かつみ

かつみ

奥羽山脈の山間にある雪深い田舎に住む少女の森田かつみと、東京から訪れた北川育夫など周囲の人々との触れ合いを描いたヒューマンドラマ。

正式名称
かつみ
ふりがな
かつみ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

高校1年のかつみ(森田かつみ)は、自然の中で逞しく育った、活動的なオテンバ娘。かつみの家は奥羽山脈の山間にある小さな村で、冬は2メートル程の積雪になる豪雪地帯。ある日、東京へ出稼ぎに出ていたかつみの父、森田正蔵が、正月休みで帰省した。彼は東京で知り合った青年の北川育夫を伴っていた。

彼は、かつみの家に居候をし、本気で農業をやりたいという。かつみ北川育夫からギターの手ほどきを受けるなど次第に馴染み始めた。人々の厳しい暮らしも垣間見える中、やがて長い冬が終わり、北川育夫も慣れぬ手で田起こしや田植えを手伝い出す。豊かな自然と温かい人々に触れながら過ごすある日、北川育夫はマムシに噛まれ、鷹殿(鷹匠)の娘、あい子に助けられる。

美しい彼女を愛し始めた北川は、あい子のために曲を作って譜面をノートに書き記した。そのノートを見たかつみは、びっしりと書かれた曲の多さに驚き、改めて北川育夫はいったい何者なのか考え出す。

登場人物・キャラクター

森田 かつみ (もりた かつみ)

セミロングで前髪がはねた女子。高校1年生。奥羽山脈の山間にある豪雪地帯の小さな田舎に住む。活動的なオテンバ娘。4月1日生まれのため、親友のマジック(政治)からは「バカ姉ちゃん」と呼ばれている。餅つきの杵も難なく振り、父の森田正蔵からは「もし男の子だったら」と呟かれるほど。明るい性格だが、雪国の暮らしに複雑な思いを抱くこともある。 父が連れてきた青年、北川育夫を初めは不審に思っていたが、ギターを習うなど次第に馴染み出す。ある日、北川育夫が譜面を書いたノートを見つけ、その曲の多さに驚いて、改めて彼は何者なのか考え出す。

森田 正蔵 (もりた しょうぞう)

かつみ(森田かつみ)の父親。初登場時54歳。東京に出稼ぎに出て北川育夫と知り合い、正月休みの帰省の際に家に連れてきた。本気で農業をやりたいという北川育夫の言葉を、初めはほんの気まぐれだと思っていたが、慣れないながらも一生懸命ともに農作業に従事する彼を頼もしく思うようになる。末っ子のかつみを溺愛している。

森田 キミエ (もりた きみえ)

初登場時49歳。かつみ(森田かつみ)の母。小太りで気のよい女性。夫の森田正蔵とは一日一度はケンカをする。森田正蔵が連れてきた青年、北川育夫を快く世話する。

北川 育夫 (きたがわ いくお)

長髪の若い男性。自称24歳。東京で出稼ぎに来ていた森田正蔵と知り合い、彼に連れられてギターを背負い奥羽山脈の山間にある小さな村にやってきた。森田正蔵の家に居候し、本気で農業をやりたいという。素性は不明だが、大金を持っている様子。娘のかつみ(森田かつみ)など家族とも次第に打ち解け、慣れない手つきながらも田起こしや田植えを手伝い出す。 豊かな自然と温かい人々に触れながら過ごすある日、マムシに噛まれて鷹殿(鷹匠)の娘、あい子に助けられる。美しい彼女を愛し始め、彼女のために曲を作って譜面をノートに書き記した。

森田 正 (もりた ただし)

かつみ(森田かつみ)の兄。初登場時28歳。冬は父の森田正蔵同様に東京に出稼ぎに出て、春は父母やかつみと共に農業に勤しむ。

森田 ナツ (もりた なつ)

白髪の老女。かつみ(森田かつみ)の祖母。初登場時72歳。冬は1人炬燵にいることが多い。東京からやってきて居候している北川育夫に、かつみ が持ち帰った「やまびこ」(ウスタビガのマユ)の謂れを聞かせる。

柿の木のオド (かきのきのおど)

家の前に大きな柿の木があることから、「柿の木のオド」と呼ばれている。道端で北川育夫とぶつかり、彼に対して百姓など辞めろと言い聞かせた。かつみ(森田かつみ)の母の森田キミエによれば、出稼ぎで身体を壊したという。

政治 (まさじ)

帽子を深く被った少年。かつみ(森田かつみ)の隣に住む。マサジクンがなまってマジックと呼ばれるようになった。生意気な口を利くが根は優しい。大人も勝てないほどの釣りの腕を持ち、かつみの誕生日には かつみ、北川育夫と共に渓流に釣りに行く。熊を追い払ったり、かつみの母の森田キミエの腰の痛みを治したりと、生活の知恵に長けている。 冬の間は父が出稼ぎに出るため、1人で暮らしている。

福永 (ふくなが)

スーツ姿の中年男性。静岡県の浜名湖の湖畔に住み、ツバメの生態調査をしている。かつみ(森田かつみ)が家に巣を作っているツバメの足についていた標識を見て、彼に手紙を出していた。春にかつみの家を訪ね、以後親しく付き合うようになる。フォーク・ソングの大ファン。

あい子 (あいこ)

黒いロングヘアで端正な顔立ちの女性。鷹殿(鷹匠)の娘で、自らも「鳥海号」という鷹を操る。かつみ(森田かつみ)など森田家の人々とも顔なじみ。マムシに噛まれた北川育夫を介抱し、彼に好意を寄せられる。初めは北川育夫につれない態度をとっていたが、次第に気持ちが傾いていく。

ボブ・川喜多 (ぼぶ・かわきた)

大物フォーク・シンガー。数年前に姿を消してしまったが、いまだに曲は売れ続けている。ツバメが縁でかつみ(森田かつみ)の家を訪れた福永が北川育夫の顔を見て、ふと彼のことを話題にした。

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