概要・あらすじ
白い髪と紫の瞳を持つ少年、アルスは、ドイツ東端の森の中にいた。村人はアルスの容姿を気味悪がっており、疫病が流行(はや)ったことをきっかけに、彼を村から追放してしまったのだ。1週間、森をさ迷ったアルスは、とうとう空腹で倒れてしまう。そこに、魔女フィアロ・シュルツと白狼のウォルフが通りかかる。フィアロはアルスに「このまま野垂れ死ぬか、自分と契約して下僕となるか」の二択を迫った。アルスはフィアロの手を握り、彼女の下僕となることを選び、そのまま気を失う。気がつくとアルスは、フィアロの別荘でベッドに寝かされていた。アルスにスープを振る舞い、森で倒れていた事情を聞いたフィアロは、彼に同情して大泣きする。そしてアルスが魔眼の持ち主であることを見抜いたフィアロは、転移魔法を用いてアルスを「魔法の世界」へと招き入れた。こうして新しく家族となったアルス、フィアロ、ウォルフの新生活が始まった。
登場人物・キャラクター
アルス
白い髪と紫の瞳を持つ少年。年齢不明で、身長135センチ、体重30キロ。真面目で飄々(ひょうひょう)とした性格。孤児であり、物心がつく前から山奥にある村の施設で育つ。容姿のせいで、村人から嫌われており、疫病が流行ったことをアルスのせいにされて追放される。森の中で倒れていたところ、魔女のフィアロ・シュルツに拾われ、彼女の下僕となる。「星眼(ほしのめ)」という珍しい魔眼の持ち主であり、相当の魔法力があると推測される。
フィアロ・シュルツ
紫のロングヘアが特徴の魔女。見た目は若い女性で、身長170センチ、体重55キロ。魔法協会に所属する魔法使いで、「紫天の魔法使い」の異名を持つ。人間界の森の中で倒れていたアルスを拾い、魔法の世界へ家族として招き入れる。アルスを可愛(かわい)がり、いつも一緒に寝ている。
ウォルフ
大きな白い狼。フィアロ・シュルツといつも一緒にいる。人の言葉を話すことができ、頭も良い。そのため、魔法協会に提出する書類を書くなど、事務作業をこなす。
マリア・H・メーベルト (まりあ はると めーべると)
魔法使いと医者を兼業する魔女。魔法協会経営の病院の責任者で、フィアロ・シュルツの古い友人。「透視の魔眼」の持ち主で、理性的で少し冷たい印象だが、アルスには優しい。
その他キーワード
魔眼 (まがん)
「眼」そのものが固有の魔法を会得する現象。身体の中に収まりきらない魔力が体外に溢(あふ)れ出し、瞳に流れた結果、視神経の構造自体が変異して起こる。「魔法の世界」では、1000人に一人ぐらいが発現する。アルスの「星眼(ほしのめ)」は特に珍しく、歴史上二人しか発現していない。