切って行動していたとして、紅麗の命令を受けたJキーパーに殺害された。
Jキーパー (じぇいきーぱー)
甲冑を身につけた非常に大柄の男性。麗(紅)のメンバーとして登録されていた。Jキーパー本人も自分が麗十神衆の一人と疑っていなかったが、実際はジョーカーが不在にしているあいだのキープメンバーであり、裏武闘殺陣決勝前夜、ジョーカーによって殺害された。
戒 (かい)
本来なら麗(紅)の中堅の男性。裏武闘殺陣決勝において次鋒に水鏡凍季也が登場したため、命を押しのけて次鋒として出場した。ドレッドヘアにシルバーのアクセサリーをつけた厳めしい容姿をしている。魔道具、氷魔閻を使用する。もともとは剣術を極めた猛者で、他流試合を申し込んではさらなる強さを求めていたが、巡狂座に敗北した事をきっかけに師事し、氷紋剣を会得した。巡狂座から凍季也と比べられて見下され続けた事で、凍季也に敵対心と執着心を持っており、水鏡美冬の仇と自称して互いに全力の勝負を望んだ。凍季也に勝利したあとは執着が消えた事で生き甲斐をなくし、氷魔閻で自らを貫いて自決。凍季也への友情から、「思いが遂げられた時、死しか残らなかった男にはなるな」と言い残した。
命 (みこと)
本来なら麗(紅)の次鋒の女性。裏武闘殺陣決勝において戒が次鋒として出たため中堅として登場し、霧沢風子と対戦した。中に人間が搭乗してあやつる人型の魔道具、魅虚斗、白髭、大飛出を使用する。本人は着物の上衣にふんどしを身につけた若い女性だが、女性版の永井木蓮と言われるほどに性根が歪んでいる。泣き落としや噓泣き、降伏の真似が得意で、油断を誘う。本来なら裏武闘殺陣決勝で風子に敗北していたが、猿奈に声を出させないようにして勝者宣言を妨害し、無理矢理勝利した。裏武闘殺陣後は裏麗の一員となっており、木蓮と付き合っている。木蓮の事を「初めてできた自分以上に大切な存在」と語っており、木蓮の望みを共に望み、木蓮が殺されそうになると涙ながらに命乞いして見せた。しかし木蓮に敗走を勧めた際、当の木蓮に腹部を刺されて重傷を負い、それでも憎む事なく眠るように息を引き取った。
辰子 (たつこ)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。バニーガールのような衣装に、竜の角をイメージしたヘアバンドを付けている。また、左側の太ももに「辰」の字が彫られている。花菱烈火のファンとなり、審判としていけない事と思いつつ、個人的に応援している。1回戦第2試合において獅獣の残虐さを間近で見た結果、体調を崩し、2回戦は審判を子美に交代している。その後も火影事烈火の対戦の審判をやりたがっては、ほかの審判の女性達と軽い衝突を繰り返している。
子美 (ねみ)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。バニーガールのような衣装に、ネズミの耳をイメージしたヘアバンドを付けている。また、左側のオーバーニーソックスに「子」の字が書かれている。2回戦の審判を担当した。水鏡凍季也のファンで、準決勝では試合を欠場する水鏡を、解説としてスカウトした。
犬子 (いぬこ)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。ビキニタイプの水着とマント、犬の耳をイメージしたヘアアクセサリーを付けている。また右足の太ももには「戌」の字が彫られている。準決勝で小金井薫と月白の戦いを担当した。
羊子 (ようこ)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。シースルーパレオを巻いたビキニタイプの水着と、付け衿にネクタイ、羊の角をイメージしたヘアアクセサリーを付けている。また左足の太ももには「羊」の字が彫られている。準決勝で餓紗喰と霧沢風子の戦いを担当した。
牛乃 (うしの)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。牛柄のビキニタイプの水着に、付け衿と牛の角をイメージしたヘアアクセサリー、さらに牛の尾を付けている。また左足の太ももには「丑」の字が彫られている。準決勝で麗(紅)と雷覇の戦いを担当した。
卯美 (うみ)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。バニーガールの姿をしている。また左足の太ももには「丑」の字が彫られている。準決勝で魔元紗と石島土門の戦いを担当した。
亥子 (いのこ)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。非常に幼い少女で、左目に黒い眼帯をしている。火影の出場したブロックとは別のブロックで審判を務めていたため審判姿は出ていないが、ビデオで録画で見た石島土門に一目惚れし、ファンになった。
虎葉 (とらは)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。パレオを巻いた虎柄のビキニと手袋、虎の尾を付けている。また、左胸に「寅」の字とハートの入れ墨が彫ってある。決勝で石島土門と呪の戦いを担当した。また子美に頼んで、水鏡凍季也のサインをねだるほど水鏡のファン。
里巳 (さとみ)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。蛇が全身に巻き付いた意匠のチャイナドレスと、「白蛇」と書かれたバンダナを身につけている。年齢は22歳で、水鏡凍季也のファン。決勝で水鏡と戒の対戦を担当した。
猿奈 (えんな)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。2本の三つ編みとサッシュベルトを巻いたレオタード、猿の尾を付け、左太ももに「申」の字が彫られている。年齢は15歳で、霧沢風子のファン。決勝で風子と命の対戦を担当した。
魅鳥 (みどり)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。背中に翼が生えており、レオタードを身につけている。左太ももに「酉」の字が彫られている。口が悪く、体格も男性的な事から観客からの人気は薄い。決勝で小金井薫とジョーカーの対戦を担当した。
亜馬樹 (あまぎ)
裏武闘殺陣で審判を務める女性の一人。バニーガールのような衣装に、馬の耳をイメージしたヘアバンドを付けている。また、網タイツの左太ももに「午」と書かれ、先端に人参が刺さった「人参竹刀」を所持している。本来は決勝で紅麗と花菱烈火の対戦を担当するはずだったが、憂鬱な顔をしている辰子に審判の権利を譲った。
双角斎 (そうかくさい)
