概要・あらすじ
ちょっとしたいざこざを起こし警察で事情聴取を受けていた桜田英雄。取り調べの刑事が何気なく四日前の殺人事件のことを尋ねると自分が犯人だと言い、他にも2件の殺人を犯していたことが判明する。悪びれる様子もなく淡々と自分の犯行を話す男の姿をリアリズムタッチで描いた作品。つげ忠男の代表作の一つ。
登場人物・キャラクター
桜田 英雄 (さくらだ ひでお)
住所不定、無職の32歳。東北の山奥出身。孤児院の前に捨てられていたところを拾われて育った。街でチンピラ2人組と喧嘩になり、警察で事情聴取を受ける。冗談交じりに刑事が言った言葉に、四日前の殺人事件の犯人は自分だと答える。その他にも2件の殺人を犯しており、行き当たりばったりの犯行を悪びれる様子もなく供述する。 自分が殺した女性たちが枕元に立つことがあるというが、それを恐れているふうでもない。
サングラスの刑事 (さんぐらすのけいじ)
サングラスに長髪、髭を生やした刑事。喧嘩で引っ張られた桜田英雄の何気ない一言に違和感を感じて桜田に興味を持つ。
ブンさん
『ささくれた風景』に登場人物する若い刑事。他愛のない喧嘩で引っ張られた桜田英雄の事情聴取をする。四日前に街に来たという桜田に、冗談半分で同日起こったOL殺人事件の犯人かと尋ねる。
チンピラ2人組 (ちんぴらふたりぐみ)
髪の長い痩せ型の男と、体格のいいボーっとした男。桜田英雄と街で喧嘩をして警察に連れてこられる。