てをつなごうよ

てをつなごうよ

同じ団地の隣室で育った、高校生の男女。そこにもう一人男子が越して来た事で、二人の関係は大きく変化していく。北海道を舞台にした青春三角関係ラブストーリー。「別冊マーガレット」2016年5月号から連載中の作品。

正式名称
てをつなごうよ
ふりがな
てをつなごうよ
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あらすじ

第1巻

高校1年生の楠小豆は、同じ団地の隣室に住む幼なじみの橘千花と、家族ぐるみで非常に仲がいい。実は千花は小豆にずっと思いを寄せているのだが、小豆はそれをまるで知らず、弟の楠大豆も交えて、いつも三人いっしょに過ごしていた。しかし、小豆と千花が高校2年生になる直前のある日、楠家の隣室に、柊夏月柊美月柊流星の一家が引っ越して来る。早速柊家の面々と親しくなろうとする小豆と大豆だったが、流星は兄である美月の事を一方的に嫌っており、美月もまた、流星とどう接したらいいかわからず悩んでいるのだという。そんな美月を案じた小豆は、その日から積極的に柊家とかかわりを持つようになるが、千花は小豆と美月の急接近を快く思わず、美月を密かにライバル視するようになるのだった。そして4月になり千花の誕生日が訪れるが、当日小豆はまるでそれに触れず、千花は落胆する。しかし、いつものように小豆、千花、美月、大豆、流星の五人で楽しく過ごした直後、千花は小豆からふいにプレゼントを受け取り、やはり小豆だけは誰にも渡したくないという思いを強めるのだった。

第2巻

柊美月達が有栖野団地1号棟に引っ越して来てから、約1か月。美月はすっかり楠小豆橘千花と親しくなっていたが、二人が友人というには非常に親しく、恋人のように距離が近い事が気になっていた。そんなある日、小豆が体調を崩し、学校を休んでしまう。これを案じた美月は、千花にもないしょで学校をさぼって小豆の看病をし、小豆と美月の精神的距離は大きく縮まるのであった。さらにその直後、柊家は楠家と橘家の面々に誘われ、三家族合同でキャンプへ行く事になる。そこで千花は、小豆と美月の関係が明らかに変化している事に気づき、複雑な思いを抱く。千花は、これまで自分は美月をライバル視していたが、もしこのまま小豆と美月が惹かれ合うようになった場合、邪魔者は自分の方であると悟ってしまったのである。そんな千花はキャンプの帰り、二人に心理テストと称して恋愛に関する話題をふる。テストの結果、小豆と美月は、あくまでお互いを友人と捉えているようだったが、千花はわざと、テスト結果から、二人はお互いに惹かれ合っているようだと噓をつく。これによって二人は、以前よりさらにお互いを意識するようになる。

第3巻

初夏。楠小豆は、橘千花がついた噓により、柊美月の事を強く意識するようになっていた。対する美月は、自分の思いを自覚し、千花に報告しに行く。美月はなんと、小豆は千花と交際しているので、小豆に片思いをするなら、まずは千花に筋を通さなくてはと思い込んでいたのである。誤解を解いた千花は、これで本当に美月とライバル関係になった事に焦りつつ、同時に美月とのあいだに芽生えた不思議な友情に、照れくさい気持ちになるのだった。一方その頃、小豆は、自分の気持ちが何なのか理解するため、美月に、楠大豆柊流星も交えていっしょに出かけようとしていた。しかし小豆の思いを察した大豆はこれを断り、小豆と美月は二人で遊びに行く事になる。そして当日二人は楽しい時間を過ごすが、帰り道なぜか千花が現れ、美月と二人で話を始めてしまう。これを不思議に思う小豆だったが、その直後、小豆は千花から、小豆が美月に思いを寄せているのはわかっているが、自分ももう逃げないと宣言される。小豆は千花がいったい何と向き合うつもりなのかはわからないまま、千花の宣言を受け入れるのであった。

