概要・あらすじ
ボクシングジム「BOX虎丸」へ荷物の配達に行った金石剛は、そこで試合直前にも関わらずボクサーがいなくなり、頭を抱えていた虎丸に出会う。なんとか試合を成立させたい虎丸は金石を騙し、ただの素人に過ぎない金石が、いきなりプロボクシングのリングに立つことになってしまう。しかし、この試合で金石は持ち前の闘争心を発揮し、プロボクサー相手にKO勝ちを収める。
こうしてボクシングの楽しさに目覚めた金石は「BOX虎丸」に入会し、本格的なトレーニングを積むことになる。技術こそ未熟ながら、諦めない心と、どんな厳しい練習にも耐え抜く根性で、見る見るうちにボクサーとしての才能が開花していく。
登場人物・キャラクター
金石 剛 (かねいし ごう)
ボクシングジム「BOX虎丸」に所属する若き男性ボクサー。階級はフェザー級。配送会社「宅配うさぎ」で配達員をしている。たまたま配達に訪れた「BOX虎丸」で、試合直前に逃げ出した新人プロボクサーの代わりに、日当10万円で試合に出るよう虎丸に口説き落とされる。まったくのド素人で、ボクシングの試合は見た目ほどハードではないと騙され、4日間練習をしただけで試合に臨み、プロボクサーを相手にKO勝利を収める。 その後3か月の練習を積んで、サンドバックを支えていた虎丸をふっとばすほどのパンチ力を身に付ける。天才と謳われる水月晶をプロテストで破って一躍脚光を浴びることになる。家族は祖母のみ。髪を金髪に染めており、ボクサーとしてのキャッチコピーは「金髪の破壊者」。
高見沢 蘭 (たかみざわ らん)
金石剛の幼なじみの女性。家には執事がいるほどのお嬢様。日本一の学力の高さで知られる帝都大学に在籍している。金石とは小学校から高校までずっと一緒の学校だった。とろくてドジっ娘なところはあるが、ミス帝都に選ばれるほどの美人で、帝都大学のマドンナ的存在である。小学校の時にはアメリカ帰りで金髪のために目立ち、男子からいじめられていた。 そんな中、心の支えだった母親が亡くなったことを苦にして、崖から飛び降りようとしていたが、そこを金石に助けられた。以後、金石が高見沢蘭のように髪を金色に染めたので、いじめられなくなったという経緯がある。高校卒業後、東京へ行ってしまった金石を追うため、猛勉強して帝都大学に入学し、上京して来た。
虎丸 (とらまる)
ボクシングジム「BOX虎丸」のオーナー兼トレーナーの男性。スキンヘッドの強面。ボクシングに対する情熱が強すぎるため、所属するジム生が次々と辞めている。試合を目前に控え、ジム生の最後の1人が辞めてしまったところで、たまたま配達に来た金石剛に出会う。試合を成立させるためだけに、金石を騙して試合に出場させる。ところが、その試合での金石の不屈の闘志に惚れ込み、金石を一流のボクサーとして育てていくことを決める。 ボクシングに打ち込みすぎて家族からも見放され、現在は独り身。
水月 晶 (みづき あきら)
ボクシングジム「水月スポーツジム」に所属する若き男性ボクサー。水月スポーツという大企業の御曹司で、会社からバックアップを受けてボクシングの英才教育を施された。アウトボクサースタイルで、アマチュアのボクシングタイトルを総なめにし、金も富も名声も、すべてを手にする男と評されている。プロテストで金石剛と対戦し、終始試合を優位に運んだが、とどめの渾身のパンチを金石にカウンターで返され、KO負けを喫する。 金石に負けたことにより、これまで以上に熱心に練習に打ち込むようになる。
黒岩 武玄 (くろいわ ぶげん)
ボクシングジム「KOK(キング・オブ・キング)ボクシングジム」に所属する若き男性ボクサー。アマチュア時代の水月晶と唯一引き分けた実力者。金石剛がプロテストの試合で水月を破ったと聞き、挑戦の名乗りを上げた。身長は低いが、鍛え上げられた筋肉で全身が覆われている。相手の懐に潜り込み、突き上げるパンチを得意とするインファイター。 ガチガチに顎を固めたピーカブースタイルによる鉄壁のガードで金石を苦しめた。ボクサーとしてのキャッチコピーは「巌窟王」。
早坂 連 (はやさか れん)
ボクシングジム「井上ボクシングジム」に所属する若き男性ボクサー。一見するとただの優男だが、金石剛を片手であしらうほどの実力を持つ。『神様はサウスポー』の主人公・早坂弾の息子であり、「神よりその左腕に力を授かった男」と呼ばれている。現日本フェザー級チャンピオンだが、あまりにも強すぎて国内では試合を組めない状態になっている。 父親を超える世界チャンピオンとなるべく、日本フェザー級チャンピオンのタイトルを返上することを宣言する。
高山 鉄太 (たかやま てつた)
ボクシングジム「中神ジム」に所属する若き男性ボクサー。日本一の学力の高さで知られる帝都大学に通う現役大学生でもある。ミスター帝都に選ばれるほどのイケメンで、帝都大学医学部でもトップの成績を誇る。ボクシングのインターハイとインターカレッジでの優勝経験があり、高い身長を活かした振り下ろすようなパンチを武器にしている。高見沢蘭の大学の先輩で、金石剛との試合に勝ったら自分と交際するよう蘭に迫る。 ボクサーとしてのキャッチコピーは「天空の赤い鷲」。
木霊 煉瓦 (こだま れんが)
ボクシングジム「武蔵野TOPジム」に所属する若き男性ボクサー。早坂連の再来ともいわれる強豪サウスポー。ダンスで培ったステップワークを得意とし、金石剛との試合では、軽やかなフットワークで大いに金石を翻弄した。パフォーマーでもあり、ボクシングの試合中でも、リズムを取るためにラップを口ずさんでいる。ボクサーとしてのキャッチコピーは「戦場のラッパービート・キング」。
赤城 榛名 (あかぎ はるな)
女子体操界で活躍したトップアスリート。年齢不詳。世界選手権の個人総合と、種目別の全種目で、オール満点を叩き出し、金メダルを勝ち取った伝説的な選手。現在は強化選手のコーチをしている。木霊煉瓦戦を前に河原でトレーニングをしていた金石剛を見かけ、アドバイスを送る。今泉伸二の代表作『空のキャンバス』のヒロインでもある。