概要・あらすじ
各地を転々と移動する旅芸人一座で働く新人のアカメとツクシは、次の街へ向かう道すがら、山賊と遭遇する。地元でも悪評高い彼らに怯(ひる)む旅芸人一行だが、アカメとツクシはこれを難なく撃退。それを見た旅芸人一座を率いる座長は、2人の少女の腕を見込んで、自分たちの正体を明かす。旅芸人の正体は、腐敗した帝国を変えようと目論む、反乱軍の一派だったのである。
アカメたちは一瞬驚きを見せるが、その話を聞いた次の瞬間、旅芸人一座を暗殺。実はアカメたちは、帝国が作り上げた選抜組の一員であった。反乱軍の存在こそが不幸を招く、と教えられ育ってきた無垢な少年少女たちは、その先がいばらの道だとも知らずに、来たるべき真の平和を願って戦い続ける。
登場人物・キャラクター
アカメ
黒髪と赤目を持つ、妹想いの少女。食欲旺盛で根っからの野生児。帝国の作り上げた選抜組の一員で、戦闘においては無類の強さで敵を圧倒する。しかし、他のメンバーに比べて感情に流されやすいところがあり、教育係のゴズキからは、暗殺者には向いていないと評されている。
ツクシ
ほんわかとした雰囲気を漂わせる少女。たわわな胸と感情豊かな性格で、男たちの注目を集める存在。アカメと同じく帝国の作り上げた選抜組の一員で、可愛い見た目とは裏腹に、暗殺においては非情なまで冷酷に相手を追い詰める。教育係のゴズキの教えを第一に守り、皆が幸せになれる世の中を目指して日々戦い続けている。
ナハシュ
アカメたちが所属する選抜組を指揮する、司令塔的存在の青年。頭が切れるのはもちろん、死刑囚を撃退する初任務では、1人で複数人を相手取る不利な状況でも、一瞬で圧倒する力を見せるなど、暗殺の実力においてもメンバー内で随一の腕を誇る。仲間のメンバーを呼ぶ際には、口汚い言葉を並べるものの、粗暴な口ぶりに反して、メンバー内では「チーフ」の呼び名で親しまれている。
コルネリア
真面目なしっかり者の少女。アカメと同じく、帝国の作り上げた選抜組の一員。面倒見が良く、チームメンバーからは「コル姉」と呼ばれて慕われている。その性格から皆のまとめ役を務めることが多いものの、その一方で甘えたがりな一面も持つ。
ポニィ
ポニーテールがトレードマークの少女。アカメと同じく、帝国の作り上げた選抜組の一員。明るい性格で、選抜組の教育係であるゴズキを慕っている。運動神経はメンバーの中でも飛び抜けて良く、中でも脚力を自慢としている。目に追えないスピードでフィールドを駆け回り、敵を翻弄して戦う。
グリーン
眼鏡をかけた少年。アカメと同じく、帝国の作り上げた選抜組の一員。他のメンバーに比べて身体能力はやや見劣りするものの、持ち前の頭の良さを活かし、背後からの奇襲や仲間たちのサポートを得意としている。ある時を境に、アカメのことを気にかけ、意識し始めるようになる。
ガイ
がっしりとした大柄な体格を持つ少年。アカメと同じく、帝国の作り上げた選抜組の一員。コルネリアに好意を抱いており、日々アタックを繰り返しているが、そのたびに軽くあしらわれている。地中に潜ることを得意としているため、戦闘においては敵のアジトを偵察したり、敵の背後を突いた奇襲狙いの攻撃を仕掛けることが多い。
ゴズキ
アカメたちが所属する選抜組の教育係を務める男性。帝国から届けられる任務をアカメたちに与え、試練を課している。帝具の「一斬必殺・村雨」を携え、実戦でも使いこなす手練れ。帝国内において、腐敗した帝国の真の姿を知る数少ない人物の1人である。
クロメ
黒髪と黒目を持つ少女。アカメの実の妹。アカメたちとは異なる強化組に所属し、薬物の投薬により身体強化をして戦う。戦いにおいては、アカメと同じく刀を用いた戦闘を得意としている。まだ投薬を始めたばかりのため、薬物による禁断症状もさほど出てはいない。姉想いの良き家族でもあり、アカメの心の支えになっている。
集団・組織
選抜組 (せんばつぐみ)
アカメたちが所属する、エリート暗殺部隊7人で構成されたグループ。実力選定試験で上位の成績を収めた者たちで構成されており、ゴズキの教えのもとに育てられた。帝具には劣るものの、高い性能を有した臣具を武器として使いこなす。
強化組 (きょうかぐみ)
クロメたちが所属する暗殺部隊のグループ。実力選定試験の合格者のうち、成績が8位以下だった者たちで構成されている。過剰な投薬により身体強化を行っており、選抜組と渡り合えるだけの戦力を発揮する。反面、薬物による無理なドーピングのために、薬物を断つと禁断症状が発生してしまう。
反乱軍 (はんらんぐん)
帝国に抵抗し、腐敗した帝国を変えようと動く勢力。のちの革命軍一派である。帝国軍とは異なり、反乱軍は各地にそれぞれの活動拠点をもっている。アカメとツクシが本作冒頭で所属していた旅芸人一座も反乱軍の一派であり、水面下での活動を主としている。
場所
帝国 (ていこく)
アカメたちが住む国。帝都に住む現皇帝と大臣によって、数々の地域で経済格差が生まれており、周辺からは腐敗した国家としても知られている。アカメたち選抜組やクロメたち強化組は、ゴズキに偽りの背景や情報を吹き込まれており、帝国の実情を知らずに行動している。
その他キーワード
臣具 (しんぐ)
600年前の皇帝が、帝具を自分でも作ろうとして、生み出された兵器。しかし、完成した臣具の性能は帝具に及ばず、始皇帝が築いたとされる過去の兵器である帝具を超えられないことを恥と考えた当時の皇帝により、一度封印された。それらが秘蔵庫からゴズキの手によって取り出され、現在は選抜組のメンバーが、それぞれの武器として扱っている。
帝具 (ていぐ)
1000年前に帝国を築いたとされる、始皇帝の手によって生み出された兵器。国を永続的に守っていこうと作られた帝具は、全部で48種類。失われた秘術を素材としており、以降の時代において無類の強さを見せる兵器として活躍する。所有者同士が戦えば、必ずどちらかが死ぬともいわれている兵器。
クレジット
- 原作
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アカメが斬る! (あかめがきる)
原作を「みなとそふと」のタカヒロ、作画を田代哲也が担当したタッグ作品。虐げられた人々の依頼を受け、「殺人」という悪をもって、「暴政」という悪を倒すというストーリーラインで、時代劇ドラマ『必殺』シリーズ... 関連ページ:アカメが斬る!
書誌情報
アカメが斬る!零 全10巻 スクウェア・エニックス〈ビッグガンガンコミックス〉
第1巻
(2014-06-21発行、 978-4757543393)
第10巻
(2019-04-25発行、 978-4757561045)