あらすじ
鹿倉熱詩と細谷絆那、テフレになる
鹿倉熱詩は、付き合っている友里菜月から手だけが映った写真がアップされているSNSを見せられる。熱詩は、これらの写真は最近流行っている「テフレ」というなかよしの印で、恋人ではない異性とやっても浮気ではないと、菜月から教わって興味を持つ。その日のホームルームで文化祭の実行委員長を任された熱詩は、放課後にクラスメートの細谷絆那と打ち合わせをしていたが、絆那の手が気になって打ち合わせに集中できずにいた。そんな熱詩を見た絆那は、他人に見つからないように好きなときに、好きなだけ手を触るテフレになろうと誘うのだった。突然のことに動揺する熱詩だったが、テフレは浮気ではないと菜月から聞いたことや、感情が高ぶったことで絆那の誘いに乗る。こうしてテフレとなった二人は、授業中や休み時間にお互いの手を触り合うのだった。
壊れゆく関係
文化祭の準備中に起こったアクシデントをきっかけに、鹿倉熱詩と細谷絆那は手を触り合っている姿を写真部の不破風弥に撮られてしまう。写真部の部室に呼び出された熱詩たちは風弥に脅されると思っていたが、彼からはテフレ写真コンクールのモデルになってほしいとお願いされる。安堵した熱詩たちはこの申し出を承諾し、強いこだわりを持つ風弥の意向で二人は撮影用の衣装に着替える。しかし、風弥を探しに来た友里菜月に見つかって浮気を誤解される。熱詩と風弥が事情を説明する前に、絆那が自ら悪役になる形で事態を収束させようとしたが、絆那に悪態をつく菜月に対して熱詩は怒りをあらわにする。
登場人物・キャラクター
鹿倉 熱詩 (かぐら あつし)
とある高校に通う2年生の男子。人当たりが非常によく友達も多い。周囲からは「かぐらん」と呼ばれている。1年の学年末に周囲から煽られる形で、以前から仲のよかった友里菜月と付き合い始める。恋人となってからは変に菜月を意識してしまい、これまでのような自然な付き合いができずに悩んでいる。小学校の頃から手フェチで、菜月からなかよしの印となる「テフレ」を教えてもらって興味を持つ。クラスメートでとなりの席に座る細谷絆那から、他人に見つからないように好きなときに、好きなだけ手を触るテフレにならないかと誘われ、菜月からテフレは浮気ではないと言われたことや感情の高まりが抑えきれず、絆那とテフレになる。菜月に対して罪悪感を感じながらも、絆那と交流していくうちに彼女に惹かれていく。
細谷 絆那 (ほそや はんな)
鹿倉熱詩と同じ高校に通う2年の女子。クラス委員を務めている。熱詩と同じクラスで席はとなり同士。頭脳明晰に加えてスタイル抜群で、おしとやかなために男子からの人気が高い。一部の女子からは嫉妬のあまり、根も葉もない噂を流されているが、まったく気にすることなく噂の肯定も否定もしていない。小学校の頃の初恋の男子と同じ名前の熱詩のことが気になり、近づくために熱詩に「テフレ」にならないかと誘う。裏表なく接してくれる熱詩の人柄に触れていくうちに思いを寄せるようになっていくが、熱詩に彼女の友里菜月がいることや、細谷絆那自身の悪い噂に熱詩を巻き込むことを恐れて本音を隠している。
友里 菜月 (ゆり なつき)
鹿倉熱詩と同じ高校に通う2年の女子。1年の時は熱詩と同じクラスだったが、2年になって別のクラスとなった。明るい性格で、社交的なために友達も多い。周囲からは「なっきー」と呼ばれている。1年の学年末に周囲から煽られる形で、以前から仲のよかった熱詩と付き合い始める。熱詩のとなりの席に男性関係で悪い噂が絶えない細谷絆那がいるため、休み時間のたびに熱詩との仲のよさを周囲に見せつけている。ただし友達から恋人となったことで、熱詩との付き合いに息苦しさのようなものも感じている。
不破 風弥 (ふわ ふうや)
鹿倉熱詩と同じ高校に通う2年の女子。1年の時は細谷絆那と同じクラスだったが、2年になって別のクラスとなった。友里菜月からは「ふわわ」と呼ばれている。学校では写真部に所属しており、つねにカメラを持ち歩いている。熱詩と絆那のあいだにあるインモラルな雰囲気を感じ取り、「テフレ」写真コンクールに出す写真のモデルになるように依頼。現役のコスプレイヤーで、衣装や小物なども自分で作っている。
書誌情報
テフレ。 3巻 講談社〈シリウスKC〉
第1巻
(2022-01-07発行、 978-4065263761)
第2巻
(2022-05-09発行、 978-4065277256)
第3巻
(2022-12-08発行、 978-4065300190)