アカメが斬る!

アカメが斬る!

原作を「みなとそふと」のタカヒロ、作画を田代哲也が担当したタッグ作品。虐げられた人々の依頼を受け、「殺人」という悪をもって、「暴政」という悪を倒すというストーリーラインで、時代劇ドラマ『必殺』シリーズのテイストが基調になっている。超常能力を持つ戦闘兵器・帝具を使っての激しいバトルが特色となっており、敵味方の区別なく犠牲者・殉職者が続出するダークファンタジー。スクウェア・エニックス「月刊ガンガンJOKER」にて2010年4月号から2017年1月号まで連載。2013年には、ヒロインのアカメの過去を描く『アカメが斬る!零』が「月刊ビッグガンガン」にて連載。

正式名称
アカメが斬る!
ふりがな
あかめがきる
原作者
タカヒロ
作画
ジャンル
ダークファンタジー
 
バトル
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

少年剣士のタツミは困窮であえぐ故郷の村を救うため、志を同じくするサヨとイエヤスと共に士官のため帝都を目指していた。道中、彼らとはぐれたタツミはたった一人で帝都にたどり着くが、帝都の現実に打ちのめされ、無一文状態で放浪する事になる。途方に暮れるタツミだったが、心優しい貴族の令嬢であるアリアに拾われ、一宿一飯の恩をたまわる。アリアの護衛という新たな職を手に入れたタツミは、彼女のもとで温かな日々を過ごすが、ある日、殺し屋「ナイトレイド」が屋敷を襲撃し、仲間やアリアの両親を殺されてしまう。アリアを守るため戦う中で、タツミは帝都の腐敗した貴族の実態を知る。アリアとその家族は実は拷問が趣味の悪徳貴族で、タツミの仲間であるサヨとイエヤスを拷問の末、無残な姿にしていたのである。怒れるタツミはアリアを一刀両断。そんなタツミの姿を見たナイトレイドは、彼を自らのアジトに招く。そしてナイトレイドのボス、ナジェンダと対面したタツミは、村を救うのと引き換えにナイトレイドとして戦う決意をする。

第2巻

ナイトレイドの一員として順調に成長していくタツミだったが、ある日、帝都を騒がす連続殺人鬼「首狩りザンク」の噂を耳にする。ナイトレイドと同じく帝具を手にする殺人鬼を倒すため、タツミとアカメは夜の帝都を捜索する。タツミは人の心を読み、幻を見せる帝具に苦戦するが、激闘の末、ついにアカメがザンクを討ち果たす。

ザンクを討ち果たし、ナイトレイドの面々とも交流を深めて行くタツミは、ある日、シェーレの過去を知る。お互いの過去を知り、シェーレに弱音を吐いたタツミは確かな絆を深めていく。しかし、ほどなくしてシェーレとマインは帝国の帝具使いであるセリュー・ユビキタスと遭遇、そのまま交戦となる。マインとシェーレは一時は優位に立ちながらも、セリューの予想外の奥の手に翻弄される。そしてシェーレは危機に陥ったマインを救うため、その身を犠牲にするのだった。

第3巻

タツミシェーレの死を引きずり、心の整理ができずにいたが、レオーネの気遣いとアカメの人知れず流していた涙を知った事で立ち直り、前を目指す決心をする。一方、帝都では異民族征伐に出兵していたエスデス将軍が帰還していた。圧倒的な力を持つエスデスとその配下の者達の暗躍で、オネスト大臣の政敵は殺され、ナイトレイドがその罪をなすりつけられてしまう。情勢の変化がナイトレイドに悪くなっている事もあり、ナジェンダはナイトレイドの犯行を語る「三獣士」を誅する事を決定する。タツミはブラートと組んで、三獣士が次に狙うであろう場所に張り込む。ブラートはかつての上司だったリヴァと一進一退の激闘を繰り広げる。死闘の中、満身創痍になりつつも敵の技を打ち破るブラートだったが、リヴァの命を引き換えにした攻撃で自らの命も風前の灯となってしまう。残る最後の三獣士との戦いで危機に陥ったタツミを救うため、ブラートは己の帝具「インクルシオ」をタツミに託す。タツミは圧倒的な力で三獣士を叩き潰し、ブラートはタツミの勝利を見届けて息を引き取るのだった。

第4巻

タツミは、ブラートの見込んだ男になるべく奮起していた。しかし、三獣士を失ったエスデスは新たに帝具使いを集め、特殊警察、イェーガーズを結成していた。凶悪なエスデスの偵察のためタツミは、エスデス主催の武芸大会に参加する。順調に勝ち進んで優勝したタツミは、エスデスに気に入られ、彼女の恋の相手として無理矢理連れ去られてしまう。タツミは突然の展開に戸惑いながらも、エスデスの評判と違う乙女っぷりに彼女を説得できないかと考える。そしてタツミはイェーガーズの補欠として行動を共にしつつ、エスデスと奇妙な同居生活を行う事となるが、理不尽に虐げられる者を弱者として切り捨てるエスデスの説得が不可能だと悟る。チャンスを見つけて、仲間達にイェーガーズの情報を伝えるべく、タツミは監視の目を振り切って逃げ出す。迎えに来たアカメラバックに救出されたタツミは、無事にアジトへと帰還するが、そこに秘かにタツミの行動を怪しんでいたDr.スタイリッシュの魔の手が忍び寄りつつあった。

第5巻

Dr.スタイリッシュは、逃げ出したタツミを利用してナイトレイドのアジトを襲撃した。Dr.スタイリッシュの作り出した強化改造された兵士は1体1体が強力で、奇襲を受けたナイトレイドの面々はそれぞれ苦境に立たされてしまう。ナイトレイドは体勢を立て直して反撃を開始するが、Dr.スタイリッシュは特製の麻痺毒でナイトレイドを一網打尽にしてしまう。危機的状況に陥るナイトレイドだったが、そこに新たな仲間達が応援に駆けつける。生物型の帝具であるスサノオナジェンダの新たな力として、圧倒的な力を振るう。相性の悪い敵の出現に不利を悟ったDr.スタイリッシュは、切り札である、危険種になる薬を使用する。自らを巨大な危険種にしたDr.スタイリッシュは巨大な力を振るうが、仲間達の援護を受けたアカメの一太刀に敗れ去るのだった。そしてタツミ達は敵にバレたアジトを捨てて秘境に身を隠し、新たに仲間となったスサノオやチェルシー達と交流を重ねていく。

