かいけつゾロリ

かいけつゾロリ

原ゆたかの児童書「かいけつゾロリ」シリーズのコミカライズ作品。動物が擬人化した世界を舞台に、いたずらの天才であるゾロリと、その弟子であるイシシとノシシが、コンロン博士の発明した超時空マシンに乗り込み、さまざまな童話をモチーフにした世界を巡って、騒動を引き起こしていく姿を描いた異世界コメディ。「月刊コミックプレブンブン」2004年1月号から2008年10月号、「月刊コミックブンブン」2008年11月号から2009年10月号にかけて掲載された作品。

正式名称
かいけつゾロリ
ふりがな
かいけつぞろり
原作者
原 ゆたか
漫画
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

かいけつゾロリのうらしま太郎

いたずらの天才として知られているゾロリは、子分のイシシノシシを伴って、自らの野望を成就する機会を虎視眈々とうかがっていた。そんな中、ケイツに襲われていたコンロン博士を助けたゾロリは、お礼として超時空マシンの設計図を提供され、イシシたちと共にそれを作り上げる。さらに、コンロン博士から超時空マシンの部品であるパワーストーンを託されると、さまざまな世界に眠る宝物を探し当てて一攫千金をもくろみ、異世界へ旅に出ることを決める。超時空マシンの力で時空を超えたゾロリたちは、うらしま太郎の世界へと流れ着く。「うらしま太郎」の物語を知るゾロリたちは竜宮城へ行く機会をうかがい、海岸で深海王国の兵士に襲われていた亀きちを助け、彼から竜宮城が深海王国に狙われていることを聞き出す。そして、深海王国を退けて乙姫に恩を売ろうと考え、超時空マシンを海洋型に改造したマンターマリン号を使い、亀きちの案内に従って竜宮城へと向かう。竜宮城で乙姫と謁見を果たしたゾロリたちは、深海王国の王である深海大王タマテバコと呼ばれる秘宝の奪取および乙姫との結婚をもくろんでいること、現在はタマテバコが竜宮城にはなく、うらしま太郎の手に渡っていることを聞かされる。ゾロリは、タマテバコが深海大王の手に渡る前にうらしま太郎のもとへと赴き、彼を深海王国の刺客から守り抜こうと考え、マンターマリン号を駆って地上へ浮上する。そして、うらしま太郎と出会うと、彼と共に深海王国の軍勢に立ち向かう。

かいけつゾロリのもも太郎

うらしま太郎の世界から現代に帰還したゾロリイシシノシシは、コンロン博士の誕生日パーティに参加していた。ゾロリは、コンロン博士との交流を深める一方で、彼にゾロリ城の建築を手伝わせるため、特製ゾロリケーキを振る舞おうとするが、そこにおたまちゃん軍団が現れる。彼らは、自作したスーパートレイサー01の起動に必要となる発信機を超時空マシンに仕掛けるため、ケイツによって差し向けられていた。さらに、ケイツ自身もゴルゴルを伴い、パーティー会場を急襲するが、返り討ちに遭う。ケイツたちを退けたゾロリたちは、超時空マシンを起動させて新しい世界へと旅立つ。ゾロリたちは旅の途中でブラックストーン現象に見舞われながらも、コンロン博士のアシストによって時空間の修復を成功させ、パワーストーンが示したもも太郎の世界へとワープするが、そこは鬼たちが暮らす鬼が島だった。ゾロリたちは、出会ったキララの案内に従って鬼が島を巡るうちに、島を制圧して「ゾロリヶ島」に仕立て上げようともくろむ。そして、さまざまな発明品を披露して鬼が島の住民の興味を引き、鬼が島の工場を襲ったばけもの鳥を懲らしめることで、鬼たちのヒーローとして称えられるようになる。一方、鬼が島の対岸では、もも太郎が鬼の大将を退治するための旅に出ようとしていた。スーパートレイサー01で時空を超えてゾロリを追跡していたケイツとゴルゴル、おたまちゃん軍団は、ゾロリが鬼たちといっしょにいることを知ると、まとめてやっつけるためにもも太郎に同行を申し出る。彼らを仲間に加えたもも太郎は、ケイツの発明したワンワンダーに乗り込んで鬼が島にせまる。彼らの襲来に気づいたゾロリは、鬼ぎりを使った防衛網を敷いて食い止めようとするが、もも太郎たちはこれを破り、鬼が島へと上陸する。旅でおなかを空かせていたもも太郎は、ゾロリから鬼ぎりを振る舞われる。このことから、彼らが本当に悪い存在なのか疑問を抱きつつも、ゾロリと一対一の直接対決に臨む。

かいけつゾロリの白雪姫

もも太郎の世界から現代に帰還したゾロリイシシノシシは、アップルビーと呼ばれる高価な宝石を巡ってケイツゼニパーンと争う。その中で、りんご園を経営しているオーナーを助け出し、おいしいりんごを振る舞われる。その翌日、ゾロリたちはりんごを彷彿とさせるパワーストーンを使い、超時空マシンで新たな世界へと旅立つが、その道中でスーパートレイサー02に乗ったケイツやゴルゴルと争いになり、その影響で白雪姫の世界に着くなり超時空マシンがお城の屋根に激突し、ゾロリたちはその衝撃で意識を失う。一同は不時着したお城の中で目を覚まし、白雪姫によって助けられたことを知る。ゾロリは白雪姫の美しさに一目ぼれをするが、彼女の居室が「姫」と呼ぶにはあまりに質素であることを訝しむ。そんな中、ゾロリたちは部屋に備えられていた鏡から声をかけられ、さらに鏡の中へと引きずり込まれる。そこで声の主であったグレンと出会い、何者かの呪いによって鏡から出られなくなったことを聞かされる。そこに、魔女のお妃が現れ、世界で一番美しい人は誰かと尋ねてくる。グレンは彼女の機嫌を取ろうとするが、そこでゾロリが白雪姫の名前を挙げると、魔女のお妃が白雪姫に刺客のモンスターを差し向ける。ゾロリはりんご園でもらっていたりんご花火を利用し、白雪姫のもとへと向かう。そして、刺客のモンスターを撃退し、白雪姫のために魔女のお妃がお城にかけた呪いを解くことを決意する。ゾロリたちは小人ブラザーズの家で休息を取るが、ジョマネットキサキの姿を取った魔女のお妃が売りつけたスーパーデリシャスアップルXを食べたゾロリが倒れてしまう。イシシとノシシは、もぐもぐからゾロリを目覚めさせるにはスーパーデリシャスアップルXを傷つけずに、中心部に潜むゴンリーを退治する必要を聞かされる。そして、ゾロリを救うべく、もぐもぐの発明した大小スイッチを使って小人化して、スーパーデリシャスアップルXの内部へと向かう。

かいけつゾロリのかぐや姫

白雪姫の世界の冒険を終えたゾロリは、コンロン博士のために新しい研究室を作り上げる。ゾロリの手並に感動したコンロン博士は、部屋の完成を祝い、七夕パーティーを計画する。そこにケイツが現れ、ゾロリを倒すため、研究室に仕込んでいた植物メカを巨大竹怪人バンバンブーに変形させようとする。だが、植物メカには欠陥があり、一度発動したら延々と伸び続けるのびのびバンブーに変貌し、ゾロリとケイツがいる部屋に突き刺さったまま空高く伸び続けてしまう。ゾロリとケイツは不本意ながらも協力し、のびのびバンブーの破壊に成功する。事なきを得たゾロリは、イシシノシシと共に新しいパワーストーンを使い、超時空マシンかぐや姫の世界へと旅立つ。竹林の中に降り立ったゾロリたちは、竹取りじいさんから家に招かれ、竹取りじいさんの妻が調理したタケノコ料理を味わう。そこに竹とりじいさんが竹林で拾ったというかぐや姫が現れる。ゾロリは彼女の美しさに一目ぼれをして、竹とりじいさんに対して彼女を嫁にもらいたいと申し出る。しかし、かぐや姫は以前から多くの男性から求婚されていたため、彼らと争うべくおむこさんチャンピオン大会に出場することになる。ゾロリは、第一種目の「いじわる〇×クイズ」や、第二種目の「地獄の坂道なぞなぞ」など、予選ラウンドを次々と勝ち進んでいき、ついに最終候補の六人に選ばれる。するとかぐや姫が突如として豹変し、結婚の条件としてそれぞれの候補者に無理難題を吹き掛ける。ゾロリも例外ではなく、ジャングルの奥地に生えているお化けまつたけを使ったお吸い物をプレゼントするように要求される。ゾロリはさっそくジャングルへと赴き、お化けまつたけを収穫しようとする。だが、彼の出すなぞなぞに答えられず、残念賞として暗黒神殿で汲めるドラゴンの聖水を原料としたお吸い物の具を渡される。タケバッカーZを使って暗黒神殿に向かったゾロリたちは、暗黒神殿のドラゴンが持つ首飾りを取りに来たおおともの大納言と合流する。そこで封印されていた暗黒神殿のドラゴンが目を覚まし、彼らに襲い掛かってくる。

かいけつゾロリの赤ずきん

かぐや姫の世界から帰って来たゾロリは、コンロン博士から懇意にしている養護施設で発明の展示を手伝ってほしいと頼まれる。ゾロリは、親を亡くした養護施設の子供たちにママを失った自分の姿を重ねて、彼らのためにナランペットなど、さまざまな発明品を披露する。養護施設から帰って来たゾロリは、新しいパワーストーン超時空マシンにセットし、赤ずきんの世界へと向かう。時空間を抜けたゾロリたちは、そこで出会ったおばあちゃんからの情報を基に、森の先の街へと向かう。おなかを空かせたゾロリは、街で出会ったフローラからお菓子をもらい、彼女の優しさや美しさに惹かれる。しかし、彼女と別れてイシシノシシと合流した直後に禁止されている親父ギャグを口にしたことで、デーモン警部とその部下であるオオカミポリスたちに逮捕されてしまう。ほどなくして逮捕は誤認によるものであることが判明し、ゾロリたちはビッグゴッドから客室に招かれる。そして、怪盗赤ずきんと名乗る人物が大小さまざまな窃盗事件を起こしていることを聞かされ、捕らえた暁には思うがままの褒美を与えられるという話に乗せられ、怪盗赤ずきんの逮捕を引き受ける。ビッグゴッドから、怪盗赤ずきんは親父ギャグを嫌っていることを聞かされていたゾロリは、ナランペットやアホーディオンを駆使して親父ギャグを連発して場を凍らせようとする。だが、実際は怪盗赤ずきんは親父ギャグが大好きで、ビッグゴッドの情報は、ゾロリと怪盗赤ずきんを共倒れさせるための罠だった。裏切った警察たちに始末されそうになったゾロリは、怪盗赤ずきんと共にオオカミポリスの包囲を振り切り、その最中に怪盗赤ずきんの正体がフローラであることや、署長の孫娘であること、さらに彼女が怪盗として活動していた理由が、オオカミポリスが市民から無理やり徴収した金品を奪い、元の持ち主に返すためであったことを聞かされる。そして、フローラのためにオオカミポリスとの対決を決意する。

かいけつゾロリのおむすびころりん

赤ずきんの世界から現代に戻って来たゾロリは、イシシノシシを伴って、自分の発明品を売り出すためにバーリーの経営するおもちゃ会社を訪れる。ゾロリたちはバーリーから歓迎を受け、持ち込んだゾロピカブロックを売り出そうとする。そこにケイツが現れてゾロリの妨害をしようとするが、イシシやノシシと共にマジックハンドに捕まり、焼却炉に落とされそうになる。ゾロリはゴルゴルと協力してイシシやケイツたちを救出するが、売り込み自体はなかったことになる。翌日、おにぎりのような色合いのパワーストーンをセットした超時空マシンで、新たな世界に旅立つ。おむすびころりんの世界にたどり着いたゾロリたちは、彼らを追ってきたケイツのあやつるオムショベーRからの攻撃を受け、逃げ延びたところでピン太と出会う。ピン太は曾祖父が記したおむすびころりん体験記を基に、たくさんの宝物があるという地下王国を探していた。ゾロリたちは一攫千金を果たすべく、ピン太と共に超時空マシンを使って地下王国へと向かう。たどり着いた地下王国の入り口はどう見ても廃墟と思しきものとなり果てており、宝物らしきものはどこにも見当たらない。さらにゾロリたちは、道中で体が小さくなり、それを好機と見たケイツに再度襲われてしまう。なんとか逃げ切ったゾロリは、神殿の先にかつて地下王国として機能していた集落を発見する。そして、10年前から地下王国に住み着いていたミミズク博士から、地下王国はかつて竜神と呼ばれる神の加護を受けて栄えていたこと、現在は竜神が姿を消しており、その影響で集落が廃れつつあることを聞かされる。そこにシズクが現れ、竜神を復活させるように依頼される。シズクに一目ぼれをしたゾロリは、宝と彼女をお嫁さんにするという目的から、これを引き受ける。

かいけつゾロリのはだかの王様

おむすびころりんの世界から帰還したゾロリは、みずから発明した絵本読み聞かせマシンであるよむZO~くんを用意し、図書館に集まった子供たちに回転塔に記録されたゾロリたちの旅について語って聞かせる。一方、ケイツのもとに妹であるケルミが現れ、ケイツが暴走させたよむZO~くんの攻撃に巻き込まれるが、ゾロリに助けられたことで彼に惚れてしまう。翌日、ガチャコンマシンから無色透明のパワーストーンを入手したゾロリとイシシノシシは、超時空マシンはだかの王様の世界へと赴くが、超時空マシンのトランクの中には、ゾロリを追うべくケルミが忍び込んでいた。たどり着いた先は、豪奢な雰囲気にあふれた城下町だった。ゾロリたちは、あんぱんが一つ5千円、ラーメンが一杯で1万円など、とんでもなく高い物価に驚きつつ、さらに、ゾロリの身に着けていた衣服が珍しいという理由で、住人たちから追い回される。その結果、衣服がボロボロになったゾロリは、修繕のためにある仕立て屋を訪れる。そして、ベルの父親に衣服をほぼ完全に直してもらうが、ベルの父親が病気がちで、ベル自身も彼の代わりに修繕の仕事をしたいと考えていたものの、とてつもなく不器用であったことからそれを果たせずにいた。そこにケイツが再び現れ、ママドグーを駆り、襲い掛かってくる。ゾロリはこれに対策すべく、ベルの協力を仰いでハンググライダーを作製し、これを使ってケイツらを追い払う。この一件でベルは自身のコンプレックスを払しょくし、ゾロリは前向きになった彼女に惹かれるようになる。そんな中、国王のプッチにより、王城でファッションコンテストの開催が宣言される。ゾロリは、ベルの父親の病気を治すため、彼女にコンテストへの参加をうながし、それに協力するように申し出る。数日後、ゾロリたちはそれぞれ変装してコンテストに参加する。そして、実際の童話『はだかの王様』をヒントに、裸のイシシとノシシを示して「賢くない者には見えない服」と称し、城中の注目を集める。しかし、プッチはこれに動じず、ゾロリたちは思わぬ苦戦を強いられる。

かいけつゾロリのアラジンと魔法のランプ

はだかの王様の世界から帰って来たゾロリイシシノシシは、コンロン博士と共に夏祭りを楽しむ。その中で、対戦式カードゲームであるバトルステージXを立ち上げて一儲けしようともくろむが、乱入してきたケイツと争った結果、失敗に終わる。翌日、ゾロリたちは金色のパワーストーンを使い、超時空マシンアラジンと魔法のランプの世界へと旅立つ。超時空マシンに同乗していたケルミと共に、アラビア風の街に降り立ったゾロリたちは、住民からかつて発生した初代アラジンと魔法使いによる大戦の話を聞き、さらに初代アラジンの末裔だというアラジン姫と出会う。ゾロリたちは、アラジン姫のがさつな仕草に啞然とするが、そこにアラジンの一族に対抗心を持つボンジャーが襲い掛かってくる。ゾロリは発明品を使って魔法使いボンジャーを退けるが、その直後に、アラジン姫からランプの魔人が反乱を起こしたこと、そして、その原因が、ノシシが描いたバトルステージX用のカードであるバーサーカーにあることを聞かされる。ゾロリたちはアラジン姫と協力して、ランプの魔人を元に戻そうとする。だが、ケイツと手を組んだ魔法使いボンジャーの手によってランプを奪われ、アラジン姫が連れ去られてしまう。ゾロリは、魔法のランプに加えてケイツの開発した超大型魔法発生器に対抗すべく、超時空マシンをメカニックナイトに改造する。そして、魔法のランプとアラジン姫を奪還すべく、イシシたちを伴ってボンジャーの居城へと突入する。

かいけつゾロリのジャックと豆の木

アラジンと魔法のランプから帰って来たゾロリは、イシシノシシから回転塔に記された白雪姫の世界の物語が改ざんされていることを知らされる。かつてゾロリと戦って鏡の中に封印された魔女のお妃が、ヤミの力と呼ばれる何者かによって復活し、白雪姫たちに復讐をもくろんでいるのだという。ゾロリたちは、レアストーンを使って、超時空マシンで再び白雪姫の世界へと旅立つ。時空間を抜けたゾロリたちは、かつて訪れた城が石化していることに愕然とする。そこに、白雪姫とグレンの息子であるジャックが現れ、両親と家庭教師になったもぐもぐが犠牲になったことを聞かされる。ゾロリたちは城に向かおうとするが、その矢先にケイツに襲撃され、それをきっかけとして超時空マシンが勝手に起動し、ゾロリたちを巻き込んでジャックと豆の木の世界へ転移する。この世界では、巨人族と呼ばれる体の大きな人々が何者かの手によって狂暴化しており、大小スイッチの影響でゾロリの体も大きくなり、巨人族の一味とカンちがいされる。ゾロリたちはこの現象が魔女のお妃によって引き起こされたものではないかと訝しむ。そして、襲ってきた巨人族を退けて村人の誤解を解き、ジャックの機転で植えられた種から伸びた豆の木を登り、王城の一室へとたどり着く。そこでミハエルという巨人族の召使いと出会い、彼女と協力して巨人族の洗脳の解除と、魔女のお妃の打倒を目指す。

