マンガに、編集って必要ですか?

マンガに、編集って必要ですか?

キャリア8年目の中堅漫画家、佐木小次郎の担当になったのは、新人編集者の坂本涼だった。出版不況の中、一部から声が上がるようになった編集者不要論をテーマに、崖っぷちの中年漫画家と、キラキラ女子編集者の、おかしくも切ない打ち合わせの時間を描く緊張と緩和の会話劇。「くらげバンチ」2018年10月から掲載の作品。

正式名称
マンガに、編集って必要ですか?
ふりがな
まんがにへんしゅうってひつようですか
作者
ジャンル
作家・漫画家
 
日常
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あらすじ

第1巻

45歳の中堅漫画家、佐木小次郎は、キャリア8年目にしてこれといったヒット作がない状態が続いていた。読み手の減少が著しく、出版不況といわれる昨今、ヒットしない作家を養い続けられるほど、出版社の体力は残っていない。次に一発当てなければ漫画家生命にかかわると、ひっ迫感を感じつつ、小次郎は漫画家としての正念場に立たされていた。そんな中、人事異動で新しく小次郎の担当編集者となったのは、これまでファッション誌を担当していたマンガ編集1年目、24歳の新人、坂本涼だった。そんな涼は、喫茶店での打ち合わせの際、「話はそれるんですけど」と毎回毎回長い雑談を開始する。これは早く打ち合わせを切り上げて仕事に戻りたい小次郎にとって、なにも生まれる事がない不毛な時間であった。そんな中、涼はケーキを食べながら、小次郎にこぶしをすっと差し出し、心理テストをするからこのこぶしに顎を乗せてほしいと言い始める。衆人環視の中、ばかげた事をしたくないと、何とか回避しようとする小次郎だったが、マイペースな彼女にそんな思いが通じるわけもなく、あえなく小次郎は涼のこぶしに顎を乗せる事となる。(第1話「一発当てとかないと、本気でヤバい」。ほか、8エピソード収録)

登場人物・キャラクター

佐木 小次郎

青年誌一筋で執筆を続ける男性漫画家。年齢は45歳。キャリア8年となる中堅だが、最近では出したコミックスはいずれも2、3巻で打ち切りとなり、執筆活動を続けるには苦しい状況が続いている。そんな中、担当となった編集者の坂本涼は、24歳という若さゆえか感覚が合わず、苦手な彼女とのかみ合わない打ち合わせの時間に苦痛を感じている。現在は「月刊ペアレンツ」で40代男性をターゲットとしたマンガ「男の四十路メシ」を連載中だが、これもあと3回での打ち切りが決定している。時間を持て余すと、無意識に笑顔を作ってしまう癖があり、これが相手に誤解を与える事も多い。

坂本 涼

「月刊ペアレンツ」の編集を務める女性。佐木小次郎、沖田総介の担当でもある。年齢は24歳。まだマンガ編集者になったばかりの駆け出しで、以前はファッション誌「Veve」の編集を務めていた。若さゆえの無神経なところがあり、作家との打ち合わせでケーキセットを頼んだり、作家が嫌がっている空気を読む事ができない。そのうえ、作家に提案する内容も、ナイトプールやカフェメシ、スイーツなど、トレンドを中心としたいわゆる「映え」を意識したものばかり。作家との打ち合わせが異様に長く、その最中に居眠りをするなど、常識では考えられない行動も多い。しかし実は勉強熱心で、作家にさまざまな情報を提供しようと、夜な夜な海外ドラマを見たり、雑談を意識的に長くしたりと試行錯誤している。つい目が行ってしまうほどの巨乳の持ち主。

千葉 周治

「月刊ペアレンツ」で編集長を務める男性。年齢は53歳。佐木小次郎の前任の担当編集者だったが、先の人事異動で昇進した。昔気質の編集者で、声が大きく作家にとってはかなり怖い印象を与えるが、一方で豪放磊落で飾り気のない、誠実な性格の人物。長きにわたり担当した小次郎に対しては、その優秀さを評価しているが、人気が出なかった事を残念に感じている。

沖田 総介

佐木小次郎のアシスタントを務める男性。年齢は20歳。サラサラのマッシュルームヘアをしている。アシスタントになったばかりだが、仕事中はつねにイヤホンを着用している。これが周囲とのかかわりを拒絶する意思表示とも見て取れるため、小次郎からは少し苦手意識を持たれている。積極的にコミュニケーションを取ろうとしないため、人に話し掛けられても話がすぐに終了してしまうが、一方で自分が執筆中のマンガの話になるとよくしゃべる。基本的に出版社に持ち込みをせず、WEBでマンガを発表して人気が出た、いわゆる次世代の新人漫画家。WEBでの人気に目をつけた「月刊ペアレンツ」からスカウトされ、編集者は坂本涼が担当している。その際、プロの現場を見せたいという編集部の意向で、小次郎のもとに来る事になった。しかし、編集者と仕事をするようになって以降、その必要性に強い疑問を抱いており、出版社のシステム自体を不要と感じている。

キリノ トシ

人気漫画家の男性。年齢は44歳。作家仲間の佐木小次郎とはアシスタント時代、同じ窯の飯を食べて以来、十数年の付き合い。その後、少年誌でのデビュー作「ジグソウキューブ」がスマッシュヒットし、単行本の売り上げは累計300万部を誇る代表作となった。つねに冷静沈着で、どんなに苦しい状況下においても、「自身の経験になる」と心を揺るがす事はない。一方で、女性に対してだけはまるで免疫がなく、居酒屋の女性店員が酒を持って来ただけで大騒ぎするほど初心な一面を持っている。編集者という存在が弱くなっている事に嘆き、寂しさを感じつつも、今後衰退の一途をたどるだろうと考えている。

佐木 あずみ

佐木小次郎の妻。若い頃はロックバンドでベースを担当しており、非常に尖った性格だった。最近ではずいぶんと角が取れて丸くなったとはいえ、少々攻撃的な性格である事には変わりない。坂本涼とは水と油のようなタイプと思いきや、小次郎の話を聞いた彼女の反応は意外なもので、坂本の長い打ち合わせ、若すぎるキラキラした感性、ダイレクトに打ち切りを伝えた事など、どれに関しても坂本を擁護して支持する姿勢を見せる。料理は嫌いではないが、手先がちょっと不器用なところがある。

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