第6巻

帝都周辺に謎の危険種が出現し、民達を襲い始めていた。ナイトレイドイェーガーズはこの知らせを聞き、それぞれ事件の調査のため行動していたが、その中でタツミエスデスを鉢合わせしてしまう。エスデスの圧倒的な力に拘束され、逃げ場を見つけられないタツミだったが、そこに謎の男が現れ、二人は男の持つ謎の帝具で南海の孤島へと飛ばされるのだった。数多くの謎の危険種が徘徊する島でタツミとエスデスは二人っきりの時間を過ごし、お互いの過去を語り合う。しかしエスデスの過去を知ってタツミが抱いたその結論は、決してわかり合えないというものだった。孤島から脱出したタツミは一瞬のスキを突いてエスデスから逃げ出し、次の出会いは戦いになるだろうと予感を抱く。そしてナイトレイドのもとに「安寧道の反乱」の知らせが届く。革命軍は西の異民族と協力し、安寧道の反乱と同時に決起する計画を立てており、ナイトレイドはこれに乗じてオネスト大臣の暗殺を決行するとナジェンダは語るのだった。決戦の時が迫るナイトレイドは、決意を胸に秘めて戦いに臨む。

第7巻

「安寧道の反乱」の決行にはたった一つ障害が存在した。教主の側近のボリックはオネスト大臣側のスパイで、反乱を妨害する腹積もりだったのだ。ナイトレイドはボリックの暗殺とイェーガーズの殲滅を行う決意をする。安寧道の本部があるキョロクを目指しつつ、虚偽情報を流したナイトレイドはイェーガーズを分断する事に成功する。ボルスクロメウェイブを総力を持って迎え撃つナイトレイドは、クロメの帝具「死者行軍八房」の能力に翻弄される。奮戦するナイトレイドはクロメとボルスの帝具を打ち破る事に成功する。そしてチェルシーはボルスをだまし討ちで暗殺し、続いてクロメにも致命傷を与える。しかし度重なる人体改造によって、急所に攻撃を受けても生きていたクロメは、チェルシーを返り討ちにしてしまう。タツミは戻って来ないチェルシーを心配し駆けずり回って探すが、目にしたのはさらし首になったチェルシーの姿だった。

第8巻

仲間を失いつつもキョロクに到着したナイトレイド一行は、ボリック暗殺の準備を進める。しかし、オネスト大臣お抱えの処刑人である皇拳寺羅刹四鬼イェーガーズがナイトレイドに襲い掛かる。アカメラバックはそれぞれ皇拳寺羅刹四鬼と対峙し、苦戦しつつもこれを倒す。そしてタツミマインも、襲い掛かる敵と対決する。タツミは逃げる皇拳寺羅刹四鬼の一人、スズカを追い、マインは因縁の相手であるセリュー・ユビキタスと一対一の激闘を繰り広げる。マインは危機に陥るものの、窮地に立たされれば立たされるほど強くなる帝具「パンプキン」の力を使い、セリューを打ち倒すのだった。しかし、セリューは死の間際に自爆装置を使い、マインを道連れにしようとする。マインは必死に逃走するが、消耗した体では逃げ切る事ができず、マインの目の前でセリューは巨大な爆発を引き起こす。マインは最早逃げ切る事叶わず涙を流すが、そこにスズカを倒したタツミが駆けつけ、間一髪マインを救うのだった。

第9巻

ナイトレイドイェーガーズのキョロクでの戦いも大詰めを迎えていた。決戦前夜、ナイトレイドは各々が英気を養い、戦いのあとに思いを馳せるのだった。そして始まるボリック暗殺作戦。タツミナジェンダレオーネスサノオは仲間達の援護を受け、ボリックのいる大聖堂に迫る。しかしそこに待ち構えていたのは、護衛任務を請け負ったエスデスだった。数の不利を物ともせず圧倒的な力を振るうエスデスを前に、ナジェンダはスサノオの真の力を解放する。圧倒的な力で互角に戦うスサノオだったが、エスデスの放つ奥の手を前に敗北してしまう。仲間達もみな倒れ去り、ここまでと思われたが、応援に駆けつけたアカメ達の援護と、意地を見せたタツミやレオーネの活躍でボリックの暗殺に成功する。そして一行は最後の力を振り絞ったスサノオが血路を開いた事で、辛くもエスデスの魔の手から逃れるのだった。

第10巻

ボリックが討たれた事で「安寧道の反乱」も無事引き起こされ、政局は大きな変化を迎えていた。ナイトレイドは革命軍の一斉蜂起を助けるため、傷を癒やしながら帝都への帰路を歩んでいた。その最中、タツミマインはお互いの思いを伝え合い、恋人としての一歩を歩み始める。そして一方、帝都では半壊したイェーガーズに代わる戦力として「ワイルドハント」が結成されていた。オネスト大臣の息子であるシュラの肝入りで作られたワイルドハントは、権力を傘に着て帝国で暴虐の限りを尽くし、罪なき人々を苦しめる。犠牲者の中にはボルスの家族までいた事で、遂にはイェーガーズの面々も我慢の限界が訪れる。ウェイブはシュラと一騎打ちの決闘を行い、ランクロメの助けを借り自らの仇であるチャンプを暗殺に見せかけて謀殺するのだった。乱入して来たナイトレイドの助けを得て、イェーガーズはエンシンコスミナを倒す事に成功するが、戦いで受けた傷がもとでランは死にかけていた。しかしクロメは仲間の死を認められず、自らの帝具でランを骸人形とするのだった。

第11巻

タツミは恋人としてマインとの仲を順調に深めつつ、ナイトレイドの仕事をこなしていた。しかし、ある日、ラバックと帝都を偵察中、敵の捕らわれの身になってしまう。実は生きていたスズカの情報提供によって、遂に正体がバレてしまったタツミはエスデスと再会を果たすのだった。エスデスはタツミを勧誘するが、マインへの思いを貫くタツミはこれを拒否。またラバックもシュラに拷問されつつも起死回生のチャンスを狙っており、スキを突いてシュラを暗殺、彼の持っていた帝具の力を使って脱走する。しかし逃げ切る事は叶わず、イゾウの手によってラバックは無残に切り捨てられるのだった。ラバックの死を知ったタツミは自らの死を受け入れ、厳重な警備の中で処刑される事が決まる。帝国最強のエスデスとブドーの守る処刑場に、無謀と知りつつもマインは助けに駆けつける。最大の逆境を前に、最大の力を出し尽くすマインは二人相手に善戦する。マインの攻撃に助けられたタツミも、自らの帝具の力を限界以上まで引き出す。その力は遂にエスデスの奥の手すら打ち破るのだった。

第12巻

エスデスブドーとの戦いは、応援に駆けつけたナイトレイドの助力もあり、五分と五分の趨勢となっていた。しかし追い詰められたブドーは本気を出し、その圧倒的な破壊力を発揮する。ブドーは逃げに徹するナイトレイドを渾身の一撃で追い詰めるが、愛するタツミを守るため、マインも限界を超えた力でこれを迎え撃つ。極大の破壊力のぶつかり合いをマインはすべてを出し切る事で制し、ブドーを打ち破るのだった。しかし限界を超えた力を出し切った事で、マインも廃人となってしまう。残り四人となったナイトレイドだが、それでも散って行った仲間達の遺志を継いで戦う事を誓うのだった。そして決戦に向けて準備を進める両陣営とは別に、独自の行動を開始したドロテア。革命軍を襲い、かく乱するドロテア達を倒すため、ナイトレイドはワイルドハントの残党と最後の戦いを繰り広げる。危険種に改造されたコスミナに苦戦しつつも、大きく成長したタツミがこれを倒し、ナイトレイドはドロテアとイゾウを暗殺し、ワイルドハントを壊滅させる事に成功する。