かいけつゾロリの眠りの森の姫

白雪姫の世界を再び救ったゾロリイシシノシシは、魔女のお妃を変貌させたヤミの力の存在について思案を巡らせ、コンロン博士もまた、パワーストーンが、何か大いなる意思によって生み出された存在ではないかという仮説を立てる。そんな中、ガチャコンマシンから虹のような色彩のパワーストーンを引き当てたゾロリたちは、超時空マシンを使って眠りの森の姫の世界へと旅立つ。時空間を抜けたゾロリたちは、茨に覆われた荒れ果てた城を発見する。付近の住民によると、かつてお城には奇跡の石と呼ばれる四つの宝玉があり、代々の姫君がそれを使って奇跡を起こし、民衆の苦しみを解き放ってきた。オーロラ姫が生まれた際に黒魔術師が16歳を迎えた時に死亡する呪いをかけるものの、白魔術師がそれに対抗すべく、オーロラ姫が16歳になった際に100年間眠り続けることで、黒魔術師のかけた呪いが浄化するように仕組んだという。ゾロリは、奇跡の石とオーロラ姫に興味を抱き、自分の目で目覚める瞬間を見届けるべく、城の中へと突入する。しかし、城の中には、実際に眠っているオーロラ姫のほかに、霊体となったオーロラ姫が存在していた。彼女は眠りについているあいだに霊体として活動する術を身につけ、ある魔法使いが奇跡の石を使って具現化した遊園地で遊び続けていた。ゾロリは、肉体に戻るように説得するが、奇跡の石が見当たらなくなり、協力してこれを探すことになる。オーロラ姫は、ゾロリたちや、途中で合流したケルミと冒険を続けるうちに、彼らに惹かれていくが、その矢先に潜んでいた黒魔術師にさらわれてしまう。さらに、黒魔術師の途方もない魔力には、かつて白雪姫の世界で魔女のお妃を変貌させたヤミの力がかかわっていることが判明する。

登場人物・キャラクター

ゾロリ

「かいけつゾロリ」の異名を持つ、オスのキツネ。「いたずらの天才」を自称し、他者を欺く技術に長けている。陽気な性格で、未知の現象や世界を好む好奇心と、美しい女性を見るとすぐに結婚したくなる惚れっぽい一面を併せ持つ。欲望に忠実だが、面倒見がよく正義感も強いため、イシシやノシシをはじめ、多くの人々に慕われている。家族がいない寂しさを知っていることから身寄りのない子供に対して優しく、養護施設に自ら作り上げた発明品を提供したり、直接赴いて子供たちと遊んだりすることもある。卓越した頭脳と器用な手先を誇り、ナランペットやマンターマリン号をはじめとした超時空マシンを改造した乗り物など、さまざまな機械を自ら作っている。身体能力も高く、ライバルを自称するケイツやヤミの力の加護を受けた魔女のお妃や黒魔術師を退けるほど。母親のゾロリのママを深く敬愛しており、命を落としながらもゾロリを見守るために幽霊として存在し続ける彼女に対して、「ゾロリ城」と呼ばれる城の建築と、結婚相手を見つけ出すことで親孝行をしたいと考えている。ある時、コンロン博士を襲撃しているケイツを追い払い、その謝礼としてコンロン博士から受け取った設計図から超時空マシンを作り上げた。そして、コンロン博士が所持していたガチャコンマシンからパワーストーンを入手すると、うらしま太郎の世界やもも太郎の世界、白雪姫の世界など、さまざまな世界を巡り、ゾロリ城を建てるための元手となる資金およびそれを調達するための珍しい宝物や、結婚相手にふさわしい女性を探して冒険をするようになる。

イシシ

弟のノシシと共にゾロリに付き従っている、オスのイノシシ。食い意地が張っており、超時空マシンで旅立つ際は、異世界に存在する未知なる食材との出会いを何よりの楽しみとしている。料理が得意で、ノシシと共にかいけつゾロリ特製ネコまんまなど、さまざまな料理を作っている。ゾロリに対する信頼は非常に厚く、指示には忠実に従う。ただし、彼の惚れっぽい性格には若干辟易する様子を見せることも多い。ジャックと豆の木の世界では、個人行動をしている最中に魔女のお妃に見つかり、魔法で洗脳されたことでゾロリやノシシの敵に回ってしまう。そのうえ、おならを魔力で強化されたことで彼らを圧倒する。しかし、ケイツの操縦するイソフラドンの発射したトーフハンバーグを食べて力が増強されたノシシの放つおならの力に次第に圧されていく。さらに、ジャックやノシシから強く呼びかけられたことで魔女のお妃の魔法が解け、正気を取り戻した。

ノシシ

兄のイシシと共にゾロリに付き従っている、オスのイノシシ。イシシとは非常に仲がよく、巧みな連携でゾロリをサポートしている。頭脳労働はゾロリに任せることが多いものの、力持ちであるうえに手先が器用で、有事の際には超時空マシンの改造を引き受けることもある。イシシに負けず劣らず大食らいで、コンロン博士のバースデーパーティーではおにぎりの早食いを披露した。また、「片腕」の正しい意味をイシシに教えるなど、博学な様子を見せることもある。一方で、白雪姫の世界で、もぐもぐの住む家のシチューを無断で食べようとするなど、意地汚くそそっかしい一面を持つ。

ゾロリのママ

ゾロリの母親で、メスのキツネ。誰にでも優しく接する明るい性格で、息子のゾロリとは特に仲がよかった。過去の事故ですでに亡くなっているが、幽霊となってこの世に留まっている。しかし誰にも見ることができず、つねにゾロリのそばにいるにもかかわらず、彼からも認識されていない。ゾロリはもちろん、イシシやノシシ、ケイツに対しても温厚で、誰彼構わず「~ちゃん」と呼ぶ癖がある。時空間を渡ることも可能で、ゾロリたちが超時空マシンを使ってほかの世界に転移する際も、彼についていく。

ケイツ

ゾロリのライバルを自称している、オスのカエル。部下のおたまちゃん軍団からは「あにき」と呼ばれて慕われている。ゾロリからは名前を覚えられておらず、一貫して「ゲロゲロ」と呼ばれている。スナイパーのゴルゴルを護衛につけており、ゾロリと戦うときは彼の腕を頼りにすることが多い。スーパートレイサー01などの時空間を航行するマシンを独力で開発したり、転移先の世界で強力なマシンを現地開発したりするなど、ゾロリに匹敵する発明の腕を持つ。野心が強く、欲しいものは知恵や力を駆使して奪い取ることを信条としている。一方で、ゴルゴルや妹のケルミなど、身近にいる人物に対しては強い仲間意識を持っており、彼らを助けるためにゾロリと共同戦線を張ったこともある。早い時期から異世界への航行に興味を持ち、コンロン博士を襲って超時空マシンの設計図を奪おうとするが、争いに巻き込まれたゾロリによって妨害される。これ以降、ゾロリをライバル視するようになり、彼の超時空マシンに乗り込んでうらしま太郎の世界へ突入。そして、深海王国の客将となり、カニカーニZを使ってゾロリたちを倒そうとするが、水中戦に改良されたマンターマリン号に敗れ去る。この敗戦にもまったく懲りることはなく、スーパートレイサー01を開発して、ゾロリの巡る世界に渡っては彼を打倒するチャンスをうかがう。また、現代においてもゾロリの妨害を幾度も仕掛けているが、毎回失敗している。

コンロン博士 (こんろんはかせ)

天才的な頭脳を持つ科学者で、オスのキツネ。発見したパワーストーンを解析し、超時空マシンの設計図を組み上げる。その際に、ケイツから設計図を奪われそうになるが、通りがかったゾロリによって助けられる。返礼としてゾロリに設計図を譲り渡し、彼が実際に超時空マシンを組み上げると、研究所に超時空マシンをサポートするための施設を増設し、ゾロリやイシシ、ノシシの冒険のバックアップを担うようになる。プロ野球が大好きで、「リストラーズ」というチームの熱狂的なファン。日陰でも平気な強力な植物を育ててほしいという依頼を受けて食虫植物を育てたところ、あまりに強化しすぎてコンロン博士自身が食べられそうになるなど、後先考えずに行動した結果、災難に遭うことも多い。友人が経営している児童養護施設に多額の寄付を行っており、ゾロリと共に子供たちを楽しませるための催しを定期的に開催している。

ゴルゴル

ケイツに付き従っている、オスのチョウチンアンコウ。銃の腕は天下一品で、備えているスナイパーライフルによる長距離射撃を得意とする。スナイパーライフルには銃口に特殊弾頭を取り付けることが可能で、ケイツが発明したタバスコスーパーZや納豆弾を巧みに使いこなし、ゾロリたちを苦しめる。ただし、頭に付いている電球が破損すると、射撃の腕が極端に低下する。無口な性格で、ケイツともほとんど会話をすることがない。しかし、ケイツからは頼りにされており、ゴルゴル自身も彼やその妹であるケルミを大切に思っている。ふだんはケイツの指示どおりに動くが、ケイツたちの身に危険がせまったときは臨機応変に動き、場合によってはゾロリに味方をすることもある。趣味は魚釣りで、ヒマなときはよく水辺に釣り糸を垂らしている。

ケルミ

ケイツの妹にあたる、メスのカエル。兄とは対照的に心優しい性格だが、ケイツに会うために一人で実家から都会に出てくるほどの行動力を持つ。ケイツとゾロリが争ってる中に姿を現し、ケイツが暴走させたよむZO~くんに捕らえられる。しかし、結果的にゾロリに助けられる形になり、彼に一目ぼれしてしまう。それからは、ゾロリといっしょにいたいがためにたびたび超時空マシンに忍び込んで、ほかの世界を冒険するようになる。基本的に女性には優しいが、ゾロリやイシシ、ノシシ、ケイツ以外の男性には冷たく当たりがちで、はだかの王様の世界ではプッチとケンカばかりしていた。一方で、眠りの森の姫の世界では、イシシやノシシと共にオーロラ姫に寄り添い、彼女の心を開いた。

ヤミの力 (やみのちから)

悪しき心や強い憎しみを持つ存在に加護を与え、その力を強める性質を持つ謎の存在。正式名称は不明で、ゾロリたちからは「ヤミの力」あるいは「ヤミ」と呼ばれている。超時空マシンといった機械を介さずに、自在に複数の世界を渡る能力を持つ。冷酷な性格で、他者を道具としか思っておらず、力を貸した相手が失敗するとあっさりと見捨てる。ヤミの力自身と同様にさまざまな世界を巡り、各地で発生していた事件を次々と解決するゾロリを次第に疎ましく思うようになり、かつて鏡の中に捕らえられた魔女のお妃に力を与えて、王城や白雪姫、ジャック、もぐもぐを次々と石化させる。さらに彼女をジャックと豆の木の世界へと導き、巨人族をあやつらせて世界そのものを手中に収めようとするものの、ゾロリやジャックたちの活躍によって失敗に終わる。これにもあきらめることはなく、魔女のお妃を見捨てると眠りの森の姫の世界へと転移し、黒魔術師に加護を与えて暗躍を続ける。

亀きち (かめきち)

うらしま太郎の世界で暮らしている、オスのカメ。老齢であるため、ゾロリからは「カメジイさん」と呼ばれている。水玉模様の甲羅を背負い、口元には白いひげを生やしている。竜宮城で乙姫の従者を務めており、日々かいがいしく働いているが、時折狂暴化する彼女に手を焼かされることも多い。地上でも活動できることから、乙姫への捧げものを漁村から竜宮城まで運搬する役割を担う。また、地上の人々を竜宮城まで案内することもあり、そのために水中でも呼吸できる空気アメを常備している。運搬していた捧げものを深海王国の兵士たちに強奪されそうになった際に、ゾロリたちに助けられる。そしてそのお礼として彼らに空気アメを与え、さらに竜宮城へと案内する。

乙姫 (おとひめ)

うらしま太郎の世界で暮らしている、メスのネコ。「海の女神」の異名を持つ。竜宮城で暮らす哺乳類の例に漏れず、ネコでありながら空気アメを使わずに水中で活動できる。竜宮城の城主を務めており、亀きちや海の生き物たちはもちろん、海の平和を守る象徴として、漁村の住民たちからも広く慕われている。ゾロリが一目で気に入って結婚したいと考えるほどの、愛らしい容姿を誇る。一方で、極めて気まぐれな性格をしており、ふだんはおしとやかな振る舞いを見せるものの、気が昂ぶると所構わず暴れ出し、周囲に被害をもたらすことも多い。深海大王から気に入られ、たびたび強引なアプローチを受けているが、頑なに断っている。かつて竜宮城を訪れたうらしま太郎に思いを寄せており、彼に竜宮城の宝であるタマテバコを渡すが、それ以降音信不通となっている。タマテバコを狙う深海大王にそのことが知られると、うらしま太郎が危機に陥ることを懸念し、訪れたゾロリたちに対して彼とタマテバコを守るように依頼する。しかし、ゾロリたちがうらしま太郎のもとへ向かっているあいだに、ケイツと手を結んだ深海大王によって竜宮城を襲撃され、深海王国に連れ去られてしまう。

うらしま太郎 (うらしまたろう)

うらしま太郎の世界で暮らしている、オスのクマ。素直な心優しい性格で、かつて助けた亀きちから竜宮城に案内され、そこで出会った乙姫と心を通わせる。そしてその証として、乙姫からタマテバコを受け取り、その際に絶対に開けてはいけないという忠告を受ける。しかし、タマテバコの中身を知りたいという欲望に駆られて、ついに乙姫の忠告を無視してタマテバコを開け、老人の姿に変貌してしまう。それからはすっかり悲観的になり、次第に乙姫を逆恨みするようになる。それでもタマテバコを手放そうとせず、深海王国の兵士がせまってきても渡そうとはしなかった。その結果、彼らのあやつるマシンに捕獲され、タマテバコも奪われそうになるものの、ゾロリたちに助けられる。さらに乙姫が本気で自分を大切に思っていることを知り、彼女に対する誤解を解いたうえで、ゾロリを師匠のように敬い、共に竜宮城を守るために深海王国と戦うことを決意する。それからは、ゾロリに従ってタマテバコを守り通そうと心がけるが、深海王国と竜宮城の戦いが激化したことで、思わぬ苦難に見舞われる。

深海大王 (しんかいだいおう)

うらしま太郎の世界で暮らしている、オスのイカ。頭部には「だいおう」の文字が刻まれ、サングラスをかけている。欲深く傲慢な性格で、海底で深海王国と呼ばれる国家を興し、竜宮城や地上を侵略して、世界のすべてを手中に収めようと動き出す。部下に対しては高圧的ながらも頼もしさを感じさせる一面を見せることも少なくなく、深海王国の住民からは基本的に支持されている。ただし、執事からは性急な計画を内心懸念されるなど、完全に信頼されているというわけではない。乙姫を気に入っており、いずれ自分の妻として娶ろうと考えているが、彼女からはまったく相手にされていない。侵略の一環として、部下に地上からの略奪やタマテバコの捜索を命じ、深海大王本人は竜宮城を襲撃する計画を立てる。しかし、竜宮城に用心棒として雇われたゾロリやうらしま太郎と交戦状態となる。戦いの中でタマテバコが暴走すると、その影響で赤ちゃんの姿に変化し、それに伴ってすべての記憶を失う。そして、乙姫から許されたうえで、かつてのような傲岸不遜な性格にならないようにと、彼女とうらしま太郎の養子として育てられることとなる。

マリリンちゃん

深海王国のバイオテクノロジーによって誕生した性別不明の巨大生物。深海大王からは「モンスターペット」と呼ばれている。言葉を発することができないが、無邪気な性格で、目の前で動くものを巨大な足で絡め取る習性を持つ。また、口からはくっつきタコスミを吹きかけられるなど、標的の自由を奪うことを得意としている。捕らわれた乙姫を助けるために深海王国の首都に乗り込んだゾロリの前に現れ、彼やイシシ、ノシシを次々と行動不能に陥れる。しかし、暴れ出した乙姫の攻撃に巻き込まれた結果、所構わずくっつきタコスミを撒き散らし、深海王国の勢力にも多大な被害を及ぼす。さらに解放されたゾロリから空気アメを与えられると、その影響で激しく泡を吹き、そのスキを突いて足をタコ結びにされ、自由を奪われる。

執事 (しつじ)

うらしま太郎の世界で暮らしている、オスのイソギンチャク。深海大王に執事として仕えており、深海王国では事実上のNO.2と認識されている。深海大王に対しては基本的に忠実だが、彼とは逆に冷静かつ思慮深い性格をしている。竜宮城にスパイを送り込むなど、権謀術数に長けている。一方で、深海大王の強引なやり口をあまり快く思っておらず、彼を止められなかったことを内心で悔いている。のちにゾロリとの戦いでタマテバコが暴走し、深海大王が赤ちゃんまで若返ると、竜宮城に対して深海王国の所業を謝罪する。さらに、若返った深海大王を養子として育てると宣言した乙姫に深海大王を託す。

タイヤキスーパー

深海王国で開発されたスパイ用のロボット。たい焼きに擬態して周囲の様子を盗撮および盗聴し、深海王国へ直接伝える機能を持つ。また、マイク機能も備わっており、瞳の部分から深海大王の言葉を発することも可能。執事の手によって竜宮城に派遣され、タマテバコの行方を探る。そして、亀きちによって招かれたゾロリと乙姫の会話から、現在はタマテバコがうらしま太郎の手の中にあることが判明すると正体を現し、その情報を深海大王に知らせてしまう。

スパイダー麺 (すぱいだーめん)

機械城の番人を務めている、セキュリティーロボットの一機。剣道の面をかぶり、腕が六本生えているのが特徴。ふだんは「めんや」と呼ばれる食堂を経営しているが、機械城への侵入者を確認するとうどんを紐代わりにあやつって拘束しようとする。事故によって機械城を訪れたゾロリやイシシ、ノシシに対して攻撃を仕掛け、瞬く間に三人を捕らえることに成功する。しかし、体を縛っているものがうどんであることが知れると、食い意地が張っているイシシとノシシに根こそぎ食べられてしまい、通過を許さざるを得なくなる。

兄弟ロボット (きょうだいろぼっと)

機械城の番人を務めているセキュリティーロボットの一群。人の頭ほどの大きさで、「一郎」から「十一郎」までの11機で構成されている。連携が得意で、侵入者が現れた際には、一機の巨大なロボットを全員であやつり、攻撃を仕掛けるという手法を取っている。ゾロリやイシシ、ノシシが機械城に潜入した際も同じ手段を使い、一度は彼らを圧倒する。しかし、スパイダー麺のうどんを首に引っ掛けられて転倒し、その正体が露見してしまう。

