概要・あらすじ
椎八場市に住む女子高生の真紅果林は、吸血鬼の一族だが、なぜか血が増える増血鬼。吸血鬼の弱点は通用せず、普通に学校に通っていた。ところが、なぜかかりんが転校生の雨水健太に近づくと血が増えてしまう。その原因は健太の「不幸」体質。しばしば増血の限界を超えて鼻血を吹くかりんと、かりんの秘密を知ってからも理解を示す健太は次第に接近していく。
だが、かりんの体質には吸血鬼一族の命運を握る重要な秘密が隠されていた。
登場人物・キャラクター
真紅 果林 (まあか かりん)
1987年10月13日生まれ。身長152cm。スリーサイズはB:89cm、W:52cm、H:77cmで、Eカップの巨乳。髪は小豆色でおかっぱ。とんでもないドジッ子で、ふたつのことを同時に考えられない。吸血鬼の一族だが、血を吸うのではなく、自分の血が増えすぎてしまうため、他人を噛んで血を注入するという「増血鬼」である。 襲った相手の記憶を消す吸血鬼の能力も未熟で、妹の真紅杏樹にやってもらうことが多い。「不幸」な人間の血に反応し、血を注入した相手は自らが望む性格になる。人を襲わずにいると、大量の鼻血を噴き出し、貧血で失神するという体質。一般の吸血鬼の弱点はまったく効かない。普通の高校生として生活しており、成績は壊滅的に悪い。 家族とは生活時間帯が異なるため、家事一切を自分でしないといけない。家族とは異なり、吸血鬼にはない人間の味覚があったため、家庭での食生活は貧しかったが、学校給食の味に感動して料理にはげみ、現在はかなりの料理上手になっている。また、家族は光熱費と無縁であるため、自分だけが必要となる食費と光熱費は、自分で稼ぐことになっている。 バイト先はファミレスのジュリアンと屋内型テーマパークのアミューズスクエア。実は増血鬼は、母方のアルマーシュ家から繋がるピスティス・ソフィアの血統によるもの。命を繋ぐ力の弱った吸血鬼の血脈を甦らせるために、すべての血を与える宿命を持つ。転校してきた生まれつきの「不幸」少年の雨水健太は、近寄るだけで増血してしまう要注意人物だったが、事情を理解して協力してもらえるようになった。 また、増血時の世話を見てもらうことや、勉強を教わる代わりに弁当を提供するなどで接近。恋心を抱くようになる。当初は種族の違いに悩みもしたが、健太の決意によって恋愛関係が成立。ブラウンリック家との確執を経て、新たな人生を始めることになる。
雨水 健太 (うすい けんた)
真紅果林のクラスに編入してきた少年。1988年2月29日生まれ。身長180cm。体重70kg。血液型A型。吊り目の三白眼で目付きが悪い。ただし、性格はマジメで品行方正。学校の成績もよい。果林の家の裏手に建っている築30年以上のボロアパートに、母の雨水文緒と二人で住んでいる。 将来の夢は、真っ当な学校を出て仕事に就いて、普通の家庭を築き、誰からも後ろ指を指されない真っ当な人生を送って墓に入ること。生活が苦しいため、昼食を抜いている。バイトはファミレスのジュリアンをメインに、時間の余裕があるときは配送業会社・黒猫ダミアンなどで働いており、可能な限り仕事を詰め込んでいる。恋愛関係には疎く、エロ本などにも無縁で、男女交際など高校生には早いと思っている。 祖母に冷たくあたられたことなどから、他人の存在、居場所の問題には敏感に反応する。母の文緒が果林に噛まれているところを目撃したため、噛まれた後遺症などを知ろうと果林に接近したことから、その秘密を知って協力者となった。後、恋愛関係に発展。果林とキスしたときに、その血を得たことからピスティス・ソフィアが見えるようになる。 ソフィアが果林の姿なのは、健太の理想像だからとのこと。ソフィアの協力で、ブラウンリック家との果林奪還作戦で真紅家の戦力となる。
ヘンリー・マーカー (へんりーまーかー)
真紅果林の父親。長身に先の尖った口髭、額の生え際中央に3本の白髪が立っている。眼光も鋭く威厳もあるが、実はナイーブかつセンシティブな平和主義者。普段は妻のカレラ・マーカーの尻に敷かれているが、果林のことになると男親らしさを発揮する。母のエルダ・マーカーを今でも「ママ」と呼び、やや甘え気味。 血の嗜好は「プライド」。終盤まで発揮されることはなかったが、自然に生えている大木を引っこ抜いて投げ飛ばす怪力を持つ。
