おれたちの頂

おれたちの頂

作者の初長編作品。高校生の男子ふたりが、登山を通じて成長していく物語。山岳ジャンルの漫画の嚆矢とされ、後にスポーツ漫画の大家とも呼ばれる作者の原点。当初は初期のペンネームである「塀内真人」名義で発表されていた。

正式名称
おれたちの頂
ふりがな
おれたちのいただき
作者
ジャンル
登山・キャンプ
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概要・あらすじ

天才肌で高校の山岳部をハイキングと馬鹿にしている南波恭介と、気弱で真面目な性格の佐野邦彦は、子供の頃に山で出会った因縁があった。挑発的な恭介に引っ張られ、ロック・クライミングを行うことになったふたりは協力しあうことで難所を越え、かけがえのないパートナーとなってゆく。

登場人物・キャラクター

佐野 邦彦 (さの くにひこ)

『おれたちの頂』の主人公のひとり。天才肌の南波恭介とは反対にまじめな性格の努力型だが、登山においてはパートナーとして互いを支えあう存在。小野寺守にあこがれて登山を始め、白鳳会では彼が副隊長を務めたチョゴリ遠征隊にサポートで参加した。気弱で受け身体質だが、登山に対する情熱は強く、トラブルに見舞われても登攀を諦めない意志とキツい荷運びを厭わないことで培われた体力も持ち合わせている。

南波 恭介 (なんば きょうすけ)

『おれたちの頂』の主人公のひとり。天才的な登山技術の持ち主だが、性格は自分勝手で協調性が低い。幼少期に出会っていた佐野邦彦と高校で再会し、息の合う稀有なパートナーとして共に行動していた。

小野寺 守 (おのでら まもる)

若くしてエベレスト厳冬期初登頂に成功した登山家。白鳳会に所属しており、以前遠征隊のドクターを務めていた医師の息子である南波恭介にロック・クライミングを教える教師役だった。佐野邦彦にとってはあこがれの存在。

友利 真一 (ともり しんいち)

白鳳会に所属する山岳カメラマン。目深に被ったキャップとサングラスがトレードマークで、普段ほとんど表情を表には出さない。話題の少年クライマーペアである佐野邦彦と南波恭介に興味を持ち、小野寺守とともにサポートを続ける。

南波 涼子 (なんば りょうこ)

『おれたちの頂』の登場人物で、南波恭介の姉。無鉄砲な弟を心配する優しくて美人の姉だが、弟に面と向かうと姉としてたしなめるような発言が多い。後に佐野邦彦に惹かれるようになる。

稲垣 (いながき)

『おれたちの頂』の登場人物で、白鳳会に所属する登山家。小野寺守が副隊長として参加する、中国のチョゴリ遠征隊の隊長を務める。若い登山家に批判的で独善的な態度をとりがち。

テラル

エベレストの北壁・西稜・南西壁の三方向から同時に登る白鳳会の遠征に参加する現地の最年少クライミングシェルパ。外国人嫌いで佐野邦彦にも憎まれ口をきいていたが、ふたりで協力しエベレスト南西壁の登攀を成し遂げる。

ルーケ

エベレストに再挑戦する佐野邦彦が現地で出会った、まだ13歳の少年シェルパ。邦彦に懐き、テラルを紹介した。

谷川岳 (たにがわだけ)

『おれたちの頂』で高校生の南波恭介が目標としていた、まだ登攀記録のなかった大氷柱を擁する群馬県と新潟県境に実在する山。大氷柱は一ノ倉沢の烏帽子奥壁にかかる幻の氷爆とされ、物語中で白鳳会の稲垣が初登攀を果たすが、その直前に非公式ではあるが恭介と佐野邦彦が登攀していた。

集団・組織

白鳳会 (はくほうかい)

『おれたちの頂』の登場人物たちが所属する老舗の山岳会。正式名称は「白鳳同人会」だが、「白鳳会」と通称される。規模が大きく有名な団体で、世界の高峰に遠征隊も派遣している。

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