エレベーターガール

機械城の番人を務めている、セキュリティーロボットの一機。人間の女性に近い上半身と、浮遊する半球のような下半身で構成されている。機械城に設置されているエレベーターをコントロールし、エレベーターに乗った相手が指定した場所へと運ぶ役割を担っている。また階層のみならず、特定の人物のいる場所を指定された場合も、その人物に最も近い場所へと運ぶなど、融通が利く。スパイダー麺や兄弟ロボットとは異なり、侵入者を排除する役割は持っておらず、ゾロリやイシシ、ノシシが訪れた際にも、彼らのボスの場所に行きたいという訴えを聞き入れ、言われたとおりにボスの部屋までの最短ルートを案内する。

キララ

もも太郎の世界で暮らしている、鬼の少女。明るく前向きで、助けた恩を忘れない義理堅い性格をしている。生まれた時から親がおらず、おにのやの主人に拾われ、育てられる。その中でお店の手伝いをしていくうちに料理の腕を上達させていき、その腕を見込んだ大将のもとで食事係として働くようになる。ある時、鬼が島でばけもの鳥に襲われていたところを、ブラックストーン現象から解放されたゾロリやイシシ、ノシシに助けられる。そのお礼として、ゾロリたちを大将に紹介し、彼らが食事係として働けるように取り計らう。ばけもの鳥の襲撃で城下町が荒れ果てた時は、施設を立て直すため、ゾロリたちやポンダじいさんと共に作業に従事する。鬼でありながら長いあいだ角が生えることがなく、コンプレックスの一因となっていたが、もも太郎がゾロリとの戦いの中で角が生えていることが発覚すると、ほぼ同時に頭に大将と同じ色の角が生える。これによって、大将の実の娘であることと、もも太郎の双子の妹であることが判明する。

ばけもの鳥 (ばけものどり)

もも太郎の世界に生息している、性別不明の巨大な鳥。目の前にあるものを手あたり次第に破壊するほど狂暴で、一度手傷を負わせた相手を執拗に付けねらう執念い性格をしている。一方で、素直じゃないながらも、助けられた恩を忘れない義理堅さも持ち合わせる。過去の世界で、もも太郎が入った保育器をつかんだまま飛行していたが、ブラックストーン現象によって現れたゾロリにフライパンで殴られ、保育器を奪われる。これをきっかけとして、ゾロリに対して恨みを持つようになる。その後もたびたび鬼が島やその周辺で悪さを働いていたが、鬼が島の城下町を襲撃した際に、ゾロリの乗ったバードジェットと激戦を繰り広げる。その結果、敗北したばかりか火山の火口に落下しそうになるが、ほかならぬゾロリによって助けられる。このことに恩義を抱き、いたたまれなさから一度は彼らのもとから飛び去るものの、火山の噴火でゾロリが危機に陥った際に駆け付ける。

大将 (たいしょう)

もも太郎の世界で暮らしている、鬼の男性。鬼が島に住んでいる鬼たちを束ねる存在で、住民たちからは「大将」と呼ばれている。豪放磊落な性格で、面倒見がいいことから部下たちの信頼は厚い。かつては心優しい平和主義者だったが、妻を亡くしたうえに、彼女が産んだ双子の兄妹が行方不明になり、彼らを捜しているうちに人間たちから冷たい仕打ちを受けたことで性格が歪んでいき、すっかり乱暴な性格に変貌してしまう。現在は鬼が島の周辺にある人里に攻め込み、宝物を強奪するなどの悪事を働いている。さらに、城下町の職人たちにも武器ばかり作らせており、そのことを懸念する住人もいる。実力を重んじ、突然鬼が島を訪れたゾロリやイシシ、ノシシのことをしばらく怪しんでいたが、彼が攻め込んできたケイツを追い払ったことでその腕前を認め、鬼でないにもかかわらず自身の側近として取り立てる。そして、彼に鬼が島の防衛を任せつつ、手勢を率いて侵略に出向くが、すれ違うようにケイツがもも太郎を伴い、鬼が島に攻め込んでくる。しかし、戻って来た時にもも太郎とキララに角が生えているのを見つけ、彼らが大将自身の子供であると確信する。そして、子供たちを見つけた喜びと、彼らに恥じないようになりたいという願いから元の優しい性格に戻り、奪った宝物をすべて返す。それからは、自分や子供たちの恩人であるゾロリのために、鬼が島を「ゾロリランド」というレジャー施設に造り替える。

おにのやの主人 (おにのやのしゅじん)

もも太郎の世界で暮らしている、鬼の女性。穏やかな性格で、料理が得意なことから「おにのや」と呼ばれる弁当屋を営んでいる。オニギリジョーの祖母にあたるが、現在は彼が修行中であることから、離れて暮らしている。ある時、桃型の保育器を発見し、その中に入っていたキララを引き取る。そして、キララと共におにのやを盛り立て、やがて大将御用達の店にまで繁盛させる。かつての心優しい大将のことを知っており、横暴な性格に変貌したことを嘆く。また、彼の命令によって城下町の大工さえも武器の製作に追われており、住居の老朽化が進んでいることを憂いている。

もも太郎 (ももたろう)

もも太郎の世界で暮らしている少年。生まれてすぐに桃型の保育器に入り、それを拾ったもも太郎の祖父母に「もも太郎」と名づけられ、育てられた。純粋で正義感が強く、鬼が島の鬼たちが周囲の人里を荒らし回ることを許せずにいる。正々堂々とした戦いを好むほか、得体のしれない相手でも迷わず助けるなど、情け深い性格をしている。ある日、鬼が島の対岸の村で、スーパートレイサー01でゾロリたちを追って来たところ、航行中の事故によって気絶していたケイツとゴルゴル、スーパーおたまちゃんを発見し、彼にきびだんごを分け与えて介抱した。さらにその際、鬼たちや彼と同行しているゾロリの姿を確認すると、あらためて彼らを退ける決意を固め、ケイツたちと共にみずから鬼が島へ乗り込む。しかし、ゾロリたちとの戦いの中で、額にキララや大将と同じ色の角が生えていることが明るみに出ると、もも太郎自身が大将の息子で、キララの兄にあたることが明かされる。また、かつて保育器に入ったままばけもの鳥に連れ去られたところを、ブラックストーン現象でタイムスリップしてきたゾロリたちに助けられていた過去が判明するが、もも太郎自身がそれを知ることはなかった。

もも太郎の祖父母 (ももたろうのそふぼ)

もも太郎の世界で暮らしている、クマの老夫婦。いずれも心の優しい性格で、夫は大らかだがそそっかしく食い意地が張っており、桃型の保育器を本物の桃と間違えるほど。妻は家事が得意で、栄養満点のきびだんごを作り上げる。万病に効く鬼が島の対岸の村に長いあいだ住んでおり、ある時川に流れ着いてきた桃型の保育器の中から赤ん坊を発見し、「もも太郎」と名づけて大切に育てる。もも太郎が勇敢な少年に育ったことを喜んでおり、彼がケイツと共に鬼が島に攻め込むことを宣言した時も、心配しながらも彼の意見を尊重し、送り出す。しかしその際に、60キログラム分ものきびだんごを渡すなど、過保護な一面も見せる。

スーパーおたまちゃん

おたまちゃん軍団に所属している、性別不明のオタマジャクシ。ケイツからバイオテクノロジーによる改造が施されており、その証として額に「S」のマークが付けられている。水に浸かると巨大化する特性を持つ。好奇心旺盛で、ケイツの行動を時折真似することがある。ケイツやゴルゴルと共に、スーパートレイサー01でもも太郎の世界を訪れる。鬼が島から大将やゾロリが攻めて来た時は、巨大化して鬼が島の軍勢を蹴散らすほどの活躍を見せる。しかし、ゾロリがコショウ入りの特製クラッカーを使うと、大きなくしゃみを放つことで距離が空いてしまい、結果として彼らを逃がす羽目になる。その後もケイツやゴルゴルに付き従い、さまざまな世界をいっしょに回ってゾロリたちと対決する。

ポンダじいさん

もも太郎の世界で暮らしている、鬼の男性。城下町で工場長を務めている。かつては祖先から受け継いだ工場で、飛行船用のジェットエンジンを開発していたほか、家屋の立て直しや機械の修繕など、さまざまな業務を請け負っていた。だが、大将から武器や侵略のために使う戦艦以外の製作を禁止され、かつての情熱をすっかり失ってしまう。さらに、工場をばけもの鳥に襲われるという災難に見舞われる。しかし、ゾロリがばけもの鳥を退治することを宣言すると、その意気に触発されて、仲間たちと共に超時空マシンを改造する手助けを行う。その結果、バードジェットを完成させ、ばけもの鳥を倒すきっかけをつくった。大将が優しい心を取り戻すと、その腕を振るって、鬼が島を「ゾロリランド」と呼ばれるレジャー施設へ造り替える一助となる。

オニギリジョー

もも太郎の世界で暮らしている、鬼の男性。おにのやの主人の孫。義理の妹であるキララと仲がよく、彼女からはなんでもそつなくこなす器用さを尊敬されている。口調がやや独特で、しゃべるときは語尾に「ジョ」を付ける。ストイックな努力家で、自分が納得するものを作り上げることに情熱を燃やす傾向にある。おにのやの主人に似て料理が大の得意で、得意料理のおにぎりは、ゾロリが掛け値なしに賞賛するほど優れた味を誇る。オニギリジョー自身は、それでも自分の腕前に納得しておらず、いまだに究極のおにぎりを作れないことに苦悩していた。しかし、ゾロリからケイツの侵攻に対抗するためのカムフラージュ用のおにぎりの調理を依頼され、城下町の人々と協力して多数の鬼ぎりを作ると、個人の力ではなく、大勢の人々が思いを込めて作り上げてこそ究極のおにぎりが完成することを確信する。

デビルッキー

ケイツが開発した、猿の形を模しているロボットの軍勢。強靱な牙を備えており、鉄でできたものを食らいつくすようにプログラムされている。ワンワンダーの内部に搭載されており、ゾロリとケイツがもも太郎の世界で戦った時は、ワンワンダーの舌を伝ってバードジェットに取りつき、集団でバードジェットの装甲を食い破り、墜落させようとする。しかし、ゾロリの機転でバードジェットが火山の火口に向かうと、高熱と粉塵によって回路が侵食されてしまう。

ゼニパーン

りんご園を利用して、不正に利益を得ようとしている、オスのパンダ。欲深く傲慢な性格で、りんご園のオーナーを拘束し、彼らが企画していた子供を対象にしたりんご狩りイベントを、1万円の参加費を取るように作り替える。さらに、アップルビーという宝石をでっち上げ、参加への欲を煽ろうとする。しかし、ゾロリやイシシ、ノシシが参加費を払わずにアップルビーを盗み取るために忍び込んで来たことに気づくと、巨大なパンダ型の戦闘マシンを持ち出して攻撃を仕掛ける。その結果、彼らを追い払うことには成功したものの、この騒ぎによって警察が駆け付ける。そして、オーナーを拘束していたことが発覚し、逮捕されてしまう。

白雪姫 (しらゆきひめ)

白雪姫の世界で暮らしている、メスのウサギ。ゾロリが一目ぼれするほどの美しい容姿と、誰に対しても分け隔てなく接する優しい心を併せ持つ。辺り一帯を治めている王国の王女で、白雪姫の母親をはじめ、優しい家族や家臣たちと共に平和に暮らしていた。母親が亡くなり、彼女の後妻として王宮に入った魔女のお妃が本性を現すと、父親や家臣をモンスターに変えられていく中で白雪姫自身はあえて姿を変えられず、老朽化した部屋に住まわされる。それからは、部屋にある鏡の中にいるグレンとの会話を心の支えにして、魔女のお妃からの嫌がらせに耐え続けてきた。その中で、超時空マシンから投げ出されて気を失ったゾロリやイシシ、ノシシを見つけて介抱するが、ゾロリの不注意によって魔女のお妃から嫉妬され、本格的に命を狙われることになる。一時は彼女の手から逃れるべく、もぐもぐとその兄弟が住む小屋で保護されるが、のちにゾロリたちと共に魔女のお妃が主催するパーティーに乗り込み、彼女の悪行をパーティーの参加者たちに晒す。さらにゾロリが魔女のお妃を倒したことで、モンスター化した親族や家臣たちと再会を果たす。その後は、国王となったグレンと結婚し、彼とのあいだに一人息子のジャックが生まれ、家族と共に幸せな生活を送る。しかしその数年後に、ヤミの力によって復活を果たした魔女のお妃に襲撃され、居城ごと石化されてしまう。

グレン

白雪姫の世界で暮らしている、オスのイヌ。白雪姫の父親が治める国の隣国の王子で、やがて白雪姫の父親から白雪姫の婚約者として認められる。白雪姫からはそのことを認識されておらず、現在はグレンが彼女を一方的に知っているという関係になっている。しかし、魔女のお妃によって住んでいる国が荒らされた結果、彼女がかけた魔法によって鏡に封じられ、現在はその中で暮らすことを余儀なくされている。ただし、鏡本体を内部からコントロールできるほか、外部の様子を映し出すなど、魔女のお妃も知らない機能を使いこなすため、あまり不便を感じていない。やがて鏡を白雪姫の部屋に配置し、自身の正体を明かさずにしゃべる鏡を自称して白雪姫と会話し、情報収集を行うとともに自らの心の支えとしてきた。のちに、白雪姫の部屋で手当てを受けていたゾロリやイシシ、ノシシを鏡の中に招き、面識を得る。そして、ゾロリが白雪姫に協力して魔女のお妃を打倒する姿勢を見せると、彼らのサポートを行うことを決める。ゾロリがケイツに敗北し、白雪姫が王城の牢屋に入れられたことを機に動き出し、鏡を操作して牢屋に忍び込み、白雪姫を保護することに成功する。さらに、魔女のお妃が散り際に放った鏡に封じる魔法を反射し、逆に彼女を別の鏡に封じ込め、呪いが解けて自由の身となる。事件解決後に白雪姫のフィアンセであることを明かし、のちに彼女と結婚して隣国と白雪姫の国が併合された国の王となる。その数年後、彼女とのあいだに一人息子のジャックが生まれ、家族と共に幸せな生活を送っていた。しかし、ヤミの力によって復活を果たした魔女のお妃に襲撃され、居城ごと石化されてしまう。

ジャック

白雪姫の世界で暮らしている、オスの犬。白雪姫とグレンの息子で、彼らが治める王国の王子にあたる。まだ幼く、しゃべり方がおぼつかないほか、家族を思って泣き出すこともある。また、人懐っこさと礼儀正しさを併せ持ち、信頼した相手に対して甘えたり、気遣ったりすることも多い。その一方で人一倍の勇気と決断力を誇り、時折ゾロリを驚かせるほどの思い切った行動を見せる。白雪姫の世界がゾロリの活躍によって平和になってから数年後に誕生し、両親と家庭教師のもぐもぐと共に、王城の中で育つ。しかし、ヤミの力によって復活を果たした魔女のお妃が王城に呪いをかけると、それに巻き込まれる前にもぐもぐの手によって城の外に逃がされる。それからは、途方に暮れて泣いていたが、レアストーンの力で再び白雪姫の世界に転移してきたゾロリやイシシ、ノシシと出会う。そして、両親やもぐもぐが今でもゾロリたちに恩義を感じていることを語るが、レアストーンの力による二度目の転移に巻き込まれ、ゾロリたちと共にジャックと豆の木の世界に飛ばされてしまう。転移後は自らの意思でゾロリたちと共に事件を解決し、両親ともぐもぐを助けることを志す。

魔女のお妃 (まじょのおきさき)

白雪姫の世界で暮らしている、メスのネコ。500年以上の時を生きており、さまざまな魔法を使うことができる。かつては貧しい生まれの一般国民で、息子であるアンリに愛情を注ぐ優しい母親だった。しかし、その生まれゆえに周囲からは冷たく扱われ、それが災いしてアンリを病気で亡くしたことで憎しみの心にとらわれる。そこをヤミの力に付け込まれ、力を与えられることで魔女としての姿を手に入れる。それからは、以前の優しさがウソのように冷酷な性格となり、グレンを鏡の中に封じ込めたうえに彼の住む国を蹂躙して、白雪姫の父親やその臣下に魔法をかけてモンスターの姿に変えるなど、悪逆の限りを尽くす。また、魔女のお妃自身の美貌を維持することに心血を注ぎ、鏡の中のグレンに対して自身が美しいと褒めたたえることを要求するといった、ナルシストな面が目立ち始める。ただし、時を経るごとに体の老化が目立つようになり、現在は魔法のクスリを定期的に服用しなければ美貌を維持できない。国の有力者たちには王や家臣たちがモンスターになったことを伏せて、自分の都合のいいように国を動かそうとする。だが、白雪姫の依頼を受けたゾロリによってたくらみを阻止され、直接対決に敗れると、最後の手段として彼を鏡の中に封じ込めようともくろむものの、グレンの操作した鏡に魔法を跳ね返されたことで、逆に鏡に閉じ込められ、行動不能に陥る。その数年後に、ヤミの力によって新しい力を与えられたことでさらなる強化を果たし、肉体の枷が外れたことで自らの力で鏡の中から脱出する。そして、新しい力を振るって白雪姫やグレン、もぐもぐを住んでいる城ごと石化させる。さらにジャックと豆の木の世界へと転移し、天の街に住む兵士たちを魔法で洗脳することで手中に収める。だが、レアストーンの力でジャックと豆の木の世界にやって来たゾロリによって計画を阻止され、再度追い詰められる。

アンリ

魔女のお妃の息子にあたる、オスのネコ。ネコでありながら、ジャックと瓜二つの容姿を持つ。母親がヤミの力によって魔女になる以前に、共に白雪姫の世界に住んでいた。貧しいながらも寄り添い合って暮らしており、互いを大切に思っていた。しかし、ある時病気にかかり、お金がないことから満足な治療を受けられず、亡くなる。自分の境遇を嘆くことなく、母親と共に過ごせた日々を幸せと言い切り、最期の瞬間まで感謝していた。だが、魔女のお妃は心のよりどころとしていたアンリがいなくなったことで深い憎悪にとらわれ、ヤミの力に付け込まれるきっかけとなってしまう。

