孤独な天才ハッカー少年が野心的な投資家の男との出会いをきっかけに成長していくサイバー活劇。ストーリー協力は深見真。夢は「世界征服」だと豪語するエンジェル投資家・坂井大輔は、金融機関にたった一人でサイバー攻撃をしかけたハッカー少年・是枝一希(これえだかずき)と出会う。高校中退、コミュニケーション能力にも乏しい是枝に、驚異的ともいえるプログラミング能力を見出した坂井は「お前の手で世界征服する」とビジネスの話をもちかける。
ハッカーというと、外部からシステム内に不正に侵入して、プログラムを破壊したり、情報を盗んだりする犯罪者というイメージを持つ人が多いだろう。しかし、ハッカーとは本来、「知識と技術に秀でた者に贈る称号」だという。本作の主人公・是枝はリアルな世界では、天涯孤独で高校は中退。コンビニのバイトも3回連続で即クビになり、やけになって金融機関のプログラムに侵入しデータを破壊している。是枝には、自らの能力で自在に動けるサイバー空間だけが救いの場だったのだ。そんな是枝に、坂井は「その腕を悪い意味で使うなんてもったいない」と、起業に誘う。是枝は、悪質なハッキングを行うクラッカー(犯罪者)と闘う、サイバーセキュリティーという世界へ足を踏み出していく。
西暦2029年の日本、超高度情報社会でおこる犯罪と闘う公安9課の活躍を描く近未来SFアクション。通信ネットワークが張り巡らされた近未来、犯罪は極度に複雑化、高度化していた。そんな犯罪を取り締まるべく公安9課、別名・攻殻機動隊と呼ばれる少数精鋭の組織が発足。率いるのはサイボーグ・草薙素子(くさなぎもとこ)だ。アンドロイドやサイボーグが当たり前となった世界で、犯罪に立ちむかう組織の活躍を描く。アニメ映画、テレビアニメ、実写映画、小説、ゲームと幅広いメディアで展開。
本作の主人公の素子は、脳と脊髄の一部以外はすべてサイボーグ化しており、心身共に極めて高い能力の持ち主である。フィジカル面の強さはもちろんのこと、ハッカーとしての腕前も、突出したものをもっている。サイボーグ化された肉体を有する素子は電子回路を通じて直接サイバー空間にアクセスすることも可能。汚職やテロ、暗殺といった犯罪が、サイバー空間を通じて行われるようになった近未来では、素子の魔法使い(ウィザード級)といわれる能力は公安9課にとって必要不可欠だといえる。事件解決のためなら、違法なハッキングも辞さない、素子のハードボイルドでタフなヒロイン像に多くの読者が魅了された。インターネット黎明期に生まれたとは思えないネット社会への先見性に満ちた名作だ。
無差別大量殺人を目論むテロ集団に天才ハッカー少年が立ち向かうサスペンスアクション。原作は龍門諒。高木藤丸(ふじまる)は普段は平凡でややだらしない高校生だが、実は天才的なハッキング能力の持ち主。父・高木竜之介の勤務する公安調査庁の依頼を受け、あるファイルの解析を進めていたところ、テロ計画「ブラッディ・マンデイ」に巻き込まれる。続編として、「BLOODY MONDAY Season2 絶望ノ匣」「BLOODY MONDAY ラストシーズン」がある。2008年と2010年にテレビドラマ化された。
主人公の藤丸は、16歳の高校生ながら公安調査庁の捜査に協力するハッカーだ。父の竜之介が公安調査庁に勤務しているとはいえ、異例中の異例の扱いといえる。きっかけは、藤丸が中学生の時におきた事件にあった。藤丸は正体を隠したハッカー「ファルコン」として、とある企業のシステムに侵入し、奇妙な暗号記録を見つける。軍事機密並みの扱いをされていた暗号記録を解読したところ、それは国家転覆を狙うテロ計画だった。藤丸の父は、公安調査庁でテロやクーデターの防止を担う「THIRD-i」の副長。藤丸の情報によって、テロ計画は未然に食い止められたが、それはこれからおきる事件の序章にすぎなかった。藤丸の類まれなるハッキング能力を核として、テロ組織とのスリリングな闘いが展開していく。
天才ハッカー少年ne0(ネオ)とその仲間たちと謎の男・ジェヴォ―ダンとのバトルを描くサイバーバイオレンス。原作は平尾友秀。コンピューターを自在に操るne0こと、高校生の尾根新太(おねあらた)は、ウィザード級のハッキング技術で悪人を追い詰めるのが趣味。父の残した借金に苦しむ同級生の薬袋大悟(みないだいご)は、悪徳金融業者の罠から救ってもらったことからne0の悪人退治に付き合うことになる。悪人たちの背後にはジェヴォ―ダンと名乗る謎の男が存在した。
主人公のne0は自ら「IQ191 全国模試1位 そう僕こそ超天才」だと自己紹介する超絶いけすかないタイプの高校生。頭がいいのは間違いないが、その能力が最も発揮されるのがハッキングだ。ちらっと見ただけのチンピラのスマホにハッキングしてデータを破壊するのは朝飯前。ほかにも、父の残した借金をきっかけに悪徳金融業者に騙されて、さらなる借金をせおわされそうになっていた大悟とその姉を、ハッキングの技術で救ってみせる。「金満面の悪党が泣きっ面に代わる瞬間 超面白いんだぜ?」と豪語するne0は、ウイザード級のハッキング技術で、持ち込まれる難題を鮮やかに解決していく。しかし、その背後には、犯罪コンサルタントを名乗るジェヴォ―ダンという黒幕がいるのだった。
ひきこもりニート探偵のアリスとその仲間たちが事件を解決する青春ミステリー。杉井光の人気ライトノベルのコミカライズ。高校生の藤島鳴海はアルバイトで探偵の助手をしている。鳴海の雇い主は、PCとぬいぐるみだらけの部屋に、パジャマでひきこもるニート探偵のアリスだ。アリスは鋭すぎる推理力と高いクラッキング能力で、部屋から一歩も出ずに、ドクターペッパーを飲みながら事件を解決するのだ。ニート探偵・アリスと探偵見習い・鳴海の活躍を描く。2011年にテレビアニメ化された。
本作の登場人物であるアリスは、現場に出向いて捜査を行ったりすることのない、ミステリーにおいては安楽椅子探偵と呼ばれるタイプの探偵である。アリスは、雑居ビルの一室に構えた「NEET探偵事務所」に常におり、一年中空調のきいたその部屋からほぼ出ることはない。そんなひきこもり状態のままでの探偵業務が可能なのは、彼女が類まれなるハッカーだからだ。アリスはクラッキングによって自室にいながらにしてあらゆる情報を得ることができるのだ。黒髪のロングヘアに、小柄で愛らしい容姿からは想像もつかないが、キレキレの頭脳でコンピューターを自在に操る。しかし、生活能力は皆無で、助手の鳴海はアリスの世話係としても奔走させられながら、共に事件解決に挑むことになる。