夏目友人帳

夏目友人帳

夏目貴志が用心棒の妖怪斑(ニャンコ先生)と共に、祖母のレイコが遺した友人帳をめぐる事件に振り回されていく物語。友人帳に関わった妖怪たちの思いが時に叙情的に、時に人間ドラマとして語られるのも魅力となっている。

正式名称
夏目友人帳
作者
ジャンル
伝奇
 
ファンタジー一般
レーベル
花とゆめCOMICS(白泉社)
巻数
既刊21巻
関連商品
Amazon 楽天

世界観

夏目友人帳』の世界では、数多くの妖怪たちが人間界で暮らしている。妖怪たちは人の目から隠れて暮らしており、その姿は主人公夏目貴志のような妖力を持った者にしか見ることができない。当然妖怪が見える人間の行動は他人の目には奇妙なものに写り、夏目貴志もそのことでつらい目に遭ってきた。そのため、妖怪が見えることは周囲の人間には秘密にしている。

タイトルにもなっている友人帳は、夏目貴志の祖母夏目レイコがその強力な妖力を使って負かした妖怪たちと交わした契約書。彼女の子分になった証として、負けた妖怪たちの名前が書かれている。彼女の死後は、夏目貴志が引き継ぐことになった。

友人帳に名前を書いた妖怪は、友人帳を持つ者に名前を呼ばれ、命令されると逆らうことができない。また、名前が書かれた紙を破ったり燃やしたりすると、その妖怪は消滅してしまう。そのため、多くの妖怪が名前を取り戻したいと考えている。また、友人帳の存在は妖怪の間では広く知られているらしく、「手に入れれば多くの妖怪を統べることができる」と考え、友人帳を狙ってくる者も多い。自称「用心棒」のニャンコ先生も、「自分が死んだら友人帳を譲る」という約束を夏目貴志と交わしている。

友人帳に名前を書いた妖怪にその名を返すには、まず相手をイメージしながら友人帳を開き念じる。すると友人帳が相手の名前を割り出すので、あとは名が書かれた紙をくわえながら手を強く打ち合わせ、息を吐けばよい。なお、この儀式には友人帳を作った夏目レイコの血と唾液が必要。夏目貴志は彼女の血を引いているため、この問題はクリアできている。

妖怪の中には人間に悪さをする者もおり、そのような妖怪退治を専門にする者たちもいる。彼らは祓い屋と呼ばれ、依頼を受けて人に仇なす妖怪を退治封印する。ときには妖怪と契約し、自分の式として使役することもある。なお、祓い屋の家に生まれたからといって必ず妖怪が見えるわけではないので、多くの家が後継者問題に悩まされている。夏目貴志の友人、名取周一の名取家も長い間後継者が見つからず、一時は廃業にまで追い込まれた。

祓い屋にも派閥があり、多くの祓い屋を傘下に抱える的場一門は業界でも一目置かれている。しかし、祓い屋の中には、力尽くで妖怪を従わせる的場家を「祓い屋の面汚し」と嫌う者も多い。

作品が描かれた背景

連載が始まった2003年、漫画界では囲碁ブームを起こした『ヒカルの碁』(「週刊少年ジャンプ」)が連載終了。またドラマ化もされた大ヒット漫画『花より男子』(「マーガレット」)もこの年に完結を迎えている。その他のニュースとしては、この年の4月に日本郵政公社が営業を開始、12月には地上デジタル放送テレビがスタートしている。また、映画監督宮崎駿が『千と千尋の神隠し』でアカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した。

作品構成

主人公夏目貴志が妖怪たちと知り合い、彼らに関わる事件を解決していくというのがひとつのパターンとなっている。友人帳が妖怪たちと知り合うきっかけになることが多いが、それ以外にも妖怪が夏目貴志に依頼を持ち込んだり、夏目貴志の周囲の人間が妖怪がらみの事件に巻き込まれることもある。

もともとは隔月雑誌向きの完全読み切り用の設定として考えられたためか、連載当初は1話読み切りが中心だったが、物語が進むにつれ、複数話完結のエピソードが多くなった。

あらすじ

妖怪が見えるという秘密を抱えた少年夏目貴志。その秘密のせいで幼い頃から孤独な日々を送ってきた彼は、ある日、祖母夏目レイコの遺品である友人帳を手に入れる。それは夏目レイコが妖怪たちと結んだ契約書で、名前を書かれた妖怪はどんな命令も聞かなければならないというとんでないものだった。以来、彼の周りには名前を取り戻そうとする妖怪たちが次々と現れるように。こうして夏目貴志は、自称「用心棒」のニャンコ先生の助けを借りながら、妖怪たちに名前を返す日々を送ることになる。

