概要・あらすじ
世にも稀な凶運の相の持ち主の高校生諸星あたるは、地球の命運をかけた鬼ごっこで対戦相手の鬼族の娘ラムに勝利したものの、プロポーズをしたと勘違いされてしまう。あたるに熱をあげたラムは、押しかけ女房としてあたるの家で暮らすことになる。
浮気性のあたると一途なラムの日常は、そろいもそろって個性的な友人たちや異星人、妖怪などを巻き込んで、非日常的で抱腹絶倒な騒動の連続だった。
登場人物・キャラクター
ラム
うる星(鬼星)から地球侵略にやってきた鬼型宇宙人・鬼族の娘。飛行能力と放電能力を持つ。ロング・ヘアーの色は緑色で、普段は虎縞ビキニとロング・ブーツを愛用。話し言葉の語尾に「だっちゃ」を使う。地球の命運をかけた鬼ごっこで、対戦相手の諸星あたるにプロポーズされたと勘違いし、以後地球に留まり諸星家に押しかけ女房として同居、友引高校に通うようになる。 無邪気で天真爛漫な性格で、それ故に時には悪気がないまま配慮に欠けた行動をとってしまう天然キャラ。 ひたむきに愛情を傾け好きな人に尽くす愛妻タイプ故に浮気をするあたるに電撃を食らわすこともしばしば。
諸星 あたる (もろぼし あたる)
友引高校へ通う諸星家の長男。13日の金曜日、仏滅で大地震の起きた日に生を受けた世にも稀な凶運の相の持ち主だが、生存本能は強くしぶとい。楽観的で調子がよく、ばかばかしいこともものともせずに行う並はずれた「アホ」。 根っからの女好きで女性に対して見境なくアタックをかけるが、本人は意外に嫉妬深くまた不安性な面も持つ。元々は幼なじみの三宅 しのぶと付き合っていたが、コンピュータで選ばれうる星(鬼星)のインベーダーとの地球の命運をかけた鬼ごっこに参加させられる羽目になった際に、対戦相手のラムにプロポーズしたと勘違いされ、ラムが押しかけ女房となり、しのぶとの仲は消滅。 ラムに対しては、当初押しかけ女房的な態度に苛立ちを覚え表向きには邪険な態度をとっていたが、内心ではかけがえのない存在だと思っている。 面堂 終太郎とは同じく「アホ」な女好きという点で、永遠のライバル同士。家族は両親との三人家族。
ラン
ラムの幼馴染の少女。重度の二重人格の持ち主で、普段はピンクのビキニや、ロリータ・ファッションで可愛らしく人と接するが、興奮すると歪んだ本性が爆発し、牙をむき出しドスの効いた河内弁をまくし立てる。 科学知識と黒魔術に長けており、口から他人の若さを吸い取る能力を持っている。幼少時に、ラムの悪気のない様々な行動の結果、なにかというと酷い目にあわされてきたことで、性格が屈折してしまった。レイに恋心を抱いていたが、そんなレイとラムが婚約、さらにはレイをふってあたるの押しかけ女房となったことでキレて、ラムの復讐のために友引高校に転校してきた。
おユキ
ラムの幼馴染の少女。海王星の女王で、雪や氷そして冷気を操る雪女。様々な場所へ瞬間移動するための異次元トンネルの入口を開くことができる。防寒着としても機能する白い着物を着用していることが多いが、その下にはワンピース型の水着のような服を着用しており、氷のように見える長い髪は一つにまとめている。 その外見どおり、普段は物静かで上品な立ち振る舞いを見せるが、その性格は冷ややかで陰湿な面もあり、滅多に怒ることはないが、ラン曰く怒らせてしまうと誰よりも恐ろしい存在になる。 B坊という雪男のような怪物をペットにしている。
クラマ
クラマ星のカラス天狗族の女王。母星に人型の男性がいないため、種族維持のためにコールド・スリープ状態で宇宙を旅し、一夜の契りを交わす相手を探していたが、手違いであたると目覚めの口付けを交わしてしまう。 アホで女好きのあたるを、種族維持に相応しい相手になるよう教育しようとするが挫折する。天狗族と人間とのハーフで、父親は牛若丸。その後も、伴侶探しに奔走するが、何故か目をつけた男の近くにあたるがいることが多く、なかなか進展しない。
サクラ
錯乱坊の姪で、最初は病弱な巫女だったが、彼女にとり憑いていた病魔をすべてあたるに乗り移らせたことで健康を取り戻す。その後、友引高校に養護教諭として赴任。叔父である錯乱坊と同じく高い霊力と旺盛な食欲の持ち主だが、その抜群のプロポーションは一切崩れることはない。 婚約者は西洋魔術師である尾津乃 つばめ。
カクガリ
友引高校の生徒で、名前はヒロユキ。ラム親衛隊のメンバー。角刈頭にがっしり体型の高校生で、外見は温泉先生と似ているが、メンバーの中では影が薄い。
