しのびごと

しのびごと

『アメノフル』で知られるたけぐし一本とみたらし三大が再びタッグを組んだ第2作。舞台は現代の日本。過去の存在と思われながらも、実は人知れず悪と戦い続けていた凄腕の忍者の一人、ヨダカが、向日アオイを護衛する任務のため学園に潜入し、悪戦苦闘する姿を描いた学園忍者アクション。集英社「週刊少年ジャンプ」2024年42号から連載。「次にくるマンガ大賞2025」コミックス部門で第8位に選出。

正式名称
しのびごと
ふりがな
しのびごと
作者
作者
ジャンル
侍・忍者
 
バトル
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊5巻
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現代に潜伏する忍者たち

諜報活動を生業とする精鋭集団「忍者」は、かつて日本では過去の存在とされ、実在しないと思われていた。しかし、彼らは「公安警察忍部隊」と名を変え、現代社会に潜伏しながら人知れず悪と戦い続けている。その忍者部隊に所属し、数々の任務をこなしてきたエキスパートのヨダカは、ある日、一人の少女、アオイの護衛を任されることになる。本作は、現代を舞台に繰り広げられる忍者と悪の組織との壮絶なバトルアクションが見どころとなっている。

陰キャ忍者ヨダカの高校生活

ごくふつうの女子高校生のアオイは、自身の意思に反して、多くの勢力が絡む利権の中心に位置しており、つねに多くの勢力から狙われていた。そんなアオイを守るため、腕利きの少年忍者、ヨダカは「野月ユウ」という偽名を使い、彼女の高校に潜入することになる。しかし、ヨダカには致命的な弱点があった。極度の人見知りで、知らない人と目を合わせることすらできず、まともにコミュニケーションを取るのが苦手な陰キャだったのだ。正体を隠しながらアオイを護衛しなければならないヨダカは、そのコミュニケーション能力の不足により、任務に悪戦苦闘することになる。

忍者たちの護衛任務と偽りの恋愛劇

アオイを護衛する忍者たちは、それぞれに役が割り当てられており、中には友人や恋人の役割を期待されている者もいる。その中で、ヨダカはあくまで戦力としての切り札と見なされていたが、なぜかアオイとは急速に親しくなり、友人関係を築くことになる。この状況にアオイも上層部も頭を悩ませるが、上層部はすぐにヨダカをアオイの恋人役に仕立て上げ、事態をコントロールしようと画策する。こうして忍者たちが強制的に恋愛関係を演じるラブコメディが展開される中で、二人の距離は徐々に縮まり、ヨダカとアオイの心境にも変化が訪れる。また、アオイ以外にも、ヨダカの同僚であるヒバリやスズメといった魅力的なヒロインが登場し、彼女たちのラブコメ展開も楽しめる。

登場人物・キャラクター

ヨダカ

公安警察忍部隊に所属する少年忍者。本名は不明で、忍者名(コードネーム)は「ヨダカ」。誕生日は9月13日、身長は168センチ。一見するとごくふつうの少年だが、その実力は超一流で、若くして数々の危険な任務を遂行してきた。その卓越した能力と、護衛対象であるアオイと同年代であることから、彼女の護衛任務に抜擢される。アオイと同じクラスに「野月ユウ」という偽名で潜入し、学校生活を送ることになる。しかし、その圧倒的な実力とは裏腹に、極度の人見知りという弱点を抱えており、人と対面すると緊張のあまりまともに話すことができず、体が震えてしまうほど。唯一、直接顔を合わせないオペレーターの9号とはふつうに会話ができる。この性格は9号も理解しており、ヨダカが学生生活に馴染めないことも織り込み済みであった。また、ほかにも護衛の忍者が潜入しているため、ヨダカは彼らでも対処が難しい状況で真価を発揮する「切り札」としての役割を期待されている。コミュニケーションが苦手で、友人や恋人とは無縁だとあきらめているが、心の奥底では人並みに友情や恋にあこがれを抱いている。この裏表のない一面がアオイに気に入られたのか、周囲の予想に反して彼女から距離を縮めたことで、二人は友人となった。ふだんはカツアゲに遭っても抵抗できないほど気弱だが、一度戦闘モードに入ると冷徹な忍者へと意識が切り替わる。オペレーターの9号からは「マルチタスクは苦手だが、一つのことに集中すると真価を発揮する」と評されている。

向日 アオイ (むかい あおい)

とある高校に通う女子。金髪のセミロングヘアに髪飾りをつけている。誕生日は6月22日、身長は165センチ。さまざまな利権の中心人物であり、多くの勢力から身柄を狙われている。両親は私欲のために忍者を裏切った「抜け忍」によって殺されており、幼い頃から公安警察忍部隊に護衛されてきたが、アオイ自身はその事実を知らされていない。超絶なドジっ子で、何もない場所で転んだり、ゴミ箱に頭から突っ込んだりと、日常的に騒動を巻き起こしている。明るくマイペースな性格で、どこにでもいるふつうの少女のように見える。高校では1年3組に在籍し、クラスメイトには、同年代の護衛忍者たちが「恋人役」や「友人役」として紛れ込んでいる。公安警察忍部隊は、アオイにその事実を知られずに平穏な学園生活を送らせることを望んでいたが、アオイは幼い頃から周囲の不自然なほどにふつうな日々に薄々違和感を抱いており、本物の「ふつうの生活」を夢見ていた。そんな中、作為的なものを感じさせないヨダカの人見知りな態度を面白がり、彼と友人になる。意外にもサディスティックな一面があり、ヨダカがチンピラに絡まれているのを楽しんで見物していることもある。ヨダカとはなかよくなったものの、ほかの護衛忍者たちとは距離を置きがちで、「友人役」として潜入した忍者のヒバリは彼女との関係に頭を悩ませることになる。

9号 (きゅうごう)

公安警察忍部隊に所属するオペレーター。性別や本名は不明だが、一人称は「俺」で男口調で話す。ヨダカからは「オペさん」と呼ばれており、陰キャを拗らせたヨダカの奇行や、アオイのドジっ子ぶりに日々ツッコミを入れている。ヨダカは9号に対してだけはふつうに話せるため、二人のやり取りは砕けた口調になる。アオイの護衛任務には、彼女が高校生になってからヨダカたちと共に就任した。敵の動向を探るため、あえてアオイを一般の高校に通わせているが、それだけが理由ではない。中学時代のアオイの担当オペレーターは非常に保守的で、失敗を恐れて彼女の活動を制限していたが、9号はその制限を撤廃し、作られた環境ではあっても、アオイに学園生活を存分に楽しんでほしいという思いも抱いている。オペレーターは100人以上おり、番号が若いほど優秀とされるため、9号はかなり優秀な部類に入る。ヨダカにとって9号は「切り札」として温存していた存在だったが、アオイの予想外の行動により計画は破綻し、ヨダカを中心とした護衛任務を余儀なくされた。また、ヨダカ以外にも個性的な忍者たちが護衛に就いているため、9号は日々彼らのフォローに頭を悩ませている。

書誌情報

しのびごと 5巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2025-01-04発行、978-4088844015)

第2巻

(2025-03-04発行、978-4088844145)

第3巻

(2025-06-04発行、978-4088845562)

第4巻

(2025-09-04発行、978-4088846552)

第5巻

(2025-11-04発行、978-4088847436)

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