ちるらん 新撰組鎮魂歌

歴史上の人物を数多くモデルにした時代劇漫画。特に土方歳三に焦点を当て新撰組の変遷とその末路を描いている。「月刊コミックゼノン」に連載の作品。原作は梅村真也。

正式名称
ちるらん 新撰組鎮魂歌
ふりがな
ちるらんしんせんぐみちんこんか
漫画
原作
ジャンル
その他歴史・時代
レーベル
ゼノンコミックス(ノース・スターズ・ピクチャーズ)
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あらすじ

第1巻

明治45年の小樽。東京の新聞記者、市川真琴は、杉村義衛こと旧名・永倉新八への取材を試みていたが、新撰組については語ろうとしない永倉に、真琴は自傷してまで真実を求めていることを訴える。その切実な様子に胸を打たれた永倉は、新撰組が誕生する以前の物語からゆっくりと語り始めた。1859(安政6)年、江戸。訪問販売形式の薬屋を営む土方歳三は、道場破りで剣術の腕を磨きつつ、ケガをさせた相手に薬を売りつけるという少々乱暴な商売をしていた。我流で勝ち続けてきた土方だが、ふらりと立ち入った道場、試衛館で為す術もなく近藤勇に倒されたのを機に門下生となる。こうして、ほかの門下生と絆を深めていたある日、同じ門下生である斉藤一田島龍之助の殺人罪で佐々木只三郎に連行されてしまう。

第2巻

田島龍之助自身の遺書によって互いに合意の上での殺し合いだったことが判明し、斉藤一の殺人容疑は晴れた。しかし、人を斬ったという事実は消えず、斉藤は江戸から離れることとなる。それから1年後、土方歳三試衛館の面々は、浪士組として上洛し、その後、芹沢鴨らと共に京に居残った。堅実な金策に奔走する近藤勇たちと反対に、芹沢の一派は近藤たちの軍資金すら散財し、毎日派手な宴を繰り広げていた。そんな様子に業を煮やした沖田総司は、芹沢との一騎打ちに挑む。冷徹なまでに芹沢の命を狙うすさまじい太刀筋を見せる沖田の姿に、近藤はかつて沖田を門下生に迎え入れた時のことを思い出していた。

第3巻

佐々木只三郎の口利きで、近藤勇芹沢鴨率いる元浪士組の面々は、京都守護職を請け負っている会津藩の武士との試合を迎えていた。五戦全勝すれば攘夷志士たちを取り締まる役職を勝ち取れるとあって、土方歳三たちは奮い立つ。先鋒の芹沢、次鋒の沖田総司が難なく会津の猛者たちから勝利を収めていく中、突如として会津藩主である松平容保が姿を見せる。そして容保は会津武士と元浪士組の両陣営に対し、「命を賭けて幕府を守る覚悟があるならこれ以降は真剣で戦え」と命じたため、永倉新八柴司の試合は命のやりとりをかけた壮絶な闘いとなってしまう。

第4巻

無事に会津藩預かりとなった旧浪士組の面々は、のちの新撰組である壬生浪士組を結成する。そこまでの話を永倉新八から聞かされた市川真琴だが、維新政府の流布する悪名高き殺人集団としての新撰組の姿をまったくイメージすることができず、当惑していた。永倉はそんな真琴を翌日、函館の称名寺へと連れて行き、土方歳三の供養碑のほかに、土方が生涯唯一愛した女性が眠っていると話し始める。1863(文久3)年の京では、会津藩主を狙った天誅事件が続発していた。さらにその襲撃は近藤勇芹沢鴨の両名にまで及び、その襲撃タイミングから壬生浪士組の中に攘夷志士への内通者がいるのではないかとの疑惑が持ち上がる。その頃土方は、襲撃してきた攘夷志士の少女、と対峙していた。

第5巻

土方歳三の暗殺に失敗したが攘夷志士たちに処刑されると聞き、土方はすんでのところで琴の救出に成功する。しかし、追っ手の田中新兵衛からの不意打ちを食らい危機に陥るが、そこへ江戸で別れたきりだった斉藤一が姿を現す。無事に田中を撃退することに成功した土方たちだったが、琴の事情聴取後、近藤勇松平容保から、攘夷志士への内通者が阿比留鋭三郎であることを知らされる。慌てて阿比留を探す近藤と山南敬助だったが、阿比留はその頃、長年行方を追っていた兄の仇を聞き出すため、攘夷志士である久坂玄瑞のもとへと急いでいた。

第6巻

芹沢鴨の壬生浪士組筆頭局長就任や、田中新兵衛の屯所襲撃を経て、壬生浪士組の名は京中に轟き始めていた。その一方で、武市半平太の策略によって暗殺者に仕立てられた挙げ句、捨て石にされた岡田以蔵は、人斬りと窃盗を繰り返す逃亡生活を送っていた。以蔵は逃亡生活の中でかつて江戸で出会い、再会を約束した土方歳三のことを思い出しつつも、人間を人形のように斬り捨てるようになってしまった自分には再会する資格もないと涙する。以前は人を斬ることを嫌い、木剣で腕試しを行っていた以蔵が人斬りに変貌してしまった理由は、土方と初めての出会いのあと、土佐に帰ってからの出来事にあった。

第7巻

のちの新撰組となる壬生浪士組も組員が100人を超え、芹沢鴨近藤勇の派閥に分裂していた。島田魁佐々木愛次郎など有望な新人が加入し心強さが増していく中で、藤堂平助永倉新八は危険な雰囲気を漂わせる佐伯又三郎に注意を払っていた。その中で土方歳三は近藤から、組に規律を敷くためにと局中法度書の作成を依頼される。組内での治安が問われ始める中、佐々木が何者かによってなぶり殺された遺体が発見された。永倉はその太刀筋、そして事件後に佐伯が小指を骨折していたことから、佐々木殺しの犯人が佐伯であることを突き止め、断罪に向かう。

第8巻

京から長州藩が追放されることとなった。さらに壬生浪士組はその働きを認められ、朝廷から正式な市中見回りの役目と「新撰組」の名を拝命する。久坂玄瑞と内通していた新見錦はこれを長州藩全体に恩を売る絶好の機会ととらえて、まずは近藤勇松平容保の首級を上げるべく襲撃を企てる。しかし近藤と容保が密会を行うという情報は、山南敬助によってもたらされた偽情報だった。裏切りの粛清と阿比留鋭三郎の仇を討つために新見一党を待ち構える土方歳三たちだったが、金で野党を抱き込んだ新見側は一五〇人、片や土方たちは一五人という多勢に無勢の戦いを強いられることになる。