裏麗に所属している男性。大きなマントで全身を隠している。魔道具、魂吸いの壺を使用する。霧沢風子に執着しており、風子も自分を愛しているという妄想のもと、フィギュアや小説の創作などをして変質的な愛を囁いていた。風子を魂吸いの壺に閉じ込めて自我を奪って思い通りにしようとしたが、雷覇によって風子を救出されたあと、殺害された。
文丸 (ふみまる)
裏麗に所属している男性。頭頂部が禿げ、右目に眼帯をつけている。忍者装束をまとっており、クナイや魔道具、影縫を使用する。手下に命じ、花菱成男を人質にして花菱烈火と佐古下柳を脅迫した。
神威 (かむい)
裏麗に所属している男性。肉体のほとんどを機械化した同性愛者。鶏冠のように逆立てた金髪のモヒカン頭で、機械式のゴーグルをかけている。オネエ口調でしゃべり、子犬のような印象のかわいい男の子が好きと公言している。「愛しているからこそ殺す」を信条に、小金井薫に執着している。
牙王 (がおう)
裏麗に所属している男性。がっしりとした体型をしている。石王の兄。魔道具、石棍を使用する。甘い物に目がなく、つねにチョコレートを摂取しており、薬物依存のような症状を見せる。白骨化した石王の首を瓶に詰めて持ち歩いている。石王が殺されたきっかけとなった石島土門を激しく憎み、執着している。要塞都市SODOMではバイオノイドドームにて小金井薫と対戦。その際には自らチョコレートを断ち、「土門を殺したら好きなだけチョコを食べる」というルールを課していた。
鬼凜 (きりん)
裏麗に所属している19歳の女性。つねにサングラスをかけており、長い黒髪をポニーテールにしている。魔道具、心眼によって相手の思考を読み、自身もテレパシーを使用する事ができる。そのため声と感情を失った螺閃ともリアルタイムに意思疎通ができ、つねに行動を共にしている。非常に純情で、異性とキスもした事がなく、性的なものを見る事に耐えられない。石島土門との対戦中、胸が露出した事から土門の思考が「おっぱい」とそれに附随する妄想でいっぱいになり、土門の勃起した局部に気づいてしまい、襲いかかられそうになったショックで意識を失った。螺閃を大切に思っており、螺閃の望みで共にHELLorHEAVENに潜入。陽炎に掛けられた不死の呪いを螺閃が消す前に、本当に陽炎を殺す事ができないのか挑んだ。
緋水 (ひすい)
裏麗に所属している女性。顔面をはじめ体中に大きな傷痕があり、着物のような衣装をまとっている。魔道具、神慮伸刀を使用する。裏麗の予備軍として集められ、戦士としての教育を受ける中でヒデキと出会い、恋人同士になった。しかし、裏麗の正式メンバーになる最終テストで、ヒデキを殺害してしまった事から「戦いはゲームであり、自分はそれに勝っただけ」と考えるようになる。それ以降、死に場所を求めてより危険な任務を請け負うようになったが、霧沢風子に敗北し、叱責された事で緋水自身の生き方を見つめる視点を持つ事ができた。その結果、天堂地獄を手にした直後の森光蘭に反逆。風子をかばって死亡した。
葵 (あおい)
螺閃から裏麗の新たな首領として指名された四死天の一人。封印の地にも密かに同行しており、永井木蓮、命を撃破した直後の水鏡凍季也に瀕死の重傷を負わせた人物でもある。魔道具、神慮思考を使用する。煉華と同じく、紅麗と紅の遺伝子を混ぜたクローンとして森光蘭と幻獣朗の手によって作られた。しかし炎術士としての適性や感情の欠落が多く、失敗作と言われている事がコンプレックスとなっており、光蘭に葵こそが成功作と認めてもらうために自我を押さえつけている面がある。ただし、佐古下柳を拉致して以降は人間らしい感情の起伏が顕著になっており、光蘭に柳を差し出してもいいのか葛藤し続ける。花菱烈火に性別を聞かれた際には「体は……男なのかな」と曖昧な表現をしており、烈火達と同じ高校に潜入した際には女子生徒として「神楽葵」を名乗るなど、性別が曖昧な人物。
蛭湖 (ひるこ)
螺閃から裏麗の新たな首領として指名された四死天の一人。戦う相手に敬意を持って応じる、礼儀正しい性格の男性。魔道具、血種を使用し、血液を武器にして戦う。裏麗となるために行われた戦闘訓練を経て、森光蘭に従う事に使命感を覚えている。そのため、強制力のない戦いに身を投じる火影メンバーの戦う意思に興味を持っており、HELLorHEAVENで石島土門と戦い、その強さと自らの意思で戦いに赴く姿勢に感銘を受けた。
綺理斗 (きりと)
螺閃から裏麗の新たな首領として指名された四死天の一人。年齢不明の女性。長い黒髪に眼鏡をかけており、「南無阿弥陀仏」と書かれた黒いワンピースと、文字を隠すための白いベストを着ている。魔道具、輪廻、涅槃、死愚魔を使用する。輪廻を利用して肉体、精神共に年齢を自在にあやつる事ができるが、使用過多によりオリジナルの綺理斗の年齢を忘れており、森光蘭から本来の自分の年齢を教えてもらうために戦っている。
門都 (かどつ)
螺閃から裏麗の新たな首領として指名された四死天の一人。継ぎ接ぎだらけの素顔を仮面で隠している男性。接続詞の少ない片言気味の言葉で話す戦闘狂で、要塞都市SODOMでは南尾をはじめとして多くの人間を殺害した。最澄、火車丸、餓紗喰、月白と対戦していたところ、乱入した紅麗によって殺害されたと思われていた。しかし、HELLorHEAVENで戦闘直後の綺理斗や小金井薫、ジョーカーのもとに乱入。ジョーカーに重傷を負わせたが、ジョーカーもろとも帝釈廻天が作り出したブラックホールに吸い込まれていった。
八神 (やがみ)
森光蘭の側近兼護衛として封印の地に訪れていたスーツ姿の中年男性。大きな鷲鼻で顎ひげを生やし、メガネをかけている。石島土門からは「やられ役の顔」と称されているが、嘴王を装備した土門を一撃で後退させるほどの実力者。人差し指を改造しており、中に小銃を仕込んでいる。光蘭が天堂地獄と同化直後、伸縮する腕に上半身を食いちぎられて死亡した。しかし要塞都市SODOMでは、光蘭の遺伝子が組み込まれた人間として復活し、火影や空、魔元紗以外の麗(魔)などの前に立ちはだかった。
ミルク
メイド服を着た幼い少女。裏麗に所属している。つねにクルミと行動を共にしており、髪が背中まで届く長さで、初対面の相手とも屈託なく話す。要塞都市SODOM内にある格納庫で石島土門、魅希、亜希と対峙した。個人としての戦闘能力は皆無で、所持しているモップに内蔵されたコントローラーで、戦闘ロボットのミクルを操作して戦う。
クルミ
メイド服を着た幼い少女。裏麗に所属している。つねにミルクと行動を共にしており、肩までの髪が外ハネしており、そばかすがあって、丁寧な口調で話す。要塞都市SODOM内にある格納庫で石島土門、魅希、亜希と対峙した。個人としての戦闘能力は皆無で、所持しているモップに内蔵されたコントローラーで、戦闘ロボットのミクルを操作して戦う。
搦 (からめ)