第4巻

夏休み。楠小豆橘千花から自分の気持ちを指摘された事で、柊美月とこれまでのように接する事ができなくなっていた。そんなある日、小豆は楠姉弟、柊兄弟、そして千花の五人でプールに出かけるが、美月と二人きりになった際にキスをされてしまう。さらに後日、あれは小豆が好きだからキスしたのであると改めて告白され、小豆は混乱する。しかも、小豆はこれがきっかけで、千花もまた自分に思いを寄せているにもかかわらず、噓をついてまで小豆と美月を進展させようとしていた事を知ってしまう。小豆は何も知らずに千花を傷つけていた事に気づき深く反省するが、今後千花とどう接すればいいか答えは出ず、気まずいまま2学期が始まる。そして球技大会の練習が始まるが、練習中、千花がケガをしてしまう。慌てて手当てをする小豆であったが、千花はこれによって、やっとゆっくり小豆と話せると考え、これから大切な話をするので、聞いてほしいと伝える。

第5巻

楠小豆橘千花から、自分の事を一人の男性として改めて見たうえで、返事をしてほしいと告白される。柊美月の事もあり小豆は悩むが、これまで千花がいかに自分を思って行動していたかを実感するほどにその存在を大きく感じ、二人のあいだで揺れるのであった。一方その頃、美月は小豆と千花の関係に変化が起きた事に気づき、やはり自分では千花に勝てないのではと落ち込んでいた。そんな美月を見かねた若狭善次は、体育祭で千花よりも活躍する事で、自分に自信をつけるのはどうかと提案する。美月はそれに乗り、体育祭当日は大活躍するが、あと少しで千花よりいい成績を残せるという段階でミスをし、気を失ってしまう。しかし美月が目を覚ますと、そこには千花がおり、美月はライバルであるはずの千花に励まされる。これによって美月は千花の存在を偉大に感じつつ、改めて千花と戦う決意をし、元気を取り戻すのであった。その直後、小豆はかつて姉的存在であった久木茉帆と偶然再会し、現状を打ち明けてアドバイスを受ける。そして、自分にとって一番大切なのは千花と美月のどちらなのかを、改めて考えるのであった。

第6巻

有栖野団地でのハロウィンパーティが終わり、楠小豆は、自分にとって一番大切で、幸せにしたいと思うのは橘千花であると自覚した。そんなある日、小豆と千花は、柊美月に誘われて、三人で買い物へ行く事になる。三人は楠大豆柊流星姫野桜子の家に預けて楽しい時間を過ごすが、買い物も終わりに差し掛かった頃、家を出たはずの、美月と流星の母親から電話が掛かって来る。彼女は美月達に会いに柊家を訪れ、予定より早く帰宅していた流星と大豆に出会った。しかし、母親に対して複雑な思いを抱く流星は大豆を連れてその場を逃げ出し、そのまま二人は行方不明になってしまったのだという。小豆達は三人で協力して流星達を探し、美月の推理が決め手となり無事発見に成功する。美月は小豆と千花に深く感謝し、改めて小豆の事が好きだと強く感じる。そして帰り道、千花の目の前で再び小豆に告白をする。

第7巻

楠小豆は改めて柊美月に告白され、その日の夜、落ち着いてからもう一度会う事になった。小豆はそこで、自分には橘千花がいるとはっきりとふり、美月はこの結果を受けとめる。そしてすぐさま小豆は千花にこれを報告し、気持ちを確かめ合った二人は、また一つ関係を深めるのであった。翌日から美月は小豆と千花に気を遣って距離を置く決意をするが、それに気づいた小豆達は、恋愛の面ではこのような結果になったが、これからも友人として美月といっしょに過ごしたいと伝え、三人は元通りの関係に戻るのだった。その直後小豆と千花は修学旅行に向かうが、旅行中小豆は友人達から、恋人同士になった割には、小豆の千花への接し方は以前と変わらないような気がすると指摘されてしまう。このままではいけないと考えた小豆は、急遽千花を旅行中にデートに誘う事にする。