第9巻

斉藤一は、阿比留鋭三郎の仇討ちを明言して刀を構え、新見錦を圧倒的劣勢に追い込んでいた。死を覚悟する段になって、新見は15年前のことを回想し始める。集落を取りまとめていた武士の高畠へのあこがれや失望、そして殺害した時の興奮。他人を手の平の上で踊らせることに長けていた新見だったが、斉藤へはその手段がいっさい通じず、呆気なく敗北する。しかし新見を粛清して一息つく間もなく、土方歳三たちは芹沢鴨の粛清を視野に入れる段階へと入っていた。その上、芹沢は水戸藩で天狗党を率いていた頃の部下である七鬼衆を京に呼び寄せ、新撰組の隊服を着せたうえで薩摩藩の人間を殺害させていた。

第10巻

芹沢鴨は幼少期から体格、頭脳、武力に恵まれすぎたため、死に方を模索しつつ、それを実行に移す方法を考えることだけを追い求めて生きてきた。そんな芹沢に土方歳三は僅かながらも共感し、互いに死力を尽くした戦いになるだろうと予感していた。その夜、新撰組の面々は分散して七鬼衆に会敵する。下村眉山と相対した斉藤一は血みどろになりつつ辛くも勝利を収めたが、出血量が多く、身動きが取れなくなってしまう。続いて不動院全空と遭遇したのは原田佐之助だったが、二人はかつて親子のように暮らしたこともあるほど仲がよく、槍術の師弟関係にあった。

第11巻

薬物投与によって肉体改造を施し続けている粟田幻斎永倉新八の戦いと同時に、原田佐之助に劣情を催したことが原因で原田と決別した不動院全空の戦いが終結する。一方その頃、山南敬助井上源三郎は元フランス陸軍少尉の射手、シェル・ドワーフの正確無比な弓に足止めされていた。劣勢になれば敵前逃亡をも辞さない諸国の騎士に嫌悪感を抱くシェルは、真の騎士道を求めて日本に渡ってきたのだ。また、藤堂平助島田魁榊一児榊二児の兄弟に会敵。しかしその戦いの最中、榊兄弟に同志を殺害されたと恨み、命を狙う薩摩藩士、中村半次郎が現れる。

第12巻

中村半次郎榊一児榊二児の戦いは、圧倒的な力量差で中村の勝利となる。しかしその中村の剣圧、そして狂人じみた眼差しに、三人の戦いを傍観しているほかなかった藤堂平助は絶望感を覚え、己の無力感に心を折られてしまう。その頃、土方歳三平山五郎と切り結んでいた。平山のことを芹沢鴨の腰巾着で実力は低いと考えていた土方だが、平山は対峙した相手の脳から送られる電気信号を可視化できる雷気の使い手だった。土方の動きをすべて予知し、攻撃を仕掛ける前に防いでしまう平山に苦戦を強いられる土方は、やがて意識が朦朧としたまま刀を振るうことになる。

第13巻

沖田総司芹沢鴨のいる遊郭まで辿り着いたものの、その凄まじい剣圧に気圧され、恐怖を感じていた。だがそれが逆に、かつて芹沢に敗北した時に味わった近藤勇への申し訳なさ、そして再び芹沢に敗北しようとしている自分自身への怒りとなり、沖田は自らの中に眠らせていた理性のない殺意だけの覚醒状態、鬼子となってしまう。しかし、沖田の身を案じて駆けつけた近藤のおかげで正気に戻り、理性ある状態で芹沢に勝利を収める。その一方で、土方歳三は死の直前に芹沢が放った「自分の散るべき場所」という言葉に囚われ、死に場所について考えるようになる。芹沢の死から半年、新たに新撰組が再編成され隊士の士気が上がる中、再び長州が京での復権を目指し動き始める。

第14巻

土方歳三高杉晋作に遭遇したその頃、長州藩邸では久坂玄瑞来島又兵衛桂小五郎が京を焼き討ち、一気に帝を長州へと連れ去る計画を立てていた。その翌日、新撰組の屯所に高杉晋作、入江九一吉田稔麿が訪れる。三人が幕府転覆を企む攘夷志士であると知りつつも客人としてもてなした近藤勇に対し、高杉は傘下に下り攘夷を支持しろと持ちかける。その申し出をきっぱりと断った近藤は、高杉に宣戦布告を突きつけた。そのやりとりからおよそ3か月後、諸藩の攘夷志士たちが京に集結し、焼き討ち計画のため会合を開くという情報が入る。

第15巻

近藤勇沖田総司らに池田屋を強襲されながらも桂小五郎を逃がした吉田稔麿は、一人でも多くの攘夷志士を逃がす時間を稼ぐため、自ら池田屋へと駆け戻っていた。その最中、四国屋から駆けつけた土方歳三たちと接敵し、一対一の死闘を繰り広げた結果、吉田は自らの命と引き換えに複数の攘夷志士を逃走させることに成功する。新撰組は京を火の海にすることなく事態を終えるが、その1か月後、久坂玄瑞来島又兵衛らを率いて御所に向かって進軍を開始する。帝を長州に連れ去る作戦を未だあきらめていない久坂だったが、ここで立ちはだかったのは西国最強と謳われる、西郷吉之助が率いる薩摩藩軍だった。

第16巻

禁門の変で久坂玄瑞が死亡してから、京にはつかの間の平穏が訪れていた。しかし岩倉具視の命を受けた大久保一蔵によって、山南敬助、ひいては新撰組全体を攘夷派に引き込もうとする計画が進んでいた。さらにその頃に連日、夜間見回り中の新撰組隊士が惨殺される事件が発生していた。討伐隊が組織され、藤堂平助島田魁が事件の犯人である河上彦斎と会敵し危機に陥る中、颯爽と斉藤一が姿を現す。一方その頃、山南は土方歳三を連れて西本願寺を訪れていた。

第17巻

大久保一蔵山南敬助の策略によって攘夷志士五〇人あまりを相手に奮闘していた土方歳三だったが、近藤勇の指示を受けて援護に駆けつけた原田佐之助永倉新八にあとを任せ、自らはその場を離脱する。そして山南に追いついた土方は、山南に逃げるつもりがなかったことを悟り、上洛した頃のことを思い出していた。みんなといっしょにいられればそれでいいと語っていた山南が裏切った理由は、新撰組の将来を思ってのことのはずだと問い詰める土方に、山南は肯定する言葉を返す。だからこそこの場で土方に切られるのは必然なのだと語る山南に、土方は刀を抜き、望まない殺し合いが始まった。

