ドジっ子とクールビューティの銭湯を介した日常
温水と雪芽は、同じ会社で先輩・後輩の関係にある。新人の温水はやる気が空回りしてミスばかりを重ね、先輩の雪芽にフォローしてもらっていた。そのたびに申し訳なさを感じる一方で、雪芽のどこか冷たい態度に対して恐れも抱いていた。そんなある日、温水は偶然銭湯で雪芽と出会い、会社での彼女の冷たい態度の裏に隠された秘密や、本当の姿を知ることになる。それ以来、温水は実は優しく後輩思いな雪芽に心を開き、銭湯での交流を通じて彼女との関係を深めていく。
次第に広がっていく銭湯友達の輪
銭湯めぐりを通じて交流を深めるうちに、温水は雪芽の本当の姿をより多くの人に知ってほしいと願う一方で、聖母のように温かい本当の雪芽を独占したいという思いも抱くようになる。一方、雪芽は周囲から「雪の女王」などと呼ばれて誤解されながらも、「真実は揺るがない」という確固たる信念を持ち、その誤解を無理に解こうとはしなかった。しかし心の内では、多くの人と親しくなり、いっしょに風呂に入りたいという夢を抱いていた。その願いを知った温水は自らの独占欲を抑え、まずは自分の友人たちから雪芽に対する誤解を解こうと行動を起こす。こうして少しずつ、雪芽の周りには友人の輪が広がっていく。
登場するのは実在する銭湯
本作の舞台となる銭湯はすべて実在しており、各エピソードの最後には、そのエピソードのテーマを紹介するミニ漫画や、エピソードに登場した銭湯を紹介するコラム「温水めぐりの温泉コーナー ぬくっと巡って!!」が掲載されている。所在地はもちろん、営業時間や定休日などの詳細情報も記載されているため、聖地巡りはもちろん、単純に銭湯を楽しむ際の参考情報としても充実している(ただし、情報はいずれもコミックス初版刊行当時のもの)。
登場人物・キャラクター
温水 めぐり (ぬくみ めぐり)
石鹸会社「白バスコーポレーション」で働く若い女性。営業部に所属する新人で、仕事に対して熱意はあるもののミスが多く、先輩の雪芽に迷惑をかけてばかりいる。そのことは自覚しており、なんとか挽回して雪芽と親しくなりたいと意気込むが、空回りしてしまうことが多い。ある日、自宅のガス管が故障したため、仕事帰りに銭湯に立ち寄ったところ、偶然雪芽と出会う。その際、雪芽はふだんは体温が低く、会社では顔色が悪く見えるため冷たい人だと誤解されて悩んでいることを聞かされる。さらに、体温が上がると血色がよくなり色気が増すだけでなく、性格も穏やかでデレ気味になるという雪芽の秘密を知る。それ以来、会社でも何かと雪芽に甘えるようになる。一方、雪芽の従妹で開発部に所属する源泉からは、その鈍くささを理由に「芋女」と評され、「むくみ」と呼ばれている。
雪芽 湯紀 (ゆきめ ゆき)
石鹸会社「白バスコーポレーション」で働く若い女性。営業部に所属し、温水の先輩として指導している。美人で仕事も手際よくこなし、その能力は社内でも高く評価されているが、いつも表情が暗く口数も少ないため、「雪の女王」と呼ばれ、周囲からは一目置かれる一方で恐れられている。そのため、同期を含め社内に親しい人はいない。しかし、その冷たい印象の大きな原因は、ふだんから体温が低く顔色が悪いことにある。実際は面倒見がよく、ミスの多い温水のフォローも欠かさない優しい性格の持ち主。雪芽自身も怯(おび)えた様子の温水を気にかけており、できればもっと親しくなってのびのびと仕事をしてほしいと考えている。銭湯をはじめとするお風呂が好きで、体温が上がると表情が穏やかになり、口調や性格もデレ気味になる。ある日、会社帰りの銭湯で偶然温水と出会い、彼女もまたお風呂好きで自分となかよくなりたいと思っていることを知ると、さまざまな銭湯をめぐるために温水を誘うようになる。
書誌情報
お湯でほころぶ雪芽先輩 全3巻 フレックスコミックス〈メテオCOMICS〉
第1巻
(2021-04-12発行、978-4866751450)
第2巻
(2021-10-12発行、978-4866751696)
第3巻
(2022-03-11発行、978-4866752006)








