概要・あらすじ
人気絵本作家の鹿角ひよりは、新作のアイデアが浮かばず困っていた。スマホを見ると、担当からは鬼のような催促のメッセージ。ひよりはますます焦るが、驚くほど何も思いつかないのだ。そんなひよりの気持ちも知らず、グレートピレネーズのモヤは、外の雪を見て大はしゃぎ。かまってほしくて、しつこくまとわりついてくる。ひよりはモヤを抱き上げ、猫のキリのもとへ連れていく。キリは人をダメにするビーズソファに、ズブスブと沈んで寝ていた。モヤはキリに遊んでもらおうとソファに飛び込む。気持ちよく寝ていたところを起こされたキリは、烈火の如く怒りモヤを引っ掻いた。それを見たひよりは、「ピコーン」と絵本のアイデアを思いついた。それは、海の底に沈むアンモナイトの物語だった。ビーズソファに沈むキリの姿からヒントを得たのだ。ひよりは一気に絵本を描き終え、無事に仕事は終了。アンモナイトのお話は、担当の山巻さんからも絶賛されたのであった。
登場人物・キャラクター
鹿角 ひより (かすみ ひより)
人気絵本作家の女性。髪はショートカットでいつも締め切りに追われている。一緒に暮らすグレートピレネーズのモヤ、猫のキリの行動をヒントに絵本のアイデアを思いつく。
モヤ
オスの犬。体毛は白、犬種はグレートピレネーズで、人間と同じぐらいの大きさがある。いつも元気で、鹿角ひよりの締め切りなんてお構いなしにじゃれてくる。
キリ
メスの白猫。太くて長い尻尾が特徴で、頭が良く、締切前の鹿角ひよりを気遣う優しさも持つ。無神経に絡んでくるモヤに、カッとなることが多い。モヤの前ではお姉さんぶっているが、本当は甘えん坊。モヤがいないとひよりに甘えだす。
山巻 (やまき)
鹿角ひよりの担当編集者の男性。作者が意図していないことまで深読みし、ひよりの絵本を絶賛している。
鹿角 晴青 (かすみ はれお)
鹿角ひよりの弟。新鋭の4コマ漫画家で、シュールな作風で注目を集めている。ネタに詰まった際、「閃きのヒントは身近にある」というひよりのアドバイスを受け、目についたモヤ、キリ、寒天が登場する漫画を執筆。ひよりには大不評だったが、世間では評判となる。
書誌情報
きりもやびより 5巻 講談社〈イブニングKC〉
第1巻
(2021-12-23発行、 978-4065263433)
第2巻
(2022-04-21発行、 978-4065274477)
第3巻
(2022-08-23発行、 978-4065288474)
第4巻
(2022-12-22発行、 978-4065303948)
第5巻
(2023-04-21発行、 978-4065314821)