ハガネの女

ハガネの女

35才独身、剣道の達人「ハガネ」こと 芳賀稲子が、公立小学校・名門私立中学校を舞台に、生徒が抱えるリアルな問題に真正面から向き合っていく姿を描く。「YOU」2007年NO.23から2011年NO.12にかけて掲載された作品で、2010年にはテレビ朝日系列にて吉瀬美智子主演でドラマ化もされている。番外編として、作中のサブキャラクターたちを主人公に据えた「藤間先生の日曜日」「松山六助の初恋」「先崎剛のカノジョ」の3つのエピソードも収録。

正式名称
ハガネの女
ふりがな
はがねのおんな
作者
ジャンル
教師
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概要・あらすじ

結婚が破談になった35歳独身の芳賀稲子(ハガネ)は、大学の同級生である先崎剛に、1年半で担任が3人辞めた公立小学校のクラスの担任になって欲しいと頼まれる。臨時教員となったハガネは、クラスの会田優介海老田広にツバを吐きかける場面を目撃する。優介と広の家庭訪問を行い、それぞれに事情を聞くが、優介も広も口を揃えて「いじめではない」という。

また、シングルマザーの家庭で妹たちの面倒を見る広が、いつも汚れた格好をしていることでクラスメートにからかわれているため、ハガネは広に家事を教える。一方、勝ち組気取りの保護者や教師に、今まで散々いやな目に遭わされてきた海老田広の母は、簡単にはハガネに心を開かなかった。しかし、ハガネの裏表のない性格と子供想いの態度、勝ち組ではない臨時教師という立場を理解し、広に優介との本当の関係性を話すように促す。

そして彼らの口から、驚きの真相が語られる。事態を打開するため、ハガネは全力で問題解決に乗り出すのだった。

登場人物・キャラクター

芳賀 稲子 (はが いねこ)

35歳の独身女性。大学院を出て小学校教師を10年勤めた後、結婚のために辞めたものの結婚式をドタキャンされた過去を持つ。同じ大学だった先崎剛に誘われ、公立小学校の問題のある4年さくら組を受け持つことになる。大学時代、剣道部の久保木のせいでケガを負ってしまうが、優勝候補の久保木に心配かけないようケガを隠し、久保木を最後まで応援したことから、「いざという時には鋼になり人を応援してやれる人間」ということで「ハガネの女」と呼ばれるようになった。 ひとつの問題に集中しすぎて、子供が出すサインを見逃すこともあるが、子供を救うためであればなりふりかまわず全力投球する。一方、恋愛下手で、結婚して子供を持つには教師を一旦辞めないと無理だとあせっている。 相手がへこたれている際に叱ったり励ますことしかできず、一緒に泣いてあげることができなかった自分を折に触れて反省する、悩み多き一面も持つ。

先崎 剛 (せんざき つよし)

芳賀稲子(ハガネ)と同じ大学で剣道部に所属していたS区の公立小学校の男性教師。ハガネを自分が教える公立小学校の臨時職員へ誘う。ハガネの「いざという時には鋼になり人を応援してやれる人間」という人柄を高く評価している。誰も傷付けずに物事に対処したい平和論者であり、大人の感覚で子供を評価してはいけないとハガネをいさめて「子供が人を殺してしまうよりマシ」と反論されるなど、人の悪質な部分を見抜くことがあまり上手ではない。 番外編「先崎剛のカノジョ」では、彼の飼い犬への愛情が描かれる。

藤間 真理子 (ふじま まりこ)

S区の公立小学校の女性教師。腰掛歴23年の45歳。西置雪哉が受験反対派の先生にいじめられていた事実を芳賀稲子(ハガネ)に伝えた際には、憤る彼女に対して自分が毒を吐いておいたと告げてガス抜きするなど、達観した性格でハガネの良き相談相手となっている。勘が鋭く、塩田渉とハガネに恋が始まることを予言し、また「何の役にも立たないけどただ見てるから」と恋愛に苦戦するハガネを元気づける。 番外編「藤間先生の日曜日」では学生時代の彼女の淡い恋のエピソードが描かれる。

松山 六助 (まつやま ろくすけ)

