概要・あらすじ
東日本大震災から50年が経った日本。石油はついに地球上からなくなり、エネルギーシフトが進む。人々は太陽光や風力によって得られる最低限の電気を使い、自動車もネオンもない中で暮らしている。原子力発電所があった海辺の街に住む老人は、当時の豊かな日本を思い出しては憤っていたが、その頃には見られなかった満天の星空に気づき涙を流す。
登場人物・キャラクター
ミライ
東日本大震災から50年後の日本で暮らす少年。ミライの祖父の孫で、祖父、父、姉とともに生活している。同世代の友人達と同様に背中に天使のような翼が生えており、空を飛ぶことができる。
ミライの祖父 (みらいのそふ)
東日本大震災を経験している。50年を経ても、豊かだった日本のことをいつまでも忘れられずにいる。ほぼ寝たきりの状態で、子供や孫とともに暮らしている。
双子のオヤジ (ふたごのおやじ)
禿げ頭で頭頂部に1本だけ毛が生えており、やせた中年男性の姿をしている。川をいかだで下る旅をしており、その道中でゲンパツに出会う。
ゲンパツ
双子のオヤジが川下りの途中で出会った。直方体に手足が生えており、その表情と言動から女性のようである。福島第一原発を擬人化したもの。
ヨウ素 (ようそ)
にぎやかで元気のいい子供たちのような姿に擬人化されており、「外の世界が見たい」とだだをこねてはストロンチウムやプルトニウムから叱られている。
ストロンチウム
坊主頭で眉毛が太い、体操選手のような筋肉質の男性の姿に擬人化されている。ヨウ素たちからは「あんちゃん」と呼ばれ慕われている。
セシウム
美しい女性のような姿に擬人化されており、2本の触覚のようなものが生えている。外の世界に憧れるヨウ素を不憫に思い、彼らにだけでも外の世界を見せてやることを提案するが、長老に却下される。
プルトニウム
口ひげを生やした老人のような姿に擬人化されており、ヨウ素、ストロンチウム、セシウムを総べる存在として「長老」と呼ばれている。
カメラマンの女性 (かめらまんのじょせい)
東日本大震災後に結婚式を挙げる予定だったが、婚約者を震災で失った。妊娠しており、不安を抱えたままの東京での生活に見切りをつけ、自分に想いを寄せる別の男性とともに東北へ移り住む。