第18巻

山南敬助の粛清後、新撰組は組織としてより強固な存在となっていった。しかし山南の後継者として参謀となった伊東甲子太郎は、岩倉具視西郷吉之助らと通じ、将来自分がよりよい立場につけるようにと画策する卑劣な男だった。一方で高杉晋作、坂本竜馬率いる長州軍は幕府軍と開戦。労咳(ろうがい)に侵されつつも型破りな戦法で自陣を鼓舞し、勝ち星を挙げていく高杉の噂を聞いた土方歳三は、今すぐにでも高杉と正面から戦いたい欲求を抱きつつ、これは新撰組を破滅に導く身勝手な振る舞いだと自戒していた。そんな土方に、高杉と同じく労咳を患う沖田総司が木剣による打ち合いを提案する。

第19巻

長州と幕府の戦争が長州の勝利に終わると、時代の流れが大きく動き始める。新撰組ですら近代戦争を見据えて小銃、大砲の訓練を開始する中、伊東甲子太郎は長崎を訪れ、武器弾薬のほか阿片をバラ撒く死の商人、トーマス・ブレーク・グラバーのもとを訪れていた。伊東の策略によって阿片中毒者となった藤堂平助は、やがて帝直属の軍「御陵衛士」を命じられた伊東と共に新撰組を脱退。さらにグラバーや薩長の思惑と違い、あくまで戦争回避の道を進めようとした坂本竜馬が暗殺され、日本は本格的な内乱の時代へと突入していく。

第20巻

土方歳三たちは阿片漬けにされた藤堂平助救出のため、伊東甲子太郎率いる御陵衛士との全面戦争を構えることとなった。五〇人ほどの攘夷志士に囲まれつつも余裕を見せる土方たちだったが、その場に中村半次郎河上彦斎が召集されていたことで形勢は一気に不利に傾く。そのスキをついて逃走した伊東だったが、しかしそこには病身を押して駆けつけた沖田総司の姿があった。伊東を殺害した沖田だが、藤堂にはどうか生きて欲しいと告げ、その場を見逃す。しかしその直後、御陵衛士の残党が沖田を追撃すると知った藤堂は、返り討ち覚悟で刀を握ることを決める。

第21巻

260年続いた徳川幕府が崩壊し、薩長が政治の実権を握ることとなった。しかしそれと同時に、徳川家の所領400万石の返還が求められたことで、幕臣側が激怒し、薩長と旧幕府の戦争が勃発しようとしていた。それを見越し、国家そのものの弱体化を憂いた徳川慶喜は戦争回避のため、あえて敵前逃亡を決断する。しかし薩長による暗躍が止まることはなく、近藤勇が銃撃を受け、労咳が悪化した沖田総司と共に戦線を離脱。これによって土方歳三が名実共に新撰組を指揮することとなる。さらには鳥羽伏見の戦いが勃発した直後、旧幕府軍が不利に追い込まれる事態となる。

第22巻

伏見からの撤退を強いられた旧幕府軍は、官軍に対し奇襲戦に持ち込む作戦を立てる。突撃部隊として名乗りを上げた新撰組佐々木只三郎率いる京都見廻組、さらに佐川官兵衛率いる会津藩別撰組の活躍により旧幕府軍の優勢で、淀・富ノ森の戦いは始まった。だが背後を守っていたはずの淀藩が離反したことで挟撃される形となり、一気に形勢を逆転されてしまう。一刻も早い撤退をしなければ全滅を免れない場面で、味方を逃がすための食い止め役として土方歳三が殿(しんがり)を務めると申し出る。しかしそんな土方を気絶させ、その任を務めたのは井上源三郎だった。

第23巻

大坂から江戸へと帰還する開陽丸、順動丸、富士山丸から成る艦隊に、トーマス・ブレーク・グラバーが用意した暗殺者集団、亡霊の騎士団が潜入した。土方歳三、徳川慶喜らに懸けられた高額な懸賞金を求めてそれぞれが暗躍する中、新撰組の面々はあらかじめ入手していた暗殺計画をもとに、暗殺者たちを待ち構えていた。開陽丸船上では佐川官兵衛とナーナー・サーヒブ、斉藤一とドゥヌ、さらに富士山丸船上では島田魁および山崎烝とリチャード3世、原田佐之助とジョセフ・B・ボニー、永倉新八とレオン・リーが戦闘を開始していた。一方で順動丸船上で井上源三郎の死を悼んでいた土方もまた、ジャック・スミスと対峙する。

第24巻

リチャード3世と戦う中で、鳥羽伏見の戦いでの撤退戦において重傷を負っていた山崎烝の傷が開いてしまう。その中でリチャード3世はさらに、猛毒となっている自身の血液を振りまくことで山崎を追い詰めていく。なんとかリチャード3世に勝利することができた山崎たちだが、その頃ジョセフ・B・ボニーと戦闘を繰り広げていた原田佐之助も追い込まれていた。さらに順動丸船上では、土方歳三がジャック・スミスに一方的な防戦を強いられていた。虚狼すら通用せず、死を覚悟したその瞬間、富士山丸で轟音と共に爆発が起こる。

第25巻

なんとか江戸に到着した新撰組だったが、それは井上源三郎山崎烝ら多くの隊士を失った傷心の帰郷であった。さらに行方不明とされていた佐々木只三郎の訃報も届き、一同はさらに悲嘆に暮れる。そんな中、徳川討伐のため、官軍東征軍が江戸に向けて進軍を開始していた。江戸が焼け野原になるのではと市井の民が不安に襲われる中、土方歳三近藤勇永倉新八は江戸城で幕府軍の重鎮たちの会議に呼び出され、幕府としての今後の方針は大鳥圭介、榎本武揚が主導することを告げられる。やがて勝海舟の活躍によって江戸城の無血開城が成されると同時に、新撰組の組織としての解散が決定した。

第26巻

徳川幕府が倒れ、新撰組も解散した今、土方歳三たちに頼るべき物は何一つ残っていなかった。しかし残った新撰組隊士を無事に会津藩へ送り届けるため、土方や近藤たちは新政府軍の注意を引き付けながら北上していた。そんな中、近藤は土方たちを逃がすためにあえて新政府軍に投降し、罪人として斬首される。さらにその訃報を聞いた沖田総司までもが、労咳の悪化によって衰弱死していた。かつての仲間を次々と失う中、土方は死に場所を探すことを断念し、一人でも多くの隊士を生かすことを決意する。