もぐもぐ

白雪姫の世界で暮らしている、オスのモグラ。郊外の一軒家で、六人の兄と共に暮らしている。小柄で非力だが、その分頭脳に秀でており、大小スイッチをはじめとしたさまざまな機械を発明し、兄たちの労働や生活を助けている。そのうえ、スーパーデリシャスアップルXを食べてしまったゾロリを助ける手段を解明するなど、植物に関する知識も豊富。これらの点から、兄たちからも自分たちにない長所を持っていると頼られており、そのことを誇りに思っている。ある日、家の中にあったシチューをノシシに食べられたことから、彼やゾロリたちを泥棒扱いし、大小スイッチを使ってお仕置きしようとする。しかし、白雪姫が同行していたために誤解であることを悟り、さらに彼女の頼みを受けて家の中に彼女をかくまう。ゾロリが魔女を退治したあとは、白雪姫とグレンからの希望で、彼らの息子であるジャックの家庭教師になる。ジャックからも慕われていたが、ある時ヤミの力の加護で復活した魔女のお妃の魔法を受けて、白雪姫やグレンと共に石化される。だが、ジャックを大小スイッチで縮小させてからラジコン飛行機に乗せることで、彼だけは石化に巻き込まずに済ませられた。

ジョマネットキサキ

もぐもぐとその兄弟たちが住む家に突如として訪れた、オスのネコ。ゾロリの前に現れると、巧みな話術で彼にスーパーデリシャスアップルXを売りつけることに成功する。その正体は魔女のお妃が変身した姿で、本来はスーパーデリシャスアップルXを白雪姫に食べさせて昏睡させるつもりだった。しかし、おなかを空かせたゾロリが自らスーパーデリシャスアップルXを食べてしまい、もくろみは失敗に終わる。

ゴンリー

スーパーデリシャスアップルXの中に潜んでいる、りんごを司る精霊。もとは穏やかで心優しい性格だったが、魔女のお妃の魔法によって狂暴化させられ、その影響からスーパーデリシャスアップルXを食べた人を昏睡させてしまうようになる。ゾロリがジョマネットキサキに変装した魔女のお妃から渡されたスーパーデリシャスアップルXを食べて昏睡したため、大小スイッチで小型化したイシシとノシシに付け狙われる。内部構造を知り尽くしていたことから、捕まることなく逃げおおせたかに見られた。しかし、イシシたちが強烈なおならを繰り出すと、あまりの臭さに悶絶し、ショックで洗脳が解けてしまう。

かぐや姫 (かぐやひめ)

かぐや姫の世界で暮らしている、メスのウサギ。光る竹の中で眠っていたところを竹取りじいさんに拾われて養女となり、「かぐや姫」と名づけられて育てられる。ふだんは温和かつ心優しい性格で、容姿も相まって、ゾロリを含めた多くの男性から人気を集める。そのため、求婚する人が絶えずにやがて収拾がつかなくなり、かぐや姫の結婚相手を選出するためのおむこさんチャンピオン大会が開催されるほど。しかし、おむこさんチャンピオン大会の本選に出場する男性が決まると、今までの性格がウソのように冷酷になり、参加者全員に無理難題を吹っ掛ける。とりわけ幼なじみであるおおともの大納言に対しては、暗黒神殿に赴き、暗黒神殿のドラゴンが身につけている首飾りを取ってくるように命じるなど、特に厳しく接する。その正体は月の王国の姫君で、激しい争いに巻き込まれた都から遠ざけるためにやむなく地上へと送られたことがのちに判明する。おむこさんチャンピオン大会の出場者に厳しい態度を取ったのも、実際に男性たちを嫌っていたわけではなく、地上の人々に嫌われることで未練を断ち切るためである。

竹取りじいさん (たけとりじいさん)

かぐや姫の世界で暮らしている、オスのキツネ。住処(すみか)の近くに生えている竹を採取して売買して生計を立てているほか、竹を建物の材料として加工したり、タケノコを料理の素材として利用したりしている。かつて赤子だったかぐや姫を拾い、竹取りじいさんの妻と共に養女として育てており、実の親の顔を知らないかぐや姫にとってはかけがえのない存在となっている。若干猜疑心が強く、見覚えのないゾロリに対して罠を仕掛けて追い払おうとする。一方で、受けた恩に報いる義理堅さも併せ持ち、トラブルからケイツに襲われたところをゾロリに助けられると、非礼を詫びて家へと招待する。

竹取りじいさんの妻 (たけとりじいさんのつま)

かぐや姫の世界で暮らしている、メスのキツネ。料理が得意で、竹取りじいさんの取ってきたタケノコを調理することが多い。竹取りじいさんが拾ってきたかぐや姫をいっしょに育て、惜しみない愛情を注いできたことで、かぐや姫からも深く慕われる。些細なことでは取り乱さない性格で、竹取りじいさんがスーパートレイサー03を捕獲したゾロリを連れてきた時も、動じることなくスーパートレイサー03の調理を行う。一方で、ゾロリのファッションセンスを問題視しており、かいけつゾロリとしての衣装を見た時は若干冷ややかな視線を向けていた。

おおともの大納言 (おおとものだいなごん)

かぐや姫の世界で暮らしている、オスのネズミ。控えめでお人よしながら、芯の強い性格をしている。有力者の息子で、幼い頃にかぐや姫をいじめっ子から助けたことで親しくなる。やがて彼女に淡い恋心を抱くようになり、思い切っておむこさんチャンピオン大会に出場する。予選ラウンドでは、ゾロリをはじめ、ほかの参加者にも後れを取るほどだったが、敗者復活戦を勝ち抜き、六人目の決勝出場者に抜擢される。決勝戦では心を鬼にしたかぐや姫から、暗黒神殿のドラゴンが持つ首飾りを取ってくるようにせまられてしまう。さらに、おむこさんチャンピオン大会の開催を妨害しようとするケイツに追われるが、ゾロリに助けられる。そして、利害の一致からゾロリと共に暗黒神殿のドラゴンを追うことになる。

お化けまつたけ (おばけまつたけ)

かぐや姫の世界に生息しているマツタケの一種。ゾロリの身長ほどの大きさを誇り、当初はその巨大さから「お化けまつたけ」と呼ばれていた。しかし実際は意思を持っており、出会った相手になぞなぞを出すことを好む。さらに水をかけると暴れ出すという性質を持つが、暗黒神殿のドラゴンが守っているという聖水は例外で、その聖水といっしょに煮込むことで何よりもおいしい吸い物が完成する。

あべの右大臣 (あべのうだいじん)

かぐや姫の世界で暮らしている、オスのパンダ。欲深い性格の持ち主で、高い能力を誇るにもかかわらず、他者を陥れて漁夫の利を得ることを好む。ゾロリやおおともの大納言と共におむこさんチャンピオン大会に出場するが、彼らと異なりかぐや姫には興味がなく、彼女と結婚することで社会的なステータスを向上することを目的としている。予選を実力で勝ち進むが、本選ではゾロリとおおともの大納言以外の参加者を騙して失格に追い込み、ゾロリをライバル視するケイツと手を組んで、残りの参加者も失格させようとする。しかし、ケイツに裏切られてあべの右大臣自身も失格になった挙句、悪行を知ったかぐや姫に卑怯者と誹謗される。

暗黒神殿のドラゴン (あんこくしんでんのどらごん)

かぐや姫の世界の「暗黒神殿」と呼ばれる洞穴に生息している、性別不明の巨大生物。恐ろしい生態を持つといわれているが、その噂に反して見た目は非常に愛らしい。しかし実際はかわいく見られる着ぐるみを着ているだけで、中身は噂どおりの恐ろしい姿をしている。さらに、寝起きが悪く、足元につけているネックレスを取られると、目を覚まして所構わず暴れ出す。

フローラ

赤ずきんの世界で暮らしている、メスのネコ。署長の孫で、彼女が住んでいる家の近くの街でお菓子を売って生計を立てており、旅人には無料でケーキを振る舞うこともある。街で冷たい仕打ちを受けたゾロリの前に現れてケーキを差し出し、その容貌と性格から彼に一目ぼれされる。世間を騒がせている「怪盗赤ずきん」の正体で、オオカミポリスからも危険視されていた。実際は、オオカミポリスが街の人々から奪った物を盗み返す義賊で、ビッグゴッドを倒しておばあちゃんを警察署長に復帰させることを目標としている。世間から危険視されている理由は、オオカミポリスの情報操作によるものである。デーモン警部に匹敵する身体能力を誇り、レイピアを巧みにあやつってオオカミポリスをやすやすと打ち倒す。活動中にビッグゴッドにそそのかされたゾロリと遭遇すると、互いに正体を知らないまま戦闘になり、ナランペットによる攻撃を仕掛けられる。しかし、親父ギャグが大好きであることからまったく効果がなく、ゾロリを驚かせる。その中で、オオカミポリスがゾロリもろとも排除しようと動いたため、彼と共闘して窮地を乗り越える。なお、おばあちゃんからはフローラが怪盗赤ずきんであることを知られていない。

デーモン警部 (でーもんけいぶ)

赤ずきんの世界で暮らしている、オスのトラ。オオカミポリスに所属しており、その能力の高さから警部の地位までのぼり詰める。身体能力が非常に高く、ゾロリのナランペットによる攻撃をすべて避けるほどの敏捷性を誇る。また、ステッキの先から火炎を放射することが可能で、オオカミポリスの部隊を壊滅させたゾロリを追い詰める。真面目な性格で、署長の下で働いていた時は、彼女からも頼りにされていた。ビッグゴッドが新しい署長になると、静かに付き従いつつ街の人々を苦しめる彼を諫めることもせず、やがてフローラや街の住民たちから恐れられるようになる。しかし実際は、ビッグゴッドに部下の警察官を人質にされたためにやむなく従っており、ビッグゴッドを倒すチャンスをうかがっていた。のちにイシシとノシシが人質を助け出すと、ゾロリやフローラと共闘してビッグゴッドを打ち倒す。街に平和が戻ったあとは、復帰した署長を支えつつ、オオカミポリスの去った警察署の立て直しに奔走する。

ビッグゴッド

赤ずきんの世界で暮らしている、オスのオオカミ。オオカミポリスの署長で、側近としてデーモン警部をはじめとする多数のオオカミポリスを従える。デーモン警部以上の巨体で威圧感を漂わせており、傲慢ながらも豪快な性格の持ち主。圧倒的な秩序をもって街を支配し、人々から恐れられている。そのうえ、オオカミポリスを意のままにあやつり、人々から金品を徴収するなどの悪事を働いていたが、怪盗赤ずきんとして活動するフローラに妨害されるようになる。そのため彼女を指名手配し、怪盗赤ずきん対策として親父ギャグを口にすることを禁止する。さらに赤ずきんの世界を訪れたゾロリたちに、高額の報酬と引き換えに怪盗赤ずきんを倒すように依頼する。しかし、約束を守るつもりはもともとなく、彼らが争っている最中にまとめて仕留めようともくろむ。だが、そのことをゾロリに知られたうえで取り逃がし、ゾロリとフローラが結託するきっかけとなる。その正体は、指名手配されているギャングのボスである「ヒョロリーノ・ドン・ウルフ」で、パワードスーツをまとうことで姿を隠し、ひそかに捕らえていた警察官を人質にデーモン警部を従えていた。しかし、イシシとノシシが人質を助け出したことでデーモン警部から裏切られ、切り札の攻撃用のマジックアームで抵抗するものの、まとっていたパワードスーツを脱がされて真の姿を暴かれてしまう。

おばあちゃん

赤ずきんの世界で暮らしている、メスのネコ。フローラの祖母で、彼女からは「おばあちゃん」と呼ばれている。現在は腰を悪くしながらも畑仕事で生計を立てている。かつては街の警察署長を務めており、デーモン警部ももともとはおばあちゃんの部下であった。しかし、ビッグゴッドに敗れて警察署長の座を奪われ、警察署もオオカミポリスに乗っ取られる。さらに、ゾロリとフローラが手を組んでビッグゴッドに歯向かうと、その報復としてオオカミポリスに拉致されてしまう。のちにイシシとノシシの活躍によって救出され、ゾロリたちがビッグゴッドを倒したあとは警察署長に復帰し、オオカミポリスの撤退した警察署をデーモン警部と共に立て直す。

バーリー

「バーリー社」と呼ばれるおもちゃ会社の社長を務めている、オスのイヌ。決断力と柔軟な思考を併せ持つ敏腕社長で、その能力を発揮してバーリー社を世界有数の企業に育て上げた。ゾロリの知識や手腕による発明を高く評価しており、彼がバーリー社に持ち込んだゾロピカブロックに興味を示すと、バーリー社の商品として売り出すように契約を交わそうとする。しかし、乗り込んで来たケイツとゾロリのあいだで戦闘が発生し、その際に発生した事故によってケイツとイシシ、ノシシがマジックハンドに捕らえられ、さらにゴルゴルがマジックハンドを破壊したことで損失を被ってしまう。

ピン太 (ぴんた)

おむすびころりんの世界で暮らしている、オスのネズミ。好奇心旺盛な性格で、未知の場所を見つけることを目標としている。祖父が書き残した「おむすびころりん体験記」と呼ばれる日記に記されている地下王国を探し出すため、さまざまな山に登っては、その頂上からおむすびを転がして地下王国を探す日々を過ごしている。ある時、おむすびを追いかけて疲労しているところでゾロリやイシシ、ノシシたちと出会い、共に地下王国を探る。やがて地下王国を探り当てると、暮らしている人々と交流し、彼らの悲願である竜神の復活を手伝うことになる。

ミミズク博士 (みみずくはかせ)

おむすびころりんの世界で暮らしている、オスのミミズク。考古学者として地下王国に滞在しており、竜神をはじめとした伝説について調べている。地下王国を訪れたゾロリやイシシ、ノシシ、ピン太に対して、シズクと共に竜神を蘇らせるように依頼する。しかし実際は、地下王国を制圧しようともくろんでおり、貼り付けた相手を洗脳する札を使って「光竜」と呼ばれる竜神の一柱を支配することこそが真の狙いであると判明する。

シズク

おむすびころりんの世界で暮らしている、メスのネズミ。地下王国の集落で暮らしているが、竜神の加護がなくなったことで、集落で農作物が育たなくなったことを憂いている。地下王国を訪れたゾロリやイシシ、ノシシ、ピン太に対して、ミミズク博士と共に竜神を蘇らせるように依頼する。その正体は竜神の一柱である「水竜」で、かつて竜神を封印しようとしたミミズク博士から逃れるために、自ら記憶を封印していた。ゾロリと行動を共にしていくうちに、竜神に関して懐かしい感覚を覚えるようになる。そして、本性を現したミミズク博士が、ゾロリが復活させた竜神「光竜」を洗脳用の札を使ってあやつった時に竜としての記憶と真の姿を取り戻し、同胞であり伴侶でもある光竜を救うために、ゾロリと共にミミズク博士に挑む。

ベル

はだかの王様の世界で暮らしている、メスのイヌ。ベルの父親と共に仕立て屋として働いているが、手先が不器用で雑巾すら満足に縫うことができない。最近になってベルの父親が病気になったうえに、ムッスリーの暗躍によって重い税金が課せられると、役に立てないことにコンプレックスを募らせていく。しかしある時ゾロリと出会い、ケイツと戦う彼のためにグライダーを作り上げると衣服ではなく、布を使った道具の設計に長けていることを見いだされる。そして、ベルの父親の薬代を手に入れるため、ゾロリたちと共にファッションコンテストに出場する。

ベルの父親 (べるのちちおや)

はだかの王様の世界で暮らしている、オスのイヌ。娘のベルと共に仕立て屋を経営しているが、裁縫の腕が娘とは比較にならないほど優れているため、ほぼ一人で仕事を請け負っている。心優しい性格で、重税の影響で困っているゾロリのために、無料で衣服の修繕を行っている。現在は病に侵されており、税金の問題もあって満足に薬も買えないことから本腰を入れて働くことができず、ベルの裁縫が不得手であることへのコンプレックスと合わせて悩みの種となっている。なお、かつては王宮に仕えており、プッチの両親とは身分を越えた友情で結ばれていた。

プッチ

はだかの王様の世界で暮らしている、オスのネコ。両親である国王と王妃が共に亡くなったため、幼いながら国王として生きることを余儀なくされる。実直な性格で、ゾロリが「馬鹿には見えない服」と称して何も身につけないように仕向けられた時も、馬鹿と呼ばれることを厭わずそれを拒絶する。一方でおだてには弱く、「馬鹿のほかに賢い人にも見えない服」と言われると、一転して信じ込む。煌びやかな衣装を好んでおり、綺麗な服や素材を集めるためとそそのかされ、知らないうちに住民たちに重税を課す。主催したファッションショーの中でケイツが暴走すると、巻き込まれないようにゾロリと共に城の外に脱出する。そして、庶民の生活を知ったうえで、和解したゾロリから貧しい苦しさを諭されると、すぐに税を元に戻すように動き出そうとする。しかし、城の外に出ているあいだに、叔父のムッスリーに城を乗っ取られてしまう。

ムッスリー

はだかの王様の世界で暮らしている、オスのイヌ。王族の一人で、プッチの叔父にあたる。聡明だが欲深い性格で、プッチをうまく制御して私腹を肥やしている。ゆくゆくは、プッチを始末して自らが国王になることをもくろんでおり、プッチが主催したファッションショーの中でゾロリとケイツが争い、その影響から城の外への脱出を余儀なくされると、自らプッチをさらって幽閉し、彼が亡くなったと偽って自ら国王を名乗る。そのうえで、プッチの不注意による重税を訂正しないなど、さらなる圧政を敷こうとする。さらに、ケイツを高額の報酬と引き換えに用心棒として雇い、プッチの救出をもくろむゾロリと対立する。

アラジン姫 (あらじんひめ)

アラジンと魔法のランプの世界で暮らしている、メスのイヌ。気が強くおてんばな性格で、ゾロリからは当初男の子だとカンちがいされるほど。その正体は、かつて魔人を呼び出すランプを使って世界を救った英雄である「初代アラジン」の末裔で、それを知る人たちからは「アラジン姫」もしくは「28代目アラジン」と呼ばれている。祖先から魔法のランプを受け継いでおり、魔人と力を合わせて世界を守ってきた。しかしある時、ノシシの落としたバトルステージXのキャラクターカードである「バーサーカー」の影響でランプの魔人が暴走し、ランプを紛失してしまう。さらに、ライバルであるボンジャーにランプを奪われた挙句、女性としての正体を見破られたことで、国の安全と引き換えに結婚するように強要される。

ランプの魔人 (らんぷのまじん)