門都の部下でもある男性。裏麗に所属している。門都の部下でもある。量産された魔道具、式紙を使用する。細長い紙をミイラの包帯のように全身に巻き付けている。要塞都市SODOM内にあるピラミッドで、霧沢風子と対峙した。
マリー
マリーの館の女主人。裏麗に所属している。物腰柔らかで柔和な女性に見えるが、サディストで、館の内部には大量の拷問器具が置かれている。また、「犬」と称しているポチは配偶者の男性。魔道具、束縛鞭天を使用する。来訪者をしびれ薬入りの紅茶でもてなし、動きを封じたあとで自分好みに調教しようとする。水鏡凍季也の事は「ジョン」と名付けようとしていた。
ポチ
マリーの夫。裏麗に所属している。マリーの館で待ち受けていた屈強な男性。つねに目隠しの頭巾とボールギャグを身につけており、マリーの言葉を忠実に実行しようとするが、マリーの激怒を買った際には足下にすり寄って許しを請う姿も見られる。タフで、体格のわりに動きがすばやい。
魔道具研究者 (まどうぐけんきゅうしゃ)
髪の長い痩せ型の男性。要塞都市SODOMの貯蔵庫で魔道具の研究を続けている。要塞都市SODOM内を闊歩しているゾンビ達を消耗品と言い切っており、人間としての自我と死への恐怖が残るゼットに対して、森光蘭の遺伝子の浸食を遅らせる薬をチラつかせる事で命令を聞かせていた。
巡狂座 (めぐりきょうざ)
長い顎髭と禿頭の老齢男性。水鏡凍季也と戒に氷紋剣を伝授した。「巡狂座」は本名ではなく、氷紋剣の継承者が掲げる称号。麗十神衆の最強の剣士といわれており、大量の鎖と鉄製のお守りでがんじがらめにされて裏麗の牢屋に閉じ込められていた。ずっと隠していたが、凍季也と水鏡美冬の祖父であり、美冬が死んだのは氷紋剣の継承を強いた自分自身と、「巡狂座」という称号のせいだと考え、凍季也に討たれる事を望んでいた。
森 月乃 (もり つきの)
森光蘭の妻。紅麗の養母で、時空流離で現代に流れ着いた紅麗を保護し、養育した。10年前に月ノ宮に幽閉されたうえ、体内には遠隔操作式の小型爆弾が埋められており、紅麗に対する人質として扱われている。裏武闘殺陣後、紅麗を用済みとして殺害しようとした光蘭によってこの爆弾のスイッチが押されたが、雷覇によって一足早く体内の爆弾を遠隔破壊されており、生き永らえた。紅麗と無事に再会したが、光蘭との決戦に赴く紅麗とは今生の別れになる事を察しており、本当の子供として愛していた事を伝えて見送った。
水鏡 美冬 (みかがみ みふゆ)
水鏡凍季也の姉。7年前に殺害された少女。巡狂座が祖父である事を知っており、幼い凍季也を戦いから遠ざけるため、自ら氷紋剣を継承しようとしていた。しかし、その訓練を始めて1年ほど過ぎた頃、森光蘭の命令で閻水を奪取に来た裏麗の前身部隊によって殺害された。
ケイシュウ
前回の裏武闘殺陣において、父親を命に殺害された少年。父親の敵を討ってほしいと、決勝直前の霧沢風子に頼み、客席の最前線で応援していた。
ヒデキ
緋水のかつての恋人の男性。裏麗の予備軍として集められ、戦士としての教育を受けていた。緋水に「何があっても生きのびろ」と語って、互いに生きのびる事を誓っていたが、森光蘭の策略により、裏麗の正式メンバーとなる最終テストで緋水との殺し合いを命じられたが、途中で相手が緋水である事に気づき、自ら緋水に殺される道を選んだ。
吉川 保住 (よしかわ ほずみ)
小金井薫の同級生の女子中学生。クラス一の美少女として校内でも知られており、薫が転入して来るまでは非常にモテながらも、すべてのアプローチを無視するクールな少女だった。しかし薫と出会って一変、「小金井薫親衛隊長」として、薫をアイドルのように扱っている。薫が強い事も理解しており、佐野浩哉が毎日のように薫にケンカを仕掛けているのを知っていても、心配していなかった。実は浩哉の事が好き。森光蘭との決戦に向かう薫を、浩哉と共に見送った。
佐野 浩哉 (さの ひろや)
小金井薫と同学年の男子中学生。中学生でありながらも逆立てた金髪で、眉や唇などをはじめ多数のピアスを付けている不良少年。髭を生やしているため、非常に老けて見える。吉川保住の事が好きで、保住が夢中になっている薫の事が気に入らず、毎日のようにケンカを仕掛けている。しかし悪人ではなく、薫からは友達として見られている。森光蘭との決戦に向かう薫を、保住と共に見送った。
霞 (かすみ)
石島土門と同じクラスに在籍している女子高校生。小学生に間違われるほどに背が低くて容姿も幼く、口下手。土門に片思いしており、土門が学校をやめるという根も葉もない噂を聞いて、いっしょに進級するため、土門に勉強を教えた。土門が霧沢風子を好きな事も承知のうえで告白し、森光蘭との決戦に向かう土門に花束を渡して見送った。
原田 (はらだ)
佐古下柳の家で雇われているハウスキーパー兼、柳の教育係を務める女性。キツい顔立ちをしており、なにかと口うるさく小言が多い。しかし、花菱烈火達の事をよく思っていない節の発言をした際には、柳の怒りに触れて恐縮した様子が見られた。
神山 (かみやま)
佐古下柳の家で雇われている庭番の男性。柳を見守っており、原田に対しては口うるさいと思っている。また、柳が初めて原田に怒りを見せた日は、その成長に涙目で喜んでいた。
小平太 (こへいた)
桜姫の思い人であり、家臣の男性。小平太自身も桜姫の事を愛しく思っていたが、立場を考えて桜姫からの告白にも応える事ができなかった。しかし、高杉獣吾郎正金との関係が清算されれば機会があると知り、かねてより個人的に交流のあった火影忍軍を沢木に紹介、高杉の暗殺を計画した。高杉暗殺が失敗に終わったあとも、合戦に勝てば桜姫を娶るという沢木からの確約を得て、戦場に出るが討ち死にした。本名は「清水小平太貴光」。
沢木 (さわき)
桜姫の父親。小国を治める大名。細面で頰が痩(こ)けており、口ひげを生やしている。桜姫の思い人が家臣の小平太である事や、小平太も桜姫を恋い慕っている事を知っており、二人を結婚させてもいいと考えていた。しかし、高杉獣吾郎正金から桜姫を側室に招きたいという書状を再三送られ、どうすればいいのかを思い悩んでいた。小平太の紹介で火影忍軍、桜火に高杉の暗殺を依頼した。高杉暗殺が失敗したあとは覚悟を決めて合戦に臨み、討ち死にしている。
高杉 獣吾郎正金 (たかすぎ じゅうごろうまさかね)
桜姫を側室にしようとしていた戦国武将。肥満体で巨漢、顔にいくつもの傷痕があり、「醜い顔」を自称している男性。小国を治める大名の父親を殺害し、国を大きくしていった。戦では負けしらずとされ、強国として知られていた。しかし性格は残虐非道で好戦的、かつ好色な人物で、少しでも気に入らない者は重臣、正室、側室をも斬り殺すと言われており、桜姫は縁談を嫌がっていた。火影忍軍による暗殺未遂にあったあと、激昂して沢木家に合戦を仕掛けた。
