満開の桜の下で始まるひそかな片思い
高校1年の初登校の日、自転車通学の湊さくらは満開の桜の坂道で一人の男性が彼女を追い抜いていく。その後ろ姿と首筋のホクロを見た瞬間から、さくらはその男性が気になる存在となる。その後、その男性が簿記の授業を担当する藤春啓介だと知り、ひそかに恋心を寄せる日々が始まる。啓介に自分の名前を覚えてもらえないことにショックを受けたり、学校外で姿を見かけただけで胸が高鳴ったりと、啓介にピュアな思いを抱くさくらの繊細な心模様が丁寧に描かれている。
先生と生徒のリアルな純愛
さくらは決して目立つタイプではないものの、一目惚れした啓介と心の距離を縮めるために積極的に行動を起こす。クラスメートの誰もやりたがらない面倒な係の仕事に立候補したり、啓介の姿を見かける度に勇気を出して自分から話しかけたりと健気な努力を続けている。一方の啓介は、教師としてさくらに対し、あくまで一人の生徒として接している。そんな中、次第にさくらからの好意に気づく啓介は、自分よりふさわしい同学年の男子と付き合うべきだと考えながらも、さくらへの気持ちがあふれてしまう。先生と生徒という二人の秘密の関係は、時間の経過とともにゆっくりと進展していく。
二人を温かく見守るヒロインの男友達
さくらが啓介に片思いをしていることにいち早く気づいたのが、クラスメートの瀬戸。さくらとは1年生で同じクラスになり、同じ係になるなど何かと縁がある。さくらと交流する中で恋心を抱くようになるが、彼女が啓介に片思いをしていることを知っているため、行動を起こすことができない。そんな中、さくらと啓介が教室で手をつないでいる場面を目撃した際は、交際しているという噂を流そうとしたものの、結局は彼女を傷つけるだけだと自制した。複雑な感情を抱きながらも、さくらの背中を後押しする。
登場人物・キャラクター
湊 さくら (みなと さくら)
とある商業高校に通う1年生の女子。年齢は16歳。入学式の次の日、満開の桜の咲く学校へ向かう坂道で藤春啓介と出会って一目惚れする。おとなしい性格でクラスでは目立つ存在ではないが、啓介と接点を持つために積極的にプローチを開始する。身長は148.5センチで、幼い顔立ちとかわいらしい雰囲気から、クラスメートにイジられることもある。文武両道で陸上部に所属しており、短距離走を得意にしている。誕生日は3月5日。
藤春 啓介 (ふじはる けいすけ)
湊さくらが通う商業高校の男性教師。年齢は20代前半。生真面目で誠実な性格をしており、生徒たちと真摯に向き合っている。さくらが1年生の時に簿記の授業を担当しており、2年生の時に学級担任になる。出会った当初はさくらを生徒の一人としか見ていなかったが、彼女からの健気なアプローチを受け、次第に心を動かされていく。一部の生徒から「藤くん」と呼ばれている。
書誌情報
さくらと先生 5巻 講談社〈講談社コミックス別冊フレンド〉
第1巻
(2017-07-13発行、 978-4063921199)
第2巻
(2017-11-13発行、 978-4065103951)
第3巻
(2018-02-13発行、 978-4065109168)
第4巻
(2018-06-13発行、 978-4065116319)
第5巻
(2018-09-13発行、 978-4065127513)