アラジンと魔法のランプの世界の秘宝である「魔法のランプ」の中に封じられている、魔神の男性。世界の英雄である「初代アラジン」と偶然ながら出会いを果たし、それ以降は彼やその子孫たちと共に戦い、平和の維持に貢献していた。現在は、初代アラジンの末裔であるアラジン姫と契約しており、彼女と共にボンジャーをはじめとした脅威と戦い、平和を守っていた。しかし、アラジン姫が興味本位で、拾ったバトルステージXのキャラクターカード「バーサーカー」の力を注入したことで暴走を始めて、アラジン姫の命令を聞かなくなる。さらに、ケイツのたくらみによってランプがボンジャーの手に落ちると、彼から強力な呪いをかけられ、思うがままにあやつられてしまう。

ボンジャー

アラジンと魔法のランプの世界で暮らしている、オスのウサギ。つねに不気味な仮面をかぶっているが、これは愛らしい素顔を隠すためで、うっかり顔を見られると、そのギャップから笑われてしまうことが多い。世界の英雄である「初代アラジン」とは、彼の持つ秘宝「魔法のランプ」ともども祖先から因縁があり、ボンジャー自身も当代のアラジンであるアラジン姫にライバル心を燃やしている。アラジン姫が魔法のランプを紛失したことを好機と考え、偶然出会ったケイツと手を組む。そして、ゾロリが回収しようとした魔法のランプをケイツを利用して奪い取り、さらにアラジン姫を拉致することに成功する。

ミハエル

ジャックと豆の木の世界で暮らしている、オスのオオカミ。巨人族の中でも特に優れた武勇を誇り、ゾロリの操縦するメカニックナイトを圧倒するほどの力を発揮する。かつては歌を愛する心優しい青年で、巨人族からもそれ以外の住民からも広く慕われており、中でも従者のハーピーとは互いに思いを寄せ合っている。また、家の宝物庫に高価な財宝を多数保有するほか、秘宝「せいけん」や愛用している甲冑を置いて、有事の際に備えている。しかし、魔女のお妃の呪いによって巨人族が洗脳されると、ミハエル自身もこの例に漏れず彼女の思うがままにされてしまう。さらに、その強さに目をつけた魔女のお妃から二重に呪いをかけられたことで、ほかの巨人族より狂暴化が進んでおり、ハーピーのことをまったく認識せず、彼女と同行しているゾロリに対してもためらうことなく襲い掛かる。

ハーピー

ジャックと豆の木の世界で暮らしている、妖精の少女。ハープを司ることから「ハーピー」と名乗っており、金色のハープの姿に変身する能力を持つ。主人のミハエルとは相思相愛の間柄で、かつてはハーピー自身のかき鳴らすハープの音色に合わせてミハエルが歌を披露し、巨人族はもとより、周囲の街の住民たちから広く人気を集めていた。魔女のお妃が放つ呪いを無効化する特性を持ち、ミハエルをはじめとした巨人族たちが洗脳された時も、一人難を逃れる。それからは、狂暴化した巨人族に見つからないように、金色のハープに変化してミハエルの所有する宝物庫の中に隠れていた。そこに現れたゾロリやイシシが宝物庫を探り始めると、彼らを泥棒とカンちがいし、宝を守るために子守唄のメロディーを放って眠らせようとする。誤解が解けてからは、魔女からミハエルや天の街を解放するためにゾロリと共闘する。その中で、大小スイッチを使って巨大化し、子守唄のメロディーで天の街から攻めて来た巨人族をまとめて眠らせることに成功する。

オーロラ姫 (おーろらひめ)

眠りの森の姫の世界で暮らしている、メスのネコ。明るく好奇心旺盛な性格ながら、しばしば他人を遠ざけるような様子を見せており、ゾロリと出会った時も彼のことをまったく信用しようとしなかった。新しい奇跡の石の使い手として116年前に誕生し、荒廃した世界に光をもたらしてくれる者と期待されていた。しかし、誕生パーティーに呼ばれなかったことに腹を立てた黒魔術師から、誕生してから16年後に死亡するという呪いをかけられてしまう。その呪いは、誰にも解くことのできない強力なものだったが、その様子を見ていた白魔術師によって、16年後に100年間の眠りにつき、目覚めと共に呪いが解ける魔法をかけられる。そして、ゾロリが訪れた時点でちょうど眠ってから100年後となり、目覚める条件がそろうはずだった。実際は、すでに霊体となって蘇っており、何者かにそそのかされるままに奇跡の石の力を使って自分だけの楽園をつくり、悠々自適の日々を過ごしていた。自分の気が向いたときに奇跡の石を使って元の体に戻ろうと考えていたが、ゾロリやイシシ、ノシシと出会った際に発生したアクシデントによって奇跡の石を紛失する。体を取り戻すためにやむなくゾロリやケイツたちと共闘することになるが、その中でイシシやノシシ、ケルミから優しくされたことで、次第に彼らを信頼するようになる。

白魔術師 (しろまじゅつし)

眠りの森の姫の世界で暮らしている、オスのイヌ。穏やかで飄々とした性格で、魔力によって永い時を生き続けている。強力な魔法の腕と知識を備えているが、ヤミの力の加護を受けている黒魔術師には一歩及ばない。世界が荒廃し続けていることを憂いており、それだけに、奇跡の石の使い手であるオーロラ姫が誕生した時は大いに喜んでいた。そのため、黒魔術師が腹いせに、オーロラ姫が誕生してから16年後に死を迎える呪いをかけた際は、彼女の命を救うべく、16年後に死を迎える前に100年間の眠りにつき、目覚めとともに呪いが解ける魔法をかける。それからは、100年のあいだオーロラ姫が眠っている城の付近で暮らし、彼女の目覚めを待ち続けていた。しかし、オーロラ姫が目覚めることで払われるはずの、王城を覆う茨に変化がないことから、何かしらのアクシデントがあったのではないかと疑い始める。

黒魔術師 (くろまじゅつし)

眠りの森の姫の世界で暮らしている、オスのイヌ。白魔術師と同様に魔法で永い時を生きており、魔女のお妃と同様にヤミの力の加護を受け、白魔術師などの魔法使いをはるかに上回る魔法の腕を持つ。ただし、子供を失った憎しみによって悪に変貌した魔女のお妃と異なり、もとから功名心が強く陰湿な性格だった。オーロラ姫に呪いをかけたのも、誕生パーティーに呼ばれなかったという、短絡的かつ自己中心的な理由からである。その時は即座に王宮の兵士たちに逮捕された。しかし、白魔術師がオーロラ姫を救うために行動していることを知っており、牢屋から脱走したのちにそれを妨害すべく、先んじてオーロラ姫に対して甘言を弄して奇跡の石を確保しようとする。

集団・組織

深海王国 (しんかいおうこく)

うらしま太郎の世界で、深海大王が興した新興国家。水の中で活動できる陸上生物や哺乳類が暮らしている竜宮城とは逆にイカやタコ、サザエ、イソギンチャクといった水棲生物で構成されている。住民たちは、水棲生物でありながら陸上でも呼吸をすることが可能。一方で、ガラの悪い人物が多く、都心では環境の悪化が平然と放置されているほか、悪人を歓迎したり、陸上の漁村相手に平気で略奪を働いたりするなど、その実態は国家というよりは無法者の集団に近い。勢力を広げようとしている深海大王の命により、竜宮城や陸上の侵略を進め、竜宮城の秘宝であるタマテバコの回収をももくろんでいる。深海大王とケイツが手を結んだことで、一時は竜宮城を陥落させるまでに至る。しかし、ゾロリによって逆に首都を攻められ、その戦いの中でタマテバコが暴走したことで深海大王が若返り、赤ちゃんになってしまう。さらに、彼が乙姫とうらしま太郎の養子になったことで、竜宮城との和解を果たす。

おたまちゃん軍団 (おたまちゃんぐんだん)

ケイツに付き従っている、オタマジャクシの軍勢。「おたまのタネ」と呼ばれる種に水を注ぐことで誕生する。大きさはゾロリの半分程度で、手足が生えている。その性質上、簡単に増えることができ、数に物を言わせた戦法を得意としている。スーパートレイサー01が完成した際に、起動に必要となる発信機を超時空マシンに取り付けるため、コンロン博士の研究所へと忍び込もうとする。しかし、ゾロリたちにあっさり見つかると、ケイツの部下であることを知られないまま、コンロン博士のバースデーパーティーへの参加をうながされる。おたまちゃん軍団たちもまた、任務をあっさりと忘れてパーティーに参加し、和気あいあいとした時間を過ごす。さらに、ケイツとゴルゴルが援軍として乗り込んで来ると、ゾロリから特性ゾロリケーキを食べるようにそそのかされ、催眠効果でケイツと同士討ちをしてしまう。

オオカミポリス

赤ずきんの世界の警察組織を掌握している集団。ビッグゴッドやデーモン警部の指揮のもとで絶対的な秩序をもって君臨しており、その強引なやり方で住民たちから恐れられている。オオカミポリスが現れる以前は、おばあちゃんとデーモン警部が警察を指揮していた。しかし、おばあちゃんがビッグゴッドの手によって警察署を追われ、デーモン警部がビッグゴッドについたことで、オオカミポリスの支配が決定的なものとなる。のちにおばあちゃんの孫であるフローラが「怪盗赤ずきん」を名乗ってオオカミポリスを対象とした窃盗をたびたび行っており、その対策に追われることになる。

場所

うらしま太郎の世界 (うらしまたろうのせかい)

ガチャコンマシンから最初に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。おとぎ話『浦島太郎』をモチーフとした世界で、陸上では小規模の漁村がいくつか存在し、海底では竜宮城や深海王国などが栄えている。世界の大半を構成している海は、タマテバコの力で永い時を生きる乙姫の力によって安定が保たれ、漁村の生活が守られている。漁村で暮らす人々もこれに絶えず感謝の念を示しており、定期的に竜宮城へ捧げものを贈る住民も多い。しかし最近になって、深海王国を率いる深海大王が世界を手中に収めようと暗躍を始めたことで、陸上や竜宮城に危機がせまりつつある。

竜宮城 (りゅうぐうじょう)

うらしま太郎の世界の海底に存在する、和風の城。住民は、亀きち以外の全員がイヌやネコといった陸上生物だが、城や関連施設の周囲が絶えず空気の膜で覆われているため、呼吸に困ることはない。陸上で暮らす生物たちに対して友好的で、彼らが水の中で活動できるように空気アメが開発されている。また、身につけただけで猛スピードで泳げるようになるペンダントなど、多数の発明品や財宝が存在する。中でもタマテバコは、海を穏やかにする力を持つ乙姫を延命させるために必要不可欠であるため、使用者の乙姫と合わせてうらしま太郎の世界になくてはならない存在として知られている。これらの理由から、陸上と海底、両方の住民から重要な場所となっており、漁村から定期的に捧げものが贈られるなど、うらしま太郎の世界の中心として機能している。しかし、最近になって台頭し始めた深海王国から嫌がらせを受けており、住民たちの悩みの種となっている。

機械城 (きかいじょう)

ゾロリたちがうらしま太郎の世界から帰還している最中に不時着した、機械仕掛けの城。「セキュリティーロボット」と呼ばれる機械によって厳重な警備がなされており、侵入者はことごとく排除されてしまう。その一方で、城下町にはスパイダー麺が経営する食堂など、訪れた人が休息するための施設も存在する。螺旋階段で構成された塔のような形状をしており、その地下にはセキュリティーロボットを作り上げたボスが、宝と共に潜んでいるといわれている。

もも太郎の世界 (ももたろうのせかい)

ガチャコンマシンから二番目に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。基本的にはおとぎ話『桃太郎』の世界観がベースとなっている。中心に鬼が島が存在し、その周囲に複数の人里が栄えている。文明レベルはうらしま太郎の世界とほぼ同じだが、ばけもの鳥のような危険な生物が存在するうえに、鬼が島に住む鬼たちと人間の関係はよいものとはいえない。そのうえ、鬼が島を統治する大将が過去の事故によって強硬派になってからは鬼たちが武装をして人里を荒らすようになるなど、平和とは程遠い状態にある。なお、うらしま太郎の世界と違い、ケイツは自分の作ったスーパートレイサー01を使い、自発的にこの世界を訪れる。

鬼が島 (おにがしま)

もも太郎の世界の海上に存在する、巨大な島。「鬼」と呼ばれる種族が暮らし、火山や鉄鉱資源が豊富なことから工業が発展している。海の向こうには複数の人里があるが、そこに暮らす人々は鬼を恐れており、排他する傾向にある。かつては鬼が島を治める大将の方針から、平和を維持しつつ、ポンダじいさんなど工業に携わる人に対しては自由な開発を推し進めていた。しかし、ある事件をきっかけに大将が強硬派に転身したことで軍備増強が行われ、やがて周囲の人里を攻めては略奪するようになってしまう。のちに、超時空マシンでもも太郎の世界を訪れたゾロリを大将の右腕として迎えてさらに勢力を増すが、鬼の略奪行為に憤るもも太郎と、ゾロリを敵視するケイツが手を組んで襲撃してきたことで、争いが発生する。

りんご園 (りんごえん)

コンロン博士の研究所の近くに存在する果樹園。名前のとおり、りんごの木を栽培しており、オーナー夫婦の意向によって子供は無料でりんご狩りを行うことができるはずだった。しかしある時、りんご狩りの制度を悪用しようともくろむゼニパーンによってオーナーが拘束され、勝手に一回につき1万円の参加費を徴収するように作り替えられる。さらに、アップルビーという架空の宝石をでっち上げて、参加者を集めるためのエサとして利用されてしまう。しかし、ゾロリやイシシが参加費を払わずアップルビーだけを持ち逃げしようと企み、ゾロリに対抗心を燃やすケイツや、ゾロリのたくらみに気づいたゼニパーンとのあいだで三つ巴の争いが発生する。その結果、悪事が知れ渡ったことでゼニパーンが逮捕され、オーナーたちが救出されたことで、りんご園は元の姿を取り戻した。

白雪姫の世界 (しらゆきひめのせかい)

ガチャコンマシンから三番目に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。童話『白雪姫』をモチーフにした世界で、うらしま太郎の世界やもも太郎の世界とは打って変わって、建造物が洋風になっている。かつては白雪姫の父親である国王の治世のもとで、平和な日々が続いていた。しかし、魔女のお妃が国王の後妻に収まると、彼女の魔法によって国王と彼の家来が怪物に変えられ、意のままにあやつられる存在となる。それからは、魔女のお妃による独裁が続いていたが、白雪姫やグレン、モグモグの助力を受けたゾロリによって魔女の悪行が明るみに出る。さらに、彼女がゾロリとの戦いに敗れて鏡の中に閉じ込められると、国王たちにかけられた呪いが解ける。その後は白雪姫と結婚したグレンが新たな国王となり、彼の治世で平和な時が続いていた。だが、ヤミの力の加護を受けて蘇った魔女のお妃が強力な呪いをかけ、白雪姫やグレンたちを王城ごと石化させてしまう。

かぐや姫の世界 (かぐやひめのせかい)

ガチャコンマシンから四番目に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。物語『竹取物語』をモチーフにした世界で、竹が生い茂る和風の地球と、文明レベルが発展している月に分かれている。月では長いあいだ大きな紛争が続いており、中心となる王国も戦火に見舞われていた。そのため、危険から遠ざけるために国王が娘である赤ちゃんをひそかに地球に転移させ、竹取りじいさんが拾った赤ちゃんに「かぐや姫」と名づけ、育てることになる。現在は紛争は収まっており、国王がかぐや姫に対して月に戻るよう、密かにメッセージを送る。しかし、実の親も育ての親も大切なかぐや姫は、板挟みになって苦悩する。

赤ずきんの世界 (あかずきんのせかい)

ガチャコンマシンから五番目に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。ヨーロッパの童話『赤ずきん』をモチーフにした世界で、怪盗や警察組織が存在するなど、今までの世界以上に元の話との相違点が多い。深い森に一帯が覆われており、中心には大きな街が存在する。街の警察はオオカミポリスによって掌握されており、怪盗赤ずきんとして活動しているフローラと水面下で争いを続けている。

おむすびころりんの世界 (おむすびころりんのせかい)

ガチャコンマシンから六番目に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。おとぎ話『おむすびころりん』の舞台をモチーフにした世界で、うらしま太郎の世界やもも太郎の世界、かぐや姫の世界と同様に昔の日本を思わせる世界観で、田んぼが多いことから農業、とりわけ稲作が発展している。一方で貧富の差が激しく、生計を立てるためにやむなく盗みを働く住民もいる。地下には竜神の力で栄えていたという地下王国が存在するが、現在は見る影もないほどの貧しい集落になり果てている。

地下王国 (ちかおうこく)

おむすびころりんの世界の地下に広がっている王国。入り口の門には特殊な仕掛けが施され、潜ることで体や所持品が小さくなる。地上の世界の住民たちからは、「竜神」と呼ばれる神の加護を受けている楽園として知られており、金銀財宝に満ちあふれているともいわれている。実際は、何者かの手によって竜神の一柱である「光竜」が封印されたことで不毛の大地となり、地下王国の住人たちは、食うに困る生活を強いられていた。しかし、宝物を求めてやって来たゾロリが、ペッタンたんを使っておもちを大量生産したことで、食糧問題が解決する。さらに、ゾロリが光竜の復活を志すことになるが、その状況を利用しようとするミミズク博士の思惑によって状況は一変する。

はだかの王様の世界 (はだかのおうさまのせかい)

ガチャコンマシンから七番目に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『はだかの王様』の舞台をモチーフにした世界で、中世ヨーロッパを思わせるような街並みが特徴。かつては名君であるプッチの父親が国を治めており、ファッション方面に明るい地方として知られていた。しかし、プッチの両親が相次いで亡くなると、何もわからないプッチが国王になったことで政治が大いに乱れ、やがて住民たちは重税に苦しむようになる。ベルとベルの父親も例外ではなく、特にベルの父親は病気がちであったところに重税によって薬の調達もままならなくなり、窮地に陥る。

アラジンと魔法のランプの世界 (あらじんとまほうのらんぷのせかい)

ガチャコンマシンから八番目に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。アラビアの童話『アラジンと魔法のランプ』の舞台をモチーフにした中東風の世界で、科学技術も発達している。伝説の英雄である「初代アラジン」が、秘蔵のランプを使ってランプの魔人を呼び出し、共闘することで世界に平和が訪れ、やがて初代アラジンの興した王国に人々が集まるようになる。それからも長いあいだ平和な日々が続いていたが、転移してきたノシシが落としたバトルステージXのカードである「バーサーカー」が原因となり、新たな争いが発生する。