第27巻

大鳥圭介を総督、土方歳三を参謀とした、伝習隊を母体とした軍が正式に発足した。新日本国建国を目指す中で、大鳥は会津以北の諸国を引き入れるために宇都宮城の奪取を図る。兵力差で城郭攻めに足踏みする幹部たちに反し、奇襲を含めた策略を掲げた土方は、味方の損失を避けつつ敵兵を恐怖させることで宇都宮城での勝利を収める。土方が[◇新撰組]の副長としてではなく、新たな国家建国を目指す軍の名将に成長する中で、井上源三郎の仇である大山弥助が再度宇都宮城を新政府軍の手中に収めるべく、包囲を開始する。

スピンオフ

この作品から派生したスピンオフ作品に『月刊コミックゼノン』2016年7月号に連載された『ちるらん にぶんの壱』がある。キャラクターが2頭身でコメディタッチに描かれているのが特徴。2017年1月から3月までテレビアニメも放送されている。

メディアミックス

舞台

2017年4月7日から4月10日まで大阪の森ノ宮ピロティホール、4月20日から4月30日までは東京の天王洲銀河劇場にて本作と同名タイトルの舞台が公演された。演出は岡村俊一、脚本は久米伸明が担当している。また、キャストは土方歳三役を花村想太、沖田総司役を岩岡徹、斎藤一役を早乙女友貴がそれぞれ演じている。

登場人物・キャラクター

土方 歳三 (ひじかた としぞう)

新撰組の副長を務める男性で「鬼の副長」の異名を持つ。農家の四男に生まれ、「石田散薬」という薬を行商する傍ら道場破りを繰り返し武者修行をしていた。そのため、剣の師はおらず我流。それでも近藤勇に敗れるまでは道場破りとして無類の強さを誇り、「薬売りの道場破り」として名が売れていた。相手が強ければ強いほど気分が高揚する性質で、格上を相手にすると戦闘中に潜在能力が引き出されて成長し、思わぬ武功をあげることもある。 死をまったく恐れず相打ち覚悟の技を多用するなど危険な面を持つ一方で、非常に仲間思い。たとえ敵でも信念を持つ武士であれば敬う心を持っている。実在の人物、土方歳三がモデル。

近藤 勇 (こんどう いさみ)

試衛館の道場主の男性。「剛剣無双」の異名を持つ剛力で、新鮮組では局長を務める。丸太の木剣を軽々と扱い、それを槍の突きよりも速く繰り出すなど実力は確か。これまでに試衛館に訪れた道場破りを何人も返り討ちにしており、その腕を慕って付き従うことを決めた者も多い。人一倍熱い心を持つ人物で、仲間のためであれば自分の恥や外聞をかなぐり捨てて行動することができる。 欠点はとにかく料理が下手なこと。実在の人物、近藤勇がモデル。

永倉 新八 (ながくら しんぱち)

試衛館に所属している癖の強い人物の中では、最も常識人の男性。新撰組では二番隊組長を務めている。幼少期は戦いにおいて敗北を繰り返しており、剣才のなさを自覚していたものの、努力を重ね、ついに神道無念流免許皆伝に至った努力家。そのため、「基礎」に対しては人一倍うるさい。負けの定義は「自ら負けを認めるか首と胴が離れ散ること」としており、自ら折れることは決してない強い心の持ち主。 また、戦いの中で何度も斬られた経験によって斬られ慣れており、相手の剣に対してもまったく退くことはなく、その目で太刀筋を見極めて白羽取りすることを得意としている。さらに強靭な握力の持ち主で、相手の剣を握っている手を取って骨を折る「指抜き」をはじめとした、剣の才能を補う体術に秀で、戦闘能力自体は非常に高い。 晩年は「杉村義衛」と名乗るが、体力と握力は老いてなお衰えない。実在の人物、永倉新八がモデル。

沖田 総司 (おきた そうじ)

試衛館に所属する男性。新撰組では一番隊組長を務めている。9歳の時に人斬りをした武士を返り討ちにして以降「鬼子」と呼ばれ、自分の姉を含めた周囲の人間からも恐れられていた。しかし、近藤勇から自身の存在を認められたことがきっかけでそのまま試衛館の内弟子となった。そんな背景から、勇に対する忠義と信頼は人一倍強い。 剣技に関して天賦の才を持つ紛れもない天才。3回突いたにも関わらず、あまりの速さで1回の突きに見えるという「神速の三段突き」が得意。鬼子になると覚醒状態となり身体能力が格段に上昇するが、身体への影響が大きいというデメリットがある。実在の人物、沖田総司がモデル。

斉藤 一 (さいとう はじめ)

試衛館に所属する男性。新撰組では三番隊組長を務めている。冷静な狂気を秘めている人物で「冷たく壊れている」と称される生粋のサディスト。戦いにおいては確実に敵に痛みを与え、じわじわと追い詰めていく戦法を得意としているが、その実は相手の動きを見る冷静さに秀でた非常に優秀な武士。使用する武器は刀だが返しがついており、一度刺さると簡単に抜けないようになっている。 実在の人物、斉藤一がモデル。

山南 敬助 (やまなみ けいすけ)

試衛館に所属する男性。新撰組では副長を務めている。誰に対しても敬語でしゃべる物腰の柔らかい人物で、試衛館きっての理論派。物事の核心をつくような発言をすることも多く、軍師として活躍している。反面、心配性な性格で一癖も二癖もある新撰組のメンバーへの悩みは尽きず、常に気苦労が絶えない。使用する武器は刀と飛び道具のクナイ。 幼少期から頭脳明晰で戦闘能力にも長けていたが「下賤の娘の子」ということでその存在は無視され続けていた。実在の人物、山南敬助がモデル。

原田 佐之助 (はらだ さのすけ)

試衛館に所属する男性。新撰組では十番隊組長を務めている。喧嘩相手を半殺しにして松山藩を脱藩した危険人物だが、自身はまったくその自覚がなく、不逞な輩扱いされることを心外に思っている。異名は「死神」で使用武器は大鎌。遠心力をうまく使って超高速で大鎌を操り、大人数を相手にしても互角以上に立ち回ることができる。実は種田流槍術免許皆伝で、槍使いでもある。 大鎌の先端からは槍が飛び出す仕組みになっており相手の意表をつく奥の手として使用する。かなりの味音痴で全員が酷評する近藤勇の作った料理を「美味しい」と言って食べる稀有な人物。実在の人物、原田左之助がモデル。

井上 源三郎 (いのうえ げんざぶろう)

試衛館に所属する男性。試衛館の最年長で大黒柱的な存在。新撰組では六番隊組長を務めている。31歳なのにも関わらずすでに初老の雰囲気を醸し出しており、周囲からは「源さん」「ジジイ」などと呼ばれている。非常に寡黙でほとんど口を開かないが、円月刀を武器に無言の剣圧で六番隊の隊士たちを束ねる実力者。実在の人物、井上源三郎がモデル。

