あかね色の風 -新選組血風-

あかね色の風 -新選組血風-

幕末期に京都で幕府側の武装警備隊として組織された「新選組」の創設期の逸話を、沖田総司の視点から描く。「スーパージャンプ」にて1995年から1996年にかけて連載された作品。

正式名称
あかね色の風 -新選組血風-
ふりがな
あかねいろのかぜ しんせんぐみけっぷうき
作者
ジャンル
バトル
 
時代劇
 
幕末
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概要・あらすじ

混乱の幕末期、江戸の天然理心流・試衛館一門は京都へ上洛する。その目的は、倒幕派や狼藉を働く過激派勢力を掃討するためであった。一門の腕利き剣士である沖田総司も同行し、一向は京都で会津藩預かりの治安維持部隊を組織して「新選組」を名乗る。新選組は派閥抗争の結果、近藤勇が隊長となり沖田は一番隊長に任命され、将軍暗殺を図る長州藩の高杉晋作一派と対決する。 その後、沖田は土佐藩の岡田以蔵と出会う。岡田は沖田の甘さを指摘し、武士が名刀を持つことの必要性を指摘して立ち去る。自分の死期が迫っていることを予見した沖田は、余生を士道に生きる決意を固め、岡田の言葉に従って名刀「菊一文字」を入手。来るべき決戦の日に備えるのだった。そして残虐非道な過激派連中に遭遇した沖田は、ついに自身の戒めを破って名刀を抜く。

登場人物・キャラクター

沖田 総司 (おきた そうし)

試衛館出身の美男剣士。後に「新選組」一番隊長となる。近藤勇、土方歳三を尊敬して行動を共にしているが、自身は争いごとを好まない平和主義者で政治にも関心がない。戦っても敵は殺さずみね打ちにとどめるという、穏健で子供好きな性格。思わぬ因縁から名刀「菊一文字」の使い手となる。幕末期に実在した沖田総司がモデル。

土方 歳三 (ひじかた としぞう)

「新選組」の副長で近藤勇に次ぐナンバー2。試衛館では師範代を務め、沖田総司の師でもあった。精悍な顔つきで豪放磊落な性格。決闘を目前に控えても、その直前まで後家と戯れるほどの女好き。敵に情けをかける沖田をいつも叱責する、彼の兄貴分的存在。幕末期に実在した土方歳三がモデル。

高杉 晋作 (たかすぎ しんさく)

過激な倒幕派の志士が揃った長州藩の中でも最も過激と言われた男。肺結核を患っており、余命があまりないことを悟っている。英国公使館焼き討ちや箱根の関所破りで名を馳せた。文久3年に上京した将軍の暗殺を仲間と共に図り、決行の日に沖田総司と対峙する。幕末期に実在した高杉晋作がモデル。

岡田 以蔵 (おかだ いぞう)

「人斬り以蔵」と恐れられた土佐藩の下級武士で、名刀「肥前忠吉」の使い手。倒幕派の土佐勤労党の主宰・武市半平太に師事し、「新選組」とは敵対関係にあるが、沖田総司には刀の講釈を垂れ「名刀は風が泣く」との名言を残す。故郷に咲く彼岸花に願かけをする、センチメンタルな一面も見せる。幕末期に実在した岡田以蔵がモデル。

新見 錦 (にいみ にしき)

水戸天狗党に所属していた壬生(みぶ)浪士。武士道など眼中にない鋭い目つきのニヒリスト。神道無念流の剣士で、沖田総司を驚愕させたほどの抜刀術の達人。「新選組」では芹沢鴨の腹心的存在だったが、新選組・局中法度を逸脱し堕落。切腹命令の書状を突きつけられ沖田と対決する。幕末期に実在した新見錦がモデル。

新見 伊織 (にいみ いおり)

新見錦の弟で、浪士一派が集まった勤皇の志士となり、兄の仇である「新選組」と沖田総司の命を狙う。敵の首を鉄冑ごと断ち斬る「斬鉄剣」の別名を持つ「武蔵入道影清」という剛剣の使い手。宿敵である沖田とは二度剣を交えることとなる。幕末期に実在した新見伊織がモデル。

近藤 勇 (こんどう いさみ)

「新選組」第二代局長。天然理心流の試衛館道場主出身で、土方歳三、沖田総司らの師匠にあたる。いかつい顔の巨躯で、人望厚く人脈も広い。幕府に忠誠を誓っており出世欲も旺盛で、上洛して壬生浪士組から新選組に参加したのも、手柄を立てて一国一城の主となる夢を実現するためであった。新選組では芹沢鴨一派と内部対立する。 幕末期に実在した近藤勇がモデル。

芹沢 鴨 (せりざわ かも)

「新選組」の初代局長で元壬生浪士組筆頭。太い眉といかつい顔付きの大男。性格は近藤勇とは正反対で、試衛館一派を百姓あがりと軽蔑している。新選組設立の大義を忘れ、京都では恐喝・放火・女体盛りなど暴虐無人な振舞いをして新選組の名を貶(おとし)め、近藤一派とは熾烈な内部抗争を起こす。幕末期に実在した芹沢鴨がモデル。

やよい

丹波の武士の家に生まれたが一家が没落し、弟と長屋に住んで貧しい生活を送る。弟が病に倒れ、薬代にも事欠いたことから、「手離すべからず」との家訓を仕方なく破り、先祖代々の家宝であった名刀「菊一文字」を沖田総司に譲渡する。その後、遊郭に身を売るという薄幸の美女。

おうの

高杉晋作の愛人。どこかうつろな目をした美人で、高杉のためなら命も捨てるという強い意思を持っている。高杉に危機が迫れば身を挺して救うというほどに彼に惚れ抜いている。武士の大義よりも高杉の命の方が大事と、時には高杉に堂々と意見することもある。

みづき

江戸の試衛館道場の近くにある庄屋で女中奉公をしている若く純情で可憐な娘。沖田総司に好意を抱いており、上洛する沖田のために立派な羽織を縫い上げた。しかし、沖田が出発する前夜に思わぬ事態が起こり、沖田を深く嘆かせることとなる。

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