戦闘用アンドロイドメイドと、孤独な少年が同居生活を送る日常SFラブコメディ。激しい戦いを繰り広げる異星人「セイント」と、異星人殲滅を目論む「管理者」。両者の仲を取り持つことを目的とした「ヴェスパー」には、史上最強と呼ばれた戦闘用アンドロイド・まほろがいた。残り寿命が僅かとなったまほろは任務を解かれることになる。残された時間を自由に使っても良いと言われ、まほろは両親を早くに亡くした中学生、美里優(みさとすぐる)のメイドとなることを選ぶのだった。2001年のテレビアニメ化をはじめ、メディアミックス多数。
まほろは美里家のメイドである。色白で、黒みがかった紫色の長い髪を黄色のリボンでまとめている、大きな緑色の瞳が印象的な美少女だ。仕事着でもあるメイド服はフリルの多い白いエプロンにロングドレスで、可愛らしくもシックなデザインだ。見た目は清楚という印象を与え、性格も真面目で古風なので、守ってあげたくなるようなか弱い女性に思えるだろう。しかし、正体を知るとそんな印象は跡形もなく消し飛ぶ。まほろは人間ではなく、戦闘用アンドロイドだ。メカというよりは生体アンドロイドのような構造をしており、汗や涙が出るなど身体機能も人間に近いものを持っている。新幹線を追いかけたり、銃弾を指で受け止めたりと、人間をはるかに超えた身体能力はさすがアンドロイドというべきか。顔が可愛いだけにギャップがすさまじい。家事能力も高く、戦闘能力も桁違いのまほろは、溢れんばかりの母性と包容力の持ち主だ。文字通り、家をあらゆる方向から守ってくれそうである。
タイの架空の都市を舞台に、会社の機密情報と共に誘拐された日本の平凡なサラリーマンが、裏社会の運び屋とマフィアたちの抗争に巻き込まれていくクライムガンアクション。岡島緑郎(ろくろう)は一流企業である旭日(あさひ)重工に勤務する平凡なサラリーマン。ある日、輸送中の船が運び屋集団「ラグーン商会」に襲撃されてしまう。その一員で二挺拳銃の使い手・レヴィによって、身代金目当てで誘拐された緑郎は、その後ラグーン商会と行動を共にすることになるのだった。2006年4月にテレビアニメ化。
本作に登場するメイドのロベルタはラブレス家に仕えている。ラブレス家は中南米の資産家で、11代当主をディエゴが務めている。家を切り盛りするメイドたちや、農園で働く人たちをまとめるメイド長という立場だが、料理や掃除といった家事はあまり得意ではない。専らディエゴやその一人息子であるガルシアの世話役を務めている。ロベルタの得意分野は何かと言えば、戦闘だ。作中屈指の戦闘能力を誇る実力者である。キューバで暗殺訓練を受けたという過去を持っており、その戦闘能力の高さを活かし数々の破壊行動を行っていた。「フローレンシアの猟犬」というあだ名を持っているが、普段の眼鏡に三つ編みという地味な姿からは想像もつかない。紆余曲折あってラブレス家にやってきたロベルタが過去の顔を見せるのは、恩義のある父子に危機が訪れた時のみだ。感情はあまり表に出さないロベルタだが、主人父子の前では優しい表情も見せる。忠義のメイドらしい姿と言えるかもしれない。
財閥総帥の孫娘で、全財産の相続権利を持つがゆえに命を狙われる主人公が、派遣されてきたボディーガード兼メイドの男に振り回されるドタバタギャグ漫画。富士原(ふじわら)なえかは高校2年生。世界有数の大財閥「大富士原(おおふじわら)財閥」の総帥、大富士原全重郎の孫娘だが、お金持ちの生活は自分をダメにするからと弟と2人で普通の住宅に暮らしていた。実は彼女は大富士原財閥に関わる全財産を相続する第一権利保有者であるため、密かに命を狙われている。そこへ、祖父から奇妙なメイドが派遣されてくるのだった。2008年4月から6月にかけてテレビアニメが放送された。
