あらすじ
第1巻
吉成スミカは暮らしていた親類の家を追い出され、別の親類の家に赴く事になった。ところが新しい家に着いてみると、その親戚は救急車で病院に運ばれていたため、スミカは病院に駆けつける。すると、親類一同のあいだではスミカの押し付け合いが始まっていた。結局、吉成昭明がスミカを引き取る事になったが、外見も心も荒みきっているスミカと昭明の関係は、当初から険悪なものだった。(第1話「俺は教育するよ 君を」。ほか、15エピソード収録)
第2巻
吉成昭明の家で暮らす条件として、立花一佐と交した約束を果たすために、吉成スミカは立花女子学院の編入試験に合格しなければならなくなった。しかし一向にスミカの学力は向上する事はなく、昭明は悩んでいた。ところがある日、昭明が家に帰るとスミカが試験科目に関するメモを作っていた。それはいわばわかりやすい「学問の鳥瞰図」であり、そんなスミカの一生懸命な姿を見た昭明は、スミカの成長に涙する。(第20話「学問の鳥瞰図」。ほか、15エピソード収録)
登場人物・キャラクター
吉成 昭明 (よしなり しょうめい)
立花女子学院高等部で教鞭を執っている若い男性。吉成スミカとは遠縁の親類にあたり、一人暮らしをしている。ほかの親類から押し付けられるような形でスミカを自宅に引き取り、必然的に教育係を買って出る事となる。趣味は読書。
吉成 スミカ (よしなり すみか)
高校1年生の女子。吉成昭明とは遠縁の親類にあたる。とある大富豪の隠し子だが実の親には養育されず、ネグレクト児として親類のあいだをたらい回しにされていた。しかし昭明のもとで暮らすようになってからは、見違えるように成長を遂げていく。
辺見 類 (へんみ るい)
高校1年生の女子。吉成スミカのクラスメートにして友人。中性的な外見をしているため、男性とよくまちがわれている。幼い頃からその名を知られた天才数学少女で、学校内で「青空教室」を開いてスミカやほかの友人達に勉強を教えている。無頓着な性格ながら、他人の恋愛沙汰には首を突っ込むのが大好き。
小倉 繭 (おぐら まゆ)
高校1年生の女子。吉成スミカのクラスメートにして友人。よくスミカと辺見類、高崎迅也と共に放課後を過ごしている。迅也に思いを寄せており、遊園地でデートをした事もあるが、関係はまだ友達以上恋人未満。
高崎 迅也 (たかさき じんや)
高校1年生の男子。吉成スミカのクラスメートにして友人。よくスミカと辺見類、小倉繭と共に放課後を過ごしている。高校生にしては子供っぽく、色恋沙汰には疎い。友人たちからは「ジン」と呼ばれている。
立花 一佐 (りっか いっさ)
立花女子学院の副理事を務める若い男性。吉成昭明と吉成スミカの遠縁の親類にあたり、昭明とは幼なじみ。スミカの父親が権力者である事を調べ上げ、スミカを自分の手駒にするために引き取ろうとするが、昭明に拒絶される。そこで、立花女子学院にスミカが合格したら昭明の言い分をのむという約束を交した。
ミレッラ・サントーロ
吉成昭明の母親。日本人とイタリア人のハーフで、日本名は「美鈴」。昭明の父親とは死別しており、現在は再婚していてイタリアに暮らしている。遠くに暮らしてはいるがつねに昭明の事を心配しており、クリスマスには帰国する。昭明からは、同居する吉成スミカの事は何も聞かされていない。