単行本の装丁

本作『てをつなごうよ』は、コミックス第2巻、第3巻、第5巻の本体表紙に、それぞれおまけイラストとおまけ漫画が収録されている。内容は、楠小豆橘千花柊美月の三人が、猫になった楠大豆柊流星を偶然拾い、育てるという内容になっている。

コラボレーション

プロモーション映像

本作『てをつなごうよ』には、2種類のプロモーション映像が存在する。第1弾として2016年8月に、まこみなとのコラボレーション楽曲「てをつなごうよ」を使ったプロモーション映像が、第2弾として2017年8月に、ラブリーサマーちゃんの楽曲「ファミリア」を使った、橘千花が中心のプロモーション映像が制作された。映像は、動画サイト「Youtube」と「別冊マーガレット」公式サイトにて公開されている。

ハニー

本作『てをつなごうよ』のコミックス第3巻、第4巻に収録されているエピソードでは、目黒あむの前作『ハニー』に登場する、小暮奈緒と鬼瀬大雅が登場する。内容は二人が楠小豆達とすれ違ったり、道に迷った大雅が小豆に道を聞くといったもので、両作品のファンには非常に嬉しいものとなっている。

登場人物・キャラクター

楠 小豆 (くすのき あずき)

有栖野高校2年G組に在籍する女子。有栖野団地1号棟206号室に、父親の楠豆太郎と母親の楠涼子、そして弟の楠大豆と四人で暮らしている。眉が見えるように切ったラウンド前髪に、胸の高さまで伸ばした赤毛の癖っ毛ロングヘアを、2本の三つ編みにしてまとめている。たれ目たれ眉で、下まつげが長く、左目尻と首筋にほくろがある。 マイペースで沈着冷静な性格で、感情の起伏が小さい。無表情なのも手伝い、一見何を考えているかわかりづらいところがある。弟の大豆を溺愛しており、大豆の辛辣な言動も、まるで気にしないほどかわいがっている。そのため恋愛にはいっさい関心がなく、長年橘千花といっしょにいたものの、千花の思いには気づいていなかった。しかし、高校2年生に進級する直前、有栖野団地に柊美月達が引っ越して来たのがきっかけで、美月に思いを寄せるようになっていく。 だが、その過程で千花の思いに気づき、悩む事となる。身長は156.5センチで体重は46キロ。血液型はO型で、誕生日は12月20日。好きな食べ物は納豆とめかぶで、注射とスポーツは苦手。低血圧で、朝に弱い。 学校では美月といっしょに図書委員を務めている。

橘 千花 (たちばな ちか)

橘小豆の友人で、有栖野高校2年G組に在籍する男子。有栖野団地1号棟205号室に、母親と二人で暮らしている。髪型は前髪を目が隠れるほど伸ばした、亜麻色のふんわりしたショートカットヘアで、口元にほくろがある。「千花」という女性的な名前があまり好きではなく、小豆にしか名前で呼ばせないようにしている。そのため久木茉帆など、周囲の女性からは「ちー」、楠大豆からは「ちーちゃん」と呼ばれているほか、姫野桜子からは「王子様」と呼ばれている。 容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能なうえ、穏やかで落ち着いた性格。そのため、女性に非常にもてる。しかし幼い頃は、そのかわいらしい容姿と、女性的な名前が災いしていじめられっ子だった。それをいつも小豆に助けられていた事から、ずっと小豆に思いを寄せている。 しかし思いを伝える気はなく、小豆には隠れて茉帆と肉体関係を持つ事で発散させていた。だが、高校2年生に進級する直前、有栖野団地に柊美月が引っ越して来たのを機に、小豆との関係が変化し始める。身長は177.6センチで体重は67キロ。血液型はA型で、誕生日は4月23日。 好きな食べ物は肉じゃがで、虫全般が苦手。学校では弓道部に所属している。

柊 美月 (ひいらぎ みづき)