藤堂 平助 (とうどう へいすけ)

北辰一刀流玄武館始まって以来の麒麟児と評される男性で、弱冠15歳で免許皆伝した剣才の持ち主。試衛館では最年少で、新撰組では八番隊組長を務めている。時には相手が格上でも突っかかることのある威勢のいい性格をしており、気合で戦闘を乗り切る怪力が自慢の武闘派。しかし、中村半次郎を見てからはそのあまりの格の違いに恐怖を刷り込まれてしまい、示現流の武士を見るだけで恐怖がフラッシュバックしてしまう。 実在の人物、藤堂平助がモデル。

阿比留 鋭三郎 (あびる えいさぶろう)

試衛館に所属する男性。試衛館のメンバーの中では最も小柄。兄の阿比留清一郎のことが好きだったが、夜盗に襲われたところを清一郎に庇われ、その際に清一郎は死亡している。それ以降、各道場を巡っては兄を殺した敵を探し続けている。メンバーの中でも斉藤一には心を許しており、一と一緒にいる時だけは復讐を忘れることができている。 使用する武器はカッターのような形状の特殊な刀で、柄からの取り外しが可能となっている。実在の人物、阿比留鋭三郎がモデル。

島田 魁 (しまだ かい)

壬生浪士組諸士調役兼監察を務める男性。かなりの怪力で、藤堂平助が両手で上げるような岩のバーベルも片手で軽々と上げてしまう。後輩として平助のことを慕っており、戦闘の際には自分の命を懸けて平助を庇うこともある。実在の人物、島田魁がモデル。

佐々木 愛次郎 (ささき あいじろう)

壬生浪士組新隊士の男性。お茶等を積極的に振る舞うなど気の利く性格。柔術が得意で、永倉新八をして「柔術はまったく可愛げがない」と言わしめるほどの実力を持つ。新八のことは才がないのにもかかわらず努力でのし上がった人物として尊敬している。実は彼女がおり、八百屋の娘と付き合っている。実在の人物、佐々木愛次郎がモデル。

芹沢 鴨 (せりざわ かも)

新撰組の局長を務める男性。ただの女好きで軽い性格をしているように見えるが、いざ戦いの場になるとためらいもなく人を斬ることのできる人物で、強い者と見るや否や戦いたくなるという血気盛んな性質。好きな言葉は「暴力」で、戦いにおいては野性の勘と剣技に囚われない戦法で、泥臭くても勝利を収めようとする貪欲さを持っている。生まれた時からすべてを天から授かった紛れもない天才。 そのため日常がつまらないと感じ、戦いの中に身を投じることで喜びを感じるようになっている。自分の才能ゆえの孤独を拭い去ってくれるような好敵手との出会いを心待ちにしている。実在の人物、芹沢鴨がモデル。

新見 錦 (にいみ にしき)

芹沢鴨の側近を務める男性。もとは阿比留清一郎を殺した夜盗の1人。その性格は狡猾で冷徹。人を騙すことはもちろん、刀に毒を仕込んだりと、自分の目的のためなら何でもする人物。武士としては風上に置けない卑劣漢だが、実際は逆境の中でも冷徹な判断力と凄まじい勝利と生への執着を持っており、山南敬助からは「ある意味、芹沢鴨より危険人物」と評されいる。 自分の手の上で人が踊り時代が意のままに動くことを至極の喜びとし、自分が国を操る者になろうと目論み暗躍している。実在の人物、新見錦がモデル。

平山 五郎 (ひらやま ごろう)

芹沢鴨の側近を務める男性。17歳にして神道無念流の免許皆伝を授かるほどの剣才に恵まれていたが、鴨と出会ってどうしても勝てない相手がいることを知り、以降は鴨に従い行動をともにしている。鴨のことは「芹沢先生」と呼び慕っているが、いつか越えるべき存在として虎視眈々とその首を狙っている。性格は鴨と同様に争いごとを好む無類の喧嘩好き。 左目は鴨と戦った時に傷つけられ失明しているが、それ以降、雷気を習得するに至り、現在はそのおかげで相手の動きを予知することができる。実在の人物、平山五郎がモデル。

榊 一児 (さかき いちじ)

七鬼衆の男性。榊二児の兄。語尾に「~じゃん」と付ける特徴的な口調で話す。二児との連携攻撃が得意だが、単体でも身軽な身のこなしと卓越した剣戟で相手を圧倒する。使用武器は二刀流の曲剣。

榊 二児 (さかき にじ)

七鬼衆の男性。大柄な体型で、島田魁と比べても遜色のないほどの怪力の持ち主。兄の榊一児のことが大好きで、幼少期には一児のことを守るために自分たちを虐待していた母親を殺害している。使用武器は巨大なハンマー。

不動院 全空 (ふどういん ぜんくう)

七鬼衆の男性。原田左之助の槍の師であり、当時からその腕はかなりのものだった。佐之助のことはとても大切に思っており、佐之助を人質に取られた時は自らの腕を切り落とし、結果的に佐之助のことも救っている。隻腕となってからも鍛錬を怠らず、その実力はさらなる高みへと上り詰めている。現在は十文字槍を軽々と扱い、まるで千手観音の如き猛攻を繰り出すことが可能となっている。

粟田 幻斎 (あわた げんさい)

七鬼衆の男性。医学に精通しており、自身も戦闘の際には薬を用いてドーピングをしている。小柄で見た目は少年のようだが、薬の力で若く見えるだけで実年齢は40代から50代。薬で得たパワーに加え、速さも兼ね備えている。最も得意としているのは自らの拳を使っての撲殺。

下村 眉山 (しもむら むざん)

七鬼衆の男性。居合の達人である師父の死後、したたり落ちる水滴を師とし、その腕の向上に努めている。5年10年と山中の洞でただひたすら水滴を斬り続け自らの居合を磨いた結果、ついには一粒の水滴が地面に落ちるまでに三度の切断に成功。これが自身が最も得意とする奥義「雨滴三斬」となった。

シェル=ドワーフ

七鬼衆の男性。元フランス陸軍少尉で当時は200人もの敵をたった1人で討ち取った、「ケルベロス」の異名を持つ凄腕のアーチャー。使用武器は弓矢で正確無比かつ速射ができる。一対一はもちろん一対多の戦いすらこなし、多人数との戦いでは速射に加え水平多段撃ちで一射で多くの敵を討ち取る。

佐伯 又三郎 (さえき またさぶろう)

壬生浪士組副長助勤を務める男性。飄々としてつかみどころのない性格だが、剣才には恵まれており常に血の匂い漂わせる危険な人物。特に弱いものいじめが好きで、圧勝して人を殺すことを好んでいる。使用する武器は柄の所に円形の指通しがついている二刀流の刀。実在の人物、佐伯又三郎がモデル。