高峰 蔵人 (たかみね くらうど)
高杉獣吾郎正金に雇われている甲賀忍者の男性。幻術の炎をあやつり、相手の身動きを封じたところでとどめを刺す戦法を好む。桜火の顔に大きな傷痕をつけた人物。
形代 零蘭 (かたしろ れいらん)
森川願子の母親に似せたマネキン。願子が形傀儡であやつっており、紅麗の屋敷において最初の刺客として現れ、霧沢風子と戦った。非常に精巧に作られており、動きもなめらかだった事から、人間だと思われていた。
呪 (のろい)
麗(紅)の先鋒を務める、鉄仮面をかぶった男性。実際は魔道具、縛呪にあやつられている死体であり、より強靱な死体を使用するため、毎回違う人間の肉体だった。
ミクル
メイド服を着たロボット。要塞都市SODOM内にある格納庫で、ミルクとクルミがあやつっていた。ミルクとクルミの持っているモップに仕込まれたコントローラーで操作されており、ロケットランチャーなどが搭載されている。
死愚魔 (しぐま)
巨大な生き物のような魔道具。要塞都市SODOMで綺理斗があやつっている。もともと生き物のような魔道具だったようだが、それに天堂地獄と同化した森光蘭の遺伝子を組み込んだ事で巨大化し、怪物のような外見になっている。綺理斗が右手に装着している涅槃によって操作する事ができる。言葉も話すようだが、その解読は綺理斗にしか不可能。その綺理斗とも、彼女が老人の姿になっている時が一番相性がよく、また言う事もよく聞く。「魔弾」と呼ばれるレーザーを打つ事ができる。
ゼット
要塞都市SODOMの貯蔵庫で、魔道具研究者の護衛を務めていた性別不明のゾンビ。天堂地獄と同化した森光蘭の遺伝子を組み込まれてゾンビ化した元人間だが、ほかのゾンビ達と違い、人間としての自我と死への恐怖が残っている。そのため、少しでも死の瞬間を遠ざけようと、光蘭の遺伝子の浸食を遅らせる薬を持つ魔道具研究者の命令を聞いていた。ホイッスルのような物を所持しており、この音で要塞都市SODOM内のすべてのゾンビをあやつる事ができる。
崩 (なだれ)
花菱烈火を宿主とする八竜の1匹。目、口、鼻の穴が大きく、顔立ちがはっきりしている火竜。角や髭もあり、八竜の中で一番東洋の龍らしい姿をしている。烈火に力を貸した最初の火竜で、穏やかで人がいいと言われている。複数の火の玉を標的に投げつける事ができる。烈火の精神世界では生前の人間の姿で現れ、組紐でポニーテールを結い、男装した女性の姿をしている。
砕羽 (さいは)
花菱烈火を宿主とする八竜の1匹。嘴のように尖った口元と頭部中央に立つ角、両側に四つずつ目が付いている火竜。烈火の右腕から炎の刃を出す事ができる。裏武闘殺陣前の特訓で取得した。刹那が幻獣朗に憤怒して顕現した際、その危険性について烈火に警告した。髪を逆立て、両目の下にそれぞれ二つの丸い入れ墨がある男性で、烈火の精神世界では生前の人間の姿で現れる。
焔群 (ほむら)
花菱烈火を宿主とする八竜の1匹。上下の顎の横から昆虫のようにもう一対の顎が出ており、逆立ったたてがみを持つ火竜。炎の帯が右腕に巻き付いて打撃の補助を担うが、この帯を鞭のように使う事もできる。裏武闘殺陣での空海との対戦において、烈火の考えに共感して力を貸す事を決めた。烈火の精神世界では生前の人間の姿で現れ、弁髪のように髪を結った男性であり、全身に鞭を巻き付けている。また鞭の名手として知られており、射程内ならどんな小さな物にも命中させる事ができたとされる。
刹那 (せつな)
花菱烈火を宿主とする八竜の1匹。一見すると目がないように見えるが、実際はつぶっているだけで、頭部中央に巨大な一つ目がある火竜。目を見た者すべてを焼き殺す特性を持つ、一瞬だけの炎「瞬炎」を使う。非常に危険だが、烈火は周囲への威嚇などの際に多く使用する。烈火の精神世界では生前の人間の姿で現れ、暗殺した相手の眼球で作ったネックレス、眼球で装飾したバンダナを身につけた男性。敵味方を問わず殺害する残忍な性格だったため、炎術士でありながら火影忍軍の頭首とは認められず、火影の人間によって殺害されたとされる。
円 (まどか)
花菱烈火を宿主とする八竜の1匹。額に三つめの目を持つ火竜。「炎の結界王」を自称しており、小さな火球で多角形の結界を作り出し、対象者を守護する。音遠を汴舞から守ろうとする烈火の心に呆れながらも共感し、力を貸した。烈火の精神世界では生前のふくよかな男性の姿で現れ、ニコニコと優しそうな顔立ちをしているが口が悪く、性格は最悪と言われている。
塁 (るい)
花菱烈火を宿主とする八竜の1匹。頭部に長い髪を持つ火竜。謎かけが好きで、塁の出す謎かけに答えられた者に力を与える。明確な炎の形を持たず、人や物など、烈火の想像したとおりの状態に変化して相手を惑わす事から「型無の塁」を自称している。烈火の精神世界では生前の人間の姿で現れ、左胸に薔薇の入れ墨を彫った妖艶な女性の姿をしている。また身にまとった着物はつねにはだけており、色香を武器に暗殺を成していたとされる。
裂神 (れっしん)
花菱烈火を宿主とする八竜の1匹。後方に伸びる2本の角を持つ火竜。八竜の長でもあり、ほかの八竜からは一目を置かれている。死者の肉体を焼く事で、その魂を炎として使役できるようになる。生前は烈火の実父、桜火だった。初登場時に紅麗を激しく尾で一打しているが、これはあまりに荒んだ心を持っているのを見かねて、父親としての叱責のつもりだったと語っている。佐古下柳からは「れっちんさん」と呼ばれている。
集団・組織
火影忍軍
桜火が6代目頭首を務めていた、幻といわれる忍軍。身体能力においては人並みで、ほかの忍里より劣っていたが、天才的な頭脳を持つ一族で、魔道具を造り出した。代々一代に一人だけ生まれる炎術士が首領を務めていた。魔道具奪取を企てた織田信長によって滅ぼされたが、桜火の策によって魔道具は隠されていたため、織田軍の手には渡らなかった。
麗 (うるは)
紅麗直属の暗殺部隊。紅麗を筆頭として、核となる十人の幹部・麗十神衆が取りまとめている。麗(紅)以外は麗十神衆一人につき兵数人で構成されたユニットだが、麗(紅)のみ紅麗以外の全員が麗十神衆となっており、レベルが違うと評価されている。裏武闘殺陣後はすべての麗が事実上解体されたが、紅麗は自身を「正当な火影忍軍の後継」と考えており、「裏火影」としての「麗」を紅麗、雷覇、ジョーカー、音遠で名乗っている。
裏麗 (うらうるは)
麗の内部用の極秘暗殺集団。社会的では裏の存在にある麗の、さらに裏の存在。本来は麗として認められなかったあぶれ者の集団だった。裏武闘殺陣後は、森光蘭直属の暗殺部隊として表立って行動を始めた。螺閃を首領として、サポートに鬼凜、次いで四死天がトップを務めている。
空 (くう)