有栖野高校1年B組に在籍する男子で、楠小豆と橘千花の友人。母親が家を去ったのを機に、有栖野団地1号棟207号室に引っ越し、父親の柊夏月と弟の柊流星の三人で暮らしている。前髪を目が隠れるほど伸ばしたストレートショートカットにしている。中性的な雰囲気の美形で、女子からもてる。おっとりした、やや天然気味な性格。 しかし子供は苦手で、母親が家を去るまでは流星とどう接したらいいかわからず、兄弟仲はよくなかった。そのため有栖野団地に引っ越して来た当初は、今後は主に自分が流星の面倒を見るつもりでいたものの、これまでの振る舞いが災いして、流星には一方的に毛嫌いされていた。しかし、それを案じた楠姉弟と親しくなったのがきっかけで、少しずつ流星との関係を改善していく。 また、その過程で小豆に思いを寄せるようになるが、千花から知らされるまでは、小豆は千花と交際していると思い込んでいた。身長は172センチで体重は58キロ。血液型はAB型で、誕生日は1月15日。好きな食べ物は温かい素麺とわかめうどん。苦手なものは日差しと夏。学校では小豆といっしょに図書委員をしている。

楠 大豆 (くすのき だいず)

有栖野西小学校1年2組に在籍する男子で、楠小豆の弟。有栖野団地1号棟206号室に、父親の楠豆太郎と母親の楠涼子、そして姉の小豆と四人で暮らしている。眉が見えるように切ったラウンド前髪に、耳が見えるように短く切ったおかっぱヘアにしている。『名探偵コナン』の江戸川コナンの影響から眼鏡をかけているが、これは伊達眼鏡で視力は2.0と非常にいい。 一見中性的でかわいらしい雰囲気だが、笑顔で非常に辛辣な言動をする毒舌家。しかしその容姿から、小豆と豆太郎には溺愛されている。橘千花とは実の兄弟同然に親しく、小学校1年生になる直前までは、いつも三人で遊んでいた。しかし、隣室に柊夏月、柊美月、柊流星が引っ越して来てからは、柊兄弟も交えて五人で遊ぶ事が増えていく。 特に流星とは非常に親しくなり、いつもいっしょに過ごす関係となる。身長は107.5センチで体重は15キロ。血液型はO型で、誕生日は3月3日。好きな食べ物は小豆の作ったプリンで、苦手なものは噓をつく大人と雷。

柊 流星 (ひいらぎ りゅうせい)

有栖野西小学校1年2組に在籍する男子で、柊美月の弟。母親が家を去ったのを機に、有栖野団地1号棟207号室に引っ越し、父親の柊夏月と美月の三人で暮らしている。前髪を目が隠れないように切ったウルフカットヘアにしている。ぶっきらぼうで口が悪いが、心優しい性格。引っ越し前、母親がいた頃は子供が苦手な美月とはあまり親しくなかったが、母親が去った途端に兄として振る舞い始めた美月に強い怒りを感じていた。 そのため楠小豆と出会った当初は完全に心を閉ざしており、非常に不愛想で、タブレットばかりいじって一人で遊んでいた。しかし小豆と楠大豆に出会い、小学校1年生の4月に美月と楠姉弟といっしょに自転車に乗る練習をしたのを機に、次第に周囲の人々と打ち解けていく。 特に大豆とは非常に親しくなり、いつもいっしょに過ごす関係となる。身長は115センチで体重は19キロ。血液型はB型で、誕生日は7月7日。好きな食べ物はチーズの乗ったハンバーグで、苦手なものは女子と怒った時の大豆。

楠 豆太郎 (くすのき まめたろう)

楠小豆と楠大豆の父親で、楠涼子の夫。家族四人で、有栖野団地1号棟206号室に住んでいる。前髪を目の上で切った、癖のあるショートカットヘアにしている。眼鏡をかけている。中性的でかわいらしい雰囲気の顔立ちで、年齢より若く見える。あだ名は「豆くん」で、年下の橘千花にもそう呼ばれている。穏やかでおっとりとした性格。 小豆にも負けないほど大豆を溺愛しており、小豆と二人そろって「大豆バカ」と評される事が多い。橘家とは家族ぐるみで非常に仲がよく、ゴールデンウィークは毎年キャンプ場「ぬくもりの里」で二家族合同のキャンプをしている。さらに、小豆達が高校2年生のゴールデンウィークは柊兄弟も交えて、三家族合同でキャンプをした。

