漫才・お笑いが題材の漫画オススメ５選！良い相方？良い恋人？様々なコンビの形0 Pt.

太陽は一人クラスで浮いていたが、目を引く華やかさに畦道は目を奪われていた。畦道は、文化祭のお笑いコンテストにエントリーしていた彼にコンビ結成を持ちかけられるが断ってしまう。文化祭当日、太陽は畦道を説得することに成功しステージへ。即興で作ったネタが大ウケし、畦道はこの上ない高揚感をおぼえるのであった。二人は「天頂片道切符」として正式に組むこととなり、笑いの頂点を目指して駆け上がってゆく。引っ込み思案の畦道と、自らを「神に認められた天才」と称する太陽はまさに正反対だ。ゆえに感性が引き合い、最大の効果を発揮しているといえよう。家族の反対や、ライバルコンビとの出会いを経て、二人がどのように成長を遂げるか楽しみに見守りたい。

雪室は、かつてコールタールの単独ライブに足を運んだことがあった。才能を惜しんだ彼女は水無月をスカウトし、彼はラジオの放送作家となっていたのである。その一方で、雪室は天然で純朴な颯太にDJとしての素質を見出していた。なりゆきでラジオ局を訪れた颯太は、ラジオブースで裏方たちが働く姿を見て不思議な感覚に包まれる。初めての仕事となった街頭インタビューで、颯太は持ち前の人たらしぶりを発揮。ベテランDJとの共演や看板番組を持つなど、着実に実力を発揮してゆく。典型的な売れない芸人であった颯太が、水無月と共にラジオの世界で生き生きと輝くさまは感動的だ。また、普段あまり描かれることのないラジオ局の裏側を垣間見ることができるのも興味深い。

5人が住むのは、最寄駅徒歩6分で家賃はひとり2万5千円の事故物件（？）である。ライブが滑れば「反省会」と称し朝まで酒を酌み交わすのが日常だ。しかし、それぞれ悩みを抱えているのも事実である。水吉はコンビニバイトで客に絡まれ人嫌いに陥り、潮来の二人は売れたやっかみからSNSで誹謗中傷に晒される。柴雄のコンビは上京したはいいものの鳴かず飛ばずで、大阪の師匠から戻ってこいと言われる始末だ。それでも彼らは、周りの雑音を跳ね返したり時に凹んだりしながら、お笑い賞レースの最高峰「Z-1チャンピオン」を目指ししのぎを削ってゆく。本作は、若手芸人ならではの喜びや焦燥がリアルで共感をおぼえる。個性豊かな5人が夢を追う姿に心熱くなること間違いなしだ。

白井の才能に目をつけていた哲夫は、大人になったら漫才コンビを組もうと彼と約束していた。しかし、高校で進路が分かれたことから疎遠になってしまう。白井は他の相方と組み、テレビのお笑いコンテストに出る存在になっていた。しかし、白井のボケにうまく対応できない相方に不満をおぼえた哲夫は、自殺を撤回。白井に再びコンビを組んで欲しいと懇願する。紆余曲折を経て二人は新コンビ「万歳（まんざい）」を結成し、東京での舞台やラジオ番組のレギュラーといったビッグチャンスをつかんでゆく。徒弟制度や勝ち抜きお笑いレースなど、昭和の芸能界を彷彿とさせる描写に懐かしさをおぼえる。再び巡り合った哲夫たちのハートフルな成長物語としても楽しめるだろう。

熱い男である圭右と、どこか斜に構えたクールな辻本は真反対の性格だ。だが、お互いの才能を認め合い漫才コンビ「きそばAT」を結成する。二人はお笑い賞レースの最高峰「 NMC（ニッポン漫才クラシック）」にエントリーするが、滑り倒して1次予選で敗退してしまう。意を決した圭右たちは養成所「YCA（ヨシムラコミックアカデミー）」に入学、同じくお笑いの世界を目指す子安と共にトリオ「べしゃり暮らし」を結成。NMCの舞台を目指しライバルたちと切磋琢磨してゆく。お笑い好きである作者の綿密な取材により描かれた、若手芸人たちのリアルな生き様が生々しい。先輩芸人の死や交通事故による記憶喪失など、圭右が試練を乗り越え最後に夢をつかむ姿は感動必至である。