山崎 烝 (やまざき すすむ)

壬生浪士組監察を務める男性。情報収集が得意で新見錦と繋がりがある。何よりも金が大事で錦からも金で雇われているが、実際は「報酬が多い方」を主人とする報酬至上主義者。一度見聞きしたものは細大漏らさず記憶し再現できる能力がある。好きな場所は狭くて暗いところ。実在の人物、山崎烝がモデル。

伊藤 鉄五郎 (いとう てつごろう)

新撰組一番隊隊士。通称「人喰い鉄五郎」。実際に人を喰うかは謎だが、カブトムシをそのまま食べるなどの奇行に走ることがある。一番隊隊長である沖田総司が新撰組で最強だと思っているが、その主張はしないで心のうちに留めている。実在の人物、伊藤鉄五郎がモデル。

松平 容保 (まつだいら かたもり)

会津藩の藩主を務める男性。見た目もノリも軽いため、土方歳三からは「チャラチャラして弱そうだな」と言われていたが、実際は誰よりも会津藩のことを考えている人物。京都守護職を引き受けた時も、幕府が滅んでも会津藩は最後まで戦い抜くという姿勢を示しており、会津藩に所属している人物からの人望は厚い。実在の人物、松平容保がモデル。

佐川 官兵衛 (さがわ かんべえ)

会津五流・一刀流溝口派師範を務める男性。日本一の武人と言っても過言ではないほどの人物で、通称「鬼の官兵衛」。漢気に溢れる人間を好み、戦闘においての構えも最上段で一瞬で相手を斬り捨てる短期戦法を得意としている。実在の人物、佐川官兵衛がモデル。

望月 安久 (もちづき やすひさ)

会津五流・安光流師範を務める男性。幼くして天才と呼ばれており、安光流始祖の望月安光の血を引く名門に生まれながらもその環境に甘んじず、修練に修練を重ね続けた結果、無上応剣という奥義を習得するに至っている。

黒河内 百次郎 (くろこうち ももじろう)

真天流師範代を務める男性。幼少の頃から人よりも大きな図体をしており、当時は「亀より遅い」と言われて笑われるほどの鈍足だった。しかし、そんな相手を見返すために来る日も来る日も走り続けた結果、その図体からは想像のつかないような速さを手に入れている。

柴 司 (しば つかさ)

神道精武流師範を務める男性。佐々木只三郎と同門で、只三郎をして「当時から剣才は私より遥かに上だった」と言わしめる人物。小太刀を逆手に持ち戦うスタイルで、その流れるように相手の攻撃をかわす様は沖田総司からも「天才的」と絶賛される。実在の人物、柴司がモデル。

高津 仲三郎 (たかつ ちゅうざぶろう)

宝蔵院流槍術師範を務める男性。近藤勇と剣を交えた時には自慢の槍術とその打突のスピードを活かして先制しようと試みたが、その上を行くスピードを持つ勇の丸太の木剣の前に敗れる。「格が違い過ぎる」と自ら敗北を認めた。実在の人物、高津仲三郎がモデル。

岡田 以蔵 (おかだ いぞう)

有名な道場に所属する手練れの剣豪を、次々と木剣で辻斬りしていた男性。江戸最強の漢になることを夢見ていた人物であり、別名「人斬り以蔵」。その性格は少々間が抜けており、不用意に自分の名前を言ったり土方歳三のいい加減な発言を真に受けたりする。木剣で行う辻斬りの理由としては「相手は死なないから強いヤツと何べんも戦える」ためで、当初は人殺しを良しとしていなかった。 しかし、親友である兎吉が殺されたことから感情的になり、敵の吉田東洋を殺害したことで人斬りの素質が本格的に開花。以降、武市半平太の命令通りに人を斬るようになってしまった。実在の人物、岡田以蔵がモデル。

武市 半平太 (たけち はんぺいた)

土佐藩京都留守居役を務める男性。かなりの策士で、久坂玄瑞とともに京都を中心に天誅の嵐を巻き起こしていた。また、岡田以蔵という最高級の戦力を手にしており、「人斬り」としての以蔵に指示を出し人斬りをさせ続けた人物でもある。実在の人物、武市瑞山がモデル。

坂本 龍馬 (さかもと りょうま)

土佐藩浪士の男性。「高杉晋作とともに幕府に本気で喧嘩を売った男」といわれて後世にもその名が轟いている人物。殴るだけで人を吹き飛ばすことのできるかなりの豪傑だが、実際は無駄な殺生は嫌っている。実在の人物、坂本龍馬がモデル。

久坂 玄瑞 (くさか げんずい)

長州藩京都藩邸御用掛を務める男性。革命のためには国をひっくり返すのみとの考えのもと、京都を火の海にしようとするなど狂気の謀略を提案する。しかし、頭の回転は速く敵に回すと厄介な策士。武士ではないため帯刀はしていないが、戦闘の際には爆薬を使用する。実在の人物、久坂玄瑞がモデル。

高杉 晋作 (たかすぎ しんさく)

「GOD」を自称している男性。幕府を自らの手で潰し、新しき面白い世界を見せると土方歳三の前で高らかに宣言する。「人生を楽しむためにすべての楽を否定する」ことが信条で、人生を楽しむために安寧を捨て、茨の道を突き進んでいる。新撰組に対しても、「幕府を潰したら新撰組も滅びる運命にあるから下僕になれ」と勧める。一方で幕府を滅ぼした後の具体的な未来は考えておらず、とにかく幕府を破壊することに尽力する生粋の革命家。 使用武器は拳銃。実在の人物、高杉晋作がモデル。

大村 益次郎 (おおむら ますじろう)

長州藩の軍師を務める男性。もともとはしがない村医者だったが、高杉晋作にその軍事的才能を見出され軍師として起用された。策略を練る時は「自動筆記」と呼ばれる筆記術で細かく状況を割り出して予測し、自軍を勝利へと導く策を提案する天才。実在の人物、大村益次郎がモデル。

桂 小五郎 (かつら こごろう)

長州藩政務座最高位を務める男性。長州藩の中では保守的な考えの持ち主ではあるが、長州藩の繁栄には久坂玄瑞の力が必要不可欠とも考えており、玄瑞の狂気的な策略に乗っている。剣の達人ながら、無駄な戦いは極力避ける通称「逃げの小五郎」。実在の人物、桂小五郎がモデル。

吉田 稔麿 (よしだ としまろ)