第13巻

タツミは強化された帝具の副作用で苦しみ、レオーネドロテアとの戦いの負傷があとを引いていた。動けない二人に代わり、一人で暗殺任務を行っていたアカメは、帝国側の大物や、かつての仲間達との戦いを制し、ついに妹であるクロメとの戦いを繰り広げる。お互いを信じ、大切に思うものの、長い洗脳と薬漬けの生活でまともな思考を残していないクロメを救うため、アカメは実の妹に剣を向ける。激しい剣戟の末、勝利を得る寸前のアカメだったが、そこにウェイブが乱入し、クロメを救出。ウェイブは帝国を変えるべく今まで戦い続けたが、クロメを助けるためすべてを捨てる事を決意していた。そして、禁断の帝具の二つ同時使用をして覚悟を見せたウェイブは、クロメの帝具を砕いて自分の思いの丈を彼女にぶつける。こうして二人は、帝国を捨てて駆け落ちをする事となった。アカメはウェイブに感謝の気持ちを伝え、クロメと別れのあいさつを交わす。そして二人を死んだ事にして、彼らの新たな門出を見送るのだった。

第14巻

いよいよ決戦が明日に迫ったナイトレイドは、散っていった仲間を偲びつつ、戦いのその後に思いを馳せる。一方、イェーガーズ最後の一人となったエスデスも散っていった仲間達の事を思いつつも、新たな力を磨き決戦に備えていた。そして遂に始まる決戦、アカメレオーネは帝都に残った奸臣を一掃すべく宮殿に向かい、ナジェンダタツミはエスデスの足止めを行うべく戦場を駆けていた。激戦に次ぐ激戦を制し、戦いを優位に進めるナイトレイドだったが、そこに突如として現れるのは至高の帝具「シコウテイザー」の威容だった。一つ一つの攻撃が軍を粉砕する威力を持つシコウテイザーの前に、革命軍は瓦解寸前になってしまう。タツミは成す術もなく死んでいく革命軍を助けるため、さらに力を振り絞ってシコウテイザーと戦う。そして善戦するタツミの姿を見てオネストドロテアに命じて秘かに搭載していたシコウテイザーの「奥の手」の起動を行うのだった。

第15巻

オネストの命で「粛清モード]を起動したシコウテイザーは、敵味方関係なく破壊の力を振り撒く。タツミは戦いに巻き込まれた市民を守るため戦うが、力及ばず倒れてしまう。体を砕かれたタツミであったが、そこでついに「インクルシオ」の力が完全に融合。二度と人に戻れなくなるのと引き換えに、タツミに戦う力を与えるのだった。そこにシコウテイザーの暴虐を見過ごせないウェイブも駆けつけ、タツミと共に力を合わせてシコウテイザーに挑む。タツミはすべての力を振り絞り、シコウテイザーを打ち破るが、そこでタツミの意識はインクルシオに眠っていた竜に乗っ取られてしまうのだった。一方、オネストはスキを見て脱出し、残ったエスデスも革命軍を相手に戦う意志を見せる。そしてアカメはたった一人で、革命軍を滅ぼし尽くすほどの力を持つエスデスを相手に、最後の戦いに臨む。

登場人物・キャラクター

アカメ

ナイトレイドに所属するクールな少女。黒髪赤眼で落ち着いた物腰をしているが、ヒマな時はつねに食事をしているほどの大食漢。特に肉が大好物で、自分で獲物を取って来るなど野生児じみた部分も持つ。一見すると取っつきづらいように見えるが、仲間思いで優しい性格をしている。帝国の暗殺者養成機関で育てられた経験を持つ暗殺のスペシャリスト。実際に帝国側の暗殺者として働いているうちに帝国の腐敗を実感、ナジェンダに説得されて帝国を抜けた。帝国を抜ける際に妹のクロメが、説得に耳を貸さず帝国に残った事を心残りにしており、彼女を殺してでも止める悲壮な覚悟を抱いている。かすっただけで相手を死に至らしめる帝具「村正」を持つが、アカメ自身は帝具の能力に頼り過ぎない戦い方をするように自らを戒めており、帝具の能力に依らない剣術や格闘戦術の能力も高く、そのお陰で帝具の能力が通じない敵にも勝利を収めている。前日談の『アカメが斬る!零』でも主人公を務め、続編となる『ヒノワが征く!』にも登場している。

タツミ

貧困にあえぐ故郷を救うため帝都に出稼ぎに来た少年剣士。世間知らずで軍に志願したが失敗し、さらにレオーネに騙されて無一文で帝都に放り出されてしまう。その後、紆余曲折の末に帝都の腐敗と現実を目の当たりにし、素質を見出されてナイトレイドに勧誘されて加入した。非常に優れた素質を持ち、帝都に来た時点で危険種を単独討伐するほどの戦闘力を持つ。ナイトレイドの暗殺者として戦ううちに、その素質が大きく開花していき、のちにブラートの死で悪鬼纏身「インクルシオ」を受け継ぎ、一線で戦うようになる。素直でまっすぐな性格をしているため年上受けがよく、シェーレ、チェルシー、レオーネにかわいがられ、のちにエスデスからも偏執的な愛情を向けられるようになってしまう。マインを危機から助けた事で彼女から告白され、相思相愛になる。マインがエスデスに目をつけられた際には彼女を守るため、インクルシオの能力を限界以上まで引き出し、エスデスの奥の手を破るほどの力を見せた。ただし限界以上の力を引き出した事で、インクルシオの力が暴走し、体の大部分が帝具と混ざってしまっている。

マイン

ナイトレイドに所属する勝気な少女。ピンクのツインテールの髪型をしている。ショッピングが趣味。西の異民族とのハーフで、それが原因で迫害された過去を持ち、差別のない新政府の樹立と恵まれない幼少期の反動から「勝ち組」になる事を目的に戦っている。タツミの事は「新入り」「田舎者」として馬鹿にしていたが、徐々に頭角を現すタツミを仲間として認め、セリュー・ユビキタスとの戦いで命を救われた事で明確に意識し出す。その後、マインの方から告白し、付き合い始める。持っている帝具は浪漫砲台「パンプキン」。精神エネルギーを弾丸にして撃つ銃型の帝具で、マインの狙撃の腕も合わさって非常に強力な武器となっている。また精神エネルギーは危機に陥れば陥るほど高まるため、マインはあえて自ら窮地に陥る事でパンプキンの火力を最大限高めている。タツミが敵に捕らわれた際には単身処刑場に突入。エスデスとブドーという強大な敵相手に、パンプキンの最大出力を引き出した。ブドーの帝具による攻撃を限界以上の力を引き出して打ち破るが、精神エネルギーの使い過ぎで廃人状態となり、戦線を離脱した。

