あらすじ
四十万家編
お笑い好きで大喜利が得意なことを両親やクラスメイトに隠しており、まじめな生徒として過ごしていた男子高校生の四十万畦道は、文化祭のお笑いステージに相方もネタも未定ながら、東片太陽とお笑いコンビを結成しステージに立つことになった。これまで畦道は、「エブリデイしじみ」というペンネームで数々の大喜利番組に投稿し採用されていたものの、極度のあがり症であることから舞台に立つことなど考えもしていなかった。しかし、文化祭での成功をきっかけに、太陽と共にお笑い芸人を目指すことを決意する。だが、そのためにはまず畦道がふつうの人生を歩むと信じてやまない、四十万家全員を説得する必要があった。案の定、畦道の父親の四十万清は取り付く島もなく、お笑い芸人になる夢を叶(かな)えたいのであれば、家族全員を笑わせてみろと条件を突きつけられる。
高校生お笑いバトル編
なんとか四十万家全員を笑わせることに成功した四十万畦道と東片太陽だったが、まだお笑い芸人を目指すことを許されたわけではなかった。近隣で隔月に開催されている高校生向けお笑い賞レース「高校生お笑いバトル」で、優勝することができれば夢を全力で応援するという、家族の言葉を糧に二人はお笑いコンビ「天頂片道切符」を結成して出場することを決める。しかしあまりレベルが高くないとされる「高校生お笑いバトル」ながら、二人は前回の「笑-1甲子園」ファイナリストとなった高校生コンビ「シュプレヒコール」も出場することを知る。アルバイトスタッフとして働いていた花守と鬼崎鉄平太の計らいにより、天頂片道切符はトリを務めることになったが、ステージに立つ出場者たちのネタや会場の様子から、畦道は出番までの短時間でネタを作り直すことを決める。
登場人物・キャラクター
四十万 畦道 (しじま あぜみち)
とある高校に通う1年生の男子。年齢は16歳。黒髪天然パーマのツーブロックヘアで、眼鏡をかけている。かつて同じ塾に通っていた女子中学生のみずはから別れ際に、「面白い話をして」という願いを叶えられなかったことから、お笑いを研究するようになった。現在はテレビやラジオを問わず、さまざまな大喜利番組に「エブリデイしじみ」のペンネームでネタを投稿しており、200回採用されていることから、お笑い好きのあいだでは名の知れた存在になっている。しかし、両親や友人にはお笑い好きであることを隠している。高校では生徒会に所属しており、書記を務めている。引っ込み思案なうえに極度のあがり症で、大声を出すことも苦手ながら東片太陽に誘われ、文化祭のお笑いステージをきっかけに太陽と共に「天頂片道切符」を結成した。話術は拙いものの、ネタの構成力や会場の流れをつかむ能力に長(た)ける。
東片 太陽 (ひがしかた たいよう)
四十万畦道と同じ高校に通う1年生の男子。外ハネしたショートヘアを金髪にしている。中学生の頃からコンビを組んでいた相方が病死したため、かつての相方の夢を引き継ぎ、一人でお笑いを続けている。日本の二大お笑い賞レースで漫才のNo.1決定戦である「笑-1グランプリ」と、コントのNo.1決定戦である「アルティメットコントバトル」を両方獲得することを目標にしている。四十万畦道が大喜利番組で常連の「エブリデイしじみ」だと知り、畦道と共に「天頂片道切符」を結成した。かつては子役俳優として大河ドラマにも出演していたことから、演技力が高い。
花守 (はなもり)
四十万畦道と同じ高校に通う2年生の女子。前髪をまっすぐ切りそろえた茶髪をショートボブヘアにしている。生徒会に所属しており、会計を務めている。文化祭でお笑いステージを企画した発起人であり、ガチのお笑いマニア。四十万畦道が所持しているクリアファイルから、畦道がお笑い好きであることを見抜いた。畦道が東片太陽と結成した「天頂片道切符」の笑いを気に入って心から応援しており、ネタの練習にも付き合っている。アルバイトで「高校生お笑いバトル」のスタッフを務めている。
四十万 清 (しじま きよし)
四十万畦道の父親。黒髪をピッタリと七三分けにしている。かつてはフォークソング歌手として有名になることを目指していたが、どんなに努力しても報われないことを知り、子供たちの夢を無責任に応援しないことに決めている。畦道が東大を受験すると信じて献身的に応援していたが、東片太陽と共にお笑い芸人を志していると知り、「家族全員を笑わせること」と「高校生お笑いバトルで優勝すること」を条件に、畦道の夢を応援することを約束した。