長州藩士の男性。宝蔵院流槍術の達人で「千死突」と称される槍の名手。無気力で入江九一とは正反対の性格に見えるが、実際は九一と同等の好戦的な性格。特に高杉晋作に心酔しており、晋作のためならば命を賭す覚悟を持っている。しかし、一方で「死ぬのは恐いし人を殺すのも嫌」とも発言しており、いつかは武力を必要としない世の中が来ればいいと考えている。 実在の人物、吉田稔麿がモデル。

入江 九一 (いりえ くいち)

長州藩士の男性。好戦的なトンファー使いで、幾多の戦場を駆け抜け「万傷虎」の異名を持つ。強い者と見るや否や戦わずにはいられない性質で、戦闘狂ぶりは吉田稔麿からも「変態」と評されている。実在の人物、入江九一がモデル。

来島 又兵衛 (きじま またべえ)

長州藩遊撃隊総督を務める男性。長州藩に対する愛情が人一倍強く、長州藩の名誉のためならば討ち死にも辞さない気骨のある人物。戦闘能力も高く、その握力で人の頭を握り潰すことのできるほどの怪力を持つ。実在の人物、来島又兵衛がモデル。

品川 弥二郎 (しながわ やじろう)

長州藩士の男性。長州藩士の中でも特に久坂玄瑞を慕い、心酔していた人物。一方で感性は常識人で、玄瑞の狂気的な作戦に驚きを隠せないこともある。戦闘の際には鎖鎌を使用する。実在の人物、品川弥二郎がモデル。

田中 新兵衛 (たなか しんべえ)

薩摩藩士の男性。通称「人斬り新兵衛」。怪力と速さを併せ持つ実力者で、特に抜き打ちが得意。相手が油断しているところを急に斬りかかるが、逆にそれを敵にやられると自分のことを棚に上げて「卑怯者」となじるなど、身勝手な一面もある。自分なりの正義を持って人斬りを行っているが、一方で雇われの人斬りが使い捨ての道具に過ぎないことも自覚している。 使用武器は幅広の太刀。実在の人物、田中新兵衛がモデル。

中村 半次郎 (なかむら はんじろう)

薩摩藩士の男性。通称「人斬り半次郎」。示現流史上最強の使い手にして最狂の剣士。通常の倍はある長刀を帯刀している。全身のひねりを利用した回転刀の斬撃を得意としており、それはひとたび振るえば回避は不可能といわれている。その威力は凄まじく、見た者の心を折ることはもちろん生涯癒えぬ恐怖感をその身に刻み付けるほど。実在の人物、中村半次郎がモデル。

西郷 吉之助 (さいごうきちのすけ)

薩摩藩軍の指揮官を務める男性。来島又兵衛の猛烈な突進を前にしても微動だにせず、冷静な判断で戦場を指揮している。敵対者に対しては冷徹な表情を崩さないが、味方には柔和な笑顔を見せる優しい一面もあり、そのギャップを理由に吉之助を慕う者もいる。薩長軍が官軍となり、江戸に進軍が決定した際には、江戸を焼け野原にしても徳川を打ち倒す覚悟を持っていた。実在の人物、西郷吉之助(西郷隆盛)がモデル。

大久保 一蔵 (おおくぼ いちぞう)

薩摩藩御側役を務める男性。軍師として有能で、岩倉具視からもその実力を買われている。実質的に薩摩藩のかじ取りを担っているかなりの切れ者。新撰組の山南敬助のことを評価しており、自分の同士とすべく接触している。実在の人物、大久保利通がモデル。

勝 海舟 (かつ かいしゅう)

講武所砲術の師範を務める男性。御家人上がりだが、その胆力はかなりのもので、佐々木只三郎すらも退かせる剛の者。斉藤一が田島龍之助を斬り殺したという嫌疑をかけられた騒動では、龍之介の遺書を見せ、一にかかっていた嫌疑を晴らした。実在の人物、勝海舟がモデル。

佐々木 只三郎 (ささき たださぶろう)

講武所剣術教授方を務める男性。神道精武流免許皆伝で「小太刀日本一」と称される達人。武器は小太刀を使用するが、刃を交えた者はその間合いに飛び込む余裕がないことから、まるで小太刀が長刀のように感じられるという。普段はオカマ口調でしゃべる人物で、イケメン好き。実在の人物、佐々木只三郎がモデル。

権太 (ごんた)

旗本生まれの男性。斎藤一をいたぶってる時には「こんな男前を堂々といじめられるなんて」と言いながら興奮を覚えていた変態。佐々木只三郎の部下でもあり、只三郎のことは「おねえたま」と呼び慕っている。

(こと)

会津藩士を次々と襲う会津藩士襲撃事件の実行犯の女性。青い目をした外国人で、幼少期から迫害を受けていた。そのため、人斬りとして生きることでしか自分の居場所を見出せていない。戦闘ではレイピアを使いこなし、その独特の軌道と軽い身のこなしで次々と会津藩士を斬り捨てていた。会津藩士と同様に土方歳三の命も狙ったが、その際に歳三の実力を見誤り敗北。 これを理由に用済みとされ、雇われ主である久坂玄瑞とその手下に命を狙われることとなる。

岩倉 具視 (いわくら ともみ)

徳川家への深い敵意を持つ公卿の男性で、「禁中の怪物」の異名を取る。趣味は筋肉強化と刺客狩りで、特にその鍛えられた肉体は刀を受け止め折ってしまうほどに強靭なものとなっている。強みは防御力だけでなく、その腕で大木をへし折ってしまうほど、攻撃力も凄まじい。実在の人物、岩倉具視がモデル。

河上 彦斎 (かわかみ げんさい)

幕末四大人斬りに数えられる少年で、通称「人斬り彦斎」。剣の師がいないため決まった型を持たず、我流での戦闘術に長けている。その本能のみで相手を追い詰める戦闘スタイルは剣だけに留まらず、落ちている石すらも使用するまさに予測不能の暗殺術。二重人格で、時々「彦治郎」という心優しい少年の人格が出てくることがある。実在の人物、河上彦斎がモデル。

市川 真琴 (いちかわ まこと)

東京毎日新聞の女性記者で、土方歳三の孫。歳三のことや新撰組の真実を知るために、「杉村義衛」を名乗り余生を過ごしていた永倉新八のもとを訪ねる。目は歳三によく似ており、新八もそれを認めている。酒には弱く、これまで男性経験はない。

柏井 俊介 (かしわい しゅんすけ)

名門道場士学館に所属する、居合の達人と名高い男性。岡田以蔵が起こす辻斬り事件に出くわすことを待ちわびていた好戦的な性格の持ち主。だが、実際に以蔵と戦った時にはその居合がまったく通じず、以蔵の木剣の前に沈んだ。