ジャックと豆の木の世界 (じゃっくとまめのきのせかい)

白雪姫の世界でジャックと出会ったゾロリやイシシ、ノシシたちが、「レアストーン」と呼ばれる特殊なパワーストーンの力に引かれて訪れた世界。イギリスの童話『ジャックと豆の木』の舞台をモチーフにした世界で、文化レベルは白雪姫の世界とほぼ同じで、旅に慣れているゾロリやケイツたちはもちろん、白雪姫の世界からやって来たジャックもすぐに順応する。かつては、ふつうの住民と巨人族がなかよく助け合って暮らしていた。しかし、白雪姫の世界から転移してきた魔女のお妃の魔法によって巨人族が洗脳され、彼らの住む街が上空に浮かび上がって天の街に変化する。さらに、洗脳された巨人族たちが、暗黒の花を開花させるために付近の住民たちを襲い始めるなど、相次いで混乱に見舞われる。

天の街 (てんのまち)

ジャックと豆の木の世界の上空に浮かんでいる、巨大な街。かつては世界の中心に位置する平和な街で、周囲の街や集落の人々と助け合ったり、共に祭りを楽しんだりして、交流を深め合っていた。ところが、空高く浮かび上がり、やがて「天の街」と呼ばれるようになるとともに、天の街に住む巨人族たちが魔女のお妃に洗脳されて狂暴化したことにより、天の街と巨人族は一転して恐怖の象徴となる。

眠りの森の姫の世界 (ねむりのもりのひめのせかい)

ガチャコンマシンから九番目に排出されたパワーストーンに記録されていた世界。ヨーロッパの童話『眠れる森の美女』の舞台をモチーフとしている。今までゾロリたちが訪れたどの世界より荒廃しており、農作物の育ちが悪いうえに流行り病も多く、人々はつらい生活を強いられ続けている。かつては、王家に生まれる選ばれし存在が、奇跡の石と呼ばれる四つの宝玉の力で環境を安定させ、人々を救ってきた。そして116年前に、あらたな奇跡の石の使い手となるオーロラ姫が誕生し、彼女の手によって世界は安定するはずだった。しかし、黒魔術師の手によってオーロラ姫に生まれてから16年後に死を迎える呪いがかけられ、白魔術師がそれに対抗しようとするものの、100年間の猶予が必要となる。そのため、実に100年近くにわたって奇跡の石が使用されておらず、今や眠りの森の姫の世界は崩壊の危機にある。

その他キーワード

超時空マシン (ちょうじくうましん)

コンロン博士が組んだ設計図を基に、ゾロリが開発した航空機。単独で飛行が可能であるほか、パワーストーンを動力部にセットすることで、そのパワーストーンに記録された世界にワープする機能を持つ。「ミラクルトランク」と呼ばれる、あらゆる物品を無限に収納できるコンテナや、パワーストーンに登録されている異世界の様子を映し出す巨大ディスプレイなど、さまざまな設備が搭載されている。さらに、拡張性が非常に高く、海を自在に航行できるマンターマリン号や、空中戦に特化したバードジェット、陸上戦で真価を発揮する赤ずきんウォーカーなど、改造を施すことでいろいろな形態への変化が可能で、あらゆる状況に対応するだけの汎用性を誇る。

マンターマリン号 (まんたーまりんごう)

超時空マシンの強化形態の一つ。うらしま太郎の世界で、ゾロリが超時空マシンに改良を加えることで誕生した。マンタの形状が取られているほか、コクピットのわずか後方に潜望鏡が設置されているなど、主に水中で活動するための改良がなされている。底部にはタイヤとスプリングが収納されており、陸上で稼働することも可能。パンチンググローブ、マジックハンド、フック付きロープといったギミックが仕込まれているうえに、イシシとノシシのおならを吹き掛ける「オナラスプレー」や、青汁を噴き出して敵にぶつける「青汁シャワービーム」、敵の体を傷つけず、身につけている装備のみを破壊する「分別ブーメラン」など、武装も充実している。さらに、巨大なマジックハンドを用いた格闘戦も可能。ただし、即席の改修が行われたことから、見た目は若干貧相なものとなっている。のちにケイツのカニカーニZと交戦し、その最中に深海戦仕様の「ブラックマンター」へと強化される。

バードジェット

超時空マシンの強化形態の一つ。もも太郎の世界で、鬼が島の住民たちがゾロリの設計図を基に超時空マシンに改良を加えることで誕生した。その名前のとおり、鳥のような形状をしている。ばけもの鳥を打倒する目的から空中戦に特化しており、当のばけもの鳥と激突してもまったく損傷せず、嚙みつかれても逆にくちばしが歪むほどの強固な装甲を誇る。武装の数も超時空マシンやマンターマリン号とは桁違いに充実しており、中でもくちばしの中に内蔵されている主砲「フリージングブリザードおやじギャグスペシャル」は、エアコン、冷蔵庫、アイスクリームを製造する工場関係者から強化改造を施されており、親父ギャグの持つ「場を凍らせる雰囲気」をエネルギーとして、対象を氷漬けに陥らせるほどの威力を持つ。さらに、イシシとノシシのおならを収束することで、主砲の発射口からガスを撒き散らすことも可能。羽根は姿勢制御のほかにコンテナの役割も兼ねており、かつてケイツによって撃たれたタバスコスーパーZを改良した「スーパートウガラシZZ」や、相手の動きを封じる役割を持つ「ひっつきくんX」と呼ばれるトリモチを内蔵したミサイルや、サツマイモなどの非常食を搭載している。これらの優れた機能を発揮することでばけもの鳥を退けたほか、ケイツの開発したワンワンダーとも戦い、勝利する。

アーマーバッファー

超時空マシンの強化形態の一つ。白雪姫の世界で、ゾロリが破損した超時空マシンに改良を加えることで誕生した。アルマジロのような強固な装甲と、牛を模した巨大な角と四肢を備える。前脚には高性能のエンジンが搭載され、猛スピードで動き回ることができる。後脚にはスプリングが仕込まれており、上半身を高い所まで伸ばすことも可能。また、角には複数の変形機能が搭載され、翼の形に変形して空を自在に飛行できるほか、弓状に変形させることで、後部に搭載されている矢を一度に六発まで発射できる。魔女の魔法であやつられたケイツやゴルゴルたちが乗り込むスーパートレイサー02.5Wに対抗するために開発されるものの、一度は相手の魔法の力に圧倒されてしまう。しかし、白雪姫の母親の祈りによって浄化能力を備えたりんごを矢につがえて発射してケイツたちの口の中に放り込み、彼らを洗脳から解き放つことに成功する。

タケバッカーZ

超時空マシンの強化形態の一つ。かぐや姫の世界で、ゾロリが破損した超時空マシンに改良を加えることで誕生した。ケイツが残した植物メカから発生した「のびのびバンブー」を素材にしている。全長は36.1メートルと、かつて作ってきたマシンと比べるとかなり大型で、取り回しが難しい分内部構造に余裕がある。右腕の先端はマジックハンドで、小さなものでもしっかりとつかめる。脚部には卓球ルームや風呂が、左腕には洗濯機が搭載されているほか、コクピットには空気清浄機が備わっており、ある程度の期間なら内部で生活することも可能。「ししおどしエンジン」と呼ばれる動力を六門搭載し、水さえあれば半永久的に稼働させられる。一方で、竹でできていることから耐水性が皆無で、胸の部分にあるコアユニットが水に浸かると即座に行動不能になるという弱点を持つ。ゾロリはこの弱点を克服するため、余った素材で竹馬を作り、水に浸からないように工夫している。右肩と頭部のパーツを竹とんぼに変形させることで空を飛べるが、飛行可能な時間はほかのマシンと比べるとかなり短い。背中に背負っている大砲は「バンブーブー弾」と呼ばれ、高圧縮で詰め込んだイシシとノシシのおならを一気に発射することができる。

赤ずきんウォーカー (あかずきんうぉーかー)

超時空マシンの強化形態の一つ。赤ずきんの世界で、ゾロリが超時空マシンに改良を加えることで誕生した。フローラがまとう怪盗赤ずきんの衣装を参考にデザインされた。複座式の機体で、中央に操縦用のコクピットが存在し、左右にはそれぞれ砲手用の座席が備えられている。音や匂いを感知するリボン型センサーや太陽光発電システムが搭載されており、太陽光が浴びられる場所では燃料の心配をすることなく稼働し続けられる。左右の砲塔からはフローラと共同で開発した「カラカラハート弾」を射出でき、頭部のハッチを開放することで対マシン用に調整されたナランペットを使用できる。なお、隠しモードとして「赤ずきんウォーカー究極形態 戦闘用つるっぱげシステムおやじ型」という形態が存在するが、姿があまりに格好悪く、ゾロリはできることなら使いたくないと思っている。

鉄竜号 (てつりゅうごう)

超時空マシンの強化形態の一つ。おむすびころりんの世界で、ゾロリが超時空マシンに改良を加えることで誕生した。ゾロリが愛読する昔話に登場する竜の姿をモチーフとしている。内部にゾロピカブロックの中の電子回路が使われていることから、ペッタンたんやよっこらギョの系列機ともいえる。柔軟性に長けており、狭い場所でも体をくねらせることで容易に移動できる。顔には周囲を照らすためのライトと、ヒゲの形をした高性能センサーが搭載されており、尻尾の先に付いている吸引ポンプは、土や砂を吸い込んで砲弾に変えたり、水を吸い込んで蓄えたりして、敵に向けて発射できる。ミミズク博士やシズクからの依頼で「光竜」と呼ばれる神を探す際に運用され、その中でコウモリーノ・ド・ビリビリーネ一世と対決する。

フライング・ジェントル・ビー

超時空マシンの強化形態の一つ。はだかの王様の世界で、ゾロリが超時空マシンに改良を加えることで誕生した。外見はハチをモチーフにしており、シルクハットや燕尾服を思わせる意匠も特徴。背部に搭載された虫型の羽根を小刻みにはためかせることで、小回りの利く飛行が可能。腹部は、ベルの仕立て屋で使われていた糸巻きが参考となり、連結されている縫い針を使って、敵を地面や壁に縫い付けて動きを封じることができる。尻尾の先には収納可能な針が複数備えられ、攻撃に用いられる。帽子の中には「ポッポちゃん」と呼ばれるグライダーが搭載され、緊急時の脱出用に利用できる。

モンスター・スキャン

超時空マシンに、バトルステージXのキャラクターカードの特性を付与するためのシステム。コクピットに搭載されているカードリーダーに、対応するキャラクターカードを差し込むことで、超時空マシンの形態が変化する。変化後は、キャラクターカードに記されたモンスターの能力を使用可能で、カマキリと鎌鼬(かまいたち)の長所を融合したモンスターである「メカマ・イタチー」を読み込んだ場合は、両腕の鎌から真空の刃を放つことができる。ただし、デンキナマズの特性を持つモンスター「ヌルヌルボルト」を読み込んだ場合、ナマズであることから陸上では動けなくなるなど、基のモンスターが持つ弱点もそのままフィードバックしてしまう。

メカニックナイト

超時空マシンの強化形態の一つ。ジャックと豆の木の世界で、ゾロリが破損した超時空マシンに改良を加えることで誕生した。魔女のお妃が率いる巨人族に紛れる目的を持ち、外見はハーピーの主人であるミハエルのまとっていた甲冑をモデルとしている。名前のとおり、中世の騎士を彷彿とさせる性能を誇り、ミハエルと互角に打ち合えるほどのパワーと、イソフラドンの放つトーフハンバーグを即座に寸断するほどの精密な動きが特徴。主な武装は宝物庫から入手した秘宝「せいけん」で、胸部装甲の中には三門のナランペットが搭載されている。機動性も高く、二足歩行が可能なうえ、ローラーダッシュを用いることで高速移動も実現できる。さらに、軽量かつ強固な特殊金属で覆われていることから、並みの攻撃を寄せつけないほどの防御能力を誇る。ただしコクピットが狭く、一人しか乗り込むことができない。なお、ゾロリは超時空マシンをメカニックナイトに改造する際に、一度大小スイッチで縮小し、必要な資材や時間を大幅に短縮した。

ラブリ~ペンちゃんX

超時空マシンの強化形態の一つ。眠りの森の姫の世界で、ゾロリが超時空マシンに改良を加えることで誕生した。遊園地にふさわしい、愛らしい外見をコンセプトとしたペンギン型のマシンで、「ペンちゃんX」の略称で呼ばれることもある。口の中には強化されたナランペットが搭載され、敵のメカを氷漬けにできる。ふだんは短足であることから移動速度に難があるが、足を延ばしたり、「ドライブモード」と呼ばれる四輪駆動形態に変形したりすることで克服が可能。さらに、「緊急事態専用ボタン」と呼ばれるボタンを押すことで脚部のブースターが起動する。

パワーストーン

超時空マシンの動力源となる宝玉。「ガチャコンマシン」と呼ばれる機械から排出され、超時空マシンにセットすることでさまざまな異世界へとワープさせることができる。異世界へのワープが終わるとパワーストーンは消滅するため、基本的には元の世界に戻ると、二度と同じ異世界に渡ることはできない。パワーストーンにはそれぞれ独自の模様があり、おにぎりのような模様の場合はおむすびころりんの世界へ、ランプの金属を示す模様の場合はアラジンと魔法のランプの世界へ通じるなど、跳躍先の世界と関係あることが多い。コンロン博士は、当初ビッグバンの際に異なる世界から飛来してきたものと考えていた。だが、のちになって、何者かがヤミの力に対抗するために作り出したものではないかと推測するようになる。なお、上位種として一度訪れた世界に再び渡るための「レアストーン」と呼ばれるパワーストーンが存在する。

回転塔 (かいてんとう)

超時空マシンとセットで運用される機械の一つ。ゾロリとその仲間たちが超時空マシンで元の世界に帰還した際に起動し、転移した世界での冒険を童話形式で記録し、絵本として出力する機能を持つ。出力された絵本はゾロリの希望によってコンロン博士に譲渡され、彼が手伝っている児童養護施設の子供たちに読み聞かせるために使われており、ゾロリやイシシ、ノシシが子供たちに慕われる一因となっている。当初は、冒険の記録を取るために用いられていると考えられていたが、過去に訪れた世界に危機がせまった際に、警告を発する機能を搭載していることがのちに判明する。

よむZO~くん

ゾロリとコンロン博士が、「こども絵本館」と呼ばれる企業の委託を受けて開発した機械の一つ。ゾウをモチーフとしており、「絵本読み聞かせ象型ロボット」とも呼ばれる。投入口に絵本を入れると、壁に絵が投影され、読み上げられた文字がスピーカーから流れる。顎に付いているスイッチを切り替えることで、「奥様セレブ風」「お笑い芸人風」など、本の読み方を変えられるため、同じ本でも繰り返し楽しめるという特徴を持つ。多忙であるコンロン博士の代わりに、ゾロリがこども絵本館に運び込むが、ケイツの仕掛けによって暴走してしまう。

ナランペット

ゾロリが発明した機械の一つ。超時空マシンに次いで使用率の高い機械で、「ゾロリお助けアイテムNo.1」の異名を持つ。もとは物置に放置されていたトランペットを修繕したものだが、なぜかトランペットの音色の代わりにダジャレをはじめとした親父ギャグが発声され、周囲に激しい吹雪が吹き荒れる。また、水辺で吹くことで一瞬にして凍らせることも可能。ただし、親父ギャグが好きな相手には吹雪や氷が届く前に溶けてしまうため、まったく効果がない。のちに、ゾロリやコンロン博士が援助している児童養護施設の子供たちの協力により、吹雪を凝縮して氷の弾に変えて撃ち出せるようになる。小型であることから使い勝手がよく、赤ずきんの世界の冒険以降は、ゾロリの基本装備として愛用される。

タンバリアー

ゾロリが発明した機械の一つ。ナランペットと同じコンセプトで作られた機械で、「ゾロリお助けアイテムNo.2」の異名を持つ。キツネのマークが中央に記されたタンバリンで、叩くと親父ギャグが鳴り響き、氷のバリアを発生させる。その特性から、身を守るための盾として使われやすく、赤ずきんの世界の冒険以降はナランペットと共にゾロリの基本装備として愛用される。また、小型で受け渡しが容易なことからイシシやノシシに手渡されることもある。

たけーっ!馬 (たけーっうま)

ゾロリがもも太郎の世界で開発し、鬼が島で売り出したおもちゃの一つ。見た目はふつうの竹馬だが、乗ると足場の下側がどんどん伸びていく特製を持つ。最終的には乗った人の身長をはるかに凌駕するほどの高さに達するため、これを体験した人は「たけ(高)ーっ!」と大声で叫ぶことが多く、この絶叫が名称の由来となっている。のちに「ゾロリお助けアイテムNo.3」に数えられるようになり、かぐや姫の世界に持ち込まれた時は、タケバッカーZとパンクーダとの戦いの中でおおともの大納言に使用される。

アホーディオン

ゾロリが発明した機械の一つ。星のマークが刻印されたアコーディオンのような形をしている。親父ギャグを利用するために作られた機械だが、同じコンセプトで開発されたナランペットやタンバリアーと異なり、吹雪や氷の力は発動せず、「ゾロリお助けアイテム」のシリーズにもカテゴライズされていない。かき鳴らすと低く静かな声質の親父ギャグが聞いた相手の脳内に直接流れ込み、脳を揺さぶってアホにしてしまう効果を持つ。ただし、効果は使用した本人や仲間にも無差別に及ぶため、使用する前には耳栓の使用が必須となる。また、親父ギャグを利用する関係上、フローラには効果がない。赤ずきんの世界では、イシシの手によって発動し、オオカミポリスの人員たちを行動不能に陥れることに成功する。しかし、デーモン警部のステッキによる一撃で両断される。のちにケイツの手によって修復され、ラブリーケイツくんに搭載される。

演歌ロボさゆりちゃん (えんかろぼさゆりちゃん)

コンロン博士が発明した女性の人型ロボット。演歌歌手を彷彿とさせるような着物と、犬のような耳や手足が特徴。ふだんは超時空マシンの底部に内蔵されているが、超時空マシンに危険がせまった際に稼働し、危険がせまっている趣旨の演歌を延々と歌い上げる機能を持つ。このことから、コンロン博士からは「警報ロボ」とも呼ばれている。ゾロリたちの冒険の助けになるものとして設置されたが、一度しか作動しなかった。