カレラ・マーカー (かれらまーかー)
真紅果林の母親。グラマーな美人。凶暴で冷徹な性格。血の嗜好は「嘘つき」。実家のアルマーシュ家はプシュケーの血統だが、カレラには現れなかった。元々おじさん趣味で、ヘンリー・マーカーの父のジェイムス・マーカーが好きだった。そのため、ヘンリーはいずれジェイムスに似てくるはずだ、ということで結婚した。 このような理由もあって結婚後10年以上夫婦生活がなかったようだが、その後は熱愛的な夫婦となっている。義母のエルダとは犬猿の仲。
真紅 杏樹 (まあか あんじゅ)
真紅果林の小学生の妹。6月6日生まれの小学5年生。わずかに茶色のかった長い銀髪で後頭部に黒いリボン。いつも黒いゴシック調のロングドレスを着ている。まだ吸血鬼として覚醒していないため、人間界の常識を知る意味もあって学校に通っているが、やはり好天は休むことが多い。コウモリの扱いや記憶操作などを、覚醒前でありながら巧みにこなす天才型。 人形収集が趣味だが、そこに霊を封じる特技もある。特にお気に入りはブギーくん。無表情でクールだが、かなりのお姉ちゃん子。果林が人を襲った後の記憶操作などに協力している。作中で吸血鬼に覚醒する。血の好みは「寂しさ」。
真紅 煉 (まあか れん)
真紅果林の兄。21歳。11月1日生まれ。長身の銀髪で目付きが鋭い美形。女を食い物にするケダモノとして知られる。血の嗜好は「ストレス」で、女性を襲って同時に男女の関係になるものの、「ストレス」も吸い取ってしまうために相手への興味は薄れる。そこで、一時的に姿を消すことで「ストレス」を増幅させて再度血を頂くという手法を得意とする。 モラルや貞操観念が薄いことは家族全員が認めている。果林をよくいじめているが、それは後日必要になる記憶操作のための準備でもあった。果林を手加減していじめることができるのは自分たちの特権だという。後にブラウンリック家に繋がる子供を作ってしまう。
雨水 文緒 (うすい ふみお)
雨水健太の母。黒目がちな憂いを含んだ瞳に泣きボクロのある美しい若妻。16歳で息子の雨水健太を出産。その後、母の責めに耐えられなくなり12年前に家出をして、母一人子一人で生活中。家に連れ戻されることを恐れている。その外見から勤め先で必ず上司から言い寄られ、問題になって解雇されてしまう。結果として常に貧乏暮らしをしている。 果林に噛まれたことで一時はポジティブになった。現在は聖アンナマリナ女子大の売店の売り子に落ち着いている。健太の父である飯塚修成とは幼馴染みで将来を誓っていたが、家を出るときに連絡が行き違い、離別してしまった。民間調査会社の米原に見つけられ、家に戻されそうになったが、説得して椎八場市に残った。 後日、母が病気で倒れ、看病のために戻る。
エルダ・マーカー (えるだまーかー)
真紅果林の祖母。200歳を超えているが、果林と瓜二つの若い外見を保っている。サイドの髪を長くしており、貧乳。この長い髪を誉められてジェイムス・エドウズにプロポーズされ、熱愛的な夫婦になったとのこと。日本に移住してきた世代で、家族を人間に滅ぼされ、そのまま吸血鬼一族に強引に連れてこられたため、人間も家族以外の吸血鬼もすべて敵。 夫のジェイムスに説得されて、地下室で永い眠りに就いているが、たまに起きてきて騒ぎを起こす。ジェイムスを甦らせようとして、その好みの「若さ」を持つ血を集めたが、それによる復活はならなかった。同世代のほとんどの吸血鬼をいじめていたため、ひどく恐れられており、トラウマを抱えている者もいる。 真紅煉はお気に入りで、いいように遊びつくした。果林と雨水健太との関係には基本的に反対で、厳しい目で監視している。それでも、果林の気持ちを優先させようとする、優しい祖母である。
時任 麻希 (ときとう まき)