レオーネ

ナイトレイドに所属する陽気な女性。気さくで奔放な性格で、ナイトレイドの中で最初に出会ったのが縁で、タツミをナイトレイドに勧誘した。金遣いが荒く、破天荒な行動が目立つため、ナジェンダからも度々苦言を呈されている一方で、ムードメーカーとして一行になくてはならない存在となっている。所持している帝具は百獣王化「ライオネル」。ベルトの形をしており、誰にも発動できず闇市で安売りされていたのを、レオーネが買い叩いて手に入れた。使用者を獣に変身させ、人間離れした身体能力を与える能力を持つ。レオーネが使った場合は獅子の耳や尻尾が生え、人を素手でたやすくほふれるほどの怪力と、常人なら死んでいるような傷を受けても生還するほどのタフネスさを発揮した。奥の手は「獅子は死なず(リジェネレーター)」で、致命傷からも復帰するほどの驚異的な再生能力を持つ。また危険種の力を使用者に与えるという点は「インクルシオ」と共通しており、使いすぎれば帝具と混ざってしまう、という同様の副作用が存在する。

ラバック

ナイトレイドに所属するお調子者の少年。スケベな性格で、女性陣の水浴びを覗こうとしてはレオーネ達に折檻されるという事を繰り返している。ナジェンダにはあこがれの感情を抱いており、いつか振り向かせたいと考えている。普段は軽薄な態度が目立つが、仕事では女性からの命乞いも容赦せず、冷徹に処断している。また演技派で、プロの暗殺者でも見抜けない死んだフリをしたり、拷問官ですら油断するような演技を見せたり、単純な力押しに任せない頭脳派な部分を持つ。所持している帝具は千変万化「クローステール」。超級危険種の体毛を加工した糸をあやつる能力を持ち、使用者の応用次第で、名の通り千変万化の非常に幅広い運用が可能となっている。ラバックは、単純な戦闘以外でもクローステールの糸を結界のように張り巡らせる事で、アジトの防衛を担っている。またクローステールには、糸の鋭さも頑丈さもほかの物を上回る「界断糸」と呼ばれる特別な糸が1本だけ存在する。決戦の迫る帝都を偵察中にタツミと共にシュラに囚われ、度重なる拷問を受けてしまう。その後シュラの油断を突き、彼を殺して脱走するが、イゾウに殺された。

ナジェンダ

ナイトレイドのリーダーを務める隻腕隻眼の女性。怜悧な雰囲気を持つ美女で、革命軍の意向に沿いつつ仲間の意志を尊重した指揮を行っている。普段は冷静沈着な指揮官だが、プライベートはお茶目な部分があり、突発的に親父ギャグを言っては周囲をしらけさせたりしている。元帝国の将軍で、当時は帝具である浪漫砲台「パンプキン」を使って戦っていた。帝国の腐敗を正すため部下達と共に革命軍に合流しようとしたが、直前に、当時同僚だったエスデスに露見して部下を失い、半死半生の深手を負ってしまう。現在の隻腕隻眼はその時、エスデスから受けた負傷がもととなっており、その戦闘能力を大きく落としている。ただし、それでも並みの兵士よりは強く、指揮官でありつつも必要があれば前線で戦う。パンプキンはマインに受け継がれたため、当初は帝具を持っていなかったが、のちに人員増員の際に革命軍本部に保管されていた帝具人間、スサノオの起動に成功。彼のマスターに選ばれる。ボリック暗殺作戦の際には護衛のエスデスに対抗するため、スサノオの「禍魂顕現」を連発したため、命はつないだものの寿命を大幅に減らしてしまった。

スサノオ

ナジェンダが革命軍の本部で見つけた帝具人間。「電光石火」の異名を持つ。角の生えた大男のような外見をしており、普通の人間のように受け答えする事ができる。要人警護を目的とした帝具であるため高い戦闘能力を持ち、またそれ以外にも要人の身の回りの世話をするための家事スキルも高いものとなっている。細かい部分が気になる几帳面な性格をしており、タツミの服装の乱れなども気にしていた。料理上手で、まじめな性格からナイトレイドの面々ともすぐに打ち解け、「スーさん」の愛称で呼ばれるようになった。自らを道具として考えていたが、人間扱いしてくれるタツミ達の影響で徐々に考えが変わっており、戦いのあとは恋をするため、タツミ達とナンパをする約束をしていた。奥の手はナジェンダの生命力を吸収する事で性能を極限まで引き出す「禍魂顕現(まがたまけんげん)」。高い機動力を与える「八尺瓊の勾玉」、敵の攻撃を反射する「八咫の鏡」、凶悪な破壊力を持つ「天叢雲剣」など奥の手を使用した時のみ使う事が可能な武装も存在する。キョロクでの戦いでエスデスに核を壊され、それでも「禍魂顕現」の重ねがけで無理矢理起動し、仲間を逃がすための時間を稼いで果てた。

ブラート

ナイトレイドに所属する筋骨隆々とした大男。実直な性格をした青年だが、男色家の疑惑があり、ラバックやタツミからは信頼されつつもいろいろな意味で恐れられている。ちなみにブラート本人も男色家の事を指摘されても、やんわり流すだけで否定はしないため、タツミは未だに本物の男色家かどうかわからず悩んでいる。元帝国軍人で当時は「100人斬りのブラート」と呼ばれるほど勇名を誇っていたが、帝国の腐敗を目の当たりにして革命軍に合流した。またその際に大幅なイメチェンを行い、現在のリーゼント頭にした。その戦闘能力はナイトレイドの中でも屈指のもので、将軍級とすら評される。生身でも高い戦闘能力を誇るが、所持している帝具、悪鬼纏身「インクルシオ」をまとう事で、並の帝具使いなら一蹴する戦闘力を誇る。「三獣士」との戦いではかつての上司であるリヴァと激闘を繰り広げ、リヴァに致命傷を与えるが、リヴァの放った猛毒の攻撃を身に受け相打ちとなってしまう。その後、死の寸前にタツミの己の帝具と意志を託して息を引き取った。

シェーレ

ナイトレイドに所属する眼鏡をかけた女性。普段はのんびりとした性格のドジっ娘で、家事を手伝おうとしても失敗して、逆に邪魔をするという事を繰り返したため、アジトの中でも唯一家事の役割を与えられずにいる。面倒見の良いやさしい性格をしており、タツミの事をかわいがっていた。普段は天然っぷりを披露しているが、殺しに関しては天性のものを持ち、仕事の際には驚くほど冷静かつ的確に暗殺を行う。幼少期から取り柄がなかったが、人を殺す才能だけはあったため、それを活かすためギャングなど悪人のみを殺す暗殺業をしていたところ、ナイトレイドに勧誘された。所持している帝具は万物両断「エクスタス」。非常に切れ味のいい鋏形の帝具で、シェーレは巨大な鋏であるエクスタスを自在にあやつって戦う。また奥の手としてエクスタスの刀身を光らせて敵を牽制する技も存在する。マインと帝都で作戦行動中、セリュー・ユビキタスと遭遇し交戦。その末に瀕死の重傷を負い、マインを逃がすため殿(しんがり)を務めて死亡した。彼女の死はマイン、タツミの心に大きな傷を残した。