特殊設定

作中には様々な妖怪が登場するが、河童など一部のものを除き、ほとんどは作者の創作によるオリジナル妖怪。妖怪以外にも虫の精や土地神なども登場する。

モデルになった町

熊本県の人吉市がアニメ版『夏目友人帳』の舞台のモデルとされており、この地を訪れるファンも多い。2011年には第3期となる『夏目友人帳 参』と人吉市のタイアップも実現した。こちらはアニメ終了後もくま川鉄道で『夏目友人帳』の記念乗車券が発売されるなど、様々なタイアップが行われている。

メディアミックス

スピンオフ

夏目友人帳』のキャラクターたちが登場するギャグ4コマ漫画『ニャンコ先生が行く!』がWebサイト『花LaLa online』で連載。作者はカネチクヂュンコ。藤原夫妻をはじめとするサブキャラクターたちも登場する。

TVアニメ

2008年にTV東京系列でアニメ化。監督は『地獄少女』や『デュラララ!!』などを手がけた大森貴弘。その後シリーズ化され、2009年に第2期となる『続 夏目友人帳』、2011年に第3期『夏目友人帳 参』、2012年に第4期『夏目友人帳 肆』が放送された。オリジナルストーリーのOVAも作られ、『ニャンコ先生とはじめてのおつかい』『夏目友人帳 いつかゆきのひに』の2作が制作された。

小説

アニメ『夏目友人帳 参・肆』のシリーズ構成を務めた脚本家・村井さだゆきにより、『小説・夏目友人帳』のタイトルで小説化。完全オジナルストーリーで、『ランプ堂奇譚』『妖の音』『妖の夢路』の3編を収録。2013年には、原作にも登場した子狐を主人公とした『小説・夏目友人帳 子狐のたび』(原作:緑川ゆき、小説:村井さだゆき)が『Web白泉社ノベルズ』で連載を開始した。

ゲーム

アットザラウンドからニャンコ先生をモチーフにしたスマートフォン用アプリ『夏目友人帳 ニャンコ先生と遊ぼう』が配信。ニャンコ先生とのミニゲームが楽しめ、ゲーム内で貯めたポイントでオリジナル壁紙素材がもらえた。

作家情報

緑川ゆき:1998年、『珈琲ひらり』でデビュー。2000年、「LaLa」(白泉社)に掲載された初の連載作品『あかく咲く声』で白泉社アテナ新人大賞デビュー優秀者賞を受賞。2002年「LaLaDX」に掲載された、人でも妖怪でもない不思議な少年と人間の少女の交流を描いた短編『蛍火の社』は、2011年にアニメ映画化もされている。ペンネームの「緑川」は地元、熊本の川の名前からとった。姉は小説家の緑川七央。

登場人物・キャラクター

主人公

髪は真ん中分けで、貧弱だが見栄えはよい。世分にある高校の1年2組。常人には見えない「妖」が見え、関わることができる妖力を持つ。エノキ、モヤシなどと言われる体格ながら、妖を一発で殴り倒す強大な妖力を持つ... 関連ページ:夏目 貴志

夏目貴志の「自称」用心棒である妖。身長・体重はドッジボール2個分(招き猫の姿時)。「招き猫」を依代に長い間封印されていたが、夏目が結界を破ったために解放された。ただ長い間封印されたため、体が慣れてしま... 関連ページ:

夏目貴志の母方の祖母で故人。回想シーンでのみ登場し、ほとんどはセーラー服姿。友人帳の作成者。妖たちにも評判となるほどの美人だったが、一方で強力な妖力の持ち主で傍若無人な乱暴者として現在も恐れられている... 関連ページ:夏目 レイコ

伊達メガネをしていて、怪しいオーラを自在に出す。人気俳優で妖祓い人。夏目貴志の理解者であり、同じく妖を見ることが出来る数少ない人物。隣の榊市に住んでいる。もともと祓い屋の一族だが、しばらく後継者が出ず... 関連ページ:名取 周一

藤原 塔子

夏目貴志を引き取った遠縁の親戚。専業主婦で少女のような無邪気な感性を持ち、夏目を「貴志君」と呼んで小さな子どものように接する。ちょっと過保護。

田沼 要

1組。妖の気配を感じるものの、姿は影のようなものにしか見えない。父は僧侶。夏目貴志と親密になりたいと思っているが、双方ともに人づきあいが苦手なので打ち解けるのに時間がかかった。夏目と同様に貧弱。妖の気に当てられて寝込むことも多い。