真紅果林の小学校時代からの親友。ポニーテールの元気な女の子で、バドミントン部所属。自宅はToki-BOOKSという書店で、たまに店番をしている。母は料理上手だが、それは受け継がれておらず、バレンタインチョコなどは果林に教わって作っている。果林が吸血鬼だということは知らないが、顔色や言動から果林の気持ちを読み取り、強い味方になってくれる。 果林の自宅の場所を知らないことにも気付かないように、記憶操作されていた。果林と雨水健太の恋を応援しているが、自分も恋人が欲しいといいつつ、それらしい動きはない。
ブギーくん
真紅杏樹のお気に入りの、左手に包丁を握っている人形。その中には13人を包丁で惨殺した左利きの連続殺人鬼の魂が封印されている。杏樹とは普通に会話をする。しばしば杏樹が口にしない気持ちを代弁するが、鋭いところを突き過ぎておしおきされることも多い。杏樹が近くにいないと封印が弱まり、まれに殺人鬼の魂が抜け出して悪さをすることがある。
店長 (てんちょう)
真紅果林と雨水健太がバイトをしているファミリーレストラン、ジュリアンの店長。小太りでニコ目に小さな丸いメガネをかけた好人物。果林と健太が彼女たちの都合で休むことがあるので、しばしば人手不足に苦しんでおり、自らホールに立つことも多い。果林と健太の関係には気付いており、温かく見守っている。
飯塚 修成 (いいづか しゅうせい)
雨水健太の父。吊り目の三白眼で左目横に大きな傷痕があり、見た目は凶悪犯だが実直な人物。左目横の傷痕は、小学生時代に幼馴染みの雨水文緒に押されて遊具に激突したときのもの。高校で落第するなどあまり行跡はよくなかったが、妊娠させた文緒のために更生しようとしていた。だが、文緒の母に気絶され、それに怒った修成の父のため、文緒とは音信不通となってしまい、12年前の家出も知らされなかった。 現在は無職だが、臨時雇いで配管工として働くことが多いらしい。健太とは5年前に偶然、会ったことがある。新しい恋人との間に子供ができたため、過去の清算のために文緒と会おうとして家出を知り、調査会社の米原とともに椎八場市を来訪。 文緒と健太との再会を果たした。
米原 (よねはら)
雨水文緒を探して椎八場市にやってきたオオノ民間調査機関の調査員。メガネをかけた気弱な若い社員で、あまり成績はよくない。ムリヤリ同行してきた飯塚修成にいびられながら、なんとか文緒の家を捜し当てる。だが、ヘンリーの協力で文緒たちは赫雀寺(かくじゃくじ)に身を隠し、調査は難行。 結局、飯塚の脅しや文緒の泣き落としにより報告を断念した。文緒のフェロモンパワーに惑わされていて、恋心を明らかにしているが、スルーされている。
寺西 唯香 (てらにし ゆいか)
真紅杏樹のクラスメート。左サイドで髪をまとめている。休みがちな杏樹がちやほやされることが気にいらなかった。杏樹が真紅果林と雨水健太に話をさせようとしたときに放置されたブギーくん人形を拾得。杏樹から返すように言われたが、反抗して持ち帰った。母にブギーくんの左手の包丁を取るように頼んだところ、母が原因不明の人事不省に陥り救急車で搬送されてしまう。 父も母に付き添って、独りで留守番をすることになり、ブギーくんの中の連続殺人鬼の霊に襲われて死の驚怖を味わわされる。やってきた杏樹に助けられて記憶は消されたものの、人形恐怖症は残っている。
鯉淵 克 (こいぶち すぐる)
真紅杏樹のクラスメート。メガネの優等生で中学受験を目指している。杏樹のことが好きでアプローチをしていた。杏樹が真紅果林と雨水健太のバレンタインデートを監視するときのダミーとして動物園に誘われ、お礼に駄菓子のミニチョコを一つもらって有頂天になった。覚醒した杏樹の最初の餌食となり、その嗜好である「寂しさ」を吸われた。
瀬良 洋光 (せら ひろみつ)
真紅杏樹のクラスメート。短髪の元気な少年。杏樹のことが好きで、鯉淵克と競うようにアプローチをしていた。杏樹の冷たい仕打ちが気持ちよくなりつつあり、イケない嗜好が目覚めそうだった。
橘 友里耶 (たちばな ゆりや)
