住みにごり

住みにごり

何をしでかすかわからない無口で無職の兄、フミヤ、機嫌が悪くなると突然暴れだす酒乱の父、脳出血で車椅子生活の母、家を出たものの、ちょくちょく実家に顔を出す姉の長月。東京で働いていた次男の末吉は、そんな実家に戻ろうとするものの、タイミングが悪くなかなか言い出すことができない。不穏な空気が立ち込め、大事件が起こりそうな、先の展開が読めないホームドラマ。小学館「ビッグコミックスペリオール」2021年第24号から掲載されている作品。

正式名称
住みにごり
ふりがな
すみにごり
作者
ジャンル
家族
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊5巻
関連商品
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概要・あらすじ

29歳の末吉は長めの夏休みをとって実家に帰省していた。35歳にもなるのに15年以上も働かないニートの長男、フミヤが、近所で無差別に人を殺してしまう悪夢を見て末吉は目覚める。キッチンへ行くと、フミヤが箸でポテチを食べていた。フミヤは太っていて、しもぶくれの大きな顔に太い眉。首がだらしなくのびたTシャツを着て、横が裂けてチャイナドレスのようになった柄のパンツをはいている。末吉はそんな兄のフミヤと小学生以来、会話をした記憶がない。母は脳出血を患い、ベッドでほとんど寝たきり。フミヤは母の代わりにお使いに行く。お釣りをもらえるので、できるだけ安い店を探し、浮いたお金でポテチを買っている。末吉はフミヤが車で出かけたのを見計らい、2階の引きこもり部屋を見に行く。2階は以前、家族の寝室だった。フミヤが引きこもってから、その部屋には誰も入れなくなり、2階に行くのは20年ぶりだった。階段には山のように埃(ほこり)がつもり、お菓子のストックがひな祭りのように置かれている。フミヤの部屋のドアには、南京錠がついていて、中に入ることはできなかった。2階から降りてきた末吉の服には、なぜか血の付いた千切りキャベツがついていた。姉の長月は、久しぶりに帰ってきた弟のために焼肉をおごってくれるという。長月は買い物から帰ってきたフミヤも誘う。着替えてきたフミヤは、レスリング選手のような、裸に近いタンクトップを着てきて、末吉は一緒にいるのが恥ずかしかった。長月におごってもらっているのに、フミヤは首をかしげながら、焼肉を食べる。フミヤがトイレに行っている間、末吉はフミヤが通り魔殺人をした夢を見た話や、2階に行った時に血のついたキャベツがあった話を長月にした。長月は「不器用なフミヤがキャベツの千切りをした時に血だらけになった。私がもうやるなと千切りを禁止したので、隠れて練習しているのではないか」と言う。そして長月は「勝手にフミヤを怪物にせずに、もっと会話をしろ」と末吉に説教した。しかし、末吉は「兄貴がどんな人間か姉ちゃんは知らないだけだ」と思いながら、小さい頃に目撃したフミヤの暴力的なシーンを思い返していた。

登場人物・キャラクター

末吉 (すえきち)

西田家の次男。29歳で、東京で一人暮らしをしている。大学入学から東京に出て、仕送りをもらわずに、生活費を稼ぎながら大学に通っていた。社会人になってからは奨学金を返しながら、親に仕送りをしている。東京での生活が金銭的にキツく、仕事を辞め、実家に戻ろうとしている。兄のフミヤとは、何十年も話をしておらず、不気味に思っている。

フミヤ

西田家の長男。15年以上働いていないニート。寡黙でほとんど喋(しゃべ)ることがなく、友達がいたこともない。しもぶくれの大きい顔で、鼻も大きく眉が太い。頭のてっぺんを尖(とが)らせた特徴的な髪型をしている。太っていてあまり身なりを気にしない。首の伸びたTシャツを来て、横が裂け、チャイナドレスのようになった柄のパンツをはいている。高校卒業後、工務店に勤めるが、木くずが鼻に入ってクシャミが止まらず、1日で辞めてしまう。舌が肥えていて、米のかたさにもうるさい。味に不満があると首を傾げる。ポテチを箸で食べる。

長月 (なつき)

西田家の長女。少しつり目で明るめの髪色をしており、肩までの髪は後ろで縛っていることが多い。サバサバした性格で、言いたいことをハッキリという面倒見の良い姉。「かっかっかっ」と豪快に笑う。別の場所に住んでいるが、時々、実家に帰ってくる。

書誌情報

住みにごり 5巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2022-04-28発行、 978-4098613014)

第2巻

(2022-09-30発行、 978-4098614172)

第3巻

(2023-02-28発行、 978-4098615919)

第4巻

(2023-07-28発行、 978-4098624898)

第5巻

(2023-12-27発行、 978-4098626250)

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