四十万 多江 (しじま たえ)
四十万畦道の母親。黒髪をアシンメトリーショートボブヘアにしている。広告代理店に勤務しており、新しい広告を見ると注視する癖がある。かつてフォークソング歌手として活動していた四十万清の歌を聴き、素直な感想を伝えて清の夢を挫折に導いた存在だが、清の歌声に勇気をもらったとも話している。
四十万 風香 (しじま ふうか)
四十万畦道の妹。黒髪のショートボブヘアで、ゴシックロリータ調のワンピースを身につけている。また、お嬢様言葉で話す。畦道を慕っており、畦道がお笑い芸人を志していると知った際には卒倒した。四十万家の中で一番笑いを理解していない人物だと思われている。
水科 潤 (みずしな じゅん)
高校3年生の男子。お笑いコンビ「シュプレヒコール」のツッコミを担当している。前髪の長い黒髪をオールバックにしている。四十万畦道が大喜利番組で常連の「エブリデイしじみ」と気づき、「高校生お笑いバトル」のステージに立つ30分前にネタを作り直そうとする姿を見守っていた。「ふつうにちょっと嫌な奴」という自己評価を下している。
鬼崎 鉄平太 (おにざき てっぺいた)
高校3年生の男子。お笑いコンビ「シュプレヒコール」のボケを担当している。金髪ベリーショートヘアで、そり込みが入っている。強面(こわもて)で寡黙ながら、四十万畦道と東片太陽が「高校生お笑いバトル」で優勝できなかった場合、お笑いをあきらめるとの会話を聞き、場の空気をつかめるようステージに立つ順番の操作を花守に進言するなど、優しい一面がある。水科潤からは「不器用なだけで異常なまでのお人好しであり、刺々(とげとげ)しい言葉の裏にはつねに優しい思いが潜んでいる」と評されている。
集団・組織
天頂片道切符 (てんちょうかたみちきっぷ)
四十万畦道と東片太陽が結成したお笑いコンビ。文化祭でコントを披露した際にはコンビ名は決まっていなかったが、「高校生お笑いバトル」をきっかけにコンビ名を「天頂片道切符」に決めた。当面の目標は「笑-1甲子園」で優勝することだった。
シュプレヒコール
前年度の「笑-1甲子園」でファイナリストになった高校生男子のお笑いコンビ。「高校生お笑いバトル」出身で、身内ネタの内輪受けが主体の劇場でも、会場全体を笑いの渦に巻き込んでいる。「天頂片道切符」を高く評価しており、ライバル視している。
ライジン
「高校生お笑いバトル」に初出場した男性のお笑いコンビ。身長差があり、雷のロゴ入りジャージを身につけている。つねに自信満々で、「天頂片道切符」や「シュプレヒコール」のネタを見下しており、「笑-1甲子園」の予選では関東第一ブロックにて決勝進出を決めている。
その他キーワード
笑-1甲子園 (わらわんこうしえん)
日本の二大お笑い賞レースの一つ「笑-1グランプリ」の高校生限定の大会。高校生の漫才No.1を決める賞レースで、予選が全国8か所で8月から行われる。出場者は20組前後で、決勝に進めるのは各地区の優勝者と、優勝はできなかったものの実力があると判断された2組となっている。決勝は大阪で開催される。
高校生お笑いバトル (こうこうせいおわらいばとる)
東京ライオンホールで開催される隔月開催のお笑い賞レース。レベルは高くないが毎回10組前後がステージに立ち、お笑いの腕を競う。「笑-1甲子園」のファイナリストになったお笑いコンビ「シュプレヒコール」を輩出しているが、基本的には身内だけが笑っている内輪受けの劇場なため、会場全体の笑いを取りづらい。優勝賞金は1万円。
クレジット
- 原作
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浅倉 秋成
書誌情報
ショーハショーテン! 8巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2022-01-04発行、 978-4088828909)
第2巻
(2022-05-02発行、 978-4088831114)
第3巻
(2022-10-04発行、 978-4088832333)
第4巻
(2023-02-03発行、 978-4088833767)
第5巻
(2023-07-04発行、 978-4088835693)
第6巻
(2023-12-04発行、 978-4088837239)
第7巻
(2024-04-04発行、 978-4088838939)
第8巻
(2024-08-02発行、 978-4088841403)