真紅果林たちのバイト先のファミレス、ジュリアンに勤めるようになった女性。軽くウェーブがかかった髪を両サイドで縛っている。吊り目で丸い小さなメガネ。まな板胸をパッドで誤魔化している。椎八場市のオンボロマンションで独り暮らし。実は吸血鬼の父と人間の母の間に生まれたヴァンパイア・ハーフ。 月に一度、吸血衝動が抑えきれずに人を襲い、下手ながらも記憶操作もできる。太陽の下で活動できるが、吸血衝動の強い時期は陽光が苦手。両親共に死亡したため天涯孤独な身の上で、グラークのところに身を寄せている。人間に理解のあったジェイムス・マーカーを頼ってやってきたという口実で、真紅家を探りにやってきた。 グラークへの恋心から、なんとか役に立とうとしている。吸血鬼と人間の間に生まれたヴァンパイア・ハーフには生殖能力がないことを知っているため、果林と雨水健太との関係にも反対の気持ちが強い。果林が自分の居場所を求めていることと、別の男との子供を作らされると知って、最後には助けようとする。
グラーク
吸血鬼の一族で、プシュケーを祀る一家の末裔。線目で背が低く、気さくで明るい人物のように見えるが、ヤクザともつながっていて冷酷な性格。関西在住で裏の情報屋。吸血鬼一族では唯一の関西弁。橘友里耶を椎八場市に送り込んで、真紅家にプシュケーが現れたかを調べていた。 真紅果林=プシュケー拉致計画の中心人物で、この作戦の功績で友里耶を一族から認めさせようともしていた。以前はヘンリー・マーカーもそれなりに信頼を置いていた。
ブリジット・ブラウンリック (ぶりじっとぶらうんりっく)
吸血鬼一族の長老の家系。前髪パッツンのロングヘア。長老家としてのプライドが高く、わがまま放題な性格。排他的なところがあり、自分の意見に背くことを許さない。ヴァンパイア・ハーフの橘友里耶のことは役立たずとして、仲間とは認めていない。プシュケーを熱望しており、グラークのプシュケー拉致計画を支持している。 真紅果林を懐柔しようしたが、雨水健太を手にかけようとして果林に拒絶された。果林救出のため城に乗り込んできた真紅煉に骨抜きにされてしまい、その結果として身ごもった。
セシリア・アルマーシュ (せしりああるまーしゅ)
真紅果林の祖母で、カレラ・マーカーの母。真紅杏樹は祖母似。プシュケーの血統としてブラウンリック家に幽閉されていたため、日本への逃避行まで外に出ることはなかったという。プシュケーを自由にするというエドウズ家の悲願のため、ジェイムス・エドウズに言い寄られたが、ジェイムスが恋愛感情抜きでプロボーズしたため拒否。 ただ、子供ができたら結婚させようと約束し、カレラ・アルマーシュとヘンリー・マーカーが結婚することになった。日本に向かう船の中で、数少ない同世代の女性であるエルダ・マーカーと仲よくなろうとしたが、あまり距離が縮まらず、両家の親交も深まらなかった。
ジェイムス・マーカー (じぇいむすまーかー)
真紅果林の祖父で、ヘンリー・マーカーの父。真紅家の地下室で眠りに就いていたが、命をつなぐための吸血に起きてくることはなく、干からびて死んでしまった。血の嗜好は「若さ」で、吸血した相手が「若さ」を失うことに心を痛め、吸血そのものに積極的ではなかった。もともとジゴロな性癖があり、孫の真紅煉にその血が受け継がれているのではないかと噂されている。 エルダ・マーカーの長い髪にキスをしてプロポーズし、かなりの熱愛夫婦となった。マーカー家の入り婿となり、日本名として真紅の文字をあてた。プシュケーを自由にするというエドウズ家の悲願を叶えるため、セシリア・アルマーシュに子供同士の結婚の約束を取り付けた。 実は死後の魂が真紅家内を徘徊していたため、真紅杏樹によってクマのぬいぐるみに封印されていた。杏樹はぬいぐるみから吸血鬼に関する知識を得ていたが祖父だとは気付かず、果林をブラウンリック家から奪還する際、留守番チームの文献調査でその事実が判明した。帰宅したエルダにクマのぬいぐるみが渡されたが、その場で破かれてしまい、感動の再会とはならなかった。
エドワード・エドウズ (えどわーどえどうず)
真紅果林のエドウズ家の1000年前の当主。当時のプシュケーと恋に落ち、その運命から助け出そうと駆け落ちを企てた。だが、計画が露顕して、ブラウンリック家ともう一つの祭祀の家によって殺された。そのときから、「裏切り者のエドウズ」と呼ばれている。エドの思いがエドウズ家の悲願として伝えられている。
ピスティス・ソフィア (ぴすてぃすそふぃあ)