楠 涼子 (くすのき りょうこ)

楠小豆と楠大豆の母親で、楠豆太郎の妻。家族四人で、有栖野団地1号棟206号室に住んでいる。前髪を目が隠れるほど長く伸ばして右寄りの位置で分け、顎より下の方につかない長さまで伸ばしたストレートボブヘア。明るく快活な性格だが、非常に仕事が忙しく、いつも帰宅は夜遅い。そのうえ、家に帰って来てからも仕事をしている事が多い事から、家事や大豆の世話は小豆に任せきりになっている。 橘家とは家族ぐるみで非常に仲がよく、ゴールデンウィークは毎年キャンプ場「ぬくもりの里」で二家族合同のキャンプをしている。さらに、小豆達が高校2年生のゴールデンウィークは柊兄弟も交えて、三家族合同でキャンプをした。

柊 夏月 (ひいらぎ なつき)

柊美月と柊流星の父親で、年齢は41歳。妻が家を出たのを機に、美月が高校1年生、流星が小学1年生の春に、三人で有栖野団地1号棟207号室に引っ越して来た。前髪を額が見えるほど短く切ったベリーショートカットヘアに無精ひげを生やしている。明るく親しみやすい性格だが非常に多忙で、ほとんど家にいない。そのため、妻が去ってからは、流星の世話は美月に任せきりになっている。 有栖野団地に引っ越して来てからすぐ、隣室の楠家と、そのさらに隣室の橘家と家族ぐるみで親しくなるが、41歳のゴールデンウィークは仕事で、キャンプ場「ぬくもりの里」での三家族合同のキャンプには参加できなかった。

久木 茉帆 (ひさき まほ)

大学3年生の女子。3年前まで有栖野団地1号棟3階に住んでおり、楠小豆と橘千花の姉貴分だった。現在は引っ越し、有栖野団地から近いアパートで一人暮らししている。前髪を目が隠れるほど伸ばして右寄りの位置で斜めに分け、胸の下まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。子供の頃は、前髪を目の上で切ったショートカットヘアだった。 小豆と千花とは同じ団地に住んでいた事から親しく、久木茉帆が小学生の頃まではよくいっしょに遊んでいた。そのため小豆からは「まほねぇ」と呼ばれている。以前から千花の小豆への思いを知っていたが、千花の、小豆とはあえて幼なじみの関係を続けたいという考えを理解したうえで、千花と肉体関係を持つ。その関係は現在でも続いているが、千花に恋愛感情を抱いているというわけではなく、千花の恋愛相談に乗る事も多い。 結果、小豆に隠れて千花と関係を持ちながら、小豆と千花の関係を応援しているという、複雑な立場にある。大学3年生の秋に偶然小豆と再会するが、そこで小豆が、千花に告白されたが、自分は別の男性の事が好きなため悩んでいるという事を聞き、辛辣だが親身なアドバイスをした。

道枝(男) (みちえだ)

有栖野高校2年G組に在籍する男子で、橘小豆のクラスメイト。前髪を目が隠れるほど長く伸ばし、染髪したストレートショートカットヘアにしている。三白眼で目つきが悪く、小柄な体型。元気なムードメーカー的な存在だが単純で調子に乗りやすい性格で、周囲にはおバカ、あるいはポンコツと評される事が多い。そのため、つねに女性にもてたいと考えて行動しているものの、うまくいかない事が多い。

小林 梨沙 (こばやし りさ)

