遥か未来の日本のストーリー『惑わない星』155 Pt.

『もやしもん』『純潔のマリア』の石川雅之が、新しい世界を開拓しました。今回は未来の日本が舞台。
常に新しい世界を拓いてきた石川雅之が新境地を拓いたという感じだ。『惑わない星』どんなマンガか見てみよう。

作成日時:2016-07-04 18:00 執筆者:マンガペディア公式

遥か未来の日本のストーリー『惑わない星』

惑わない星(1)

『惑わない星』とは

時は未来の地球。どれくらい未来なのか、それはわからない。未来の地球は決して明るい世界ではなかった。
主人公のS沢が暮らしているのは日本の中。未来の日本は小さなドームの中に作られていた。ドームの最深部である内で働くエリート層。そして内を支えるために存在している外という二つの区画。これが日本の総てだった。外の区画のさらに外に地球が存在していた。

人類は地球表面を汚染しつくし、やがてあらゆる生命体は死滅したのだ。植物は枯れ尽し、生命体は絶滅、海は乾いた。もはや生命体が存在できない星となった地球に
人類はそれぞれの国の巨大なドームをつくり、その中で生きていかなければならなくなったのだ。
残された人類は自分達の生活を維持するための生産施設をつくり、ドーム内に人類が必要とする動植物だけを栽培・生産して暮らしている。
いつか未来に地球表面の汚染が浄化され、元の地球に戻るその日まで、人類が生存していくのが目的なのだ。

S沢の仕事はドームの最縁部にある施設から、宇宙へと手紙を送る事。同僚の及川は、施設から地球へと出て、様々なパーツを回収する仕事をしている。汚染されていなかった地球を見たものは現存する人類にはいない。灰色の嵐が吹き荒れ、本当の空を見たものも誰もいないのだ。
日本はとうの昔に、生きていくのに必要ないという理由で、教育を放棄した。日本に残されているのはジャパニメーション。工業製品技術を捨て去り、全てをアニメーションという創作物に頼って生きてきた。
つまり内のエリートはアニメーションをつくる技術を持っている人たち、外で働く人たちはドーム全体を保全するための仕事をする人たちとなっているのだ。
そこに突如地球から現れた謎の少女がやってきた。彼女はS沢に宇宙へ手紙を送ってほしいと依頼し、そのまま気絶してしまう。

モーニング・ツーにて連載していたが、現在は石川雅之の体調不良により休載中。コミックは第1巻が発売中。

■暗黒の未来

地球環境が破壊しつくされた未来に地球が浄化されるのを待っている世界というのは、SFの設定としては良くあるものだ。だが石川雅之が描く事で独特の力を感じられるのだ。現代社会に対する警鐘、そして日本社会に対する皮肉なども感じられる。
何度読んでも形容し難い読後感を得られるというのは、やはり石川雅之ならでは。是非体験してみてほしい。

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