作品の概要
基本情報
オザキアキラの代表作。
要旨と舞台設定
物語は、高校1年生の修了式直後、一人の女子・蓮井糸が母親の再婚に伴って成田姓となり、四人の義理の弟たちと共に暮らし始めることから始まる。長男の源は家族思いだがぶっきらぼう、次男の洛は頭脳明晰な策略家、三男の柊は引きこもりがちで繊細、末っ子の類は人懐っこい甘えん坊と、それぞれ個性的な性格を持つ四人の弟たちと糸の日常生活が描かれる。
ストーリー展開
糸は新しい家族との生活に戸惑いながらも、持ち前の明るさと面倒見のよさで少しずつ弟たちと打ち解けていく。特に、ぶっきらぼうな長男・源と、部屋に引きこもりがちな三男・柊との関係性に焦点が当てられ、糸は彼らの心を開こうと奮闘する。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、家族間の絆や青春期特有の心情の機微を描いた、家族愛をテーマとした学園ラブコメディ。再婚による新しい家族の形成過程と、そこから生まれるさまざまな感情の変化が物語の核となっている。
作品固有の表現技法と特徴
物語は複数のキャラクターの視点から展開される。特に、糸と弟たちそれぞれの心情の変化や成長が、日常的な出来事を通じて繊細に描写される。
世界観の構築と設定
作品の世界観は現代日本をベースとしており、学校生活や家庭生活といった日常的なシーンを中心に展開される。また、再婚家庭における家族の在り方や、血縁関係のないきょうだいの関係性が重要な要素として盛り込まれている。
連載状況
集英社「別冊マーガレット」2020年2月号から連載。
受賞歴
2021年「全国書店員が選んだおすすめ少女コミック」第3位。
メディアミックス情報
実写映画
2024年12月6日公開。監督は三木康一郎。主人公の成田糸を畑芽育、四人の弟は、源を作間龍斗、洛を那須雄登、柊を織山尚大、類を内田煌音が演じる。
あらすじ
登場人物・キャラクター
成田 糸 (なりた いと)
再婚した母親といっしょに新しい父親の家に引っ越した女子高校生。おかっぱ頭の少女で、責任感が強く、何事にもポジティブな性格の持ち主。長年にわたり、ゆるふわな性格の母親を支え続けてきた。父親に連れ子がいることを事前に知らされておらず、引っ越した当日に初めて四人の弟と同居することを知った。最初は大いにとまどっていたが、姉として弟たちの面倒を見ることを決意し、一生懸命に家事をこなすようになる。ぶっきらぼうで反抗的な態度を繰り返す長男の成田源への対応に苦慮し、一時は心が折れそうになるものの、交流を続ける中で源の優しさを知り、徐々に心の距離を縮めていく。
成田 源 (なりた げん)
成田家の長男で、高校2年生の少年。長身のイケメンだが、無口で不愛想な性格をしている。父親の再婚に伴い、姉となった成田糸には出会った当初から厳しい態度で接していた。本来は優しい性格で、幼い頃に亡くなった母親の言葉に従い、長男として人前では強い態度で振る舞っている。糸に対する厳しい態度も、どうやって接したらいいかわからなかったためで、糸と交流をするうちに徐々に彼女のことを信頼し、態度も軟化していく。学校では女生徒から人気が高く、つねに注目されている。寝相の悪さは家族の中でもトップクラス。
成田 洛 (なりた らく)
成田家の次男で、高校1年生の少年。眼鏡を掛けたイケメンで、大人びた雰囲気を漂わせている。成田家の一員となった成田糸を快く受け入れ、さまざまな生活のアドバイスをしていた。人間観察が好きで、兄の成田源の動向を観察して面白がっている。少年時代のあだ名は「山嵐」。
成田 柊 (なりた しゅう)
成田家の三男で、中学3年生の少年。極度の人見知りで、つねにフードを目深にかぶって顔を隠している。ほとんどの時間を自室にこもって過ごしており、成田家の一員となった成田糸も、その姿を見たのは引っ越した当日のみ。ほかの家族の前にもほとんど姿を現さないミステリアスな人物。
成田 類 (なりた るい)
成田家の四男で、小学3年生の少年。アイドル風の容姿をした美少年で、非常に人懐っこい性格をしている。成田家の一員となった成田糸にべったりと懐いており、糸の作る料理が大好き。小さいものはなんでもかわいいもの扱いする。一番の親友は自室で飼っているカエルのゴメス。
成田糸の母親
成田糸の実母。おっとりとした性格で、浮世離れしたところがある。前夫が自分探しの旅に出て失踪してしまったことから、女手一つで糸を育ててきた。再婚に伴い、糸を連れて成田家に引っ越すことになる。成田家に弟がいることを糸に伝え忘れるなど、少々抜けたところがある。
成田糸の父親
成田糸の継父。おとなしく柔和な性格をしている。成田糸の母親と再婚し、糸たちといっしょに住むことになった。のちに北海道に単身赴任することになる。
書誌情報
うちの弟どもがすみません 14巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2020-05-25発行、978-4088443461)
第2巻
(2020-09-01発行、978-4088443744)
第3巻
(2021-01-01発行、978-4088444345)
第4巻
(2021-05-01発行、978-4088444864)
第5巻
(2021-10-01発行、978-4088445298)
第6巻
(2022-02-01発行、978-4088445809)
第7巻
(2022-06-23発行、978-4088445816)
第8巻
(2022-11-25発行、978-4088446455)
第9巻
(2023-03-24発行、978-4088447094)
第10巻
(2023-07-25発行、978-4088447865)
第11巻
(2024-02-22発行、978-4088448633)
第12巻
(2024-07-25発行、978-4088430201)
第13巻
(2025-01-23発行、978-4088430874)
第14巻
(2025-07-25発行、978-4088431574)