S区の公立小学校の校長を務める男性。芳賀稲子(ハガネ)の頑張りを評価し、臨時採用の延長を提案する。ハガネは教師を続けていたら結婚できないと一旦断るものの、噂を聞きつけた教え子たちの「やめないで」という本気の言葉に、もう1年続けることを決意する。生徒や教師を良く見ており、公平に判断する人格者。番外編「松山六助の初恋」では高校時代、「ジュリー」に似た美貌の青年だった松山六助の実直な人間性が描かれている。

会田 優介 (あいだ ゆうすけ)

S区の公立小学校、4年さくら組の男子生徒。海老田広にツバを吐きかけ、死ねと言っているところを芳賀稲子(ハガネ)に目撃される。率先して広をいじめているようなことが度々あるが、会田優介も広も「いじめはない」とハガネに訴える。実は人をかばうために自分が悪者になれる優しい性格であり、その優しさのレベルが高すぎるため、ハガネでも真相を見抜くのに時間がかかった。

会田優介の母 (あいだゆうすけのはは)

勝ち組を気取り、何かあれば教育委員会に訴えると息巻くモンスターペアレンツ。会田優介を優しい子だと絶対評価し、傍からはエゴイスティックに甘やかしているように見える。家庭では姑にいびられており、「優介は悪くない」と思うことで自分を守ってきた。優介の人を思いやれる優しさはお母さんのおかげだとハガネに指摘され、嬉し泣きしてしまう。

海老田 広 (えびた ひろし)

S区の公立小学校、4年さくら組の男子生徒。母親が夜の仕事をしているため、3人の妹の面倒を見ている。母親想いで、いじめられていることを母親に伝えないで欲しいと芳賀稲子(ハガネ)に執拗に食い下がる。洋服や持ち物が汚れているせいでいじめられることがあり、母親の負担にならないようにとハガネに家事を教わった。会田優介にいじめられているように見えたことの真相を、母親に促されハガネに告白する。

海老田広の母 (えびたひろしのはは)

ショーパブのダンサー、27歳。学校のことでイヤな目に遭った過去を持ち、教師を信用していない。芳賀稲子(ハガネ)に対しても、勝ち組が上から目線で親切面しているだけだと疑ってかかるが、結婚を破談にされた35歳の臨時職員だという事実を知り、さらに海老田広が書いたサンタクロースへの手紙を読んだことで、ハガネに心を開いていく。

琴平 れもん (ことひら れもん)

S区の公立小学校、4年さくら組の女子生徒。はにかみ屋の可愛い少女。芳賀稲子(ハガネ)の家庭訪問を楽しみにしており、ハガネの好きなアップルパイを作る練習をしていた。表の顔は良い子としかいいようがないのだが、実は腹が据わった少女で、その心には深い闇を抱えていることにハガネは気づいていく。

琴平れもんの母 (ことひられもんのはは)

専業主婦。小学校の敷地を寄付した地主で、代々地区の議員の家系。アメリカの名門大学を出ており、大学からも講師として声をかけられる才女。公立で学ばすのが家訓。成績や損得で図れないことを大事にしていることがわかる学級新聞「さくら組通信」を読み、芳賀稲子のことを高く評価していて、協力的。

西置 雪哉 (にしおき ゆきや)

S区の公立小学校、4年さくら組の男子生徒。授業中よく寝ているが、それは受験勉強と野球部の練習で疲れ果てていることもあるものの、自分を取り囲むクラスメイトの態度もあってのことだった。山石美奈をはじめとする無視攻撃で、自分は嫌われ者だと思っている。一方でクラスメートに対しては誰に対しても好意的であり、性格が良い。

西置雪哉の母 (にしおきゆきやのはは)

教育熱心で息子想いの母親。4年生になってから西置雪哉の持ち物がなくなり、無言電話やワン切りが深夜まで続くため、いじめだと考えて1ヵ月以内に解決するようにと芳賀稲子に直訴しに来た。雪哉が私立H学園への編入試験に合格しているためいずれ今の学校から去ることは決まっていたが、雪哉の諦めたような態度から、いじめの問題の原因を突き止めないと転校しても上手く行かないと心配してのことだった。

