イエロー・ダスト

イエロー・ダスト

暴漢に襲われ、さらわれた米軍子弟小学校生徒23人と教師。彼らがたどり着く残酷な結末を描く社会派ストーリー。「ヤングコミック」1972年7月12日増刊号に掲載された作品で、手塚治虫漫画全集の『時計仕掛けのりんご』に収録されている。

正式名称
イエロー・ダスト
ふりがな
いえろー だすと
作者
ジャンル
その他医療・福祉・社会
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概要・あらすじ

沖縄の瑞慶覧(ずけらん)キャンプの司令官、ボーマン大将のもとに緊急の報告が届いた。今から1時間前、米軍子弟小学校の生徒を乗せたバスが暴漢に襲われ、生徒23人と教師がさらわれたという。3人の犯人たちは日本人で、人質と共に立てこもり、兵隊に近づかせないよう要求。引率していた先生には、生徒を一人助けるごとに1回ずつ自分たちに体を提供しろと求める。

これにより2人の子供が解放されるかに思われたが、犯人によって撃ち殺されてしまう。一方で、犯人が子供たちに与えた食料は、米軍の倉庫から盗み出された、軍の重要な機密に関わる軍糧食だった。それを食べた子供たちにある変化が起こり、事態は急転直下で惨劇へとなだれ込んでいく。

登場人物・キャラクター

犯人 (はんにん)

米軍子弟小学校の生徒を乗せたバスを襲った犯人の男たち。全部で3名おり、すべて日本人でオオシロ、タイラ、ジャパナと名乗っている。かつてボーマン大将の指令によりベトナム戦争に2回送られた過去を持つ。戦争では、女子供も年寄りもかまわず何十人も殺したと告白する。そろって狡猾で残忍な性格であり、生徒の命と引き換えに先生の肉体を要求しておきながら、解放した生徒を銃殺した。

先生 (せんせい)

襲われた米軍子弟小学校の生徒23人を引率していた女性教師。責任感が強く、自分はいいから子供を許してほしいと犯人たちに何度も訴える。それをきっかけに、条件を飲めば一人ずつ子供を外へ出すといわれ、犯人に要求されて自分の体を差し出す。隙を見てナイフで抵抗しようとした。

ボーマン大将 (ぼーまんたいしょう)

沖縄の瑞慶覧キャンプの司令官。米軍子弟小学校バスが暴漢に襲われたという一報を受け、子供たちを救うべく対策にあたる。犯人たちが子供を射殺したと知り、彼らが立てこもっている旧沖縄作戦本部海軍壕に決死隊を送り込み、突入して子供たちを救出することを決定する。

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