温泉マーク (おんせんまーく)
友引高校の教師で、本名は不詳。友引高校の校長からも温泉先生などと呼ばれている。友引高校のOBで、担当は英語。スーツの背広とネクタイに温泉マークがプリントされたものを着用。あたるや面堂のとばっちりを受け酷い目にあわされることが多い。 独身でサクラに好意を持っているが、全く相手にされていない。
メガネ
友引高校の生徒で、名前はサトシ。諸星あたるの悪友として、パーマ、チビ、カクガリらと共につるんでいたが、ラムが転校してきてから彼女への想いに突き動かされ、パーマ、チビ、カクガリとラム親衛隊を結成し、その最高幹部会議長としてラムの気をひくべく日夜作戦を練り行動している。 エキセントリックな性格の持ち主で、ナチス・ドイツ・オタクの顔も持つ。
校長先生 (こうちょうせんせい)
禿げ上がった額に眼鏡という絵に描いたようなスタイルの友引高校の校長。心が広く寛容な人物で、何事にも穏やかに対応する。教育方針では生徒の自主性を重んじている。こたつねこと仲がよく、校長室でよく一緒にお茶をしている。
友引高校 (ともびきこうこう)
『うる星やつら』で諸星あたると友人たちが通っている高校。創立から長い歴史を重ねてきており、友引高校七大怪談などの伝説も語り継がれてきた。その歴史を偲ばせる校舎は木造二階建てで、今でも日夜様々な事件が後を絶たない。
チビ
友引高校の生徒で、名前はアキラ。ラム親衛隊のメンバー。身長が低く、気弱で泣き虫。親衛隊の中では、使い走りにされたり、他のメンバーから解剖されたりと、いじられ役にされることもしばし。
因幡 (いなば)
夢の世界のドアノブを作る運命製造管理局の人間で、時空間を自由に移動できる白うさぎの着ぐるみ状の制服を着用している。空腹で行き倒れていたところをしのぶに助けられ、次第に互いに好意をいだくようになっていく。
水乃小路 飛鳥 (みずのこうじ あすか)
水乃小路 飛麿の妹で、面堂 終太郎の許嫁。15歳になるまで、父や兄を含む一切の男性から隔離され成長した超箱入り娘。男性からの隔離とトレーニング目的で、幼い頃から重い甲冑を身に着けて過ごし、人間離れした体力と運動神経を持つ様になった。 面堂・水乃小路両家の和解目的での終太郎との見合いの席で、猛然と近づいてきたあたるによって、極度の男性恐怖症になってしまう。兄の水乃小路 飛麿を、唯一自分が慕ってよい味方だと認識している超ブラザー・コンプレックスの持ち主。
レイ
鬼族でラムの元婚約者。そのルックスは超美形で、出逢った女性を次々と一目惚れさせ、面堂をも打ちのめすほどだが、頭は弱く大食漢。そのいやしさ故に、ラムから愛想をつかされた。興奮したり、食べ過ぎたりすると醜い虎牛に変身してしまう。 ラムへの想いが断ち切れず、ラムを追って地球にやって来た。ランからは想いを寄せられており、時折食べ物に釣られて逢瀬をしていた。
面堂 終太郎 (めんどう しゅうたろう)
友引高校に転校して来た、諸星あたるの永遠のライバル。白い詰襟を着こなし、日本刀「村雨」を携行している。強大な財力と私設軍隊を持つ面堂財閥の跡取り息子。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能で女性には優しく女子生徒たちの憧れの的だが、自意識の塊で男には冷淡で実は暗所恐怖症。 「アホ」の程度は実はあたるとあまり変わらない。
尾津乃 つばめ (おづの つばめ)
サクラの婚約者で、エクソシストを生業とする西洋魔術師。霊力も高く、長身痩身な二枚目だが、性格的にはドジで間抜けな面がある。
三宅 しのぶ (みやけ しのぶ)
友引高校に通う女子高生。おかっぱ髪にセーラー服が似合う清楚な美少女だが、激情にかられると机を投げつけたりもする怪力の持ち主。諸星あたるとは同級生である以前から、幼馴染で周囲も公認のガールフレンドだった。 地球の命運をかけた鬼ごっこに挑むことになったあたるを奮起させるため、結婚の約束をしたことがあったが、それがラムの勘違いに繋がってしまい、ラムが押しかけ女房となることの原因となってしまう。 ラムの登場後、しばらくはあたるを巡っての三角関係状態だったが、面堂 終太郎が転校してくると彼に一目惚れしこの三角関係は発展・解消し、ラムに想いを寄せる面堂を含む緩やかな繋がりの四角関係となった。
藤波 竜之介 (ふじなみ りゅうのすけ)
