概要・あらすじ
一人を好む高校生の森文太郎は、内向的な性格から同じクラスの坂本一に疎まれ、転校初日に校舎の壁をよじ登ることになった。一歩間違えば命も危ない状況の中で達成し、ロッククライミングの魅力に目覚める。やがて、より高い場所を求めて登山にのめりこんでいく。
登場人物・キャラクター
森 文太郎 (もり ぶんたろう)
やや長めの黒髪で、切れ長の目をしているのが特徴。横須賀北高校ロッククライミング部所属。社交性に欠けた、ストイックな性格をしており、独りでいることを好む。高校卒業後も食品加工工場や観測所に勤める傍らで登山に没頭。後に加藤花と結婚し、加藤性を名乗る。
宮本 一 (みやもと はじめ)
森文太郎をロッククライミングに引き込んだクラスメイトで横須賀北高校ロッククライミング部に所属。金髪かつ短髪でいかつい外見が特徴。高校卒業後はロッククライミングや登山の本場であるフランスへ行く夢を持っていたが、株取引などに手を出して挫折する。
白井 夕実 (しらい ゆみ)
宮本一の幼馴染で横須賀北高校ロッククライミング部のマネージャー。セミロングの黒髪が特徴で、森文太郎が行なった高取山でのロッククライミングをきっかけに人生が大きく変わる。
大西 政雄 (おおにし まさお)
横須賀北高校の英語教師で、ロッククライミング部の創設に尽力した顧問。黒髪で短髪が特徴。本人もクライマーであり、フリージャーナリストの黒沢睦美は大学時代の後輩にあたる。
黒沢 睦美 (くろさわ むつみ)
フリージャーナリストで短髪で切れ長の目をしているのが特徴。森文太郎が白井夕実を救った事件を、でっち上げ記事に起し、横須賀北高校ロッククライミング部を活動停止に追い込む。大学時代の先輩である大西政雄との間に確執がある。
二宮 祐介 (にのみや ゆうすけ)
14マウンテン山岳会を主催し、K2アタック隊の隊長も務める。政界や財界に太いパイプを持ち、森文太郎を同会にスカウトする。
小松 辰治 (こまつ たつじ)
14マウンテン山岳会K2アタック隊の副隊長。長野弁が特徴で、隊員に上下関係を押し付ける。登山の経験は豊富だが、過去に足の指を失っている。
加瀬 晃彦 (かせ あきひこ)
14マウンテン山岳会K2アタック隊のメンバー。金髪が特徴で、トレーダーと登山家の二束のわらじをはいている。南アルプス縦走においてピッケルを薄い氷壁に刺したミスが原因で命を落とす。
新美 拓 (にいみ たく)
14マウンテン山岳会K2アタック隊の森文太郎と同期の新人メンバー。登山家だった父の無念を晴らすために同会へ参加し、K2登山を目指している。そのため、K2登山のメンバーに残るためなら、他人をも出し抜くことを厭わない覚悟を持っている。
足立 勲 (あだち いさお)
東関東大学環境理工学部教授で、NPO法人気象環境委員会の一員。鳥帽子岳直下デブリ後に森文太郎と出会い、彼に観測所の仕事とともに道を示す。森文太郎と加藤花の結婚式に出席するほど、森文太郎の数少ない理解者。
加藤 花 (かとう はな)
東関東大学教員。大学構内で森文太郎と顔を合わせていたことと、観測所への登山道にて彼に助けられたことをきっかけに親密な仲になる。後に森文太郎と結婚し、一児を設ける。
建村 歩 (たけむら あゆむ)
ソロクライマー森文太郎に憧れている若きクライマー。実家は登山用品店を営んでいる。
集団・組織
横須賀北高校 (よこすかきたこうこう)
森文太郎や宮本一、白石夕実などが通っている共学高校で、大西政雄はここで英語教師を務めている。
14マウンテン山岳会 (じゅうよんまうんてんさんがくかい)
『孤高の人』に登場する団体。六本木ヒルズに事務所を置き、世界に14座ある山の名前を由来とし、K2シャングリ・ラ プロジェクトを起す。K2とは中国とパキスタン国境にある山で、その東壁は人類未踏とされ、エベレストを遥に凌ぐ登頂の難しさを誇る。
クレジット
- 原案
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新田次郎
- 原作
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鍋田吉郎 , 高野 洋
ベース
孤高の人