概要・あらすじ
「銭毒診療所」の所長である森崎ルカは、お金に魅入られ毒された人たちを救うべく、善良な経営コンサルタントを営んでいた。そんな折、金銭トラブルに巻き込まれて、途方に暮れていた安条の後輩である梯太一の相談に乗ることになる。ローン会社からの借金が目的で、勝手に梯との婚姻届を出したまま失踪した女社長の花川響子を追うことになったルカだが、花川の背後にはルカの兄を死に追いやった堂島伸吾がいた。
登場人物・キャラクター
森崎 ルカ (もりさき るか)
経営コンサルタント「銭毒診療所」の所長の女性。両親を早くに亡くす。美容師の兄と2人で暮らしていたが、悪徳経営コンサルタントである堂島伸吾の策略によって、独立した店の資金繰りに行き詰まった兄を自殺により亡くしており、この経緯から堂島を恨んでいる。
安条 (あんじょう)
「銭毒診療所」の男性社員。頭の回転が速く、森崎ルカも頼りにしている存在。冷静沈着であまり感情を表に出さないがルカには弱く、事務所の未納の税金などを立て替えたりする。安定収入のない銭毒診療所の経営を心配している。
梯 太一 (かけはし たいち)
「アンティーク花川」の社員だったが金銭トラブルに巻き込まれ、成り行きで「銭毒診療所」で働くようになった男性。安条の大学時代の後輩。純情で責任感が強く一生懸命な性格。女性に惹かれやすく、お酒に弱い。
堂島 伸吾 (どうじま しんご)
資金繰りに行き詰まった会社から、あくどいやり方で金銭を要求する経営コンサルタントの男性。無情で冷淡。隙がなく用心深い性格で、警察に捕まるようなミスはしない。森崎ルカの兄を自殺に追いやったことで、ルカに恨まれている。
花川 響子 (はなかわ きょうこ)
「アンティーク花川」の社長の女性。会社の経営が苦しくなり、堂島伸吾を頼るようになる。堂島に言われるまま贋作を使ったアンティーク売買を行い、詐欺未遂容疑で逮捕される。
二本松師匠 (にほんまつししょう)
「銭毒診療所」の先代の所長の男性。兄に死なれ自分も死のうとしていた森崎ルカを助ける。金の流れについて基本的なことから教えたルカの師匠。半年ほど前に事務所をルカに預け、旅に出ると言ってふらっといなくなる。
沢村 祥二 (さわむら しょうじ)
中華料理店「満月飯店」の大将。父の建てたビルのローン返済に苦しんでいる兄、沢村昌文の連帯保証人をしている。「満点飯店」の常連だった森崎ルカとは顔なじみの間柄で、彼女にローン返済について相談する。
沢村 昌文 (さわむら まさふみ)
沢村酒店を営んでいる男性。沢村祥二の兄。父の建てた自社ビルを相続したので、ローンも同時に引き継ぐことになり、その返済に苦心する。自己破産をしようとするが森崎ルカに止められ、ローン返済の相談をする。
沢村 麻衣 (さわむら まい)
沢村昌文の娘。大学で英文科に通っている。借金の返済に苦労する父を心配し、酒店を手伝っている。