あのキャラをひたすらもふもふしたい！オススメ漫画５選18 Pt.

スヤリス姫は、快適に眠ることを貪欲に追求していく姫である。一応幽閉されている身なので自由に出歩けないことになっているのだが、そんな姫をサポートするのが、「でびあくま」だ。小型犬ほどの大きさで、もふもふの毛とつぶらな瞳、蝙蝠（こうもり）の羽を持つ熊である。下級魔物で、愛玩動物とされているそうだが、魔王城では雑用もこなす。ブラッシングされるのが大好きで、綿のような毛が大量にとれるために、最初は枕の材料として姫に利用された。その後も姫の協力者として側にいることが多い。というのもこのでびあくま、大変誘惑に流されやすい性質を持っているのだ。姫のブラッシングの腕にメロメロにされてから、ブラッシングをしてもらう対価として、牢の鍵を渡したり、裁縫道具を調達したりと手を貸している。ぬいぐるみのような姿はとにかく可愛らしく、寝具にも打ってつけなもふもふな毛は触り心地が抜群に良さそうだ。ブラッシングで懐柔できるなら、と思わず手招きしたくなってしまう。

もふもふした動物はかわいい。もふもふした動物を愛でる小さい子どももかわいい。かわいいの相乗効果で、もはやかわいいがゲシュタルト崩壊を起こしそうだが、本作はもふもふとかわいいがあふれた作品である。異世界転生ものでは主人公がチート能力を授かるのが定番のひとつとなっているが、主人公であるネマが授かったのは、「人間以外の生物に好かれる」という能力である。もちろんネマ自身がもふもふを堪能するための能力なのだが、特別な力を持った生き物、聖獣が存在する世界であるため、好きなものを愛でるためのスキルが、思わぬあれこれに作用してしまったりする。とはいえ、基本的には動物に大変好かれるという、動物好きには羨ましいと言うしかない能力だ。作中には犬や鳥、リスといったおなじみの動物も登場するが、やはり特異なのは聖獣だろう。ラースは大きな虎なので、もふもふ感抜群。お腹に身体を寄せて眠る描写もあるのだが、顔をうずめた時の感触を想像してしまうくらい気持ちがよさそうである。

本作のもふもふ枠、リーヤは主人公チャチャの幼馴染の少年だ。普通の少年というわけではなく、狼男である。一般的に狼男とは、狼に変身する、または半分狼になってしまったり、狼に憑かれてしまった人間の男性のことを言う。月を見ると狼化すると言われているが、リーヤは自分の意思で狼に変身することができるのだ。狼というと、毛並みは美しく、キリッとした気高さと獰猛さを内包した姿を想像するだろう。しかしリーヤの場合、その姿はどう見ても子犬である。髪の色と同じ薄い青のような毛色で、瞳も少し濃い青。こぼれんばかりの大きな瞳に、ふわふわの毛並みをした、大変愛らしい姿になってしまうのだ。チャチャはかわいいと大喜びなのだが、そこは恋する少年。好きな子にかわいいと言われることに大いに不満な様子なのだが、かわいいものはかわいいのだから仕方がない。時折凹むが、チャチャに抱きかかえられている姿は満更でもなさそうに見える。かわいい姿と恋する少年の複雑な心模様に、頬が緩む。

「友人帳」は、妖怪たちの名前が書かれた契約書だ。夏目の祖母・レイコが妖怪たちを負かし名前を書かせた友人帳は、負けたものたちにとって命同然のものであり、それがある限り、妖怪たちは逆らうことができず、安らぐこともできない。そのため、夏目は友人帳を奪おうとする、あるいは名前を返してもらおうとする妖怪たちから襲われ、トラブルに巻き込まれるのだが、そんな時に頼りになるのが「ニャンコ先生」だ。名前がかわいいからと侮ってはいけない。姿かたちは完全にまるまる太った足の短い三毛猫なのだが、それでも侮ってはいけないのだ。三毛猫は仮の姿。本来の名は斑（まだら）といい、狐のような姿の白く大きな獣だ。夏目の用心棒的な存在で、普段は猫だがピンチの時には本来の姿に戻る。何故猫なのかと言えば、招き猫を依り代に封印されていた影響なのだとか。斑の時は美しい毛並みだが、猫の時もつるふかとした手触りらしい。特にお腹周りを撫でまわしたくなる誘惑にかられる。

狸とは毛深い生き物である。目の周りの毛色が濃く、尻尾は太め。少々ふっくらとした姿が愛らしい。山だけでなく昨今では住宅街でもお目にかかる機会のある生き物だが、本作では京都の町中に、人に紛れて生活をしているのだ。狸たちは、心を落ち着けて精神を集中させることで人間に化けることができる。矢三郎は特に化けることが得意な狸で、大学生風の男子からかわいい女子高生、はたまた達磨や入道だってお手の物だ。しかし、苦手なものに遭遇したり、心の余裕を失ったりすると化けの皮が剥がれ、狸の姿に逆戻り。下鴨四兄弟それぞれ苦手とするものは異なるのだが、四兄弟の母は雷が大の苦手。雷が鳴り始めると兄弟総出で母を探し、一緒に通り過ぎるのを待つ。実に家族愛に満ちた狸たちだ。人間社会の中で慎ましく生きる狸たちだが、実は狸鍋の材料として人間に狙われている。実際、大変美味らしいのだが、つぶらな瞳を見てしまうと、やはり食べるのがためらわれる。食べちゃいたいほど好き、の領域にはまだ遠い。