真紅果林の持つプシュケーの血統の最初の人物。代々のプシュケーが吸血鬼たちに捧げた命を取り込んで、集合体となっているらしい。哀しい宿命を持っているが、快活な性格をしている。プシュケーの血を体に受け、心を開いた相手にだけ、そのもっとも大切にしている人物の姿で現れる。他の人間には見えないが、当人とは触れあうことも話すこともできる。 雨水健太は果林とのキスの際に供血もされていたため、プシュケーの血を受けることとなり、ソフィアを果林の姿で認識するようになった。果林によって宿命から解き放たれる確信があり、果林救出のために健太に協力する。果林の鼻血を浴びていた橘友里耶にもソフィアは見え、その姿は母のものだったらしい。
美晴 (みはる)
雨水文緒が働くことになったラブホテル、ニュー・カレドニアに住み込んでいた女子高生。両親の離婚後、父が再婚相手を連れてきたことに反発して家出し、ニュー・カレドニアで客をとるようになっていた。姿を隠すために晴美と名乗っている。掃除をしようとして部屋を間違えて入ってきた文緒に懐いた。 だが、真紅果林の供血の影響で強気になった文緒により、ニュー・カレドニアが女子高生売春の舞台となっていたことが通報され、本人も激しく叱責されて家に戻った。
藤谷 日向 (ふじたに ひなた)
真紅煉が覚醒前に通っていた中学校のクラスメート。保健委員で、煉と仲よくなろうと、保健委員の仕事の手伝いを頼んできたが、煉が覚醒してしまったため実現されなかった。煉も少し心残りがあったようだ。
場所
ジュリアン
真紅果林と雨水健太、後に橘友里耶が働いているファミリーレストラン。繁盛しているらしく、人手不足で苦しんでいることが多い。
アミューズスクエア
真紅果林がジュリアンに加えてバイトをすることにした、屋内型アミューズメントパーク。果林は「胸の大きな女子高生」ということで採用され、胸の目立つチャイナドレス風制服など、恥ずかしいカッコをさせられた。
椎八場市 (しいはばし)
真紅果林たちが暮らす町。繁華街は賑わっており、公園も多く住環境としてはかなりよい。築数十年の建物も多く、古くから栄えているようだ。モデルになったのは「横浜市」。
幽ヶ谷 (ゆうがたに)
吸血鬼の長老・ブラウンリック家があるA県の山奥。雨水健太の地元の近くでもあった。
その他キーワード
真紅邸 (まあかてい)
『かりん』の用語。真紅果林たち一家が暮らす洋館。小さな丘の上で、丘全体が強力な結界に囲まれている。犬の嗅覚のような特殊な感覚があればたどり着けるが、普通の人間は近寄ることすらできない。その結界のきわに雨水健太母子の住むオンボロアパート、その反対側に赫雀寺(かくじゃくじ)がある。地下室では祖父母のジェイムス・マーカーとエルダ・マーカーが柩の中で眠っている。 その後ジェイムスは干からびて死んでいたことが判明する。
プシュケー
『かりん』の用語。真紅果林に現れたアルマーシュ家に伝わる特殊な存在。プシュケーの泉とも呼ばれる。プシュケーとは「命」のことで、増えた血を命をつなぐ力が衰えた吸血鬼に与えて復活させるのが役目。最終的にはその命を捧げることになる。人間の血を吸わなければ生きていけない吸血鬼が人間に拒絶されたことから生まれた、呪われた存在とのこと。 当然、人間に許容されれば呪いは解ける。その血統はアルマーシュ家に伝わるもので、長老のブラウンリック家が独占してきた。
吸血鬼 (きゅうけつき)
『かりん』の用語。激しい吸血鬼狩りにあって、200年前に日本まで逃げてきた一族。一族ではヴァンパイアの呼称を使う。血液が命そのものとなる種族で、人間の血と同時に性癖なども吸う。陽光に弱く、たちまち焦げてしまう。ニンニクなどは、嗅覚が優れているために苦手。味覚は血液のみで感じる。特殊なコウモリを自在に操るが、これは普通の人間には見えないもの。 また、人間の記憶を操作することもできる。生まれてからしばらくは人間と同じように暮らすことができるが、12歳前後で覚醒する。個人主義で、家族ごとに決まったテリトリーを守り、他人のところには干渉しない。年に一度だけ、長老の家で集会を開く。全員の命の力が弱まっており、真紅杏樹の後に生まれた子はいない。 そのためプシュケーの泉によって、次代の子供が誕生するための生命力を取り戻したいと、多くの吸血鬼が考えている。