裏武闘殺陣において、火影が初戦で対戦したチーム。大将を空海、副将を最澄が務める。裏世界では暗殺業も行う格闘集団として知られており、その規模は東北地方最大といわれている。藤丸以外の全員が道着を着用して参加している。火影に敗北したあとも、観戦と火影の応援のために裏武闘殺陣会場に滞在し続けた。また、要塞都市SODOMにおける火影と森光蘭、裏麗との決戦にも、空に所属している門下生全員で参戦している。
八竜 (はちりゅう)
花菱烈火を宿主とする8匹の火竜の総称。長を裂神として、過去の炎術士の怨念が炎となっている。呼び出すためには、空中に火竜の最初の一字を書く必要がある。
三羽烏 (さんばがらす)
嘴丸、爪丸、羽丸の三兄弟の総称。偶然にも火影忍軍の隠れ屋敷の結界を目にして侵入し、紅麗に烈火の首を持ち帰ろうとしていた。陽炎には「魔道具の力を1パーセントも使いこなせていない下忍」と言われた。
火影 (ほかげ)
裏武闘殺陣に出場するにあたって、花菱烈火が考えたチーム名。烈火をリーダーに、霧沢風子、石島土門、水鏡凍季也が初戦から参戦し、2回戦からは小金井薫が加わっている。またチーム全滅の際の貢ぎ物として佐古下柳が同行しており、全員の保護者として陽炎がついている。毎回じゃんけんで出場順を決めるため、大将や副将なども特に決まっていない。裏武闘殺陣終了後も、火影を名乗っている。
麗(幻) (うるはまぼろし)
裏武闘殺陣において火影が2回戦で対戦したチームにして、麗の一派。幻獣朗を大将とした四人構成のチームで、獅獣、永井木蓮、砂倉瑪瑙の全員が心霊医術による肉体改造を施されている。幻獣朗いわく、本来の麗(幻)は幻獣朗一人だとされる。
麗(音) (うるはおと)
裏武闘殺陣において火影が3回戦で対戦したチームにして、麗の一派。音遠を大将とした三人構成のチームで、魅希、亜希を合わせて全員が女性。亜希が石島土門に敗北したあと、花菱烈火、水鏡凍季也に対し、2組同時に対戦を行うダブルバウトを申し込んだ。
麗(鉄) (うるはくろがね)
裏武闘殺陣に出場した麗の一派。磁生を大将とした四人構成のチームだが、魔元紗ただ一人に全員が惨殺された。
麗(魔) (うるはま)
裏武闘殺陣に出場した麗の一派。魔元紗を大将とした音遠もこのチームの構成員の事はよく知らず、兵隊レベルのメンバーだと考え、火影と当たるなら麗(鉄)だと思い込んでいた。麗の名を冠しているが、所属メンバー全員が裏麗の所属であり、森光蘭を主人としている。魔元紗が佐古下柳を拉致するためのカモフラージュとして出場した。
麗(紅) (うるはくれない)
裏武闘殺陣に出場した麗の一派。紅麗自身が大将を務めるチーム前大会の優勝チームなため、シードとして2回戦からの参加だった。麗(音)などのチームと違い、チーム全員が麗十神衆で構成されている。
麗十神衆 (うるはじゅっしんしゅう)
紅麗を首領とした、麗を取り仕切る十人の幹部の総称。幻獣朗、音遠、雷覇、磁生、命、ジョーカー、戒、呪、螺閃、巡狂座がこれにあたる。
鎖悪架子 (さーかす)
裏武闘殺陣において、火影が4回戦で対戦するはずだったチーム。夜子魯を大将とした四人構成のチームだが、前回の裏武闘殺陣にて紅一点の架凜を呪に殺害された仇討ちにと三人構成で参戦した。しかし残り二人も戦死し、夜子魯も死期を悟ったため、4回戦の棄権を宣言して火影にあとを託した。魂のみとなった後も四人揃って火影の戦いを見守り続け、裏武闘殺陣決勝の結末を見届けて成仏した。
四死天 (ししてん)
裏麗の中で螺閃、鬼凜に次ぐ力を持った四人の総称。葵、綺理斗、蛭湖、門都がこれにあたる。螺閃、鬼凜が火影との戦意を失ったあと、新たに裏麗の首領として任命された。麗として認められなかったあぶれ者集団としての裏麗の中でも、最も危険とされており、音遠もその噂は聞いていた。
イベント・出来事
裏武闘殺陣 (うらぶとうさつじん)
C県にある「殺陣導夢(さつじんドーム)」という会場で催される、非合法の武闘大会。森光蘭が主催者で、開催中は森光蘭の城において、富裕層によるギャンブルが行われる。会場内では殺人も罪にならず、勝敗に莫大な金銭が賭けられる。チーム対抗のトーナメント戦で、1チームにつき最大五人まで登録できる。どんな武器も使う事ができるが、敗者の武器は勝者に奪われるルールとなっている。さらにチームが全滅した際には、ペナルティーとして主催者に貢ぎ物を捧げる決まりがある。また会場の南西には選手用のホテルが用意されており、敗退した者も含めて大会中の宿泊施設となっている。審判は、辰子や子美など、干支を名前に冠した女性達が務める。のちに、火影の力を評価した光蘭が紅麗暗殺のために開催した事が判明する。
場所
紅麗の屋敷 (くれいのやしき)
山奥にある洋館。紅麗が主人を務めている。立迫文夫と佐古下柳が拉致された場所でもある。石王、形代零蘭、永井木蓮、小金井薫が刺客として待ち受けていた。
火影忍軍の隠れ屋敷 (ほかげにんぐんのかくれやしき)
かつて火影忍軍が隠れ家として使用していた大きな屋敷。山奥にあり、結界が張ってあるため普通の人間は入って来られないとされる。火影の重要な決めごとや相談、会議は必ず火影忍軍の隠れ屋敷で行われる。
森光蘭の城 (もりこうらんのしろ)
西洋風の大きな城。森光蘭が所有している。裏武闘殺陣が開催されているドームの北西200メートルの場所に建っている。裏武闘殺陣が開催されているあいだ、光蘭が招待した富裕層の人々によって、参加者の生死を賭けの対象としたギャンブルが行われている。
月ノ宮 (つきのみや)
I県の山中にある巨大な屋敷。森月乃が監禁されており、紅麗や紅麗の手の者が月乃の奪回を企てないよう、つねに厳重な警備体制が敷かれている。
魔次元 (まじげん)
魔元紗が魔道具、次元界玉で作り出すワームホール。この魔次元を経由すると、離れた場所にいる他人と瞬時に入れ替わったり、まったく違う場所にワープする事ができる。一度ここに吸い込まれると、魔元紗の意思で行われない限り脱出は不可能とされている。
烈火の精神世界 (れっかのせいしんせかい)
烈火自身の精神内の世界。花菱烈火が八竜と対話するために使用される。太陽がなく、砂漠が広がっており、外よりも時間の進み方がゆっくりしている。
封印の地 (ふういんのち)
魔道具、天堂地獄が封印されている地。月光が降る中、注連縄のかけられた巨木に魔道具の核である玉を嵌め込む事で入り口が開かれる。地下に向かって延びており、地下に進むほど広い。多数の罠が仕掛けられており、容易に天堂地獄に辿り着く事はできない。牙王、緋水、神威、文丸、双角斎、鬼凜、螺閃が刺客として火影を迎えた。
要塞都市SODOM (ようさいとしそどむ)
森光蘭が裏麗を統括する砦。奈良県と和歌山県に位置する山岳地帯に建てられている。中では光蘭の遺伝子を組み込んで改造されゾンビ化した人間が闊歩しており、生態系の中心を光蘭に据えた世界に変革するための準備が進められている。HELLorHEAVENを中心に、いくつものドームや施設が存在している。
