概要・あらすじ
15世紀、ジャンヌ・ド・アルクはフランスの片田舎ドンレミ村の地主の娘として生まれた。祖国フランスが危機に陥っていることに心を痛めており、イギリス軍からフランスを救うようにとの神の啓示を受け、村を発つ。ジャンヌは、周囲の無理解を克服し、イギリス軍のスパイである「黒の騎士」レナードとの出会いと別れを経て、目的地オルレアン解放への行進を続ける。
白銀のよろいを身につけていることから、やがてジャンヌは、「白の騎士」と呼ばれる。
登場人物・キャラクター
ジャンヌ・ド・アルク (じゃんぬどあるく)
祖国フランスがイギリスに攻め入られていることに心を痛めているドンレミ村の地主の娘。16歳。ある日、大天使ミカエルから祖国を救うのは自分だというお告げを聞き、周囲の無理解を乗り越え、髪を切り騎士となる道を歩み始める。白銀のよろいを身につけていることから「白の騎士」と呼ばれるようになる。 イギリス軍のスパイ「黒の騎士」レナードとの出会いと別れを経て、オルレアンを解放に導く。歴史上の実在の人物、ジャンヌ・ダルクがモデル。
レナード・エドモンテス (れなーどえどもんてす)
フランス国王軍の騎士と称しているが、イギリス軍のスパイ。その正体は、イギリス王家の血をひく名門ステンプルドン家の長男ウィリアム・ジョージ・ステンプルドン。シャルル王太子の側近の騎士。黒いよろいを身につけていることから「黒の騎士」と呼ばれる。イギリスにとって最大の敵となりフランスを救う救世主と噂される「白の騎士」を、探し出して殺すことを使命と考えている。 フランス軍で活躍する女騎士ジャンヌを愛するようになるが、彼女が「白の騎士」と知って苦悩する。
白い騎士 (しろいきし)
ジャンヌの別名。「白い騎士に気をつけろ」という地獄の大魔王ルシフェルのお告げを受けた、イギリス軍に恐れられた騎士。「17歳、金色の短い髪、白銀のよろい、われらの行く手をさえぎる」と予言されたことから、誰もが白い騎士は少年だと思っていた。
大天使ミカエル (だいてんしみかえる)
祖国フランスの将来を憂うジャンヌの夢に現れ、「フランスを救うのはおまえだ」と啓示を告げる天使。聖カトリーヌ、聖マルグリートとともにジャンヌを見守る。
ロベール・ド・ボドリクール (ろべーるどぼどりくーる)
ドンレミ村の領主。ヴォークルール城に住んでいる。オルレアンをイギリス軍の手から解放すべく、ジャンヌが最初に会いに行った人物。ジャンヌの国を思う気持ちに心を動かされ、シャルル王太子へ手紙を書き、シノン城までの旅費をジャンヌに持たせる。
イザボー・ド・パビエール (いざぼーどぱびえーる)
フランス国王シャルル6世の后。国王亡き後、魔女の仲間に魅入られ、イギリス側に立つ。王太子シャルル7世と敵対している。歴史上の実在の人物、イザボー・ド・バヴィエールがモデル。
シャルル7世 (しゃるるななせい)
フランス国王シャルル6世の子。シャルル王太子。国王の死後、母がイギリス側についたため敵対し、パリを出てシノン城に逃れる。シノン城にやってきたジャンヌが本物の神の使いかを試すために、レナードと入れ替わるが一目で見破られてしまう。オルレアン解放の出陣祝いとして、ジャンヌに白銀のよろいを贈る。
ラ・トレイユ将軍 (ら・とれいゆしょうぐん)
フランス国王シャルル7世に仕える将軍。レナードと入れ替わった王太子を見破ったジャンヌに一目置く。しかし、軍資金不足を口実に、フランス一の大金持ちだが、近づく者が死ぬというレエ侯爵のもとにジャンヌを送り、神の使いだということを証明させようとする。 後に、ギョームに心を操られ、ジャンヌが率いるオルレアン市民軍をおとりにしようとする。
ジル・ド・レエ侯爵 (じる・ど・れえこうしゃく)
別名青ひげ。フランス王家より財産があり、フランス一の大金持ちと噂されている。恋人だったフランソワーズを始め、わずか3年の間に城にいた200人が死んだことから、人間は信用しておらず、多くのろう人形と暮らす。自分は神に愛されていないと思っているが、ジャンヌの作戦にすさんだ心が溶かされ、オルレアンへ援軍を送る資金をジャンヌに託す。 財宝を積んだ馬車の大行列は4キロに及んだ。歴史上の実在の人物、ジル・ド・レがモデル。
ギョーム・ド・ギルジュ (ぎょーむどぎるじゅ)
ジル・ド・レエ侯爵が住む城の地下で研究を続ける錬金術師。ジル・ド・レエ侯爵に資金を援助させていた。レエ侯爵の周囲の人物を次々に毒殺し、ろう人形に変えていた。ジャンヌとの戦いで深手を負うものの、脱出。実は、フランスとイギリス双方を戦いと混乱に陥れ、世界征服を狙う魔王ルシフェルの仮の姿。 ピエール手製の十字架の剣に射抜かれて死亡。
ピエール・ベルモン (ぴえーるべるもん)
ジャンヌの幼なじみの青年。ドンレミ村でヤギ飼いをしている。ジャンヌに想いを寄せている。ジャンヌの父アルクから、娘をもらってくれといわれて承諾し、家出したジャンヌを追う。道に迷っていたところをレナードに助けられ、フランス軍の騎士となるが、後にレナードがイギリス軍のスパイと知り、ジャンヌに知らせる。
アルク
ジャンヌ・ド・アルクの父親。ドンレミ村の地主。姉二人と違い、年頃になってもイギリス軍との戦いに興味を示すジャンヌのことを心配しており、幼なじみの青年ピエールにジャンヌを託す。ジャンヌに結婚を勧めるが、頑に拒否され戸惑う。
場所
オルレアン (おるれあんじょう)
シャルル7世の臣下デュノア伯爵率いるフランス軍の拠点。イギリス軍に包囲され、周囲との連絡も断たれ、食料も乏しく、降伏か飢え死にを待つばかりと伝えられている。ジャンヌは祖国フランスを救うため、オルレアン解放に向けて歩を進めている。
ドンレミ村 (どんれみむら)
フランスの片田舎にある村。ジャンヌ・ド・アルクの父親アルクが地主を務めている。