チェルシー

ナイトレイドに新たに所属した女性。赤いロングヘアで、小悪魔的な雰囲気を漂わせている。元は革命軍の地方の暗殺チームに所属していたが、帝国によって所属していたチームが壊滅。シェーレとブラートが死に、人員不足になったナイトレイドに合流した。人を食った性格をしており、マインやタツミをからかって遊んでいる。特にタツミの事は気に入っており、時に厳しく接し、暗殺者の心構えを伝えた。帝具使いで変幻自在「ガイアファンデーション」を使った変装術を得意とする。化粧型の帝具であるため戦闘能力事態は低いが、体格や性別すら偽る事ができ、大男や子猫にすら変装可能。チェルシーは変装して無警戒の暗殺対象に近づき、急所を針で一突きにする暗殺を得意としている。イェーガーズと戦った際に、変装術を活かしてボルスを暗殺。その後、ボルスに化けてクロメを暗殺しようとしたが、急所を突いても死ななかったクロメに反撃される。そして今際の際にタツミの事を思いながら死亡した。クロメの暗殺にこそ失敗したものの、チェルシーがクロメに与えた傷がのちにナイトレイドの仲間達を助けている。

オネスト

帝国腐敗の原因とされる帝国の大臣。ふくよかな体型をした老人だが、邪悪かつ明晰な頭脳の持ち主。皇帝を意のままにあやつり、帝国の権勢を手中に収めている。数々の悪事を行いつつも証拠をつかませない慎重な性格をしており、宮廷の治安を司るブドーも、腐敗の原因と知りつつもオネストには手を出せずにいる。息子であるシュラには期待をかけて色々助言をしていたため、彼が死亡した際には珍しく取り乱していた。ただしその後、すぐに「新しい息子を作り直せばいい」と考え直して立ち直るほど、家族としての情は薄い。暴食や怠惰な態度が目立つが、実は皇拳寺で拳法を習得しており、戦闘力は高い。さらに帝具の能力を封じる帝具、絶対制限「イレイストーン」を隠し持っており、最終決戦ではこれらの能力を使って、襲い掛かって来たレオーネを返り討ちにした。「シコウテイザー」、エスデスが敗れたあと、逃げ出そうとしたが、生きていたレオーネの反撃に遭って行動不能に陥る。その後、民衆の前に引きずり出されて処刑された。

エスデス

帝国の女将軍。青みがかったロングヘアの女性で、将軍の中では最年少ながら帝国最強の実力を誇るとされている。性格は徹底した実力主義のサディスト。「弱肉強食」を掲げ、弱者が虐げられるのは当然と考える非情な人物。しかし単なる乱暴者ではなく、政治力に長け、オネスト大臣と手を組んで騒乱の世を思うままに楽しんでいる。その絶対的な力と意志に忠誠を誓う者も多く、味方や部下に対しては寛容さを見せる時もある。年頃なため「恋」に興味を持っているが、相手に恵まれず恋をした事がなかった。しかしタツミに一目惚れし、関係を進展させようと悪戦苦闘する。超級危険種の生き血を加工して作られた帝具、魔神顕現「デモンズエキス」を飲み、その力を取り込んだ事で氷をあやつる能力を持つ。シンプルながら強力な能力で、敵を凍らせるほか、自らに氷の鎧をまとわせて空を飛ぶ事も可能となっている。奥の手の「摩訶鉢特摩(まかはどま)」は大きな消耗と引き換えに、時間を凍らせて停止する力がある。また最終決戦では自らの力を応用して氷の兵士「氷騎兵」を生み出し、終始革命軍相手に大立ち回りを演じていた。

ブドー

帝都の宮殿を守護する大将軍。質実剛健とした壮年の男性で、エスデスに並ぶ帝国最強の武人。皇帝に代々仕える大将軍の家系の出身で、武人は政治に口を出すべきではないという信念を持っている。しかし、オネスト大臣による政治腐敗は憂慮しており、証拠がつかめていないが、革命軍を処断したあとは、オネストを断罪しようと考えている。所持している帝具は雷神憤怒「アドラメレク」。篭手型の武装で、雷を自在にあやつる能力を持つ。単純に雷を敵にぶつけるほか、自らの周りに帯電させる事で防御にも転用可能な強力な帝具。電気を溜めなければ使用できず、一度チャージした電気が空になると、再使用にはチャージが必要となる。奥の手はチャージした電気を一気に放つ「ソリッドシューター」。強力な威力を誇る奥の手だが、電気の残量が少ないと威力が落ちる弱点が存在する。タツミの処刑場に乱入したナイトレイドと死闘を繰り広げ、マインと壮絶な奥の手の打ち合いの末、奥の手を打ち破られて戦死した。彼の死は諸侯に大きな影響を与え、革命軍の動きを大きく加速させる。

クロメ

イェーガーズに所属するクールな少女。アカメの実妹で、姉と同じく黒髪赤眼の整った容姿をしている。性格も似通っており、食いしん坊でヒマさえあればお菓子を食べている。本来は仲間思いでやさしい性格をしているが、姉と引き離されて徹底した薬物投与と洗脳教育を受け、まともな判断能力を失っている。普段食べているお菓子も実は体を強化するための薬物で、依存状態は悪化の一途をたどり、寿命も加速度的に減らしている。そのためアカメの説得にも耳を貸さず、帝国の暗殺者として戦い続けている。強化された身体能力は非常に強力で、さらに急所に攻撃を受けても生きているほどである。所持している死者行軍「八房」は、殺した相手を8体まで骸人形にして自在にあやつる刀型の帝具で、クロメは各地の実力者や危険種を殺して己の手足として使っている。のちに目の前で死んだランも、八房の力で骸人形に加えた。ウェイブとはワイルドハントとの戦いの中で仲を深めていき、お互いを意識するようになる。最終決戦間際に行ったアカメとの決闘では、ウェイブの乱入によって姉と和解。その後はウェイブと駆け落ちする形で戦場を去った。

ウェイブ

イェーガーズに所属する好青年。まっすぐな性格をしているが、個性的な面々の揃うイェーガーズの中では振り回される事の多い苦労人。よくも悪くもまじめなため、タツミとは意気投合していた。帝国の腐敗の現状を知った事で苦悩したが、ランの「帝国を内から変える」という思想に共感、共にそれを目指す事を誓う。戦闘能力は完成されていると評されて非常に高いものの、メンタル面が弱く、実力を発揮できずにいると、エスデスは言っている。所持している帝具は修羅化身「グランシャリオ」。「インクルシオ」の同型後期型の黒い鎧型帝具で、インクルシオに爆発力では劣るものの安定した性能を誇る。クロメとはワイルドハントとの戦いの中でお互いを意識するようになり、実の姉と決闘しようとする彼女を止めるため、死んだランの「マスティマ」とグランシャリオの同時使用に手を出す。禁断の帝具同時使用で肉体と精神に多大な負担をかけつつもクロメを救う事に成功し、二人とも死んだ事にして帝国を出奔した。その後、「シコウテイザー」との戦いで帝国の民を守るため、タツミの応援に駆けつけている。