HELLorHEAVEN (へるおあへぶん)
要塞都市SODOMの中心に経っている巨大な塔。森光蘭の居城にして、佐古下柳が監禁されている場所。周囲をコールタールのような水質の湖で守られており、泳いで渡る事は不可能となっている。HELLorHEAVENに入るためには、要塞都市SODOM内の施設にいる裏麗の刺客と戦い、一人1枚、侵入方法や電子キーなどが入ったデータCDを集めなければならない。エントランスには7機のエレベーターが設置されており、それぞれ別の階で停止するようになっている。
格納庫 (かくのうこ)
要塞都市SODOMの中にある施設。エントランスから比較的近い場所にある。石島土門が訪れ、魅希、亜希、音遠と合流した場所で、ミルク、クルミ、ミクル、幻獣朗が待ち受けていた場所でもある。幻獣朗がデータCDを所持していた。
ウェポンドーム
要塞都市SODOMの中にある施設。花菱烈火が訪れ、神威、永井木蓮が待ち受けていた場所。神威はエントランスの電子パネルに小金井薫を指名するメッセージを流し続けていたが、薫が涙ながらに拒否したため、烈火が担当した。内部には大量の火器が設置されており、神威がウェポンドームの心臓部と結合する事で、すべての火器が神威の思い通りに操作される。
ピラミッド
要塞都市SODOMの中にある施設。ピラミッド型の建物で、霧沢風子が訪れ、綺理斗、搦が待ち受けていた場所。風子が搦を降してディスクを入手したものの、綺理斗に騙されて奪還され、川に突き落とされた。
バイオノイドドーム
要塞都市SODOMの中にある施設。割れた巨大な培養菅がたくさん残されている。小金井薫が訪れ、牙王が待ち受けていた場所。拉致した人間を、天堂地獄と同化した森光蘭の遺伝子を組み込んで改造し、ゾンビのような生物に作り替えた場所でもある。
マリーの館 (まりーのやかた)
要塞都市SODOMの中にある施設。像のある建物の奥にある洋館で、マリーが主人を務める、豪奢な民家にも見える。マリーの柔和な雰囲気につられて振る舞われた紅茶を飲んでしまうと、身動きが取れなくなり、マリーの調教候補にされる。水鏡凍季也、石島土門、花菱烈火が訪れ、マリー、ポチが待ち受けていた場所。
貯蔵庫 (ちょぞうこ)
要塞都市SODOMの中にある施設。像のある建物の奥にある、食料とゾンビの貯蔵施設。小金井薫、霧沢風子が訪れ、魔道具研究者とゼットが待ち受けていた。がらんとした建物に大量のゾンビが貯蔵されており、ゼットの所持しているホイッスルを合図に活動を開始する。
像のある建物 (ぞうのあるたてもの)
要塞都市SODOMの中にある施設。集めたデータCDを挿入するスロットがある場所。中央には下半身が鍵の形になっている、巨大な森光蘭の石像が浮かんでおり、CDを挿入するごとに森光蘭の像が普通の人間から、天堂地獄と同化した禍々(まがまが)しい姿に変貌していく仕様になっている。最後にキーワード「DEATH」を打ち込むと、像の鍵の部分が下の亀裂に差し込まれ、HELLorHEAVENへの地下道が開く仕組みになっている。
その他キーワード
魔道具 (まどうぐ)
火影忍軍が造り出した、超常的な力を持った道具の総称。陰陽五行や風水、科学など、さまざまな知識の集大成とされる。道具はそれぞれ自分の主人を選び、主人と認めていない者には扱う事ができない。一つしかない物もあれば、量産された物もある。基本的に、核となる玉に能力や名称を表した文字が一つ入っている。
炎術士 (えんじゅつし)
火影忍軍の首領となる特殊能力者。媒体に頼る事なく、大気と精神力を呼応させて炎を生み出す事ができる。炎術士によって炎の形が異なり、大小や色なども異なる。また炎術士は自らの潜在能力が暴走しないよう、それぞれ手甲や腕輪等の封印具を身につけている。本来一代に一人しか生まれないが、花菱烈火と紅麗は同世代として産まれたため、不吉とされた。
火竜 (かりゅう)
火影忍軍の古文書における、炎術士の炎の形の一種。獅子、大蛇、鷹なども強力とされたが、火竜は最も強力な炎の形とされ、恐れられていた。火竜を召喚する際には三つの注意事項があり、それぞれ複数の火竜を同時に出す場合には取り込んだ順の逆に呼ばなければならない、火竜を合成する際には精神力を削るため、火竜の炎が逆流する事もあるため乱発は控えなければならない、火竜同士にも相性があり、特に刹那はほかの火竜との共存を拒む事から注意が必要、とされている。また火竜は守るべき者を守れず死んだ炎術士が、迷い、呪い、未練を残したために魂が浄化されずになったものであり、花菱烈火が守るべき者を守りきれた時、火竜の未練も晴れて浄化されるといわれている。
天堂地獄 (てんどうじごく)
封印の地の奥に封印された魔道具。最強にして最凶最悪と呼ばれ、死体を乗り換えてあやつる縛呪をヒントに生み出された。海魔の魂が注入され、天堂地獄自体が海魔自身とも言える。海魔と同じく欲望にまみれた術者を待っていた。鎧武者の形で封印されていたが、本体は、鎧の内部で眠っていた、視神経がついて浮遊する複数の目玉。火影忍軍を憎んでおり、目覚めた直後に花菱烈火を殺害しようとした。過剰な欲望を持つ者を求めており、森光蘭を術者として認め、同化した。光蘭の肉体と同化後、粘土のように分裂できるようになるが、能力が分散される事も理解し、完璧な生物となるために佐古下柳をも取り込む事を提案する。
門構 (もんがまえ)
魔道具の一つ。門都が使用する。門都が両腕に装着している大きな手甲のようなもので、両腕をピタリとつけると、魔道具の核を嵌め込む丸い溝ができる。そこに無名を嵌め込めば、「門構え」の部首を使用するさまざまな漢字の能力を使用する事ができる。
風神 (ふうじん)
魔道具の一つ。霧沢風子が使用する。右腕の肘下から手の甲を覆う形で、人差し指に嵌(は)める指輪で固定する。手の甲に核となる玉と、その周囲の小さな玉五つを嵌め込み、「風」をあやつる事ができる。陽炎から風子に渡された時には中央の玉が失われており、洗脳装置として機能する魔道具が嵌め込まれていた。また、ほかの魔道具の玉を嵌め込む事で、さまざまな攻撃が可能となる。核の玉には「風」の文字が書かれており、行方不明とされていたが、雷覇が所持していた。本体と小さな玉、核には共通の意識があり、猫か狐のような姿の小動物となって現れる事ができる。
砲魔神 (ほうましん)
魔道具の一つ。魔元紗が使用する。ハンディタイプの大砲。人間の死体をセットする事で、その魂を弾丸として撃ち出す事ができる。
神慮思考 (しんりょしこう)