山石 美奈 (やまいし みな)

S区の公立小学校、4年さくら組の女子生徒。ケンカを安易に両成敗として片づけず、原因をきちんと究明する芳賀稲子を評価している。一方で、西置雪哉を率先して嫌っているが、その理由は誰もわからない。雪哉の持ち物を取ったのは自分だと佐藤あかりに打ち明けるが、あかりを思ってやってしまった部分もあり、雪哉に悪いと思う気持ちもあり、次第に自分を追い詰めてしまう。

山石美奈の父 (やまいしみなのちち)

報道カメラマン。仕事で家を留守にすることが多い。イケメンの男性で、家庭訪問時に芳賀稲子がドキッとしてしまい、結婚相談所に行き忘れたことを思い出すに至った。山石美奈の母親が家を出て行き、そのまま離婚してしまった過去があり、このことを美奈が許していないと思っている。

佐藤 あかり (さとう あかり)

S区の公立小学校、4年さくら組、5年こだま組の女子生徒。山石美奈とは親友。江田そのみのかわいこぶりっ子な態度に腹を立てたのが、その年頃特有の感覚である「人が色気づいてんの見たくない」という理由であることを芳賀稲子に打ち明ける。正義感が強く行動的で、誰にもひるまない。美奈とは保育園からの仲で、「この子がいれば怖くない」とお互いに信頼し合っている。

菊田 真里衣 (きくた まりい)

S区の公立小学校、5年こだま組、6年かもめ組の女子生徒。女王様気質の少女。始業式での芳賀稲子(ハガネ)の態度に腹を立て、ハガネのカレーライスに「大嫌いだから死ねと思いました」と雑巾汁を絞るが、ハガネに同じことをされる。星恵に好意を抱いており、星が教師として慕うハガネをみるにつけ、ハガネへの嫌悪は募る一方。 言いたい放題、やりたい放題の問題児であるが、成績を上げた佐野せりの頑張りを認め「中学では一番になれ」と、クールに励ます。

菊田真里衣の母 (きくたまりいのはは)

菊田真里衣をお姫様のように育てるお金持ちの主婦。一度も人に謝ったことがないという偏執的な性格で、真里衣を認めない価値観を私は認めないと言い切るモンスターペアレンツ。ママ友たちに協力を仰いで芳賀稲子(ハガネ)に関する怪文書を回したり、ハガネを徹底的に追い込もうとする。

星 恵 (ほし めぐみ)

S区の公立小学校の新卒男性教師。娘が欲しかったということで「恵」と名付けられ、今も親から「めめたん」と呼ばれている。これをうっかり生徒に話してしまい、生徒からも「めめたん」と呼ばれるようになった。芳賀稲子(ハガネ)の毅然とした態度に好感を持って協力しようとするが、これが星恵のことを好きな菊田真理衣の、ハガネへの嫌悪感を増幅することになってしまう。

森野 リサ (もりの りさ)

S区の公立小学、5年こだま組の女子生徒。学校では母親は手が込んだ料理を作ってくれると自慢しているが、森野リサの母がアルコール依存症で倒れたことを偶然知った芳賀稲子(ハガネ)が家に駆けつけたため、森野リサが家事全般を負担していることをハガネに知られてしまう。母親想いのリサを助けるためにも、ハガネはリサの母親に立ち直ってもらうべくアル中になった事情を聞きだす。

森野リサの母 (もりのりさのはは)

専業主婦で夫はホンジュラスの現地法人に出向中。娘の森野リサと2人暮らし。同じ幼稚園出身の子供たちとその母親と仲良くしていたが、菊田真理衣がリサを殴ったことから菊田真理衣の母に追い込まれ、誰にも言えずアルコールに依存するようになったことを芳賀稲子(ハガネ)に打ち明ける。親の心身が弱っていると子供は自信を持てなくなるから、とハガネに資料館ボランティアに誘われ、そこで生きがいを見出す。

野津 彬子 (のづ あきこ)

