ちびあいりんのゆるやかな日常

ちびあいりんのゆるやかな日常

元アイドルの女性イラストレーターである古川愛李の日常と妄想を、ほんわかとしたタッチで描くゆるゆる日常系シュールコメディ。「グラビアザテレビジョン」vol.41から掲載の作品で、コミックス刊行にあたり、フルカラーのものも含めて描き下ろしエピソードが大幅に追加されている。

正式名称
ちびあいりんのゆるやかな日常
ふりがな
ちびあいりんのゆるやかなにちじょう
作者
ジャンル
不条理・シュール
レーベル
KADOKAWA
巻数
既刊2巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

ある日、お店を訪れたちびあいりんは、棚の上のかわいらしいクマのぬいぐるみ(あざとクマ)に目を留める。そのぬいぐるみは、自分のことを買ってほしいとちびあいりんに強く訴えかけているように思えた。その圧に負けたちびあいりんは、ぬいぐるみを購入。すると帰り道、家に帰るというちびあいりんの独り言に、クマのぬいぐるみは同意の返事をする。当初はごまかそうとしていたぬいぐるみだったが、ごまかしきれないと悟るや否や、今の時代、ぬいぐるみがしゃべることくらい当り前だと開き直る。こうして、ちびあいりんとあざとクマの奇妙な共同生活が始まるのだった。(Colorful Stories「ちびあいりんとあざとクマ」。ほか、9エピソード収録)

第2巻

ちびあいりんは、お店の棚に置かれたかわいらしいネコのぬいぐるみ(あざとネコ)に目を留めて、以前もこんなことがあったような気がすると既視感を覚える。次の瞬間、そのネコのぬいぐるみはちびあいりんの心に、自分を買ってほしいと強く訴えかける。その圧に負けたちびあいりんは、結局ネコのぬいぐるみを購入して家へと連れ帰る。家に帰ると案の定、実際にしゃべることができたネコのぬいぐるみは、ちびあいりんをはじめ、先住のあざとクマねこねこに丁寧な言葉であいさつする。こうしてちびあいりんの日常に、新たなキャラクターが仲間入りするが、キャラがかぶるあざとクマとねこねこは、戦々恐々としていた。(Colorful Stories「ちびあいりんとあざとネコ」。ほか、9エピソード収録)

登場人物・キャラクター

ちびあいりん

イラストレーターを生業とする女性。名古屋出身で血液型はAB型。二頭身で、髪をポニーテールにした大きな頭に三角形の体、そこから一本線の手足が生えたかわいらしいフォルムをしている。空想力に富み、ツッコミ気質で、自ら天才と評しているが、どちらかというと変人としての要素が強い。あざとクマや筆のようせいなど、妄想から生み出された不思議な生き物と、楽しくのんびりとした日々を送っている。実在の人物、古川愛李がモデル。

あざとクマ

クマのぬいぐるみ。お店で見かけたちびあいりんが、話し掛けられているような気がしてつい買ってしまったが、実は人間の言葉をしゃべることができ、お店でちびあいりんと初めて会った際も、本当に話し掛けていた。その名のとおり言動があざとく、非常にかわいらしいが、それは鏡の前でのたゆまぬ自己鍛錬の成果である。なお一人称は「ボク」であざとクマ自身も男の子を自称しているが、自ら目にまつげを縫い付けることで、女の子のような姿になることもできる。

きのこーず

いつの間にかちびあいりんの家に住み着いていたきのこたち。人間の言葉をしゃべることができる。いい香りだが自分の体臭を気にしているマツタケや、何かと一本ずつに分裂したがるエノキ、かつてその名前からキノコなのか海産物なのかまぎらわしいといじめられていたキクラゲなど、種類に応じてさまざまな特徴と容姿を持つ。ちびあいりんには、ひとまとめにして「きのこーず」と呼ばれている。

筆のようせい

ちびあいりんの仕事がはかどらず、困っているときに現れる謎の存在で、人間の言葉をしゃべることができる。筆の穂先に顔があり、トンボのような羽と二本の腕が生えている。手には星の付いたステッキを持っているが、これで魔法を使ったりはせず、疲れているちびあいりんに糖分を補給するためにチョコレートを渡したりと、現実的な手段でサポートする。子分のクレヨンのようせいを使ってちびあいりんに催眠術をかけ、そのスキに彼女のバッグを物色したり、その場をごまかすためにちびあいりんの祖母を自称してみたりと、言動が非常に怪しい。

クレヨンのようせい

筆のようせいの子分で、ふだんはクレヨン箱の中に整然と並んで入っている。個々のクレヨンに顔があり、トンボのような羽と二本の腕が生えている。複数のクレヨンのようせいが手をつないでぐるぐる回ると、見ている相手に催眠術をかけることができる。

うちゅうじん

くらげのような姿に二つの目が付いた宇宙人。○○市××区の田んぼにミステリーサークルを作っていたところ、その情報を聞きつけて見学に訪れたちびあいりんと出会った。地球にやって来た理由や目的は不明。目から謎の光を出したり、水に濡れると膨らんで乾くと縮んだり、イチゴを食べると体中にぶつぶつ模様ができたりと、その生態は謎そのもの。また、極端な怪力の持ち主でもある。ちなみに自分以外の宇宙人など、怖いものが苦手。

バクさん

二足歩行するバクの姿をした謎の生き物。ちびあいりんには「すいまさん」と呼ばれている。つねに低反発枕を持ち歩いており、これを使って人間を眠らせ、その夢を食べようとする。もともと動物園にいたバクが逃げ出したもので、実は一匹だけではなく複数おり、特に図書館に多数潜んでいる。

ケサラン

大きめの綿ぼこりのような塊に二つの目が付いた謎の生き物。人間の言葉を理解し、丁寧な言葉づかいでしゃべる。ちびあいりんには幸運を呼ぶ妖怪ケサランパサランだと思われているが、ケサラン自身にはその自覚はなく、扇風機やドライヤーの風で飛ばされたり、掃除機に吸い込まれそうになったりと、何かとトラブルに見舞われやすい不幸体質。また時折、いつの間にか増殖していることがある。耳かきの梵天など、自分と似た容姿のものにシンパシーを感じやすいところがある。

ねこねこ

道端でちびあいりんと出会い、ついてきた猫。人間の言葉をしゃべることが可能で、ふだんは四足歩行ながら立ち上がって二足歩行することもできる。プライドが高く、通常の猫とは自ら一線を引いており、腕組みをしながら「ボクくらいになると、~なんかしない」というのが口癖。ただし、なんだかんだ言いながらちびあいりんには手のひらでうまく転がされており、何かと猫らしい姿を見せる。

あざとネコ

ネコのぬいぐるみ。お店で見かけたちびあいりんが、話し掛けられているような気がしてつい買ってしまったが、実は人間の言葉をしゃべることができ、お店でちびあいりんと初めて会った際も、本当に話し掛けていた。あざといキャラがかぶっているあざとクマや、猫キャラがかぶっているねこねこには非常に警戒されている。一方で、そのあざとさとかわいらしさはあざとクマをも上回るレベルで、何かとちびあいりんをキュンとさせている。

書誌情報

ちびあいりんのゆるやかな日常 2巻 KADOKAWA

第1巻

(2017-04-01発行、 978-4048959452)

第2巻

(2018-04-02発行、 978-4048962247)

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