魔道具の一つ。葵が使用する。他者の思考、記憶をある程度操作する事ができる魔道具。ただしその記憶を術者も知っている事、距離的な能力範囲が限定されている事、操作する人数に限界が存在する事など、制限も多い。しかし集中的に操作を行うと、一人の人間の思考を根本からねじ曲げる事もでき、葵はこの能力を利用して、佐古下柳の記憶から花菱烈火の存在を徐々に奪った。
白髭 (しらひげ)
魔道具の一つ。命が使用する。大悪尉(おおあくじょう)の能面をつけた人型の魔道具で、人間が乗り込んであやつる事ができる。パワーは魅虚斗を遙かに凌ぐとされている。
朧 (おぼろ)
魔道具の一つ。月白が使用する。「朧」と書かれた1枚の布。光の屈折率を最大限に弱め、術者の姿を見えなくする。ただし、この朧自体が血などで着色されてしまうと効果が激減する。
式髪 (しきがみ)
魔道具の一つ。式紙の姉妹道具。「髪」と書かれた玉で、幻獣朗によって砂倉瑪瑙の体内に埋め込まれていた。髪に術者の気を注入して命を吹き込み、自在に動かす事ができる。主に火影忍軍のくノ一が使用していた魔道具で、暗殺に用いられていた。瑪瑙の体内から取り出された直後、花菱烈火によって破壊されている。
大飛出 (おおとびで)
魔道具の一つ。命が使用する。その名の通り大飛出の能面をつけた人型の魔道具で、人間が乗り込んであやつる事ができる。要塞都市SODOM内のウェポンドームで、空海と戦い、破壊された。
影縫 (かげぬい)
魔道具の一つ。文丸が使用する。「縫」と書かれた玉に針がついており、これが影のある場所に刺さると、その影の主は身動きを封じられる。
不狂和音 (ふきょうわおん)
魔道具の一つ。音遠が使用する。「音」と書かれた玉が嵌め込まれており、音遠の右肩から胸にかけて装着している装備。音を吸収して蓄えるタンクの役割をしており、蓄えた音を衝撃波にして撃ち出す事ができる。
束縛鞭天 (そくばくべんてん)
魔道具の一つ。マリーが使用する。長い馬鞭の形状をしており、動くものに反応し、その動きを封じる事ができる。
魅虚斗 (みこと)
魔道具の一つ。命が使用する。小面(こおもて)の能面をつけた人型の魔道具で、人間が乗り込んであやつる事ができる。指先に毒魔針を装着している。
飛斬羽 (ひざんう)
魔道具の一つ。羽丸が使用する。「羽」と書かれた玉。飛空、高速移動が可能となり、羽は空気の刃となる。
氷魔閻 (ひょうまえん)
魔道具の一つ。戒が使用する。「氷」と書かれた玉が嵌め込まれた、左腕に装着するタイプの西洋剣。荒々しく波打つような形状で、意思を持っており、血を求める習性がある。
木霊 (こだま)
魔道具の一つ。永井木蓮が使用する。「木」と書かれた玉が本体で、体に埋め込む事で体内に植物を飼育できる。また、術者はその植物を武器として自在にあやつる事も可能。
夢幻 (むげん)
魔道具の一つ。幻獣朗が使用する。「幻」と書かれた玉が嵌め込まれた、蛇が巻き付いたデザインの木の杖。細胞を縮小させる力があり、数多の物質を縮める事ができる。幻獣朗は夢幻を使用して砂倉瑪瑙の父親を小さくし、砂時計の中に閉じ込めていた。
嘴王 (くちばしおう)
魔道具の一つ。登場時は嘴丸が使用し、裏武闘殺陣以降は石島土門が所有している。「嘴」と書かれた玉が鎖の先についた、嘴を象(かたど)った武器。蛇のようにすばやく対象を捉え、鎖でがんじがらめにする。また鎖を引けば、嘴を開閉する事ができる。鎖鎌に改良を加えたもので、使用者が自由自在に動かせる。
雷神 (らいじん)
魔道具の一つ。雷覇が使用する。「雷」と書かれた玉が嵌め込まれた、右腕から頭部に向かって絡み付く節足動物のような形状をしており、足のように見える部分もガサガサと動く。意思を持っており、額に巨大な1本角を生やした長毛の獣の姿になって現れる事ができる。頭部に伸びた部分には針があり、術者の脳に根を張って術者の体をあやつる。
石棍 (せきこん)
魔道具の一つ。牙王が使用する。「石」と書かれた玉が嵌め込まれている1本の長い棍棒。石に接触させる事で術者の意思を石に伝えるアンテナの役割を果たし、岩石を思うとおりに操作、建造する事ができる。
閻水 (えんすい)
魔道具の一つ。水鏡凍季也が使用する。捻れた柄のある円錐形の形で、根元に「水」と書かれた玉が嵌め込まれている。液体であれば純水から硫酸まで、何でも刃にする事ができる刀。また短時間であれば、水を使って任意の形を作り出す事ができる。また、閻水に取り込まれた水分は水蒸気、液体、氷の3パターンであやつる事ができる。水鏡美冬の形見として凍季也に継承された。
無名 (むみょう)
魔道具の一つ。門都が使用する。文字が書かれていない普通の玉のように見えるが、門構とセットで使用すれば、「門構え」の部首を使用するさまざまな漢字の能力を使用する事ができる。
氷紋剣 (ひょうもんけん)
水鏡凍季也が巡狂座から教わった剣術。一子相伝とされているが、戒にもまた伝授されていた。
解毒丸 (げどくがん)
魔道具の一つ。万が一毒魔針が刺さった時のために命が所持していた。スーパーボール大の丸薬で、服用する事で毒魔針の毒を解毒する事ができる。
心眼 (しんがん)
魔道具の一つ。鬼凜が使用する。「心」と書かれた玉が嵌め込まれた指輪で、これを身につけているあいだ、術者は相手の心の中を読む事が可能で、自身もテレパシーを使用できるようになる。
土星の輪 (どせいのわ)
魔道具の一つ。石島土門が使用する。「土」と書かれた玉が嵌め込まれた指輪で、力が強くなる作用がある。土門は鼻ピアスとして使用している。
石冑 (せきちゅう)
魔道具の一つ。石王が使用する。「石」と書かれた鉄球で、ちぎれた鎖が付属している。体に岩石を付着させ、鎧にする事ができる防御用道具。
別魅 (わけみ)
分身の術。幻獣朗、そして幻獣朗から術を伝授された紅麗が使用する。裏武闘殺陣において殺害されたと思われていた幻獣朗は、この別魅によって作られた分身だった。
縛呪 (ばくじゅ)
魔道具の一つ。呪の本体。目、口、鼻のない鉄仮面で、金色の髪だけが付属している。死体に寄生して、思い通りにあやつる事ができる意思を持った魔道具であり、より強靱な肉体を持つ死体を求めて自ら殺戮行為を行う。また死体以外にも寄生する事ができ、その際には宿主の記憶をすべて消去して体を乗っ取る。
灯 (ともしび)
魔道具の一つ。封印の地の内部にいくつも仕掛けられている照明。「灯」の字が書かれた玉で、熱と光を発する。400年以上地下世界に光をもたらし続けているとされる。
風の爪 (かぜのつめ)
風神に鬼の爪の核である玉を嵌め込んだ時に使用できる技。霧沢風子が考え出した技で、風神を装着した手首の辺りから3本の爪状になった真空波が伸びている。真空波の伸びている範囲内であれば、物理的に阻害されずに相手を攻撃でき、また、風の爪自体を切り離して投擲する事も可能。
魂吸いの壺 (たますいのつぼ)