田島 龍之助 (たじま りゅうのすけ)

旗本である田島大和守の長男。労咳を患っており永くはないことを悟っていたが、武士として生まれたのに何もなせずに死んでしまうことを悔やんでいた。その結果、一刀流の道場で出会った自分の目標である斎藤一に最期に真剣勝負を挑んでほしいと懇願し、その勝負を受けた一の刃に切り裂かれ死亡した。

辰吉 (たつきち)

上洛する将軍である家茂の警護を志願した男性。自称「鎌鼬の辰吉」。情報に疎い土方歳三に腕利きの人物を紹介するなどかなりの情報通。背がかなり低いため自分でもそのことを気にしている。

佐久間 (さくま)

上洛する将軍・家茂の警護を志願した男性。「最低最悪の攘夷集団」である異報隊の頭を務めており、性格は好戦的且つ残忍。非常に危険な人物だが、芹沢鴨に因縁をつけた結果返り討ちにされてしまい腕を切り落とされてしまった。使用武器は槍。

兎吉 (ときち)

岡田以蔵が自分の地元で弟のようにかわいがっていた足軽の少年。兎吉本人も以蔵のことを兄のように慕っており、よく一緒に遊んでいた。しかし、最終的には惨たらしい遺体となって発見された。吉田東洋の指示により、父親とともに殺されたとされている。兎吉の死が、以蔵が人斬りとして覚醒する一因となった。

吉田 東洋 (よしだ とうよう)

一刀流・大石神影流の達人の男性。その剣気は、常人の暗殺者であれば複数人束にかかっても敵わないと戦意を喪失させるほどのもの。兎吉を殺した主要人物の1人とされており、敵を取るべく動いた岡田以蔵に成す術もなく斬り捨てられた。以蔵が初めて人斬りとして殺害した人物。実在の人物、吉田東洋がモデル。

ムシクイ

新見錦の夜盗時代からの知り合いで、錦の側近を務める男性。錦と同様に狡猾な性格で、目的の達成のためならば、大人数の仲間を使って相手をいたぶることも厭わない。剣の腕も夜盗仲間の中では立つ方。

高畠 (たかはた)

幼少期の新見錦にとって、憧れの対象だった武士の男性。しかし、夜盗に町人の女子どもを人質にされ、頼りの男手や仲間たちもすべて殺されて追い込まれた結果、夜盗に自分の命だけは助けるように命乞いをした。これにより夜盗の凶刃からは逃れられたが、錦の失望を買いそのまま幼い錦の手によって殺された。

阿比留 清一郎 (あびる せいいちろう)

阿比留鋭三郎の12歳年上の兄。北辰一刀流目録で周囲からもその実力を認められる凄腕。鋭三郎の目標であり、憧れの対象。鋭三郎と夜道を歩いていた際に5人の夜盗に襲われ、鋭三郎を守るために命を落とした。

集団・組織

新撰組 (しんせんぐみ)

壬生浪士組が名前を改めたもの。朝廷から市中見回りの役目を正式に仰せつかっている。世間では「維新を遅らせた時代錯誤の馬鹿たち」「冷酷無比な人斬り集団」という評価となっている。

異報隊 (いほうたい)

上洛する将軍・家茂の警護を志願した「最低最悪の攘夷集団」。攘夷とは名ばかりで、実際は金のためなら強盗も殺しもやるという極悪非道な人間の集まり。しかし、それでも腕は滅法立つという評判がある。

会津藩 (あいづはん)

卓越した戦闘力と幕府への忠誠心を見込まれ、最重要拠点・京都の守護職となった名門中の名門藩で、最強の藩の1つといわれている。所属する者は総勢1000人を超え、命がけで京都の治安を守っている。

七鬼衆 (ななきしゅう)

芹沢鴨が呼び寄せた、水戸にいた頃につるんでいた連中。メンバーは7人からなり、彼らだけで500人の夜盗を全滅させたという噂もある。一般的には「水戸じゃ武勇伝も多いバケモンの集まり」という評価がなされている。

場所

試衛館 (しえいかん)

近藤勇が道場主を務める剣術道場。当初は世間から弱小道場とされていたが、所属しているのは勇をはじめのちの新撰組を担う錚々たる顔ぶれで、その実力は一般的な評価よりも遥かに高い。土方歳三が道場破りに唯一失敗した道場でもある。のちに江戸を中心に悪名が轟くようになり「悪党集団」の名をほしいままにする存在となった。

その他キーワード

無上応剣 (むじょうおうけん)

望月安久が、血のにじむような修練を繰り返した末に会得した安光流奥義。相手を待ち構え、守から攻へと瞬時に転換する無敵の返し技とされている。不用意に攻撃すると死に直結するという、攻略の難しい奥義。

秘剣毒蠍 (ひけんどくさそり)

新見錦が使用する技。頭に「秘剣」と付くが、自身はそれを「ただの不意打ち」としている。そのため、頭に血がのぼった相手にかなり有効。刀にはトリカブトの毒が塗ってあり、斬られた者はたとえ小さな傷でも致命的なダメージを負うことになる。

裏太刀蜻蛉 (うらだちとんぼ)

田中新兵衛が使用する技。初太刀で敵を仕留める最速の居合がかわされた際に、もう1つの太刀で相手の反撃を待たずに斬りつける2撃目の居合。欠点は3撃目には繋がらず、2撃目が避けられたら隙が生じてしまうこと。

雨滴三斬 (うてきみざん)

下村眉山が使用する神速無比の居合。その名の通り、落下する水滴を三度も斬るという脅威のスピードで相手を斬りつける技だが、その真価は速さよりむしろ相手に得物を見せないという独特の構えにある。これにより初動を分かりづらくして、刀の軌道を予測させない効果がある。

雷気 (らいき)

平山五郎の能力。芹沢鴨に傷つけられ左目を失明して以降、人間が筋肉を動かそうとする時に脳から発せられる合図である電気信号を可視化できるようになった、五郎だけが使用できる完全無欠の未来予知。

虚狼 (うつろ)

無念無想の状態から、音も気配もなく肉薄して相手を殺す技。平山五郎は「歩法」の一種と表現している。この技を繰り出す前提として、まずは最低限、名だたる剣豪が修練の末に到達することのできる境地に足を踏み入れる必要があるという。

鬼子 (おにご)

沖田総司が覚醒した状態。心臓から3倍の血液を送り出して全身の筋肉細胞を覚醒させる。その間は目は紅く光り、超人的な瞬発力を行使可能となる。しかし理性は完全に失われ、殺戮本能のみで動く傀儡となってしまう。

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