有栖野高校2年G組に在籍する女子で、橘小豆の友人。目の上で切って左寄りの位置で斜めに分け、胸につくほどまでの長さのロングヘアにしている。明るく親しみやすい性格。小豆とは田中も交えて三人で仲がよく、修学旅行でもいっしょに行動した。小豆の事は、弟の楠大豆に夢中で、恋愛には無関心な人物だと捉えていた。そのため、高校2年の秋に小豆が橘千花と交際を始めた時には、非常に驚いた。 小豆を通じて柊美月とも出会っており、見かければ声を掛ける程度には親しい。

田中 (たなか)

有栖野高校2年G組に在籍する女子で、橘小豆の友人。前髪を眉上で短く切り揃え、胸が隠れるほど伸ばしたストレートロングヘアにしている。長身で細く、いつも眠そうな目をしている。クールで落ち着いた性格で、2年G組のツッコミ担当として機能している。小豆とは小林梨沙も交えて三人で仲がよく、修学旅行でもいっしょに行動した。

若狭 善次 (わかさ ぜんじ)

有栖野高校1年B組に在籍する男子で、柊美月の友人。前髪を眉上で短く切った、ツンツンの刈り上げヘアにしている。あだ名は「善くん」で、美月にもそう呼ばれている。また、道枝(女)からは、あまり成績がよくなく、補習を受ける事もある事から「バカ狭」と呼ばれる事もある。明るく親しみやすい性格だが、非常に惚れっぽく、涙もろい。 さらに好きになるとすぐに告白してしまうため、いつも相手には本気だと思われず、ふられてしまう。美月とは非常に親しく、「心の友」「ベストフレンド」と評するほど仲がいい。高校1年生の2学期に入ってすぐに、美月から楠小豆に片思いしている事を打ち明けられてからは、美月の恋を応援しており、球技大会では、全力を出して、橘千花に勝てるほどの成績を残そうと提案した。

道枝(女) (みちえだ)

有栖野高校1年B組に在籍する女子で、柊美月のクラスメイト。前髪を目の上で切ってカールさせ、肩につくほどまで伸ばした内巻きボブヘアにしている。猫目で、八重歯がある。小柄な事から、若狭善次からは「チビ枝」と呼ばれる事もある。善次のペースに振り回されがちな美月を案じているが、善次とはなんだかんだで仲がよく、喧嘩友達のような関係。

姫野 桜子 (ひめの さくらこ)

有栖野西小学校1年B組に在籍する女子で、楠大豆と柊流星の友人。前髪を眉上で短く切り、腰まで伸ばしたロングヘアにしている。家は非常に裕福で、登下校は毎日車で送り迎えしてもらっており、世話係としてじいやがいる。明るく物怖じしない、気が強い性格。恋愛に強いあこがれを持つロマンチストで、色恋沙汰に疎い大豆と流星にレクチャーする事もある。 小学校1年生のある日、大豆と流星と共にこっそり有栖野高校に忍び込んだのがきっかけで橘千花と出会い一目惚れし、以来「王子様」と呼び慕っている。

山谷 フミ (やまや ふみ)

楠小豆と橘千花の幼なじみの男子で、有栖野団地1号棟の住人の一人。山谷未来の兄でもある。前髪を額が見えるほど短く切ったベリーショートカットヘアで、釣り目で八重歯があり、三白眼。子供の頃は有栖野団地1号棟のボス的存在で、千花の事を容姿も名前もまるで女性のようだと言って、率先していじめていた。しかし見かねた小豆によって、ハロウィンパーティの日に仕返しをされた。 現在も有栖野団地1号棟に住んでいるが、今では小豆達とあまりかかわりはない。

山谷 未来 (やまや みく)

山谷フミの妹で、中学2年生の女子。有栖野団地1号棟の住人の一人。前髪を眉上で切り揃え、肩につくほどの長さのセミロングヘアを、高い位置でまとめたポニーテールの髪型をしている。明るく積極的な性格で、やや面食い。楠小豆が高校2年生の時の有栖野団地ハロウィンパーティでは、柊美月の仮装姿を非常に気に入りなかなか離さず、その勢いは、兄のフミでも止められなかった。

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