時は未来の地球。どれくらい未来なのか、それはわからない。未来の地球は決して明るい世界ではなかった。
主人公のS沢が暮らしているのは日本の中。未来の日本は小さなドームの中に作られていた。ドームの最深部である内で働くエリート層。そして内を支えるために存在している外という二つの区画。これが日本の総てだった。外の区画のさらに外に地球が存在していた。
人類は地球表面を汚染しつくし、やがてあらゆる生命体は死滅したのだ。植物は枯れ尽し、生命体は絶滅、海は乾いた。もはや生命体が存在できない星となった地球に
人類はそれぞれの国の巨大なドームをつくり、その中で生きていかなければならなくなったのだ。
残された人類は自分達の生活を維持するための生産施設をつくり、ドーム内に人類が必要とする動植物だけを栽培・生産して暮らしている。
いつか未来に地球表面の汚染が浄化され、元の地球に戻るその日まで、人類が生存していくのが目的なのだ。
S沢の仕事はドームの最縁部にある施設から、宇宙へと手紙を送る事。同僚の及川は、施設から地球へと出て、様々なパーツを回収する仕事をしている。汚染されていなかった地球を見たものは現存する人類にはいない。灰色の嵐が吹き荒れ、本当の空を見たものも誰もいないのだ。
日本はとうの昔に、生きていくのに必要ないという理由で、教育を放棄した。日本に残されているのはジャパニメーション。工業製品技術を捨て去り、全てをアニメーションという創作物に頼って生きてきた。
つまり内のエリートはアニメーションをつくる技術を持っている人たち、外で働く人たちはドーム全体を保全するための仕事をする人たちとなっているのだ。
そこに突如地球から現れた謎の少女がやってきた。彼女はS沢に宇宙へ手紙を送ってほしいと依頼し、そのまま気絶してしまう。
モーニング・ツーにて連載していたが、現在は石川雅之の体調不良により休載中。コミックは第1巻が発売中。