ラン

イェーガーズに所属する容姿端麗な青年。穏やかで冷静沈着な性格をしつつ、清濁併せ持つ人物で、エスデスに認められるほどの戦略眼を持つ。国の腐敗を憂い、出世する事で国を変えたいと考えている。背中に装着する翼型の帝具、万里飛翔「マスティマ」を持つ。この帝具は飛行を可能とするほか、羽を投擲武器として敵を攻撃する事も可能。奥の手の「神の羽根」は敵の攻撃を羽根で包み込み、相手に打ち返すカウンター技となっている。元はジョヨウという街で教師をしていたが、ある日、生徒達を惨殺されてしまう。チャンプを仇と知ってからは、彼を殺すため謀略を張り巡らし、仇をとる事に成功する。ただしその際に致命傷を受けており、仲間の死に正気を失ったクロメに殺され、骸人形にされてしまう。死してなお仲間を守る意思を持って戦い、クロメの命令なしで彼女を守るなどの行動をしている。また「マスティマ」は、のちにクロメを守る気概を見せたウェイブに受け継がれ、ウェイブとクロメを大いに助けている。

セリュー・ユビキタス

帝都警備隊に所属する朗らかな少女。一見すると人当たりのいい親切な性格をした女性隊員だが、両親を悪漢に殺された過去から「正義」を掲げ、悪を許さない苛烈な面を持っている。実際に罪を犯した者の事情を鑑みず、一方的に断罪する独善的な部分を持ち、貧困から盗みを行った者も容赦はせずに殺している。普段いっしょに行動している犬のぬいぐるみのような生物「コロ」は、その実、生物型の帝具、魔獣変化「ヘカトンケイル」で、戦闘では変幻自在に体を変化させるヘカトンケイルとコンビネーションを取って戦う。セリュー・ユビキタスも自身の肉体をDr.スタイリッシュの手で改造してもらい、「十王の裁き」と呼ばれる兵器を体の各所に内臓し、高い戦闘能力を持つ。マインとシェーレと街中で遭遇し、これを撃破。マインを取り逃し、両手を失うもののシェーレを殺す事に成功している。その後、Dr.スタイリッシュに高性能な義手を作ってもらい、新たにイェーガーズに配属された。キョロクでの戦いでは復讐に燃えるマインと再戦。帝具の力を十全に引き出したマインに敗れるが、道連れにしようと自爆して果てた。

ボルス

奇怪なマスクで顔を隠した筋肉質の男。元は焼却部隊の所属だったが、イェーガーズ設立時に移動してきた。見た目に反して、性格は心優しく真面目そして常識人。焼却部隊として残虐なことをしてきたことを悔いてはいるが、必要悪だったと認識している。業火を吹きだす帝具・煉獄招致ルビカンテを使用する。ナイトレイドにおびき出され善戦するが、自分が燃やした村の子供に変装したチェルシーに刺されて死んだ。

Dr.スタイリッシュ

イェーガーズに所属する、眼鏡をかけた中年男性。ナルシストなオカマで、スタイリッシュな物が好きという独自の美学を持つ。所持している神ノ御手「パーフェクター」は手甲型の帝具で、装着者の手先を数百倍にも引き上げる能力を持つ。直接的な戦闘能力こそ低いものの技術開発、医療分野に特化した帝具で、Dr.スタイリッシュはこの帝具を使って人体実験を繰り返し、自らの私兵となる「チーム・スタイリッシュ」を結成している。エスデスの事はスタイリッシュな存在として尊敬していたが、タツミに恋をして変わったエスデスの事は気に入らず、秘かにタツミを始末しようと企んでいた。タツミがイェーガーズを脱走した際は、人体改造で感覚を強化した兵士を使ってナイトレイドのアジトを突き止めたが、目先の欲に目がくらんで独断で襲撃し、返り討ちに遭ってしまう。最期は切り札である巨大危険種になる薬を使って異形の姿になって襲い掛かるが、アカメの攻撃で切り伏せられた。新しい危険種を作り出す実験をしており、Dr.スタイリッシュの死後、それらはシュラの手を通じてドロテアに受け継がれた。

シュラ

ワイルドハントのリーダーを務める青年。野性味のある褐色肌で、オネスト大臣の実の息子。親譲りの残忍で邪悪な性格をしており、戯れにDr.スタイリッシュの作った新型危険種を野に放ち、人を襲わせたりしていた。諸国漫遊の旅に出ていたが、旅先で出会った仲間を引き連れて帰国。半壊したイェーガーズに成り代わる治安維持組織としてワイルドハントを結成し、帝都で暴虐の限りを尽くした。所持している帝具は次元方陣「シャンバラ」で、マーキングした場所に人を一瞬で送り出す空間転移の能力を持つ。オネスト大臣に比べて詰めが甘い部分があり、度重なる失敗とランの内偵で悪事の証拠が漏れてしまい、立場が悪化。失点を取り戻すべく捕まえたラバックを拷問し、ナイトレイドの情報を吐かせようとしたが、逆に油断を突かれてラバックに殺された。シャンバラもラバックに奪われたが、イゾウにラバック諸共切り伏せられ、破壊されている。実はシャンバラはオネスト大臣が逃げるための切り札として確保していたもので、最終決戦では破壊された事を嘆いていた。

イゾウ

ワイルドハントに所属する中年の男性。着物を着た侍で、「江雪(こうせつ)」と呼ばれる刀を愛用している。帝具使いとも互角に戦う剣の達人で、人を斬って愛刀に血を吸わせる事を何より好む。囚われたラバックが脱走した際に、盾にした「シャンバラ」ごとラバックを切り捨てた。その後、ドロテアに付き合って革命軍を襲撃。アカメと一対一の戦いを行う。アカメとは互角の剣の冴えを見せ付けたが、剣の読み合いを逆手に取られ敗北。アカメの剣の腕を認め、「江雪」を託そうとしたが拒絶され、トドメを刺された。