浜茶屋を経営する父親に、跡取りは男で無ければならないとして、男名をつけられ、学ランなど男の格好をさせられ、男として育てられた少女。父親と海辺の浜茶屋を営んでいたが、父子喧嘩の末店は崩壊。再建資金を貯めるために、友引高校購買部に住み込むことになり、転校してきた。 行動は男っぽく荒々しい部分があるが、女性としての自覚も強く男扱いされると「俺は、女だ~」と激昂する。また女性ものの服を身に着けることに、強い願望を抱いているが父親に邪魔されて叶わない。 ボーイッシュな美少女で、さらしを巻いて隠しているが豊かな胸の持ち主でグラマラス。女生徒に人気が高いのが、本人的には悩みの種。
弁天 (べんてん)
ラムの幼馴染の少女。惑星中学校では、ラムおユキと共に、伝説のスケバンと呼ばれていた。福の神とは名ばかりな、やたらとガラの悪い七福神の一人弁財天。ラムたち鬼族と福の神族は宿敵関係にあり、節分の時期に紅白玉入れ合戦で雌雄を決していたのだが、あたるとは鬼星で開催された合戦で初めて出会う。 以後、ラムのいる地球にも度々訪れるようになる。男勝りで気風のよい姉御肌な性格で、愛用のエアバイクを荒々しく乗り回している。
パーマ
友引高校の生徒で、名前はコースケ。ラム親衛隊のメンバー。パーマのかかった髪で、痩せ型体型。メンバーの中で、唯一の彼女持ちでもある。
テン
ラムのいとこで、彼女を慕って地球にやってきた鬼族の幼児。頭には一本角があり、口からの火炎放射能力と飛行能力を持っているが、飛行の方は非常にスローなためオマルにしか見えないアヒル型の小型飛行艇を使うことが多い。 幼児ながらおませな性格で、女性に対する態度は実は諸星あたるとほとんど変わらないが、その外見を利用して女性には甘えまくり、その一方で、男には悪態をつきまくり、あたるや面堂 終太郎を平気で「アホ」呼ばわりする。 母親の職業は火消しなので、母親を前にすると極度の緊張状態に陥る。
錯乱坊 (ちぇりー)
サクラのおじで、強力な法力を持つ高僧であり、あたるが世にも稀なる凶運の相の持ち主であることをいち早く見抜く。同時に、悪いことをより悪い方向に進めてしまうトラブル・メーカーでもある。普段はあたるの家の近所の空き地にテントを張って暮らしているが、食い意地がはっており、たびたび勝手に諸星家の食事を平らげていく。
面堂 了子 (めんどう りょうこ)
面堂 終太郎の妹。兄と同様、容姿端麗な美少女なのだが、退屈を紛らせるために、人が嫌がることや困ることを率先して行い、騒動の元凶となることもしばし。また終太郎への嫌がらせのために、あえてあたるや水乃小路 飛麿の好意に応えてみたりもする。
コタツネコ
巨体の化け猫。冬の屋外に放り出されて凍死し化け猫化したため、コタツに強い執着を持ち常にコタツに入っている。無口でノンビリした性格だが、巨体故の強い腕力の持ち主でもある。チェリーやテンとは馬が合うようで、友引高校校長とは茶飲み仲間の間柄。
水乃小路 飛麿 (みずのこうじ とびまろ)
スポーツ用品系財閥である水乃小路家の御曹司で、面堂 終太郎とは幼少の頃からのライバル関係。普段はボサボサの髪で隠れている瞳には、水乃小路の証でもある星が輝いている。年中山ごもりをして修行を積んでいるようだが、実は相当な運動音痴。 自称女嫌いで面堂 了子に思われていることを迷惑に感じているきらいがあるが、女性を見て興奮するなど一般的な感情は持ち合わせている。15歳になるまで存在も知らなかった妹の水乃小路 飛鳥に慕われている。
場所
友引町 (ともびきちょう)
都心からもほど近い私鉄沿線の町。諸星あたるが両親と暮らす自宅や、あたるたちが通う友引高校がある。
うる星 (うるせい)
『うる星やつら』のラムの生まれ故郷で、銀河系の中心付近に位置する惑星。海はなく湿度が高いため、霧がかかる日が多いが、三つの太陽に照らされているため惑星の表面は明かるい。銀河系文化の中心でもあるうる星の学校には、鬼族以外の様々な宇宙人たちが一緒に学び、それが宇宙の平和にも繋がっている。 なお、鬼族は寅縞迷彩を基調デザインとしているので、うる星ではコスチュームのみならず、インテリア、メカなどほとんどのものが寅縞迷彩である。
クレジット
原作
うる星やつら (うるせいやつら)
数々のヒット作をもつ高橋留美子の初連載作にして代表作の一つ。物語は1話完結もしくは複数話からなるストーリーで展開されていく。キュートな宇宙人の女の子ラムに慕われる少年・諸星あたるが、大騒動の日々に巻き... 関連ページ:うる星やつら