メイドとは女性の使用人を指す言葉である。なぜこんな前置きをしたかと言うと、なえかの元に派遣されてきたメイドに関わるからである。なえかのメイド、コガラシは「メイドガイ」である。つまりは男のメイドというわけだが、この名称はアリなのだろうか。少なくとも、名乗っているのはコガラシだけだろう。男性でもメイドというだけはあって、仕事着は女性が着用する、所謂メイド服と同じである。しかし肉体は筋骨隆々としているので、袖部分は破れてしまっている。そう、細身の男性がメイド服を着用すれば可愛いと思えるかもしれないが、コガラシは筋骨隆々の大男で、顔の上半分を覆い隠す白銀色の仮面をつけている。ちなみに仮面はホワイトブリム仕様なのだが、ハッキリ言って可愛いとは言い難い。見方によっては可愛く思えるのかもしれないが、時間が必要だろう。戦闘能力が高いのでボディーガードとしては優秀だが、任務第一で暴走しがちなところは少々困るところか。とりあえずその威圧感に耐えるところから付き合いをはじめたい。
最強の黒騎士と謳われた主人公が少女に転生し、侯爵家の戦闘メイドとして外敵との戦いを繰り広げていくファンタジーアクションコメディ。20年ほど前、フレイヤ王国は隣国との戦いの最終局面を迎え、やがて黒騎士部隊の活躍により敵国を退ける。その後隊長のオブライトは国王と友の契りを交わしたが、新たな戦いで帰らぬ人となった。その後、オブライトはマリアという少女に転生した。前世から引き継がれた戦闘能力を活かし、戦闘メイドとなったマリアは、アーバンド侯爵家で国を守るため、敵と戦うことになる。原作は百門一新の同名web小説。
転生ものだが、現世から異世界への転生というわけではない。前世と同じ世界で、別の人間へ転生したという設定である。マリアは食べることが大好きな侯爵家のメイドだ。様々な雑用をこなしながら、純粋無垢な可愛らしいお嬢様・リリーナに仕えることを至上の喜びとしている。少々とぼけたところはあるが明るい性格で、リボンの似合う可愛らしい容姿の少女だが、実はお嬢様に仕えるだけが彼女の仕事ではない。侯爵家を狙って侵入してくる外敵と戦う役目を負っているのだ。アーバンド侯爵家は、国内で争いの目になる勢力の力をそぎ、国王が国を平和に治めるために尽力している。勤めている使用人の多くは、マリア同様戦うことができる者ばかりだ。中でもマリアは前世の影響で、16歳という年齢にそぐわない卓越した戦闘技術を持っている。けれども、お嬢様への愛がダダ洩れていたり、食事に目を輝かせている姿は、年相応の少女だ。しかし彼女の中には、前世から続く約束と誇りが息づいている。
伝説の神器に何故か使い手として認められてしまったメイドたちが、奇襲を受け壊滅状態となった国の王子を守るため、戦いながら国の再建を目指していくファンタジーコメディ。アーバンズブール王国の王室付きメイドのカカオは、元はサーカス団長の娘で、軽い身のこなしと愛らしい容姿で一座の看板娘だった。王子に気に入られてメイドになったものの、仕事はあまりなく暇を持て余している。メイドになって10日が過ぎ、国は新国王の即位式に沸いていた。買い出しに出ていたカカオは帰り道、城から煙が上がっているのを目撃するのだった。
カカオはメイドだが、基本的にメイドらしくない。元々がサーカスの看板娘という、庶民であるのも関係しているのだろう。メイドになったのは高額の給金が目的で、王子の人柄に感銘を受けたからではない。王子は一言で言うと権力を持った馬鹿ながきんちょである。自分の立場や身分は承知しているが、実力以上の大望を抱くタイプで、ついでに言うとスケベだ。民のことを考えたり、国の発展を目指したりという志があればまだ救いはあるのだが、仕え甲斐のある主かと言えば首を傾げてしまう。カカオは元々軽業師で、身のこなしが軽いが戦いに関しては素人である。神器の大剣を得てから剣の腕を磨いていくことになるのだが、口では色々と言いつつも面倒見が良いのだろう。他のメイドたちも個人の特技を活かし、王子に振り回されながらも使命を果たしていくことになる。華やかでインパクト大な「メイド騎士団」、国のシンボルとなりそうだ。