タバスコスーパーZ

ケイツが開発した特殊砲弾。ゴルゴルが所持しているスナイパーライフルの先端と連結することで発射が可能になる。通常のタバスコのおよそ200倍の辛さを誇る液体が内蔵されており、ターゲットに着弾すると同時に内部の液体を飛び散らせる。ケイツの指令によってゴルゴルがゾロリに対して使用し、みごとに命中させる。しかし、超時空マシンを開発するために徹夜をしていたゾロリの眠気を覚ます結果に終わる。

納豆弾 (なっとうだん)

ケイツが開発した特殊砲弾。ゴルゴルが所持しているスナイパーライフルの先端と連結することで発射が可能になる。通常の100倍以上もの粘着力を誇る納豆が内蔵されており、ターゲットに着弾すると同時に飛び散らせる。さらに、通常のからしの1000倍の刺激を発生させる手榴弾「スーパーからし爆弾」がセットで付いており、併用することで敵に大きな被害を与えられる。もも太郎の世界で大将やゾロリたちと戦うために使用され、彼らを撤退に追い込むほどの威力を見せる。のちに強化された納豆弾がイソフラドンに搭載される。

ビーンズマシンガン

イソフラドンの角に備え付けられている機関砲。左右に三門ずつ搭載されており、それぞれの砲塔から弾丸を発射することができる。弾丸には「スーパービーンズ」と呼ばれる特殊な豆が使用され、威力自体は低いものの、土に命中させることで瞬時に巨大な豆の木を生やすことが可能。さらに、その豆の木はイソフラドンのコクピットから操作でき、敵の体を締めあげるという戦法を取ることができる。のちに弾丸として使われていたスーパービーンズがジャックに回収され、ジャックと豆の木の世界で、魔女のお妃の潜む天の街に向かうために使用される。

タマテバコ

竜宮城に伝わる秘宝の一つ。開けられたときに最も近くにいる人の年齢を変化させる機能を持つ。使用回数に制限はなく、歳がかさんできたところで若返る行為を繰り返すと、事実上永遠の時を過ごすことができる。ただし、年齢の変化をコントロールできるのは乙姫のみで、ほかの人が無理やり開けた場合、暴走して開けた対象の年齢が勝手に変化してしまう。うらしま太郎の世界では海の安定のために乙姫の存在が不可欠で、乙姫がタマテバコの力で命をつなぐことで平和を維持していた。つねに所有しておかなければならないわけではなく、ある時竜宮城を訪れたうらしま太郎に、信頼の証として預けられる。しかし、深海王国が暗躍を始め、さらに、乙姫以外が使えないことを知らない深海大王が永遠の時を生きるためにタマテバコを狙ったことで、うらしま太郎が窮地に陥るきっかけを生んでしまう。

空気アメ (くうきあめ)

竜宮城で開発された、特殊な飴。口に入れると、一度陸上に上がるまでのあいだ、肺呼吸の生物でも水中内で呼吸ができるようになる。ただし、陸上で使用したり、もとから水中で呼吸できる生物が使用したりした場合は、口から延々と泡を吐き続ける状態に陥るという副作用を持つ。陸上の生物を竜宮城に招くために作られたもので、竜宮城と漁村を行き来する亀きちが、なんらかの理由によって誰かを竜宮城に招く際に渡される。竜宮城と深海王国の戦いでは、副作用を逆手に取ることを考えたゾロリの手によってマリリンちゃんに与えられ、くっつきタコスミが混ざった泡を吐き出させることで行動不能に陥れる。

カニカーニZ

ケイツによって開発された、戦闘マシン。名前のとおりにカニの姿を模しており、水中戦で高い力を発揮する。メイン武装となる「ちょっきんソード」は、カニのはさみを模しており、巨大な深海魚を瞬く間に寸断するほどの威力を誇る。さらに、目にあたる部位から光を放つことで暗闇の中でも活動でき、「イカスミミサイル」と呼ばれるミサイルを発射して、敵の視界を奪うことも可能。底部の排気口から大量の泡を放出し、その反動で高く飛び上がる「アワアワブースター」を搭載していることから、機動力も高い。ゾロリを追ってうらしま太郎の世界を訪れ、深海大王と結託したケイツ自らの手で運用され、タマテバコを奪うべくゾロリやイシシ、ノシシ、うらしま太郎が乗り込んだマンターマリン号に対して攻撃を仕掛ける。そして、搭載された武装を立て続けに披露し、一時は優位に立つ。しかし、大量に発射したイカスミミサイルに紛れて逃げられ、追いかけているあいだにブラックマンターへと強化されたマンターマリン号から深海サンダーを食らわされ、大きなダメージを受ける。

特製ゾロリケーキ (とくせいぞろりけーき)

コンロン博士のバースデーパーティーで、ゾロリが用意した三段ケーキ。和食を好むコンロン博士に適したトッピングがなされており、一段目には栗きんとん、濡れ甘納豆、抹茶ムースが、二段目にはつぶあん、きんつば、栗ようかん、芋ようかんが内蔵されている。材料には北海道産のあずきが使用されており、合成保存料をいっさい使っておらず、カロリーも控えめ。これらのことから、子供から大人まで楽しめる優良なデザートとされる。一方、三段目は「さいみん術ケーキ」と名づけられた特殊なケーキが含まれており、この部分を口にするとゾロリの言うことを聞きたくなるという副作用がある。ゾロリは当初、コンロン博士にこれを食べさせて、ゾロリのための城である「ゾロリ城」を建築させようともくろんでいた。しかし、バースデーパーティーの最中におたまちゃん軍団を率いたケイツやゴルゴルに乱入され、超時空マシンを奪われそうになったため、おたまちゃん軍団に一段目のさいみん術ケーキを食べさせ、ケイツたちを追い出すために使用される。騒動が解決すると、ゾロリはコンロン博士からさいみん術ケーキに関して説教をされるが、超時空マシンが無事であったために咎めを受けることはなかった。

特製クラッカー (とくせいくらっかー)

コンロン博士が発明した、特殊な効果を持つクラッカー。円錐の形をしており、底部のひもを引っ張ると中の物が飛び出す。おならが内包されている「おならクラッカー」や、カントリーヨーデルが流れる「ヨーデルクラッカー」、なぞなぞが出題される「なぞなぞクラッカー」、落語の前座噺『寿限無』が流れる「じゅげむクラッカー」、お菓子のクラッカーが飛び出す「クラッカークラッカー」など、種類は多岐にわたる。中でも親父ギャグとともに冷気を放つ「おやじギャグクラッカー」は実用性が高く、コンロン博士の研究所に攻め込んできたケイツに使った時は彼の体を凍りつかせて行動不能に追いやるほど。のちに、ナランペットやタンバリアーといった、同じコンセプトのマシンが複数開発される。

スーパートレイサー01

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。超時空マシンを参考に作り上げられたもので、時空間を跳躍して異次元へと航行する機能を持つ。予算不足から、洋式トイレのような形状をしている。超時空マシンの起動に反応し、追跡すると彼らの向かった世界に転移することができる。パワーストーンを使わずに異世界へ渡ることが可能だが、超時空マシンの向かう世界以外への転移は不可能。また、超時空マシンを追跡するため、発信機を取り付ける必要がある。ケイツは、おたまちゃん軍団をコンロン博士の研究所に忍び込ませ、超時空マシンに発信機を付ける。その結果、ゾロリたちのあとを追ってもも太郎の世界まで転移することに成功する。しかし、即席かつ低予算で作り上げたことから強度に問題があり、転移終了後にバラバラに分解してしまう。それでも、核となる部分は無事だったため、なんとか元の世界に戻ることができた。

スーパートレイサー02

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。スーパートレイサー01を改良して作り上げたもので、スーパートレイサー01と同様に、ゾロリの超時空マシンの反応を追跡して時空間を航行する機能を持つ。見た目はただのホットカーペットだが、備え付けられているスイッチを切り替えることでスピードを上昇させることが可能で、最速時は超時空マシンを超える速度を発揮できる。しかし、速度が上がるにつれて機体に熱が溜まり、長時間高速で航行すると搭乗者もダメージを受ける。ケイツやゴルゴルは、白雪姫の世界に渡ろうとするゾロリの超時空マシンを追跡するが、同乗していたスーパーおたまちゃんがマシンの高熱化に耐えかねて動力を切り、そのまま墜落してしまう。

スーパートレイサー02.5W

白雪姫の世界に墜落し、ケイツの手で修復が進められていたスーパートレイサー02が、魔女のお妃の魔法を受けて強化された形態。もとはスーパートレイサー02にゴミ捨て場のスクラップで補強しただけのみすぼらしいものだったが、魔法エンジンと呼ばれる特殊な動力が搭載され、装甲や武装も魔法の力によってまったく別物になっている。ただし、コクピットが剥き出しである点は変わらない。瞳をかたどった印から発射される「魔法ビーム」は、高い威力を誇るうえにターゲットを追跡する効果を持ち、頭部からはマジックハンドを伸ばすことができる。また、後部にはスーパートレイサー02に魔力を与えることで防御力を上昇させた「魔法のマント」と、敵の攻撃に反応して本体をガードする「魔法の羽根」が装備されている。さらに、動力部に巨大なチューブを直結させることで、強烈なからしの雨を降らせる「スーパーマスタードシャワーガン」を発射できる。魔女の力によってあやつられたケイツやゴルゴル、スーパーおたまちゃんが乗り込み、一度はゾロリやイシシ、ノシシを倒し、白雪姫を捕獲することに成功する。アーマーバッファーに乗り込んだゾロリたちと再戦した際も、魔法ビームやスーパーマスタードシャワーガンを駆使して、彼らを終始圧倒する。

スーパートレイサー03

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。巨大なタケノコのような形状で、実際に食べることも可能。ゾロリの超時空マシンに反応して、時空間を航行する機能を持つほか、手足を生やすことで陸上を自在に移動できる。頭部には「タケノコ型もくもくミサイル」と呼ばれる煙幕弾を複数搭載しており、足止めや目つぶしに利用できる。ゾロリを追ってかぐや姫の世界へと転移するが、その矢先に現れた竹取りじいさんに本物のタケノコと間違えられ、刈られかける。そのことに怒ったケイツが竹取りじいさんを追い回すが、ゾロリの仕掛けたトラップによってケイツやゴルゴルが放り出され、無人となったところを捕獲される。

ラブリーケイツくん

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。スーパートレイサー03の次に開発されたことから「スーパートレイサー04」の異名を持つ。名前のとおり、ケイツに似た外見を持つ。超時空マシンを追跡して時空間を渡る機能のほか、「おたま力発電」というシステムが搭載されており、おたまちゃん軍団がペダルをこぎ続けている限り、陸海空問わず半永久的に活動できる。見た目は愛らしいが、スピーカーからカエルの鳴き声が響き、口からはカビくさい臭いが発生するなど、多くの人が生理的に嫌悪感を催すようなシステムが搭載されている。戦闘能力も低く、ゾロリからは三下扱いされていたが、破壊されて放棄されたアホーディオンを胸部のスピーカーに組み込み、その力をフルに発揮できるようになる。また、クラッシュライダーオーカミカミと呼ばれる形態に変形することも可能。

クラッシュライダーオーカミカミ

ラブリーケイツくんの戦闘用形態。ケイツに似ていたラブリーケイツくんとは外見がまったく異なり、オオカミを彷彿とさせる凶悪なものとなっている。頭が体に匹敵するほど大きく、一見すると機体のバランスが最悪のように見えるが、機動性、攻撃力ともにラブリーケイツくんの比ではなく、足のキャタピラを回転させて高速で移動しながら、鋭い牙で進行先に存在するあらゆるものを嚙み千切ることが可能。さらに、赤ずきんウォーカーに搭載されている巨大なナランペットが通用しないなど、防御性能も秀でている。ただし、体の構造が大きく変化している関係上、ラブリーケイツくんの胸部に搭載されていたアホーディオンは使用不能になっている。

オムショベーR

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。5番目に開発されたことから「スーパートレイサー05」の異名を持つ。おむすびをモチーフに組み上げられた陸上用マシンで、超時空マシンを追跡して時空間を渡る機能も健在。前方底部には巨大なショベルが備えられているほか、二本のマジックハンドを伸ばして対象を握り潰すこともできる。さらに、前方中央部のハッチには大口径の主砲が搭載されており、巨大な梅干しを連続して発射可能。クラッシュライダーオーカミカミよりかなり小さく、威圧感もないため、ゾロリからは侮られている。それに怒ったケイツがマジックハンドで攻撃を仕掛けようとするが、ピン太が転がしたおにぎりにぶつかり、戦わずして敗北してしまう。

ママドグー

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。6番目に開発されたことから「スーパートレイサー06」の異名を持つほか、風船で構成されることから「風船ロボ」とも呼ばれる。ふだんは円盤のような見た目で、上下から強化された風船を膨らませることで、土偶をモチーフとした形態に変化する。風船であることから柔軟性が優れているうえに打撃に強く、跳躍からの体当たりは、建築物を破壊するほどの威力を持つ。また、強化された布が搭載されており、「おさいほう機能」と呼ばれるモードを発動させることで、巨大な衣服を縫い合わせることもでき、プッチの開催したファッションショーでは、一攫千金をもくろむケイツの意向で、大会用の巨大な衣服を縫い上げた。しかしその出来は酷いもので、プッチからは散々にこき下ろされてしまう。

オニオンF1ロケット

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。7番目に開発されたことから「スーパートレイサー07」の異名を持つ。スーパートレイサー03と同様に、バイオ技術によって組み上げられた生体メカで、巨大な玉ねぎのような形状をしている。新鮮な玉ねぎを素材に選んだため、内部は催涙効果を持つ玉ねぎの汁気が充満しており、長時間乗り続けることはできない。戦闘時は「二足歩行型玉ねぎロボット オニオンガーT1」と呼ばれる形態に変形し、二門の大砲から鉄でできた玉ねぎ型の砲弾を連射する。

イソフラドン

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。スーパーおたまちゃんが好む豆のお菓子と薬品が合成されることで誕生した機体で、スーパートレイサー03やオニオンF1ロケットと同様に生体兵器にカテゴライズされる。8番目に開発されたことから「スーパートレイサー08」の異名を持つほか、豆がベースになっていることから「お豆バイオマシン」とも呼ばれる。蔓のような形状の尻尾などを備えており、大きな豆のさやで構成された角からはビーンズマシンガンを発射可能。鼻からは大量の納豆弾を、口からはおいなりさんやトーフハンバーグといった、豆を使った食品を発射できる。時空間を航行する機能も健在で、レアストーンを使ったゾロリの超時空マシンを追って、現代から白雪姫の世界、ジャックと豆の木の世界と、二回の転移を行っている。白雪姫の世界では、ゾロリを見つけるなり攻撃を仕掛けたが、ジャックが持っていた大小スイッチを使って巨大化したゾロリに一蹴され、さらにビーンズマシンガンの弾である「スーパービーンズ」と呼ばれる豆をジャックに回収される。その後もゾロリの打倒をあきらめないケイツの意向により、彼らを追ってジャックと豆の木の世界に転移する。そして、ゾロリが操縦するメカニックナイトに向けてトーフハンバーグを発射するが、メカニックナイトが所有していた秘宝「せいけん」の手刀モードで細切れにされた挙句、ノシシに食べられる。その結果、ノシシの力が飛躍的に増大し、イシシが魔女のお妃にかけられた洗脳魔法を解除するきっかけとなる。

アルマ次郎 (あるまじろう)

ケイツが開発した、スーパートレイサーシリーズの一機。9番目に開発されたことから「スーパートレイサー09」の異名を持つほか、アルマジロのような形状で、空中戦が得意なことから「アルマジロ型飛行ロボ」とも呼ばれる。かつてのスーパートレイサーシリーズより強固な装甲が特徴で、アルマジロのように丸まりつつ飛行し、回転しながら強力な体当たりを仕掛けられる。さらに、背中から「次郎くんブレード」と呼ばれる刃を展開させて敵のマシンを切断することも可能。のちにゾロリとケイツが共同戦線を組んだことを機に、ゾロリの手によって強化改造が施される。

ワンワンダー

ケイツがもも太郎の世界で開発した、戦闘用の巨大メカ。犬を模した形状をしている。巨大ながら俊敏な動きが可能で、耳をプロペラ状に変形させて空を飛んだり、脚部を変形させることで水上で活動したりすることも可能。腕部はワイヤーを使って遠くへ伸ばすことができ、ケイツは右手を伸ばす攻撃を「お手パンチ」、左手を伸ばす攻撃を「おかわりパンチ」と呼んでいる。頭部のハッチに鳥型のスパイロボットである「キジコ」が搭載されており、キジコが感知したものはすべて、内部に備え付けられているディスプレイに映し出せる。また、口の中には多数のデビルッキーが待機しているほか、舌の形をした、伸縮自在のツールが内蔵されている。「きびだんごエンジン」と呼ばれる特殊な動力を搭載しており、燃料タンクにきびだんごを投入することで、一時的にバードジェットを上回る速度で飛行できる。スーパーおたまちゃんの力をもってしてもゾロリや、鬼が島の鬼たちに敗れ去ったため、雪辱を果たすべく開発され、ケイツやゴルゴル、もも太郎を乗せて鬼が島へと渡る。そして、キジコを差し向けることで得られた情報を基に、見張りがいない場所を選んで上陸しようとする。しかし、オニギリジョーたちが作り上げた鬼ぎりでレーダーをかく乱されたことで峡谷へと誘導され、そこに待ち構えていたバードジェットとの対決を余儀なくされる。当初は、バードジェットがばけもの鳥との戦いで傷ついていたことに加えて、飛行機能やきびだんごエンジンによる高速移動でゾロリたちを追い込む。さらに、デビルッキーを差し向けてバードジェットの装甲を食い破ろうとするが、ゾロリの火山を利用した戦法により、一転して窮地に陥る。