1年5組の女子。無口でおしとやかと評判。祖父が遺した陣で、とある妖怪を見たために祟られ、期日までに妖を捕まえないと、自身の他に、名前を呼んだ相手を遡って13人喰われてしまうため、人との接触を避けていた... 関連ページ:多軌 透

藤原 滋

メガネをかけた柔和な人物。夏目貴志を引き取った。小学生の頃、夏目レイコと親しくしていたらしいが、なぜかレイコの名前を思い出せない。

笹後

『夏目友人帳』の登場妖。名取周一が使役する失せ物探し。ちりちり髪に羊のような角があり、目隠しをしている。夏目貴志のことを快く思っていない。

瓜姫

『夏目友人帳』の登場妖。名取周一が使役する祟りもの。額に文字が書かれた、黒髪の女性の姿をしている。夏目貴志のことを快く思っていない。

『夏目友人帳』の登場妖。名取周一が使役する魔除け蔵護り。二本の角がある一つ目の面をした、背の高い女の子の姿をしている。元々は山守りの妖だったが、ちょっと前に祈祷師に捕まって蔵を守るように命じられた。そ... 関連ページ:

ヒノエ

『夏目友人帳』の登場妖。呪詛使い。遊女のような姿をしている。カラスに奪われた簪を夏目レイコが取り戻し、それと引き換えに言うことを聞いて以来のレイコファン。夏目貴志がレイコでないのを残念がりながらも、なにかと絡んでくる。犬の会のメンバー。

『夏目友人帳』の登場妖。角のある馬の頭に右前足は馬、左前足は人間の巨大な妖。左耳に二つ、右耳に一つ鈴をつけている。蛙使いの沼護り。ニャンコ先生に匹敵する強力な妖で、夏目貴志から名前を返してもらおうとし... 関連ページ:三篠

紅峰

『夏目友人帳』の登場妖。ニャンコ先生を慕う妖。右目が蝶になっている女性の姿をしている。斑本来の姿を美しいと思っているがニャンコ先生姿はちんちくりんで好きではない。

七瀬

メガネをかけた初老の婦人。独特の威圧感がある的場静司の秘書。

眼帯、長髪、番傘の祓い屋。祓い屋の名家、的場の頭首。人間世界では当主の文字を使うが、妖関連の場合は頭首を使う。的場の頭首は何代も前から右目を妖に狙われているので眼帯で隠している。番傘も目を狙われたとき... 関連ページ:的場 静司

西村 悟

夏目貴志のクラスメイト。額を出した真ん中分けの髪。少し反りが合わない受験生の兄がいる。転校してきた夏目に最初に声をかけた。親のない夏目に無神経なことを言ったと気にしていたこともあったが和解。気の合う友人となった。自分の気持ちに正直なタイプ。好奇心が強く、頼られると頑張ってしまうお人好し。

北本 篤史

夏目貴志の友人。もともとは西村の友人で、隣の1組の生徒。短い髪。妹に真奈がいて、弁当を作ってくれる。父が大病をしたため、家庭を背負うことを考えて悩んでいる。飾りたてたりすることに興味がない。思慮深く夏目を気づかっている。

拓磨 洋介

名取周一に祓い屋稼業のあれこれを指導した先輩。妖力がなくなって廃業した。娘の月子との二人暮らし。使役していた3匹の式のうち銀露は家に残り、主を見守るという。残りの2匹は解約した。

『夏目友人帳』の登場妖。山奥に住む狐の妖。母親を亡くして泣き暮らし、ほかの妖にいじめられていたところを夏目貴志に助けられた。恩義に感じて、自分の名前を葉に書いて納めてもらおうとしたが、主従関係は結びた... 関連ページ:子狐

柴田

夏目貴志と小学校で一緒だったことがある、榊西高の学生。村崎と名乗る藤の木の消えかけた妖の女子高生に恋をして、夏目に相談を持ちかけた。夏目が妖を見えることを知っている。女にモテると自認している。

箱崎 紅子

妖祓いの研究をしていた老人の孫娘。祖父の死後、相続した箱崎邸を処分しようとしているが、豪邸の上に祖父の研究してきた妖関連のものが多く、時間がかかっている。妖を見る力はない。