芳賀稲子(ハガネ)の幼なじみで、幼稚園から一番仲の良い友達。夫に「死んでやる」と脅されている賀茂諒子に、ハガネが語ったエピソードに登場する。父親はハガネが通う小学校の教頭。ハガネをリラックスさせてくれるもの静かで聡明な少女だったが、ある日「お父さんが殴る」とハガネに打ち明けてから様子がおかしくなった。「いつでもそばにいる」というハガネに対しても執拗に絡むようになり、遂にはシカトするような態度を取り始める。

賀茂 和音 (かも かずね)

S区の公立小学校、5年こだま組の男子生徒。キレやすく、友達がいない。「人の気持ちを考えないから嫌われる」と佐藤あかりに言われ、校舎の3階から飛び降りるが、芳賀稲子にキャッチされて事なきを得る。彼の言動は感情が未発達なためのもので、クラスメートの協力や環境の変化により徐々に変わっていく。

賀茂 牧人 (かも まきと)

賀茂和音の父親で弁護士。非の打ちどころがない人物だと周りに思われているが、実際は精神的DV気質の持ち主。妻の賀茂諒子は心の病気でまともではないとそれとなくいつも伏線を張り、すべての問題を妻のせいにしている。山口県出身で、長州藩にも縁があり、賀茂家の人間は兵隊ではなく人の上に立つ身分の高い人間、と本気で思っている。

賀茂 諒子 (かも りょうこ)

賀茂和音の母親。専業主婦で、実家は豆腐屋を営んでいる。夫の賀茂牧人の異常さに離婚を申し出るが、「出ていくなら飛び降りてやる」と脅されていつもいいなりになっていた。自分が間違っているかもしれないと悩んでいたが、家庭訪問に来た芳賀稲子に何か特別なものを感じ、夫との異常な夫婦関係を打ち明ける。豆腐屋を継いで自分を大学に行かせてくれた兄に感謝している。

中野 愛梨 (なかの あいり)

S区の公立小学校、6年かもめ組の生徒。おとなしく勉強はできるが決して手は挙げない。母親の中野エリが家をよく空けるため、緊急事態には芳賀稲子が駆けつけることが多い。3歳の時にエリの彼氏について「ママが一緒の時と、いない時と態度が違う」と言ったことから、彼氏より自分を選んでくれた母親に感謝し、母親の幸せを応援している健気な少女。

中野 エリ (なかの えり)

テレビにも出演している美人作家。娘の中野愛梨を一人にしすぎるのではないかと芳賀稲子に指摘されるが、恋愛しないで子供を一番に考えることはできないと言い返すほどの恋愛体質。自分の気持ち等を率直に、しかも端的に表現することが多いため、誤解を受けることも多い。恋愛小説に知り合いの政治家の汚職話などを入れるので、脅しの意味も含めて数々の恋愛スキャンダルを報道されてしまう。

塩田 渉 (しおた わたる)

6年かもめ組の副担任になった男性教師。父親が「ハーバルカフェ」というレストランチェーンを経営している。芳賀稲子(ハガネ)を度々食事に誘い、本人はすでに彼女と付き合っているつもりでいた天然な人物。父親にハガネを紹介するため、カレーを作ったと家に招き、帰りにいきなりプロポーズするが、のちに中野愛梨が提案した劇を見に来た中野エリに一目惚れしてしまう。 ハンサムで優しいが、坊ちゃん的な甘い考えの持ち主でもある。

佐野 せり (さの せり)

6年かもめ組の生徒。勉強ができずストレスから鉛筆やペンを折り、服をズタズタに破く奇行に走る。駆けつけた芳賀稲子(ハガネ)に「自分のことこんなにバカだと思いながら生きるのはつらい」と泣いて打ち明ける。のちにK学園の聖歌隊に憧れ受験をしたいと親に頼み、ハガネの協力のもと、行きたい場所に向かって一歩でも近づくことを選んで勉強に明け暮れる。

望月 可哉 (もちづき かや)