魔道具の一つ。双角斎が使用する。巨大な壺で、「封」と書かれた玉が取っ手になっている木蓋が付属している。専用の粉を浴びた人間が吸い込まれると、内部に貼られた札によって出口のない闇の中だと錯覚させられる。また、中に入ると実際の1時間が10日に感じられる。
鬼の爪 (おにのつめ)
魔道具の一つ。爪丸が使用する。「爪」と書かれた玉が中央に嵌め込まれ、手に装着して用いる5本の鋭い刃物。切れ味は鋼金暗器にも勝ると言われている。爪丸が敗北したあとは霧沢風子が玉を所持しており、風神の中央に嵌めて風の爪として使用される。
光界玉 (こうかいぎょく)
魔道具の一つ。螺閃が使用する。「光」と書かれた玉が嵌め込まれた、特殊警棒に酷似した道具。魔道具の中でも珍品中の珍品と言われており、火影忍軍の者でも誰一人使い手になろうとする者はいなかったとされる。万物すべてを消滅させる事ができる力を持っているが、なにかを消すたび、その価値に比例して、術者自身の大切なものも消えてしまう反作用がある。
形傀儡 (かたくぐつ)
魔道具の一つ。森川願子が使用する。「形」と書かれた玉そのもの。糸をあやつって人形に命を与えたり、人間を人形にする事ができる。
時空流離 (じくうりゅうり)
火影忍軍の秘術。時間を渡る術だが、この術を発動させた者は不死の体になる呪いがかかる。火影の里が織田軍によって攻められた際、陽炎が発動させ、花菱烈火を戦乱のない時間へと渡らせた。
汴舞 (つららまい)
氷紋剣の一つ。閻水から流れた水気が地を伝わり、氷の柱となって対象者を貫く技。
血判書 (けっぱんしょ)
磁生、雷覇、音遠が自らの血で名前をしたためた宣誓書。癖が強く、それぞれに本心が見えない麗十神衆の中で、この三人だけは紅麗のために生き、死ぬという誓いを立てた。
鋼金暗器 (こうごんあんき)
魔道具の一つ。小金井薫が使用する。「金」と書かれた玉が嵌め込まれている。錬金術を用いられて作られ、刃の中には隕鉄も含まれている。五つの顔を持つ魔道具として知られており、薙刀型の「牙」、鎖鎌型の「龍」、大鋏型の「極」、ブーメラン型の「三日月」、弓形の「暗」と形を変える。変形は複雑で、慣れた者でも一つの変形に10秒、変則的な変形にはさらに時間がかかると言われているが、薫はこの変形に0.6秒しかかからない。また、薫は幻と言われる「六之型・無」も会得した。
手甲 (てっこう)
花菱烈火が右腕に装着している装備品。陽炎が手作りしたもので、炎術士としての能力を封印する力がある。また同様の作用を持つものとして、紅麗の腕輪が挙げられる。
木偶舞 (でくまい)
永井木蓮が使用する技。木蓮の体内で作った植物細胞を切り離して製造した木偶人形。生命力が強く、切断してもすぐ元に戻る。
式紙 (しきがみ)
魔道具の一つ。式髪の姉妹道具。最澄、搦が使用する。「紙」と書かれた玉。紙に術者の気を注入して命を吹き込み、自在に動かす事ができる。また式紙であやつられる紙は刃物を通さない。
次元界玉 (じげんかいぎょく)
魔道具の一つ。魔元紗が使用する。「界」の文字が書かれた玉で、魔元紗のつけた仮面に嵌め込まれていた。魔次元を生み出し、ワープや入れ替わり、または魔元紗の避難場所にもなるなど、さまざまに活用されていた。
毒魔針 (どくましん)
魔道具の一つ。命が使用する魅虚斗の指先に装着されている。「毒」と書かれた玉が嵌め込まれた10個の付け爪で、金属製。ただし合金する際に数多の毒草を混ぜて製作されており、かすり傷程度の傷がついただけでも、およそ10分で死に至る。またこの毒は普通の毒消しでは解毒されず、対として専用の毒消し魔道具、解毒丸が存在する。
神慮伸刀 (しんりょしんとう)
魔道具の一つ。緋水が使用し、霧沢風子に託されたもの。トンファーの形をした刀で、持ち主の意志を読み取って長短自在に変形する事ができる。ただし刃が伸びれば伸びるほど、敵が懐に入り込みやすくなる欠点を持つ。
帝釈廻天 (たいしゃくかいてん)
魔道具の一つ。ジョーカーが使用する。大きな単眼が装飾された三つ叉の矛で、最も扱いが難しいとされる魔道具の一つと言われている。一時的に任意の空間の重力をあやつる事ができる。
鉄丸 (てつがん)
魔道具の一つ。虚空が石島土門に渡したもの。一見すると黒いビー玉のようだが、体内に投与する事で発動する。一度投与すると使用者の任意で発動する事ができ、その際には額に「鉄」の字が浮かび、体が浅黒くなる。発動後は、使用者の肉体が鉄でできたような堅固なものに変化する。
蔵王 (くらおう)
魔道具の一つ。石島土門が陽炎から譲り受けた。「蔵」の文字が書かれた手の平大の玉で、荷物を異次元に収納し、自在に取り出す事ができる。封印の地以降、土門が嘴王を携帯するために使用している。
影界玉 (えいかいぎょく)
魔道具の一つ。陽炎が所持している。「影」と書かれた玉を、龍の爪が握っているようなデザイン。離れた場所にいる任意の相手の様子を見る事ができる「遠目」の力と、影から影に移動できる「影入(かげいり)」の力がある。
血種 (けっしゅ)
魔道具の一つ。蛭湖が使用する。玉が埋め込まれた心臓の形状をしており、脈打ちながら蛭湖の背中に張り付いている。「魔血」と呼ばれる人工血液を精製しており、その濃度や量は常人とは比べものにならないとされる。また循環、凝固、運搬など、すべて術者の思うままにあやつる事が可能で、さらに他人の血を吸収して使用する事もできる。
言霊 (ことだま)
魔道具の一つ。亜希が使用する。「言」と書かれた玉が嵌め込まれた、首用コルセットのような形状をしている。「刮目」という言葉をスイッチとして、語った言葉をそのまま幻として相手に見せる事ができる。発動の範囲は調整する事ができ、亜希と石島土門が対戦した際には発動範囲をリング上に限定していた。
海月 (かいげつ)
魔道具の一つ。月白が使用する。「月」と書かれた玉が嵌め込まれた、三日月型の巨大な剣。ブーメランのように投擲(とうてき)して相手を攻撃する事もできる。
偽火 (にせび)
魔道具の一つ。火車丸が使用する。「火」と書かれた玉が嵌め込まれた、手の甲に装着する手甲のようなもの。火影忍軍の頭首である炎術士にあこがれた火影忍者達によって作られた、炎を生み出す魔道具。本来は炎術士の炎とは比べものにならないくらい弱い炎しか生み出せないが、火車丸の特技である人真似を応用する事で、八竜を再現する事もできる。
韋駄天 (いだてん)
魔道具の一つ。魅希が使用する。「韋」と書かれた玉が嵌め込まれた、ミドル丈のブーツの形状をしている。装着する事によって疾風のような動きと、それに耐えられる筋力を備える事ができる。
凶蜘蛛 (まがぐも)
魔道具の一つ。餓紗喰が使用する。蜘蛛の頭部を象った石造りの仮面を起点に、伸縮自在の6本の大爪を持った甲冑。人間の腕と合わせて、「8本の腕」として術者の意思通りに動かす事ができる。