中級

『夏目友人帳』の登場妖。八ツ原に住む中級妖怪。一つ目のハゲ頭、通称つるつると牛の頭をした、通称牛の2匹。夏目貴志の力で八ツ原を守ってもらおうとやってきた。なにかと夏目を胴上げする。犬の会の発起人。

ちょび

『夏目友人帳』の登場妖。大きな顔にちょび髭の妖怪。「孤高で高貴」と自称していて、実際それなりに高位の妖らしい。おっとりとしていて、「~であります」という口調で、妖のことをいろいろ教えてくれる。多軌透に陣を描かないように言ってくれと夏目貴志に頼むためにやってきた。犬の会のメンバー。

カッパ

『夏目友人帳』の登場妖。身長175cm。一般的な伝承の通りのカッパ。なぜか昼日中に出歩いて干からびていることが多い。夏目貴志が通り掛かり、水をかけて復活させたことが何回かある。妖たちの噂に詳しく、夏目には貴重な情報源の一つ。犬の会のメンバー。

犬の会

夏目貴志に縁のある妖たちの集い。「夏目様のしょうもない悩みやお節介に付き合って、呼び出しあらば犬のごとく馳せ参じよう」という妖が集まった会ということで命名された。月がきれいなどの理由で酒宴を催す。夏目組とも称するが、そのときそのときで夏目様に恩を売る会など適当な会の名前がつけられたりする。

夏目貴志の祖母夏目レイコが妖怪たちに負けたら子分にするという約束で勝負を挑み、集めた名前を束ねた一種の契約書。本名で縛る行為は、たいへんな妖力が必要。これに名前がある妖は、持ち主のいかなる命令にも逆ら... 関連ページ:友人帳

場所

八ツ原

『夏目友人帳』の舞台のひとつ。バスも通っていない辺鄙な場所。廃寺があったが、そこに田沼一家が越してきた。森や沼があって、中級たちを始めとする多くの妖が住んでいる。

アニメ

夏目友人帳 肆

祖母・夏目レイコが残した「友人帳」を手にしたことが切っ掛けで、様々な妖怪と関わる事になった夏目貴志。かつて両親と共に暮らした家が売却されると知らされ、心のケジメをつけるべく懐かしい生家とかつて暮らした... 関連ページ:夏目友人帳 肆

夏目友人帳

幼くして両親を亡くし、妖怪が見える力のために周囲の人達から気味悪がられたため、人との関わりを避けるようになった高校生・夏目貴志。遠縁の親戚である藤原夫妻の下に落ち着いた夏目は、祖母・夏目レイコの遺品か... 関連ページ:夏目友人帳

続 夏目友人帳

祖母・夏目レイコが残した「友人帳」を手にしたことが切っ掛けで、様々な妖怪と関わる事になった夏目貴志。だが、現れる妖怪達は必ずしも害がないものばかりではなかった。人に祟りや害をなす妖怪と出会ってしまい、... 関連ページ:続 夏目友人帳

夏目友人帳 参

祖母・夏目レイコが残した「友人帳」を手にしたことが切っ掛けで、様々な妖怪と関わる事になった夏目貴志。友人や大切な人が増え、妖怪との関わりにもすっかり馴染みだした彼にとって、その力ゆえに周囲から理解され... 関連ページ:夏目友人帳 参

書誌情報

夏目友人帳 既刊21巻 〈花とゆめCOMICS〉 連載中

第1巻

(2005年10月発行、 978-4592171584)

第2巻

(2006年8月発行、 978-4592171591)

第3巻

(2007年2月発行、 978-4592184461)

第4巻

(2007年8月発行、 978-4592184478)

第5巻

(2008年3月発行、 978-4592184485)

第6巻

(2008年7月発行、 978-4592184492)

第7巻

(2009年1月発行、 978-4592186670)

第8巻

(2009年7月発行、 978-4592186687)

第9巻

(2010年1月発行、 978-4592186694)

第10巻

(2010年7月発行、 978-4592186700)

第11巻

(2011年3月発行、 978-4592193616)

第12巻

(2011年7月発行、 978-4592193623)

第13巻

(2012年1月発行、 978-4592193630)

第14巻

(2012年7月発行、 978-4592193647)

第15巻

(2013年1月発行、 978-4592193654)

第16巻

(2013年7月発行、 978-4592193661)

第17巻

(2014年1月発行、 978-4592193678)

第18巻

(2014年9月発行、 978-4592193685)

第19巻

(2015年5月発行、 978-4592193692)

第20巻

(2016年4月5日発行、 978-4592193708)

第21巻

(2016年10月5日発行、 978-4592193715)

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