あらすじ
第1巻
フェンシングの世界大会につながる日本大会で、桜野勇二は2年連続で優勝している梅咲モルダーと当たったが、大方の予想に反して勝利を収める。試合後の記者会見で勇二は世界大会への意気込みを語るかと思われたが、世界大会は辞退し、自分の兄でさまざまな面でサポートしてくれている桜野圭一との試合を望んでいることを語る。そんな勇二を横から見ていたモルダーも勇二と圭一の試合に興味を示し、試合への全面的な協力を約束する。圭一は3年前に現役を引退した身であることを理由にその申し出を拒否するが、勇二の真剣な表情にほだされて承諾する。そして圭一はモルダーのサポートを受けながら身体を一から鍛え直し、1週間後、勇二との試合に臨むのだった。
登場人物・キャラクター
桜野 圭一 (さくらの けいいち)
フェンシングの元全日本ジュニアチャンピオンの男性。3年前に現役を引退して、今は弟の桜野勇二のサポートをしている。涙もろい熱血漢で、昨今のフェンシングブームの火付け役でもある。現役時代は「天才少年」ともいわれており、引退した今でもサーベルの技術は衰えていない。勇二には自分以上の才能があると確信し、世界一になる夢を託してサポートしているが、本心を伝えていないために勇二の重荷になっていることに気づいていない。
桜野 勇二 (さくらの ゆうじ)
フェンシングのフルーレの現全日本チャンピオンの少年。桜野圭一の弟。精悍な顔立ちと確かな実力を持ち、メディアからも天才選手として注目されている。現役を引退した圭一からサポートを受けているが、圭一が引退後も毎晩サーベルを振り続けているのを見て、圭一は本当はフェンシングを続けたかったのに、自分のために引退したとずっと後悔し続けている。圭一への気持ちに決着をつけるために、世界大会を辞退して圭一との試合を望む。
梅咲 モルダー (うめさき もるだー)
フェンシングのフルーレで2年連続全日本チャンピオンになった男性。3連覇をかけた大会では、桜野勇二に敗れて準優勝となる。梅咲財団の御曹司で、端整な容姿と紳士的な立ち振る舞いから、ファンからは「モルさま」と呼ばれている。桜野圭一とは小学生の時に参加した全日本合宿からの知り合いで、圭一の実力を高く評価している。勇二が圭一との試合を望んだ際には、試合会場の提供や試合の運営、圭一のトレーニングなどを全面的にサポートする。