ドロテア

ワイルドハントに所属する少女。メルヘンチックな装いで、古風で年寄りじみたしゃべり方をする。実は錬金術師で、他人から生命力を奪い取って若さを維持しており、実年齢はかなり高齢。自らの研究の進展のためDr.スタイリッシュに会うのを目的としてワイルドハントに加入したが、すでにDr.スタイリッシュが死亡していたため叶わず、その代わりに彼の残した研究成果を手にする事に成功する。所持している帝具は牙の形をした血液徴収「アブゾデック」。嚙み付く事で対象の血を吸い、自らの身体能力を底上げする事が可能。また錬金術と組み合わせる事で多彩な戦闘と類稀な生存能力を持ち、常人なら即死するような傷を負っても生き延びる事ができる。シュラ死亡後は、帝具すら改良できる錬金術の腕が認められ、オネストからの依頼で「シコウテイザー」を改良したり、死にかけのコスミナを危険種に改造したりしていた。改造したコスミナを育てるためイゾウと共に革命軍を襲撃してレオーネと交戦。敗北後は死んだフリしてやり過ごそうとしたが、用心したレオーネに念入りにトドメを刺されて死亡した。

コスミナ

ワイルドハントに所属する、眼鏡をかけた少女。気になった男性とはすぐに肉体関係を持とうとする淫らな性格をしている。元は西の国出身の歌姫だったが、魔女裁判で有罪判決を受け、周囲に迫害されて家族と家を失った過去を持つ。自らは類稀な生命力で生き延びたが、家族が死んで自分だけが生き残った状況で、精神に異常をきたしてしまっている。所持している大地鳴動「ヘヴィプレッシャー」はマイク型の帝具で、これで歌うと対象を破壊する超音波を発生する事が可能。また奥の手の「ナスティボイス」は無差別広範囲に超音波を放ち、範囲内にいる人間を行動不能にする事ができる。ランとチャンプの戦いで応援に駆けつけたものの、マインの狙撃によって重傷を負ってしまう。その後、生き延びており、ドロテアの実験材料となって危険種に改造された。その姿は巨大なカマキリのような姿で、人間を喰らって成長していた。ドロテア、イゾウと共に革命軍を襲いまわったが、ナイトレイドの待ち伏せに遭ってタツミと交戦。対ナイトレイドを想定した装備や能力を多数揃えていたが通じず、タツミに一刀両断されて今度こそ死亡した。

エンシン

南方諸島で暴れまわっていた海賊だったがシュラに勧誘され、ワイルドハントのメンバーになる。疑り深く狡猾で、他者を踏みにじることを平然と行う悪漢。真空の刃を飛ばす曲刀の帝具・月光麗舞シャムシールは、月齢によって威力が変わり、満月の夜は最大威力となる。しかしクロメと交戦中に乱入してきたアカメに斬られ、死亡している。

チャンプ

ワイルドハントに所属する巨漢のピエロ。幼い頃の親からの虐待が原因で、無垢な子供を愛し、「汚い大人」にならないために殺す異常性癖を持つ。各地で犯行を繰り返すうちにシュラと出会い、ワイルドハントに勧誘された。所持している快投乱麻「ダイリーガー」は「焔の球」「雷の球」「氷の玉」「嵐の玉」「腐の玉」「爆の玉」の6つのボールから成る帝具で、ボールを投げればそれぞれに対応した属性で攻撃する事ができる。実は過去に教師をしていた[ランの生徒を殺した過去を持ち、ランはその事実を知って以降、チャンプを暗殺する決意をしていた。ランに誘(おび)き寄せられて深手を負わせられるが、持ち前のタフネスさで生き残り、ランに反撃。致命傷を負わせるが、ランの奥の手で自らの攻撃を反射させられて死亡した。

ザンク

「首狩りザンク」の名で帝都を騒がす連続殺人鬼の男性。元は帝国最大の監獄で働く処刑人だったが、帝都の腐敗の所為で処刑する人間が増え、毎日繰り返し首を狩っているうちに精神を病み、首を狩るのが癖になってしまったという過去を持つ。「愉快愉快」という口癖を持ち、趣味はおしゃべりで、殺す人間ともおしゃべりをしようとするほど口数が多い。所持している五視万能「スペクテッド」は額飾り型の帝具で、思考を読む「洞視」、遠方まで見る「遠視」、障害物を透過して見る「透視」、対象の次の行動を予測する「未来視」、対象に幻を見せる「幻視」の「五視」の能力を持つ。またザンク自身、両腕に装着した双剣を使いこなす優れた戦士となっており、帝具の能力も合わせて凶悪な存在となっている。帝都で連増殺人を行っていたが、タツミとアカメに発見され、アカメに「幻視」を打ち破られて死亡した。殺した人々の声を幻聴として聞き、苛んでいたが、アカメに殺された事でようやく解放。最期はアカメに感謝の言葉を残して息を引き取った。

皇帝 (こうてい)

現在の帝国を治める皇帝。まだ幼い少年で、政治には疎いため、側近であるオネスト大臣の言葉を鵜呑みにしてしまい、彼の意のままにあやつられる傀儡となっている。幼いながら良識のある人物だが、オネストが興味を持たないように誘導していたため、腐敗する帝国の現状を最後まで知らずにいた。最終決戦ではオネストに唆され、皇帝の血族にのみ動かせる至高の帝具、護国機神「シコウテイザー」を使って革命軍と戦った。当初は帝都の民を巻き込まない戦いを心がけていたが、オネストがシコウテイザーに施していた罠で精神を蝕まれ、破壊を楽しむ暴君へと変化。シコウテイザーの圧倒的な力を使って暴虐の限りを尽くした。タツミ、ウェイブの二人と死闘を繰り広げたが、タツミの死力を振り絞った一撃でシコウテイザーを破壊され、敗れた。

スズカ

右頰に傷がある黒髪の女性。皇拳寺羅刹四鬼に所属する。痛みや攻めに興奮する被虐趣味を持つため体中が傷だらけだが、確かな実力を持つ。キョロクでの戦いではタツミがまだ実戦不足な事もあって翻弄したが、タツミが遺跡をつぶす、というゴリ押しの戦法に敗れ去った。だが実は生き埋めになりつつも五体満足で生き残っており、キョロクでの戦いのあと生き埋め状態から脱出し、オネスト大臣のもとに帰り、その後、ワイルドハントに合流している。エスデスには信望にも近い感情を抱き、彼女の命に従って行動していた。最終決戦ではナイトレイドへの意趣返しに、自分がされた生き埋めをアカメに行った。その際に逃げ切れず生き埋めになったが終戦後も生き延び、どことも知れぬ場所へと去っていく。

ボリック

安寧道の教主補佐を務める中年男性。その正体はオネスト大臣に送り込まれたスパイで、麻薬を使って教団内部を私物化していた。また後々、カリスマのある教主を殺し、教団を乗っ取るつもりでいた。護衛のために皇拳寺羅刹四鬼が存在したが、各個撃破されてしまう。キョロクでの戦いでは、大聖堂でイェーガーズと共に万全の体制でナイトレイドを迎え撃つ。エスデスの圧倒的な力で戦局が優位に運んだが、その際に油断して不用意な行動をしたのが原因で、アカメに斬られて死亡した。