芳賀稲子(ハガネ)の教員養成大学の同級生。東向大付属中学2年3組の担任教師だが切迫流産で入院し、三沢英恋の自殺未遂問題への対応をハガネに頼んだ。東向大付属出身で創業者一族のでもあるため、自分の責任であれば学校は三沢の事件を隠ぺいすることになると考え、そのせいで三沢を苦しめることだけは避けたいと考えている。 生徒を振るい落とす「死刑制度」と呼ばれる退学制度については、学校の実績が飛躍的に伸びたため、必要悪と思っているが、「死刑制度」に反対するハガネを「それが稲子だもんね」と応援している。

三沢 英恋 (みさわ えれん)

東向大付属中学2年3組の女子生徒。校舎から飛び降り、自殺未遂事件を起こす。芳賀稲子が病室を訪ねたところ遺書を置いたことが発覚するものの、当の遺書は見つからなかった。いじめられたことを苦にしての自殺未遂だと誰もが思っていたが、三沢英恋の告白から驚愕の事実が明らかにされる。自分を助けてくれた人を守るため、捨て身の行動ができる強さを持つ。

岸本 容子 (きしもと ようこ)

東向大付属中学2年3組の補助教員。幼稚園から大学院まで東向大というエリートだが、元々は専業主婦で、3人の子供の成人を機に働きだした。芳賀稲子(ハガネ)と共に仕事をするにつれ、「死刑制度」と呼ばれる振るい落としの退学制度よりいいやり方があるのではないかと、ハガネに全面的に協力するようになる。おっとりしていて上品な女性だが、こうと決めたら揺るがない強さを持つ。 コンビニ弁当そっくりの手作り弁当を作れる、息子がハッカーであるなど、面白いエピソードを多く持つ。

水野 佑理 (みずの ゆうり)

東向大付属中学2年3組の女子生徒。両親は不仲。東向大付属に居続けるために何千万円も掛かっていることを知っているので、「死刑制度」で退学になることを恐れている。そのため自己保身に走り、三沢英恋の事件については「知らない」の一点張りだったが、英恋との友情から、耐えられなくなり学校を休む。岸本容子に電話で説得され、幼稚園受験から一緒の水野佑理を含む4人のグループと英恋との間に問題があったことを芳賀稲子に打ち明ける。

園田 柳子 (そのだ りゅうこ)

東向大付属中学校の校長を務める、ポーカーフェイスな才女。10年前に校長に着任し、「死刑制度」と呼ばれる振るい落としの退学制度を始めた。自分の息子すら「死刑制度」で退学にしたという伝説を持つ。芳賀稲子の抗議には、学校の方針に従えないなら今すぐ辞めろという態度をとるが、聞く耳をまったく持たないわけではない。岸本容子とは息子同士が東向大付属幼稚園からの同級生で、旧知の間柄でもある。

場所

4年さくら組 (よねんさくらぐみ)

先崎剛に頼まれ、芳賀稲子が引き受けることになったS区の公立小学校の問題のクラス。過去1年半で担任が3人辞めているが、理由は不明。辞めた教師は「一身上の都合」としているが、誰も本当の理由を語らず、一人は転職、一人は心の病、一人は消息不明となっている。

5年こだま組 (ごねんこだまぐみ)

S区の公立小学校で、2年目を迎える芳賀稲子が担当することになったクラス。女王様気質の菊田真里衣が牛耳るクラスで、娘を絶対視する菊田真理衣の母も常軌を逸した行動をとる。母親同志の陰湿ないじめ問題も存在する。

6年かもめ組 (ろくねんかもめぐみ)

S区の公立小学校で、3年目を迎える芳賀稲子が担当することになったクラス。有名な小説家でシングルマザーの中野エリと娘の中野愛梨の家庭問題があり、更には佐野せりの受験問題も勃発する。副担任は塩田渉。

東向大付属中学2年3組 (とうこうだいふぞくちゅうがくにねんさんくみ)

超難関東向大学の付属中学校。東向大学付属校は幼・小・中・高が併設されている。芳賀稲子が望月可哉に頼まれ、産休補助として初の中学、初の私立の教壇に立つことになった学校。望月に頼まれた任務は飛び降り自殺未遂をした三沢英恋を無事復学させること。成績下位層生徒の転校推奨制度、俗に「死刑制度」と呼ばれる振るい落としの退学制度がある。

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