パンクーダ

ケイツがかぐや姫の世界で開発した、戦闘用の巨大メカ。スカーフを巻いたパンダのような形状で、サングラスをかけている。笹の葉を模したサーフボードに乗って高速で川を下れるうえに、水中でも行動可能。ふだんの戦闘能力は皆無に等しく、ゾロリのタケバッカーZに一方的にやりこめられていた。しかし、サングラスを外したうえに竹を見ると狂暴化し、「パンクーダデビルモード」と呼ばれる強化形態に変化する。変化後はタケバッカーZが乗っている竹馬を食いちぎり、水中に落として行動不能にしようともくろむが、おおともの大納言がゾロリたちに加勢したことで失敗に終わる。

コウモリーノ・ド・ビリビリーネ一世 (こうもりーのどびりびりーねいっせい)

ケイツがおむすびころりんの世界で開発した、戦闘用の巨大メカ。球体状のコクピットの左右にコウモリの羽根が備わり、狭い場所でも自在に飛ぶことができる。口は檻になっており、吸い込んだ敵を人質として使うこともできる。頭に生えている角は発電機能を持ち、収束した電気を敵に向けて放つことができる。鉄竜号との戦いでは、水を浴びると漏電するという欠点を見抜いたゾロリによって水流を浴びせられ、自爆してしまう。

ゾロリンガル

ゾロリがもも太郎の世界で開発し、鬼が島で売り出したおもちゃの一つ。キツネのマークが刻印された石板のような形状をしている。おならの音を聞かせることで、鬼が島の言語に変換するという機能を持つ。さらに、マイクをつなげて歌を歌うことで、それに応じたおならの音を鳴らすことも可能。下品ながらもユニークな機能から、鬼が島に住む子供たちには非常に好評で、ゾロリのおもちゃが島中で人気を集めるきっかけの一つとなる。

きびだんご

もも太郎が好物としているお菓子の一つ。もも太郎の祖父母のうち、祖母の得意料理で、一口でも食べると、たちどころに体力を回復できる。実際、ケイツがもも太郎から提供された時は、スーパートレイサー01の無理な時空航行がたたり、疲労困憊で動けなくなったにもかかわらず、すぐに活動可能な状態にまで立ち直る。もも太郎がケイツと共に鬼が島に攻め込むことを決意した際は、もも太郎の祖父母の好意から、60キログラム分もの量のきびだんごを渡される。さらに、きびだんごの特性を見抜いたケイツの手によって、ワンワンダーの動力にきびだんごを利用する機関が組み込まれ、ゾロリや鬼が島の鬼たちが作り上げた最新鋭機であるバードジェットをも凌駕する飛行速度を発揮するきっかけとなる。

鬼ぎり (おにぎり)

オニギリジョーが作り上げたおにぎりの一種。梅干し、海苔といった定番となる具材のみならず、グリーンピースやかつお節、タケノコなど、さまざまな材料が用いられている。オニギリジョーは究極のおにぎりと呼ばれるおにぎりを作ることを目標としており、長らく鬼が島を離れて修業していた。その結果、料理の腕が上がってゾロリやイシシ、ノシシが絶賛するほどのおにぎりを作り上げるが、それでもまだ究極のおにぎりには届かないと苦悩していた。そんな中、大将が精鋭たちを率いて遠征に出かけ、防衛が心もとなくなった鬼が島を守る策としてゾロリがオニギリジョーに新型のおにぎりの制作を依頼し、鬼が島の仲間たちと共にこれを作り上げる。そして、自分一人でなく、信頼する人々との共同作業の中で真理にたどり着き、鬼ぎりこそが「究極のおにぎり」と呼ぶにふさわしい一品であることを確信する。

アップルビー

現代世界のりんご園に隠されているとされている宝石。一回1万円のりんご狩りに参加し、その中で見つけ出した人に贈呈される。ゾロリは、イシシ、ノシシと共に、参加費を払わずに済ませるために夜中にこっそりとりんご園に忍び込み、アップルビーを持ち逃げしようともくろむ。ケイツも、ゴルゴルやおたまちゃん軍団を率いてゾロリより先にアップルビーを入手しようと企み、ゾロリと争うことになる。しかし、両者ともアップルビーを手に入れることはできず、互いに骨折り損に終わる。のちに、アップルビーの噂はゼニパーンがりんご狩りの参加費を集めるためにでっち上げたもので、アップルビーと呼ばれる宝石は実在しないことが判明する。

大小スイッチ (だいしょうすいっち)

もぐもぐが開発した機械の一つ。見た目は長方形の機械にダイヤル状のスイッチが付いているだけのシンプルなもので、このスイッチを左右にひねることで、使用者の体を拡大および縮小できる。手のひらに収まるサイズまで小型化することも可能だが、持続時間はあまり長くない。イシシとノシシは、スーパーデリシャスアップルXを食べたことで倒れたゾロリを助けるべく、スーパーデリシャスアップルXの中に潜り込み、元凶であるゴンリーを倒すため、このスイッチを使って体を縮小する。のちに成長したもぐもぐの手によって強化され、制限時間がなくなったが、逆にスイッチがなければ元に戻れなくなる。そのため、ジャックと豆の木の世界では、ゾロリたちが巨人族と間違われるきっかけとなってしまう。

スーパーデリシャスアップルX

ジョマネットキサキがゾロリに対して売り込んだりんご。ふつうのりんごよりかなり大型で、ジョマネットキサキの顔とほぼ同じくらいの大きさを誇る。値段は2万9千円と高額で、それを聞いたゾロリは当初はまったく買うつもりはなかった。しかし、ジョマネットキサキが意中の女性に送ることで心をつかめるとうそぶき、さらに初回はお試しであることからタダでプレゼントすると誘いかけると、ゾロリは目の色を変えてこれを受け取る。実際は魔女の呪いがかけられており、一口でもかじると覚めることのない昏睡状態に陥る。スーパーデリシャスアップルXの中には魔女のお妃によって狂暴化した精霊のゴンリーが潜んでおり、彼を倒すか鎮静化させることで呪いを解くことが可能。そのため、イシシとノシシはゾロリを救うべく、もぐもぐが発明した大小スイッチで体を小さくして、スーパーデリシャスアップルXの中に入り込み、ゴンリーの打倒を目指すことになる。

魔法のクスリ (まほうのくすり)

魔女のお妃が定期的に服用している薬品。「ドラゴンの涙」と呼ばれる液体や「ボケボケ草」という植物など、さまざまな材料を魔法で調合することで完成する。接種することで魔力を回復させると同時に体型や表情筋を維持する効果を併せ持つ。ふだんは魔力を使い過ぎたときに備えて「魔法瓶」と呼ばれる水筒に入れて持ち歩いている。ゾロリとの戦いでは、魔力を使い果たしたことで魔法瓶の中の魔法のクスリを使い切ったため、自室に戻って補充を試みる。しかし、忍び込んでいたゾロリたちによって誤った材料を投与され、従来とは異なる効果を持つ薬が完成してしまう。

植物メカ (しょくぶつめか)

ケイツがゾロリを倒すために発明した機械。タケノコのような形状で、スイッチを入れてから地中に埋めることで起動する。イシシが畑仕事をしている最中に本物のタケノコと間違えて収穫し、コンロン博士の研究所に持ち込まれる。ケイツは当初、「バンバンブー」と呼ばれる巨大な怪人を作る予定で、イシシが持ち帰った際も、起動することでバンバンブーに変化するものと思い込んでいた。しかし設計段階でミスがあり、内部に仕込まれている竹が周囲を巻き込んでどこまでも伸び続ける「のびのびバンブー」へと変化する。さらに、ゾロリとケイツがいた部屋を巻き込んで上昇を始め、彼らを脱出不可能な状態に追いやってしまう。

足こぎドリルバイク (あしこぎどりるばいく)

ゾロリとケイツが共同開発したマシン。植物メカが「のびのびバンブー」に変化した影響で、コンロン博士の研究室から脱出できなくなったゾロリとケイツが、状況を打破するために止むなく手を組んで作り上げた。自転車のような乗り物で、下部に備え付けられているドリルが回転し、進行先の障害物をことごとく破壊する効果を持つ。のびのびバンブーの内側が、薄い装甲で仕切られた空洞の筒のようになっている点に着目したゾロリは、足こぎドリルバイクを使って内部を掘り進み、脱出することに成功する。

ゾロピカブロック

ゾロリが独自に開発したおもちゃの一つ。電子部品が内蔵されているブロックで、キツネの形をしたガイドマークに従ってくっつけることで、いろいろな形に仕上げられるうえに、その形状に即した特別な機能を付与できる。通常は手のひらサイズのおもちゃとして用いられるが、大量のゾロピカブロックを組み上げることで、ペッタンたんやよっこらギョなど、さまざまなマシンに合体させられる。ゾロリは、収入を増やすためにバーリーの経営するおもちゃ会社にゾロピカブロックを売り込み、やがて販売契約の締結に成功したが、ケイツやゴルゴルの横やりによっておもちゃ工場が荒れ果て、契約はなかったことにされてしまう。

ペッタンたん

ゾロリが大量のゾロピカブロックを連結させて作り出した巨大マシンの一つ。タコをモチーフとした形状で、特徴をそのまま示した「もちつき用タコ型ロボット」と呼ばれることもある。餅をひっくり返す頭は臼のような形で、移動用の四本の腕以外に「しゃもじアーム」を一本、先がホース状で放水できる「水差しアーム」を一本、大量の餅を高速で突くことができる「きねアーム」を二本搭載している。これらの腕で餅を突き、完成したものが口から出るという仕組みになっている。おむすびころりんの世界で、食糧が不足している地下王国を救うために作られ、ピン太の作ったおにぎりを原料にした餅を大量に作り上げ、みごとに食糧問題を解決した。

よっこらギョ

ゾロリが大量のゾロピカブロックを連結させて作り出した巨大マシンの一つ。チョウチンアンコウであるゴルゴルをモデルとしており、特徴をそのまま示した「アンコウ型クレーンロボット」と呼ばれることもある。発光器の部分にクレーンが搭載されており、頭部の操縦席で動かすことが可能。おむすびころりんの世界で、地下王国で発見した石を操作するために作られ、利用される。

秘宝「せいけん」 (ひほうせいけん)

天の街の宝物庫に安置されている秘宝の一つ。鞘に納まった剣のような形状で、柄には「せいけん」の文字がひらがなで刻まれている。本来は巨人族であるミハエルのための武器で、ゾロリの身長の二倍以上の全長を誇る。そのため、ゾロリが使いこなすためには、大小スイッチを使って巨大化するか、超時空マシンなどの巨大メカに搭載する必要がある。煌びやかな装飾が施されていることから、ゾロリからは高価な宝剣である「聖剣」と判断されていた。しかし実際は剣ではなく、鞘から抜くことで巨大な腕のような本体が現れ、前方の敵に向かって強力な突きを繰り出す「正拳」であることがのちに判明する。威力は非常に高く、全身を甲冑で包んだミハエルを弾き飛ばすほど。さらに、メカニックナイトに搭載することで「手刀モード」と呼ばれる形態に変化でき、イソフラドンが発射する巨大なトーフハンバーグを一瞬で寸断したり、ミハエルの振りかざす剣を真っ向から受け止めたりと、幅広い用途に応用できる。のちに正気を取り戻したミハエルに譲渡され、魔女のお妃を倒すために使用される。

暗黒の花 (あんこくのはな)

魔女のお妃がヤミの力の加護でよみがえった際に授けられた花。真っ黒なバラのような禍々しい形状で、茎には無数のトゲが生えている。人々が嘆き苦しむ声に呼応して成長する特性を持ち、完全に開花することで魔女のお妃の魔力が永遠に強化され続けるとされている。魔女のお妃は、暗黒の花を開花させるためにジャックと豆の木の世界へと転移し、魔法で洗脳した巨人族たちに住民を苦しめさせて、住民たちの嘆きの声を巨大なラッパ型のスピーカーを介して暗黒の花に送り込もうともくろむ。しかし、そのことを知ったゾロリの指示を受けたイシシやノシシ、ハーピーたちによって妨害されたことで計画は失敗に終わり、巨人族にかけられた呪いも解けてしまう。なお、実際は邪悪なだけの花ではなく、人々の喜びや希望などの声を集めた場合、闇が浄化されて光り輝く特性を持っていたことがのちに判明する。

奇跡の石 (きせきのいし)

眠りの森の姫の世界の伝説に記されている、四つの宝玉の総称。王家の血を引く女性のみが使用可能で、空間に干渉することでさまざまな奇跡を起こすことができる。眠りの森の姫の世界は、作物の実りが悪く、流行り病も多いことから荒廃しており、奇跡の石とその使い手がいることでなんとか民の生活が守られていた。しかし、新しい奇跡の石の使い手であるオーロラ姫が、黒魔術師からかけられた呪いの影響で長らく奇跡の石を使えなくなり、眠りの森の姫の世界は存亡の危機に見舞われる。

ブラックストーン現象 (ぶらっくすとーんげんしょう)

超時空マシンの航行中にパワーストーンにエラーが発生し、目標となる世界で流れる時間にずれが生じる現象。発生した際に超時空マシンにセットしているパワーストーンが黒く染まり、「ブラックストーン」と呼ばれる宝玉に変化することから「ブラックストーン現象」と呼ばれている。ブラックストーン現象が発生した場合、超時空マシンはおろか、搭乗者や転移した世界にも悪影響が起こる可能性がある。ただし、コンロン博士自身がディスプレイを通じて超時空マシンに干渉すれば、元の正しい世界に再転移することも可能。なお、ブラックストーン現象が発生してから再転移するまでのあいだに、現地の住人に接触することで、未来に変化が起こる可能性がある。

バトルステージX

ゾロリが開発した、対戦式カードゲーム。キャラクターカードにモンスターの姿を描き込み、機械でスキャンすることで能力値が表示される。さらに、ゲームを起動することで書き込まれたモンスターが具現化し、一対一の戦闘が繰り広げられる。具現化したモンスターは複数の能力を持ち、1ターンに一回ずつプレイヤーが指示を行い、相手のHPを0にすると勝利となる。モンスターの能力は、機械の判定によって決まり、絵の上手下手とは関係ない。のちにモンスター・スキャンが開発され、モンスターと超時空マシンを融合させることが可能になる。その一方で、ノシシが作ったカードである「バーサーカー」を紛失したことで、アラジンと魔法のランプの世界で騒動が起こってしまう。

巨人族 (きょじんぞく)

ジャックと豆の木の世界で暮らしている種族。名前のとおり、ふつうの住民たちと比べるとかなり大型で、重い甲冑を軽々と着こなすほどの身体能力を誇る。かつてはふつうの住民たちと同じ場所で暮らしており、困ったときは助け合うなど、良好な関係を築いていた。しかし、ある時期に白雪姫の世界から転移してきた魔女のお妃に呪いをかけられ、彼女の命令に従って付近の住民を襲う危険な存在へと変わり果ててしまう。

深海サンダー (しんかいさんだー)

マンターマリン号に搭載されている特殊な武装の一つ。「ブラックマンター」となった際に使用が可能になる。機体の全身に、拡散しない性質を持つ特殊な電気をまとって、目の前の敵に向けて一気に解放する。ケイツの乗り込んだカニカーニZとの戦いで使用された時は、水の中で使われたということもあり、コクピットを残して大破させるほどの強力な効果を発揮した。

くっつきタコスミ

マリリンちゃんが使用する能力の一つ。口から粘着力のあるタコスミを吐き散らし、命中した相手を動けなくさせることができる。ゾロリやイシシ、ノシシとの戦いで使用され、ゾロリを触手で拘束したまま、イシシとノシシを行動不能にするという戦果を挙げる。しかし、その状況を観察していたゾロリにくっつきタコスミの特性を逆手に取られ、彼の差し出した空気アメを食べたことで身の回りに泡状のくっつきタコスミを延々と吐き出し、自滅してしまう。

炎の息 (ふぁいあーぶれす)

魔女のお妃が使用する魔法の一つ。口から高熱の吐息を吐きかけ、前方にいる敵を攻撃する。ニンニクの匂いがついており、命中しなくても嗅覚にダメージを与えることも可能。アーマーバッファーに乗り込んだゾロリやイシシ、ノシシに対して使用される。彼らに命中させることこそ叶わなかったものの、アーマーバッファーの装甲を劣化させることに成功する。

雪ダルマブリザード (ゆきだるまぶりざーど)

魔女のお妃が使用する魔法の一つ。強力なブリザードを発生させるとともに、上空から雪だるまの群れを降らせて攻撃する。雪だるまの威力は特に高く、命中したゾロリを一撃で昏倒させたうえに鼻にしもやけを負わせ、さらに炎の息でダメージを受けたアーマーバッファーを航行不能に陥れた。

子守唄のメロディー (こもりうたのめろでぃー)

ハーピーが使用する能力の一つ。金色のハープに変身して特殊な音色をかき鳴らし、聞いた相手を深い眠りに誘う効果を持つ。射程距離は短く、十分に近づかないと効果を発揮できないが、この弱点は大小スイッチを使って巨大化することで克服できる。天の街に潜入し、宝物庫を物色し始めたゾロリたちを泥棒とカンちがいしたことによって放たれ、イシシやノシシ、ジャック、ケルミを次々に眠らせる。だが、子守唄のメロディーの特性に気づいたゾロリがナランペットを放ったことでハーピーの体が凍りつき、演奏を中断させられてしまう。巨人族に対しても効果を発揮することが可能で、ゾロリと共に敵陣に潜入した際に、魔女のお妃にあやつられた巨人族を眠らせる際に使用された。

おむこさんチャンピオン大会 (おむこさんちゃんぴおんたいかい)

かぐや姫と結婚する男性を選出するために開かれた大会。かぐや姫はその容姿と性格から多くの男性に好かれており、求婚をする者があとを絶たず、収拾をつけるために竹取りじいさんの主導によって執り行われる。数十人規模の参加者がいることから予選と本選に分かれており、予選は「いじわる〇×クイズ」「地獄の坂道なぞなぞ」「どろんこ沼からこたえをさがせなぞなぞ」「水中ジェスチャーで答えよう!!なぞなぞ」の四種類のすべてを解くことで本選への出場権を与えられ、本選の出場者が六人に達した時点で終了する。本選は、かぐや姫の指定する宝物を一番最初に差し出した参加者が優勝となるが、指定された物はいずれも入手が困難なもので、ケイツやあべの右大臣の妨害もあり、参加者たちは次々に失格になっていく。のちに、かぐや姫は月にいる両親から帰還するようにうながされており、おむこさんチャンピオン大会自体、かぐや姫との結婚をあきらめてもらうために開催されたことが判明する。

クレジット

原作

原 ゆたか

監修

原 ゆたか

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