集団・組織

ナイトレイド

『アカメが斬る!』に登場する組織。タツミやアカメが所属する革命軍の暗殺部隊。帝都周辺に潜伏し、革命軍や虐げられた人々の依頼で、悪徳商人や残虐な役人を排除する。真の目的は諸悪の根源である大臣オネストを討ち、帝国に革命をもたらすことにある。メンバー全員が自分たちが正義だとは思っておらず、殺しは悪だと認識している。

イェーガーズ

『アカメが斬る!』に登場する組織。三獣士の壊滅を受け、エスデスが急遽集めさせた帝具使いで構成した治安部隊。ナイトレイドの殲滅が主任務だが、盗賊や危険種などの討伐も行う。クロメ、ウェイブ、ラン、セリュー・ユビキタス、ボルス、Dr.スタイリッシュの6人で構成される。

ワイルドハント

『アカメが斬る!』に登場する組織。人数の減ったイェーガーズを補完する形でシュラが各国から集めた人材を使って編成した秘密警察。捜査と称して罪無き人々を殺害して回ったために、ナイトレイドとイェーガーズ双方から敵視される。

皇拳寺羅刹四鬼 (こうけんじらせつよんき)

『アカメが斬る!』の登場するオネストお抱えの処刑人チーム。イバラ、スズカ、シュテン、メズという4人の拳法家で構成されている。安寧道の幹部・ボリックの護衛のために、宗教都市キョロクに派遣されていた。自分の肉体を自由に操作する能力を持ち、帝具使いに匹敵する戦闘能力を誇る。ボリック暗殺に動いたナイトレイドと交戦し、スズカ以外は死亡している。

三獣士 (さんじゅうし)

『アカメが斬る!』に登場する、エスデス腹心の部下で構成された部隊。元帝国将軍リヴァを筆頭に、ニャウ、ダイダラという3人の帝具使いで構成されている。竜船上でタツミとブラートを相手に戦い壊滅した。

安寧道 (あんねいどう)

帝国で広く民衆に信仰されている宗教。善行の積み重ねが長寿や幸せにつながるという事を教えとしており、タツミの故郷でも信仰されている。現在はカリスマのある人物が教主に就いており、ここ10年で信者の数を爆発的に増やして一大勢力を築いている。教主は血の流れるのを好まない平和主義者だが、帝国の腐敗が信者の生活を苦しめている現状を変える事こそ善行、という幹部達の説得に耳を傾け、帝国に対する反乱を行おうとしている。革命軍にとっても安寧道の反乱は重要な転換期となるため、その動向に注目していた。

その他キーワード

帝具 (ていぐ)

約1000年前に、帝国を築いた始皇帝の命によって作られた48の超兵器。伝説級の素材や最高の職人の技術が詰め込まれた武器で、それぞれが一点物。現代でも再現ができないオーパーツとなっている。ただし500年前の内乱で半数近くが所在知れずとなっており、帝国で現存するものは少ない。帝具を使うには相性が大切とされ、第一印象が悪い場合は基本的に適合しない。それでも無理に使おうとすると、体に多大な副作用が現れたり、帝具に拒絶されて発狂したりする。また帝具は一つ使いこなすだけでも精神、体力を多大に消耗するとされ、複数の同時使用は使用者の肉体と精神が保たないとされている。帝具を使いこなし、極めれば「奥の手」と呼ばれる新たな能力を得る事も可能。ただし「奥の手」が存在しない帝具や、帝具を極めている内に新たな「奥の手」が生まれる場合も存在する。

危険種 (きけんしゅ)

『アカメが斬る!』に登場する生物の分類名。帝都各地に生息する、獰猛で人に危害を及ぼす生物の総称。哺乳類から爬虫類、木や岩など様々な生物が、この危険種に分類されている。危険度によって、三級・二級・一級・特級・超級と区分けされている。超級は帝具を持った者による討伐が計画されるほどの力を持ち、その遺骸が帝具の素材にもなる。

インクルシオ

ナイトレイドのブラートが所持している帝具。「悪鬼纏身」の異名を持つ。彼の死後はタツミに受け継がれている。鎧型の帝具だが、普段は剣型の鍵のような形状をしており、鍵に呼びかける事で、どこからともなく転送されて来る。非常に頑強なうえ、所有者の身体能力を大きく底上げする能力があり、全身甲冑にもかかわらず超人的な素早い身のこなしが可能となっている。その素材にはどんな環境にも適応する竜の筋肉が使われており、竜の絶大な生命力は今もなお鎧に使われている筋肉を生かし続けているほど。「奥の手」はその適応能力を活かした透明化で、カメレオンのように背景に同化して姿を隠す事ができる。副武装に「ノインテーター」と呼ばれる槍を搭載しており、こちらも非常に頑強な作りとなっている。エスデス、ブドーとの戦いではマインを救うべく、タツミはインクルシオの力を限界まで引き出し、さらに強力な姿へと進化している。その後は戦う度に進化していると称されるほどどんどん強くなり、翼が生えて飛行可能になったり、エスデスの「奥の手」に適応したりしている。ただし、その代償としてタツミは帝具と体が混ざりつつある。

シコウテイザー

48ある帝具の中でも至高とされる帝具。「護国機神」の異名を持つ。皇帝の血族にのみ使えるとされ、普段は帝国宮殿最上部に安置されている。皇帝の持つ杖が起動のための鍵となっており、宮殿最上部にある鍵穴を開く事で起動させる事ができる。その正体は帝都の町並みを見下ろすほどの巨体を持つ人型のロボット。全身に武器を搭載しており、胸から放つ「至高砲」は軍勢をなぎ払う威力を持つ。実は秘かにオネストの命を受けたドロテアによって改造されており、オネストの命令か死で起動する奥の手「粛清モード」が搭載されいていた。最終決戦では、帝都に被害が及ばぬように戦っていた皇帝の姿に業を煮やしたオネストが「粛清モード」を起動。錬金術の力でシコウテイザーの鎧に有機的な部品や尻尾が付いて怪獣のような姿になった。また搭乗している皇帝も錬金術の影響で精神が侵食され、破壊の権化のような存在へと変貌している。その力で革命軍を蹂躙していたが、タツミとウェイブの協力攻撃で装甲を破損。その後、死力を振り絞ったタツミの攻撃が装甲を破損した部分を貫き、機能を停止した。

クレジット

原作

関連

アカメが斬る!零 (あかめがきる ぜろ)

『アカメが斬る!』本編の前日譚となるスピンオフ作品。帝国で暮らす少女たちが、帝国に反旗を翻す反乱軍と戦いながら、来たるべき幸せな世の中に向けて奮闘する物語。帝国こそ正義だと信じて戦い続ける少女たちと、... 関連ページ:アカメが斬る!零

アニメ

アカメが斬る!

帝国による悪政に苦しむ村の少年剣士タツミは、帝都軍に入って世直しをしようと、2人の長馴染みとともに帝都へ向かうが、その途中で夜盗に襲われはぐれてしまう。一人で帝都についたタツミは殺し屋集団ナイトレイド... 関連ページ:アカメが斬る!

SHARE
EC
Amazon
logo